異形の者が叶える、最期の願いとは――?

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表題作千-長夜の契-

草薙主悦,剣豪の浪人
千載,不思議な力を持つ座頭

同時収録作品第一話

原田辰芳, 虎千代の守役
虎千代, 草ノ国美姫の弟

同時収録作品第二話

包保, 病気を患った一座の楽師, 三味役
金造, 歌舞伎役者

同時収録作品第三話

八咫(やた), 山を守る天狗
白鷺(しらさぎ), 八咫の弟分

その他の収録作品

  • 雪暮夜浮世畦道
  • 製作日誌

あらすじ

願いを叶える代償に、その者の魂を喰う謎の座頭・千載。奇妙な縁で出会った剣豪・草薙とともに人々の命を賭けた願いと向きあっていく…。妖しく強く、BLの枠を超えた壮大な物語が始まる!!
(出版社より)

作品情報

作品名
千-長夜の契-
著者
崗田屋愉一(岡田屋鉄蔵) 
作画
崗田屋愉一(岡田屋鉄蔵) 
媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
花丸コミックス・プレミアム
シリーズ
千-長夜の契-
発売日
ISBN
9784592720409
4.5

(72)

(51)

萌々

(13)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
18
得点
326
評価数
72
平均
4.5 / 5
神率
70.8%

レビュー投稿数18

岡田屋作品の本領を見た!?

すごい!すごい!本当にすごい!!!
まずキャラクターに目を惹かれます。
そして、ストーリーに引き込まれます。
BL枠なのがもったいないほどの惹きこまれ方です。
岡田屋さんて、元は歴史マンガを描いてらしたんですね、だからか~、納得。
とってもしっくりくるんです。
時代モノでありながら、ファンタジー要素を入れることによって、人間の情念や愛やそんな心がよりくっきりと浮き出されて、軽い感動を呼びました。
愛や人を想う心の前には性別は関係ないんだ、こだわらなくていいんだと。
だからこの作品は素晴らしんだと思います。
肉体系が苦手な人でも、この感動は味わってほしいな~と思うのです。

最初は、剣豪といわれ牢人者となっている草薙主悦と、座頭の千載との出会いから始まります。
千載にはその者の願いをかなえるかわりに魂を喰うという、何やら特殊な能力があります。
彼が、そうして各国を旅をして巡っている歳月は一体どのくらいになるのでしょうか?
千載にもその理由がわからず、それを見届ける為に千載と一緒に旅をすることになった草薙なのですが、その草薙もまた、全国に名をとどろかすほどの剣豪でありながら、どうして牢人の身であるのか?
そういった謎もまだありますので、これからの展開が楽しみなのであります。

千載に願いを託す者たちは、誰ひとりとして恨みや怨念やそういった私情ではなく、愛する人の為、自分が果たせなかった相手の幸せを願う為に託すのです。
魂を喰らわれてもいい、輪廻の枠から外れて魂はその記憶をなくし、転生できなくても、今自分と一緒に生きた相手の今の幸せを願い千載に願いを託す。
それぞれの、千載が出会った人々の話は、それだけでも本当は全く千載の関係ない話として成立するほどに、素敵で切なく心を打つ話ばかりです。
本来はそういう彼等が主人公でありながら、千載と草薙を絡ませることによって、よりドラマティックに魅せる役割をし、彼等は案内人としての役割も担っているようにも見えるのです。

どこかボケーっとしているようで、腕の立つ草薙は、千載の魅力にメロメロというわけでもなく、彼に面くらいながらも彼の側にいることが全くの自然なペアのように側にいる、その存在感だけである時はかわいらしく(オヤジに言う言葉か?)、頼もしく、格好いい。
描き下ろしの『雪暮夜浮世畦道』で、本編で見られない彼の魅力を垣間見せている。

千載は、全く不思議の人である。
彼が涙を魅せたり、喜んだりすることはあるのだろうか?
業とも呼ぶべき魂喰らいとして、時に子供のように無邪気に、時に達観した年寄りのように、その存在はとても魅力的なのです。
没キャララフがあとがきにあるが、この坊主でもない短髪とうのが彼の魅力を倍増させていますね。

もちろん、しっかりした線で描かれる体の線が魅力である岡田屋さんの絵も光っていて、色気を感じさせるには充分です。
今後の展開にも注目と共に、大人の男性にも読ませてみたい本だな、とふと思いました。
2巻の展開によっては、これは何かのマンガ賞の候補作になってもいいくらいの作品だとおもいましたよ!(自分の勝手な趣味・妄想)
そのくらい手放しで絶賛です!

8

輪廻・めぐり合わせ

やーww
思わず天狗の話ではボロっと泣いてしまいました(*ノД`*)・゚・。
続きがまだまだ読めるというのはうれしいお知らせ
待ちきれずに雑誌の方に手を出してしまうやも。
私の文章力じゃ、十分に描ききれないので、いろいろ割愛させていただきますが、物語、キャラクター背景。
設定もろもろが骨太に描かれているのでとてもウマ。
キャラクターもツボです。
自分の好みモロだし~だという牢人の~ww
ヒゲのゴツイ感じがワタクシもモロ好みでありまして。
こういうBLが増えてくれればもっといいのにな~と常々思っておったのです。
なので、最後のショート
痛み以外は何も感じることはないという千載への
ぬくもりシーンは思わずキュンとしてしまった。
恋だの愛だのというよりもっと深いところにあるものがこれから先見えてくればもっとうれしいなと思いました。
☆神と交わった~な
輪廻の話。神へささげるための少年と恋に落ちた青年。
急激に近づいた二人の距離。お互いに惹かれて結ばれはしたものの
相手は神への供物。悲劇は運命輪廻を繰り返す。
同じように惹かれあっては無残にも引き離される。この輪廻を繰り返したくはない。相手を苦しめたくはない。だから・・
最後の笑顔がなんだかとっても切ない。思い残すことはないという笑顔がなんとも素敵でした
☆天狗~
これはちょっと長編でしたが、うまいこと作ってあるんだわ。
天狗だと思っていた自分は、実は・・・
そして守るべき相手と思っていた相手は・・
陵辱シーンもろもろあるので苦手な方ご注意
めぐりめぐって~のお話が面白いです。
全体的に、もう一度しっかり読み込みたい作品

6

流れゆく魂と情の行方

BL界の風雲児(と個人的に思ってる)岡田屋先生を
初めて知ったのはこの作品がきっかけでした。
えー、三浦しをんさんの帯が目に留まらなければ
まず手には取らなかったと、ここに白状します。
そして一気読みの後、ぼーっと惚けておりましたね。
むせ返るような沸き出す様な情念にあてられて、
これはエラいもんを読んでしまったと震えました。

永い時を人の魂を喰らうことで生きてきた千載と
ひょんな事から旅の連れ合いになった剣豪の草薙が出会うのは、
千載に魂を喰ってもらってまで叶えたい願いを持つ者達です。
その願いのどれもが私欲でなく愛しい者の為というのに
胸打たれ、勧善懲悪の展開は胸がすく娯楽時代劇で人情物語。

千載と草薙の間に恋情はないけれど確かな「情」が流れています。
長年の連れの様に息の合った立ち回りを見せてくれるのも興の一つ。
そして、願いを持った者達と関わる事で少しずつお互いを知り、
時に体を重ね触れ合ったりする距離がいい感じなのです。
彼らの立ち位置が、願いを持つ者達の終わりと始まりを見届け
そして去り行く存在であるのにも風情を感じます。

人物をとってもストーリをとっても、剛柔相併せ持つ希有な作品です。
世に出していただいた事に感謝。
千載の背負った罪は何なのか、草薙が主君から離れたのは何故か。
終わりを読んでしまうのが勿体ない程きっと虜になりますよ。

6

普通の本屋に一般コミックと同列にヒラ積みされてて

表紙に惹かれて買いました。
がっつり男性同士で時代劇でファンシー。
私(♂)はBLと言う言葉も知らずそういうジャンルがある事じたい無知な状況。
この本を買って読み出したとたん、あわわわわと慌てふためきました…。
これってゲイ本だ…。(冷や汗が)

でも、でも、すっげぇ、すっげぇ、おっもしれー!

圧倒的力強い描写やここぞとばかりに光るセリフの数々、ウルッとくる人情話、引きずり込まれました。
これは凄い本に出合えたぞ!
【岡田屋鉄蔵】を即検索。
岡田屋鉄蔵さんの本、今から集めて読みます。がっちり心をつかまれました。
いろいろな本を読まれる男性にならこの本を薦めても大丈夫ではないかと思いました。

5

時代物お好きなら是非!

杉浦日向子、下村富美以来の、私好みど真ん中です。もし時代物がお好きなら、是非お手にとって下さい。
岡田屋鉄蔵さまの他の御作を読みまして、あまりのマッチョに少々腰がひけたのですが、これはあまり気になりませんでした。
たぶん受け様の千載が、攻め様の草薙主悦よりだいぶ小柄だからだと思います。なんだか妙な艶っぽさがあるのです。

その両者の、恋愛ではない情の交わし合いや、相棒としての阿吽の呼吸みたいなものが、とにかく好ましい。
登場人物、話の構造、絵柄、どれをとっても私の好みで、続編もあるようで、とても楽しみです。

ちなみに『千載』とは、「千年。また、長い年月。」だそうで、なんだか胸を締め付けられる心持ちになりました。

4

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