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表題作嫁ぎつね

元カメラマンのニート 井谷五朗(28歳)
尻尾を増やしたい妖狐 銀之助(齢200歳?)

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  • あとがき

あらすじ

休職中のカメラマン・井谷吾朗は、実家の倉で子犬を拾う。やむなく自宅へと連れ帰るが子犬は翌朝、人の姿で「いい嫁になります」と居座ることに。妖狐の銀之助と名乗ったソレは、どうやら九尾狐になるため勝手に「嫁入り」の儀式をしてしまったらしい。しかも尻尾を増やすためには性交が一番と寝込みまで襲ってくる始末! 銀之助に昼夜振り回されつつもそのまっすぐな信頼は心地よく、いつしか心の傷を癒されている自分に気づく。だがどれほど愛情が籠もった目を向けられても、すべては契約のためだと思い直そうとするが…

(出版社より)

作品情報

作品名
嫁ぎつね
著者
あすか 
イラスト
南月ゆう 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576101668
2.8

(6)

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萌々

(1)

(3)

中立

(2)

趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
15
評価数
6
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

健気な一途にほだされる話

題名からして推測出来る通りのお話でした。
蔵のツボの中から発見された黒い仔犬は実は妖狐で、尻尾を増やす為に契約した相手を幸せにしなくてはならず、その契約を成立させるために嫁になりたいと四苦八苦するお話。
でも、相手の男性は実に不可思議で不遜な人物。
それに怪しげな隣人もいたりして、それに絡んだトラウマもあったりと、ちょっと複雑さも絡めて工夫しているな~とは思いますが、作者さんあとがきで書かれているように、苦労したんだな、と思われます。
そこんとこ加味してギリ萌え評価かな?

ツボの中から発見された妖狐の銀之助は、眠りに入る50年ほど前、色々あったようですが、どうしてツボに入ってそんな何十年も眠っていたのか不明。
終盤で銀之助を可愛がっている兄の金太が出てきたりして、銀之助のピンチを救ったりしているのに、どうして50年前は?みたいな部分、疑問が押し寄せてしまったのです。
それに、銀之助が一途に思う相手・五朗は、ひいおじいさんの吾郎の生まれ変わりなのかな?←違うよね?
五朗の持つトラウマ=友人が婚約者を残して死んでしまう、というものがあるのですが、その婚約者と色々トラブルがあるくせに、どうしてはっきり決着をつけることができずにひきこもりになってしまっているのか?何だか腑に落ちない。

そんな上記の疑問や不満点を除けば、銀之助の一途で健気な姿はとってもかわいらしいです。
ただ、嫁になるって最初からきめつけているので、銀之助が五朗に対しての愛を本当に感じているのかどうかという部分は怪しいと思うのですよね~
五朗はほだされて当然だと思う!だって、銀之助かわいいんだもんv
それに、最初家に来た時にクサイ(洗濯してない)服とか下着とか銀之助に貸すんですが、それ着たんですよね。。。何か、うわ!っておもっちゃいました(>_<)

かわいらしいけどドロっとした人間のいやらしさも同時に進行していて、よかったと思うんだけど、それだけだったかも?
こういうのって難しいんですね。

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可愛い妖狐でした

あすかさんは初読み作家さんです。
文章は特にクセも感じられず読みやすかったです。
タイトルの「狐」につられて読んでみたのですが、ただの人に化けて悪戯する狐ではなく、神的な存在の妖狐のお話でした。
吾朗によって長い眠りから目覚めた銀之助はまだ尻尾が1本しかない修行中の妖狐。
妖狐は長老によって決められた主人に幸せをもたらし、主人が幸せを感じる程度によって修業がなされます。
こういう世界観の設定は面白いと思いました。ファンタジーなんですが、人間の世界とも密着している感じで、銀之助が吾朗以外の人間とも普通に関わっています。
ただ、タイトルで既に分かるように、花嫁モノとしては王道的な展開かなと思います。
受け様は健気で一生懸命攻め様に尽くし、最初は受け様を相手にもしていなかった攻め様がそれに惹かれるという。
でもそこに至るまでに、色々なエピソードが割と複雑に絡み合っています。
あとがきであすかさんが「かなりの難産」だったと仰っているのですが、なんとなくそれが窺えるような気がしました。

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