プラチナ文庫小説大賞 編集長特別賞受賞作!

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表題作堕つればもろとも

朔・剣奴からのし上がりで救国の英雄となった将軍
珠玲・男なのに金髪故に天帝の愛娘と言われる天姫

あらすじ

これは、わたしの犬だ。 神の娘の証である黄金の髪を持つ珠玲は、男でありながら天姫として崇められていた。だが、祖国を救い成り上がった将軍・朔に嫁ぐことになる。すげなくしても一途な犬のように縋る眼差しで服従を誓うくせに、褥では餓えた獣のように珠玲を貪る朔。憎しみを募らせた珠玲は、敵国の間諜に騙され、毒を盛ってしまう。死に瀕してもなお珠玲に執着する朔は、心中を強いてきて……。

あまりに攻めが受けを好きすぎます!
編集部イチオシのデビュー作です、ぜひ攻めの愛を叫ぶ犬っぷりをお確かめ下さい♪
(出版社より)

作品情報

作品名
堕つればもろとも
著者
宮緒葵 
イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829624982
3.7

(92)

(32)

萌々

(25)

(22)

中立

(5)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
20
得点
331
評価数
92
平均
3.7 / 5
神率
34.8%

レビュー投稿数20

すべての犬の始まり、オーソドック(犬)ス攻め


表紙を見て受けが女性っぽいなぁ…と牽制していたのですが、ついに手を伸ばしました。
結果、やっぱり読んで良かったなぁと思いました。

大好きな大好きな宮緒葵先生。
まさかのデビュー作とのことを読んだ後で知りました。

なるほど、犬はここから始まったのか…。
どうりで今回はオーソドックス犬だと思ったわけだ。
そしてこの攻めから靴下犬やらパンツ犬といった特殊犬が派生したのか…と納得。

肝心の内容ですが、受けが小さい頃、邪険にされていた使用人の攻めを助けてあげます。
それから犬のようだと可愛がるのですがたった一年ほどで攻めは忽然と姿を消します。

そして話は数年後…。
再会してからページをめくる手が止まりませんでした。

身長差もかなりあり、一途な攻めが好きな方はハマる!
また、ただの時代劇かと思いきや、ある出来事をきっかけに物語は急展開。

この時の攻めが、も~~ヤンデレ感があって最高でした!!

惜しいな~と思ったのが、受けの見た目のみ。
成人した受けの見た目は女性のようで「天姫」と呼ばれているので地雷一歩前。
私の守備範囲が狭すぎるせいで…っ!と申し訳なさがあります。
ただ、物語や犬度は最高なので気にならない方には是非オススメです!

0

あなたの犬!

大好きな作品で何回目かの読み返しです。ついつい定期的に手にとってしまいます。

前半は珠玲が不憫ですが朔の事をもう少し汲んであげていたらと思ってしまいます。
朔も言葉が足りず獣のように珠玲を犯すので珠玲が追い詰められヤケクソになるのも仕方ないのですが。

そして後半は一転甘々に。ようやくキター!とニヤニヤしながら読んでました。
朔の執着に心をうたれ執着を独占したい珠玲。
誰からも愛されなかった珠玲をここまで愛してくれ求めてくれる唯一の人。いや犬?

あなたの犬、私の光、道連れ、いいですね。
宮緒さんの犬攻めの原点ですね。
しかし犬犬言い過ぎ(笑)
新月の時に姫を裏切って消えたからといっても、姫を自由にするための命懸けの年月を過ごしてようやく長い散歩から帰ってきたのに卑屈ですね。

これがデビュー作とはすごいですね!グイグイお話に引き込まれました。
宮緒さんによって犬攻めに出会いました。ワンコじゃなくて犬!

愛し愛されるっていいなあと思いました。

4

それは邪道だと思う

成り上がり者が、決して手の届かない存在を求めるお話。
手を触れることさえおこがましい尊い存在を、それでも「どうせ嫌われてるのなら……」と攻めが貶めて汚す(無理矢理ヤッちゃう)ところが最大の萌えどころ。
身分差設定が存分に生かされてます。
なので、二人は気持ちの上ですれ違い続けて、逃げようとした受けが攻めを殺してしまうところまではパーフェクトだったと思うのです。
「姫(受け)は自分を殺そうとするくらい、憎悪しているんだ」「自分は死ぬ。置いていかれる」と思った攻めが受けを殺して、自刃するところもすごくよかった。
激しく萌えました。

でもそこで終わらないのが本作のおもしろさなのですが。
……しかし、突然過去に時間が遡るっていうのはちょっと……ズルいかなぁ、と(笑)

元々がそういう不思議が起こる世界観なら(たとえば天帝の愛娘である天姫はピンチの時は不思議を起こせるとかなら)わかるのですが。
むしろ「受けは普通の人間なのに、髪色のせいで勝手に天姫にされて人格を無視される」っていう設定なので、余計違和感が強かったです。
やり直しをしたからこそ見えてきたものがあるし、攻めへの思いを自覚するっていう流れはおもしろいのですが、でもそれをタイムリープなしでやって欲しかった。
それが出来そうなだけに(たとえば、無理心中を図ったわけだけれど何とか二人とも生き延びたとかで)、よりもったいないと思う気持ちが募りました。
唯一、そこだけが不満。

2

書きたいものがはっきりしている

忠犬ハチ公×深窓のご令息のお話

デビュー作だそうで、まさに作家さんの大好きてんこ盛りなんだろうなぁ……というのが伝わってきます。
なんちゃって平安となんちゃって古代神話な世界観。
受が女性として育てられ嫁に行くという、個人的にあまり積極的に読みたいとは思わない類のお話でありながらも、あら不思議。
結構普通に読めてしまいました。

執着攻ってわりと好きなんですが、これは想像の斜め上を行く執着ぶり。
BLに心中ものはいくつかありますが、この攻の自己中な無理心中は凄い。
犬だ犬だといいながら、桃色シーンだけは狼になるとかね。
そんな犬に絆されてしまう受も、根が素直で優しいのが好感が持てます。

時間軸のからくりが不透明な点など含め、ファンタジーとしては少し設定が弱い気がしますが、恋愛にかなりの重点を置いているので気になりません。
そして脇役がとてもいいです。
個人的には脇役の雄心でスピンオフが読みたいです。

3

このシチュエーションが好き

ある意味花嫁ものというか高貴なお姫様が成り上がりの騎士と結婚してというシチュエーションからして好きなのでわくわくしながら読みました。主人公はれっきとした男ですが姫として拝められてきたので一人称も私で誇り高く凛としていました。始めは将軍のことを嫌っています(いたしかたがないと言わずにいられない)が優しさを知り惹かれていきます。ある事件を機に一気にではなくゆっくりと変わっていくのがよかったです。互いを思いやる素敵な夫婦として末永く暮らしていくのだろうと暖かい気持ちになれました。

3

なるほど、特別賞

小説は興味なかったのですが、ふとした興味で「渇仰」を読んでしまい、宮緒作品制覇を決意してしまいましたw
せっかくなので、順を追って読もう!と、これを読みました。なにぶんBL小説は初心者ですので、レビュー甘いと思いますがご容赦ください。

まず設定から、なじみのあるリアルにほんの少し手を加えたSF風味ファンタジーでした。受け様がどこまでもツンでなかなか攻め様に落ちないので、どうするんだろうなぁと思ってたら無理心中でびっくりしました。まだページも残っているのに、これどうなるんだろう???と思ったら、なんと時間さかのぼってやり直しとは。ゲームでよくあるバッドエンドからの分岐までさかのぼってのやり直し!そんな展開ってありなんですね。実は掟破りなんでしょうか?(わからず☆)小説の世界は広いなぁ。こちらでは悲劇バージョンを味わえるようになっていました。
で、その後のハッピーエンドではデレた姫を堪能できて、面白い構成になっていました。

文体は優しく読みやすいけれど、テンポはそこそこ。描写ももう少し突っ込んでほしかったり、単調になってしまったり、とデビュー作だからか渇仰と比べてしまうと見劣りする部分があるのは否めませんが、この構成のような発想が面白かったです。
特別賞、というのが納得できました。

1

下僕です

犬なんだけど下僕です。

宮緒葵先生のデビュー作なんですが、ここまで強烈なデビュー作は見たことがありません。
それくらい衝撃的でした。

お話の内容にはファンタジー要素も盛り込まれていて、主人公の天姫が時空をかけたりかけなかったりします。

そんなファンタジー要素も朔の珠玲に対する執着ぶりや下僕ぶりにはかすんでしまいましたが(笑)

珠玲のことが大好きすぎて、今まで珠玲のためだけに生きてきた朔。
最初は嫌われていましたが、徐々に報われていく姿に思わずよかったねと呟いてしまいました。

4

犬にハマる。

こういう勢いのある作品は大好き!

私はお綺麗にまとまってなくてなくていいから、作者のこれが書きたい!という情熱に溢れた勢いで全てを読まさしてしまうそんな作品が大好きなのだ。
細かいことは気にしない。
ただひたすらにシンプルにこれが好きなんだ!これを読んでくれー!という情熱を受け止めるだけの作業。
それがすごくおもしろい。

宮緒さんの作り出すワンコは徹底的にド犬で気持ちがいい。
周りからはすごい評価が高く本人も自信に満ち溢れているのに、思い人に対してはすごく
自信が無くなり自己評価も低くなってしまうお犬サマ。

お犬サマは、主の足の指も躊躇いも無く美味しそうに嘗め尽くす。
「俺は貴方の犬です」発言を初夜の早々に言い放ってしまう。
さらに「俺は卑しく汚らわしい獣だ」発言。
初夜の後には酷いことをしたと床板に額をくっつけ土下座で謝罪。
受けの珠玲の蹴りも避けることなく甘んじて受けるお犬サマ。

普通のワンコなら主人が自分を殺そうとしていると分かった時点で、それを受け止めて逝くだろうに、このお犬サマときたら主人が自分以外の犬の主になるくらいなら主を殺して自分も死ぬ、という何とも型破りなお犬サマだった。

新月が朔だなんて早々に予想がつくし、亜樹良さんのイラストも珠玲は綺麗なのに、ことお犬サマときたら亜樹良さんの挿絵の魅力満載のガチムチっとしたそのお姿。

今まで見たことも無い、宮緒さんならではのお犬サマにすっかりハマッてしまった。

8

これ程の下僕モノとは!

購入前には想像していませんでした。
表紙が亜樹良のりかずさんで、ドラマCDに森川さんが出演されてて…ということで読んでみたのですが、読む前にある程度の主従モノを予想していたものの、攻め様の下僕ぶりが予想以上に徹底していましたね…あることを除いて(笑)。
普段は忠実で命令を守るのに、一旦興奮のスイッチ入ると止められないとか…ほんとに(うちで飼ってる)犬みたいだ(笑)と思って読んでました。
受け様を好きすぎる攻め様とか、あの時には強引で無理やりでもやっちゃうとか、結構私の萌えツボが入っていたので楽しめました。
ただ、欲を言うと、なぜ珠玲が時間を遡れたのか、珠玲の元を離れていた11年間、朔がどのように過ごしていたのかという説明がもっとあればよかったかなと思います。
かなりサラッと、あるいは簡単に予測できる範囲でしか説明がなかったので、その辺りが惜しい気がします。
少しファンタジーが入っていて、時代背景も完全にフィクションなんですが、建物や装束に関しては、平安時代のものが結構出てくるので、この時代がお好きな方にも面白いのではと思います。

2

バットエンド

バットエンドものゲームなら、何回もバットエンドを繰り返してキャラクターに思い入れがあって、
ようやくようやくハッピーエンドになるんだけど、
突如としてバットエンドゲームみたいなものが発生して、
なんだそりゃと思ってしまって、もうダメだった。
そもそも主人公ヒロインは女でよかっただろうし、BLだからこその部分もない。
主人公ヒーローのがんばった感は数行で片付けられて、うすっぺらい。
シチュエーションも萌えない。
やんでれの名手ときいてたけど、この本はストレート。
残念。

3

うーん、期待はずれ

従順なところは、よかったのですが
ヤンデレな部分があって、まぁ、夢だったのですが
二人で死んで、っていう最後はハッピーエンドなのでよかったのですが

評価されていたわりには、って感じでした

2

犬根性w

実はこの本、ちょっと敬遠していたんです。
見た目が女の子な受けはあまり好きじゃないので……
でもレビューとか見てると気になる…気になる!!って事で、誘惑に負けてしまいました。

やー、こういうゲームをプレイした事あります!
まずいところから時を遡ってやり直して、うまく進めていくRPG。
遡りの理由なんか全然説明が無いんですけど、犬やら姫やら勢いやらに負けてどうでもよくなりましたw

とにかく朔がアツイ。
助けてくれた姫のため、どんなに辛い事でも何年もかけて頑張り通す暑苦しさ。
そして犬!
戦いにおいては賢く強い獣、なのに、夜はアホで我慢のきかない犬に変身。
属性:犬(ワンコ)って言うと、可愛らしいものを想像しちゃうんですが、
朔は全然可愛くないですね…そこがまたいいんですが。

珠玲は後半につれて頑張りやさん度アップ。
前半は、かわいそうな境遇ではあれ、あまり共感出来なかったところが多かったので、
女の子な見た目と相まって「失敗したかも…?」なんて思ったんですが、後半良かったです。
未来を知っていたとは言えあまりに簡単に問題を解決していくから、前半のBADENDはなんだったんだ!と思ったくらいw

とにかく、勢いでぐいぐい読ませられました。
あとはやっぱり朔の犬っぷりを堪能する本だと思います。
そうそう…犬って舐め回すよね…とかつての飼い犬を思い出してしまいましたw

2

釣られてみました

ちるちるさんの宣伝につられて、読んでみました。

男なのに黄金の髪を持って生まれた珠玲は、天帝の娘(天姫)として育てられます。
珠玲は黒と呼ばれて蔑まれていた少年を犬として拾い、新月と名付けます。しかし、新月は一年ほどで何処かに行ってしまいます。
そして、十一年の時が流れて・・・。
珠玲は、国を救った英雄、朔に求められ嫁ぐことになってしまい・・・。

宮緒さんのデビュー作。
はじめは、話が進んでいきバットエンドになり・・・しかしここで珠玲が過去に戻ってしまい、もう一度やり直すお話でした。
ハッピーエンドで終わっているので、安心して読めます。
珠玲の性格が、大丈夫か?と思いながら読んだのですが、やり直しの辺りでしっかりしてきたので、大丈夫でした。
朔が自分で、犬と連発して発言してましたね(笑)

面白かったし上手に出来てたのですが、珠玲が過去に戻った力についてもう少し詳しく説明してほしかったかな。かなり、曖昧だったので。
なにげに、雄心が気になったのでこの人の話が読んでみたいと思いました。

0

素晴らしきかなお犬さま

前から気になってた作家さんだったんですが、設定がいま一つ好みじゃないなあと手に取らずにいたんですが。
ちるちるさんのインタビューを見てやっぱ読みたくなりました。
せっかくだからデビュー作から。。。。とコチラ読んでみました。

イヤー、よかった!
評判通り、素晴らしい犬っぷり!
実はワンコ攻めが苦手なあたしですが、(だから敬遠してたってのがあります)こちらは犬も犬、かんっぺきな下僕でした、ブラボー!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

設定は日本と中国をミックスしちゃったような?歴史詳しくなくてすみません。
時代物って読みにくいの多いんだケド、これはすごく読みやすい文章でした。

自分の醜い色合いを唯一美しいと言ってくれた高貴な人に心酔し。。。。と、キッカケは定番ながら、見どころはソコじゃないのでスルー。
珠玲は最後まで好きになれなかったけど、なかなかほだされないとこはヨカッタですね~。そのぶん朔の犬っぷりが際立って。
主の為にあえて無体を働くんじゃくて、本能に負けて犯しちゃうんですよッ!バカ犬!最高!(褒め言葉)

途中のアレは「ここからどう決着つけてくれるんだろう?!」とドキドキしたぶん、ああ来られて「ハァ?」だったのが残念。
まあゲームのバドエンとハピエン両方楽しめたと思えば。。。うーん、でもソコもやもや。
あと個人的にエチが。。。すごくいいのに、珠玲がどう見ても女の子だから「胎内」って部分がどうしても受け付けず撃沈。
見た目も位置合いも行動もまんま貴族女性だから、BLにするためだけに無理矢理「ホントは男」ってしてるのがBL的には残念でした。

でもそれを差し引いてもスゴク面白いです。これTLだったら神評価です。
とにかくキャラが強烈で、ぐいぐい読まされましたッ!
続けて読みたい作家さんです!

1

獣に限りなく近い犬。

内容については他のお姉様方が書かれている通りなので、感想のみ・・

このお話の特徴は、兎に角、「攻め様が犬である」ということなのですが
「犬」というより「獣」のイメージが強かったです。

ふだんは従順な犬なのですが、夜の交わりについては全く主人の言うことを聞きませんww

受け様がどんなに嫌がっても、毎晩受け様を犯します。
しかもこの攻め様は受け様に殴られようが蹴られようがお構いなしです。
それどころか、ぶたれることすら幸せで、恍惚としてそれを甘んじて受けるのです。

そういうところはまさに犬なのですが・・
ここまでくると、恋愛というより獣の本能?
盲目的に受け様を慕うのが、動物の刷り込みのようでした。

犬は大好物なのですが、この攻め様は獣すぎて
犬は犬でも、人間にとどまっていてほしかったな・・と思ってしまいました。

なので、突き抜けた「犬」をご所望のお姉様方には、とてもおすすめのお話です!

1

ただ一途に思われて

今回は剣奴からのし上がって将軍となった救国の英雄と
金髪故に男ながらも天帝の愛娘と崇められる天姫のお話。

天姫としての流されるままだった受様が
時を繰り返す事で攻様との未来を選ぶまで。

かつて
地上の若者に恋をした天帝の娘は
彼との婚姻により地上に降り立ち
国を起した夫とともに平安をもたらします。

それから数百年
国は衰退して傾斜の一途をたどりますが
天帝の娘は黄金の髪の皇族として生まれ変わり
天帝の加護がある事を示してきました。

その国に黄金の髪をもって生まれたのが
帝の第五子である受様です。

受様は男の子でしたが
天帝の娘の生まれかわりである
天姫として育てられます。

ある日
不浄とされる黒髪の少年奴婢が
叱責されている現場に居合わせた受様は
彼を「犬」として飼う事にします。

尊い身とされた天姫である受様は
崇められても身近に愛情を注ぐ者がおらず
寂しい思いを胸に秘めていました。

犬を得た受様は
孤独から解放され楽しい日々を得ますが
一年ほどでその犬が出奔、

受様は犬の存在を忘れることで
その悲しみを消し去ります。

それから10年、
自国を天帝を畏れない北の国に攻められ帝は
国力の増強として出時を問わず兵を募ります。

受様は天姫として
兵たちへの御言葉を求められますが
その場で吸いつくような視線を受けます。

それは2年程前に解放剣奴となり
諸国を渡り歩いて腕を磨いた男でした。
この男こそ今回の攻様です♪

攻様は代表として祝福を与えられた攻様は
受様の髪に口付けるという暴挙に出た上
戦にて大躍進を遂げた攻様は
恩賞として受様を望み妻とするのです!!

攻様は受様の犬だと言いながら
夜毎受様を組みしくのです。

攻様への憎悪を募らせた受様は
乳母の手引きで逃げる為に
眠薬を攻様に飲ませるのですが、

それを口にした直後攻様は喀血、
毒を盛られた事を理解した攻様は
受様の胸に渾身の一太刀を繰り出します!!

そして受様を傷つけた刃を返して
己の胸につきたてる攻様に
心中という言葉を浮かべた受様には
くず折れる身体を支える事は出来ません。

しかし、
次に受様が目を覚ましたのは
攻様に降嫁してから七日後の朝で?!

どのような理によるものか
死んだはずの受様は未来の記憶をとどめたまま
時を遡ってしまったのです!!

過去に戻った受様は未来を変えられるのか?!

宮緒さんのデビュー作は
プラチナ文庫小説大賞編集長特別賞受賞作♪

黄金の髪を持ったが故に
天帝の姫という高貴ではあるけれども
孤独な役目を与えられた受様と

受様を一途に慕うあまりに
将軍職までのし上る攻様の恋物語です♪

天帝の娘という設定が
最初は単なる役目という感じでしたが

攻様によって命を奪われた時
時を遡ることでその力が発揮されます。

そして時を遡った受様は
今まで自分が当たり前と思っていた物事と
攻様への態度を振りかえります。

そうして見えてきた新たな世界で
攻様と新たな関係を築いていくのですが

端々の展開では
ファンタジー要素に絡めて
結構ムリヤリな展開もありましたが
テンポよく最後まで読めました(笑)

最初にバットエンディングを見ているだけに
最後のハッピーエンドまで
結構ドキドキの連続でしたね!!

攻様との関係の変遷も
Hシーン含めて1回目と2回目の
違いを楽しめるのは面白かったです♪

今回は本作同様寡黙でケダモノなワンコ攻で
成瀬かのさん『若と馬鹿犬』をお薦めします。

3

攻めが犬です。ワンコではなく「犬」です

攻めが犬でした。紛れもなく。
BLによくいる可愛いワンコ攻めじゃなくて、犬畜生の犬です。
主人に絶対の忠誠を誓い、這いつくばって足を舐め、さらにそれを極上の幸せだと考えている猛犬。
この揺るぎない犬っぷりにくすぐられるのは、私の中のドS成分のせいでしょうか。こんな猛犬を手懐けて足蹴にして、そのあと存分に優しくしてやりたいウヒャヒャと妄想してしまった自分が怖い。

濡れ場の迫力は満点です。
攻めは犬でありながら被虐者であり、受けは凌辱を受けながらも女王様である。
濃密でねちこくて、ゾクゾクくるようなシーンだらけでした。

ただ、色々と気になる点もありました。
まず、戦いの部分が描けてない。そんなアホな…と思わざるを得ない。まあBLでその部分にリアリティを求めるのもどうかとは思いますがw
なにより受けですねぇ。「男である必然性」が皆無に思えました。この話なら、受けは女だったほうが萌えたような気がします。
運命を変えるべく立ち上がる後半でキリッとなったからオッと期待したんですが、焼きもちやいて女の子みたいなすね方したところとか、秘密を打ち明けただけでかよわい女の子みたいにフラッと倒れそうになったところとかでいちいちガックリ。またキリッとしてくれたからトホホとまではいかなかったんですが、やっぱ私はもうちょい「男」を見せてくれる受けのほうが好きだなァと思いました。

トータルとしては面白かったです。
テンプレ通りのストーリーかと思いきや、途中からしっかりヒネリをきかせてくれてたので、読み応えがありました。

5

読んでみたらおもろかった

帯『これはわたしの犬だ。』

自分は何でも読む方なんですが、基本は地味系黒髪短髪受スキーなので、長髪受はちと苦手なんですよね。
更に金髪で美形で姫となると更に苦手になって苦手受条件がまとめてでドーンドーン!なんで普通ならスルーしてるんですが、なんか手法がおもろそうだったので読んでみました。

まず攻のワンコっぷりが半端無いーー!犬です、ワンコです、強いんだけどもう最後の方のワンコっぷりはまさに姫の犬!!なんかもう語尾に「~だワン!」とか付いててもおかしくない位の犬っぷり。
ストーリー展開の展開自体が大きく捻ってあってこの手腕がこの作品に関しては成功してます。
ほほう、こういう書き方で来たかーって感じ。
これはちょっとおもろい新人さんが出て来たかもしれません。
文章自体は読みやすいのであらすじで想像してたより取っつきやすく読めました。
宮緒さんの次回作が今から気になります。

5

「堕つればもろとも」確かに!

いやー、熱い。暑い。
ここまで攻めが徹底して犬な話は初めて読みました。
ほんとにほんとに獣方向の犬でした~(足舐め大好きっ子)。受けのこと好きすぎておかしくなってる!
女性っぽい受けはあまり趣味じゃないので、たぶんこの「編集長特別賞受賞」の帯が無ければ手に取らなかった可能性が高い本です。
デビュー作だけあって、ものすごい勢いです。
粗もあるし、ご都合展開もあるのですが、この勢いに全て持ってかれました。
そして「お前を殺しておれも死ぬ!」が実践されたのも初めて読みました(笑)びっくりした。
そこからやり直しのターンになるのも予想外で度肝を抜かれました。
しかもなぜ過去に戻れたのかは深く追求されていない(笑)
いやいや、でもおもしろいんです。
2パターンのラストを読めるお得感があるし。

前半(悲劇ラスト)は、もう主人公の珠玲がかわいそうでかわいそうで。
攻めの朔がモニャモニャだっていうのは読者は分かってるんだけど、なんかもうほんとうに初夜とかレイプされてる感があって痛々しい。もっとやさしくしてあげてよ!と思いました。攻めが絶倫すぎて犯り殺される寸前までいってます。この調子でいったらあの前半ラストも納得・・・。
でも後半(やり直し)からは怒涛の勢いでした。珠玲なんていい子なんだ!そして朔、でかい図体してカワイイなこいつ・・・!と思うまでに。
主に珠玲の努力でサクサク「やり直し」されていくのですが、こんなに素直で純粋でいい子な受け、久々でした。
もうスカーッとしました。あ、そうです。スッキリするんですこのお話。
今日も疲れたな―、とか思ったときに最適だと思います。
あーおもしろかった。

攻めの朔の筋肉描写がすごいので、私の脳内では亜樹良のりかずさんのイラスト以上にムッキムキで展開してました。いい筋肉でした。

9

ゲ、、ゲーム!?

プラチナ文庫小説大賞の編集長特別賞だそうです。
最初、亜樹良さんとわからなかった表紙絵に、あらすじを見れば少々苦手な姫設定、どうせ・・・とおもいつつ放置してあったのですが、これが読み始めたら面白い!!
いやぁ~読んでよかったですよ♪

国の成り立ちの伝説より天姫の生まれ変わりとされる証の金色の髪を持つ珠玲は、超箱入りの為に世俗に疎く周りを見る目を持たず、自分の事だけ考えているそんな人間でおぼこ。
対する後、珠玲を手柄のホウビに降嫁してもらい受け、自らを珠玲の犬と自称し、あくまでも犬・・・但し辛抱たまらなくなり獣に変身もするがww・・・になる将軍・朔。
彼等の出会いとすれ違い、そして起きるある事件により、リセットされて二人が気持ちを通い合わせるまでのお話は、テンプレながら、そのリセットが天帝(神様ね?)の血筋という設定で、不思議現象も納得させてしまう。
また、そのリセットがゲームのやり直しみたいで、ファンタジー設定に現代性を見て、逆に親近感を抱かせるのかも?
その展開のご都合的意外性もさることながら、主人公の性格設定が実に楽しく相乗効果を出していたような気がします。

珠玲が、忌み嫌われている黒髪の男子を拾い、反対する周囲を「これは犬だから」と納得させ”新月”と名付けて彼をかわいがる様。
この新月が、”拾われた御恩は一生忘れません!”を本当に一生貫いている姿が、ワンコではなく「犬」でいいのです。
足を舐めるシーンが、割と出てくるのですが、それが本当に犬をほうふつとさせますねw
また、自ら「犬」というくせに、発情すると手に負えない獣になるのも、おいしいシーン。
嫌がる珠玲が、これまたそそられるんですv

あまり書くとネタばれになって面白くないので、もうこの辺でw
結構、色んなバランスが良く、犬時々獣とツンデレご主人様を堪能できる一冊に仕上がっていたのではないでしょうか。
これは読んでみてよかった、と思える一冊でした。

12

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