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表題作ふたりの悪魔

狼男・クリス  淫魔・有栖川仁
自然食品会社ペットフード事業部長23・森野果純

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

会社員の森野果純は、間違いで契約を交わしてしまい、2人の悪魔と共同生活を送るはめに。元貴族で優しいクリスと、意地悪だけど蠱惑的な仁に求められる。どちらも選ぶことができない果純は…? 
(出版社より)

作品情報

作品名
ふたりの悪魔
著者
犬飼のの 
イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
ISBN
9784592876502
2.7

(18)

(1)

萌々

(2)

(10)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
6
得点
45
評価数
18
平均
2.7 / 5
神率
5.6%

レビュー投稿数6

今どきは悪魔もロハスw

葛西リカコさんの美麗表紙に釣られてフラフラ~♪
実は犬養ののさん初読みで、そんなに期待していなかったんですが、その分読んだら結構面白い!
ポヤヤ~ンとした御坊ちゃま気質の優しい主人公に、
色々現代で生きるには苦労している魔族達、そしてまた彼等が人間臭くて、というか人間であることにこだわってその生き方を捨てられないという部分、
このトライアングルも微妙なモノがあり、帯の通り「どちらかなんて選べない」まさにそんなお話は、結構楽しめました。
読み終わった今、もう続編希望です♪♪

この主人公・果純は母親の経営するロハス企業でペットフード事業部を立ち上げているんですが、全然成績が伸びなくて、専務である兄にも叱咤されてはいるんですが、結構のんびりやさん(汗、)
帰宅途中の公園で、犬の遠吠えを聞いて、犬好きの果純は放っておけなくて、そこで出会ったのが銀色の見事な毛並みの大きな狼。
怖く思うどころか、その毛並みに触りたくて、またいい匂いがして、その美しさに見とれてしまい、営業用で持ち歩いていたペットフードをあげると完食、後ろ髪惹かれる思いで帰宅すると、家までついてきてしまい・・・
そして、その狼と一緒に寝ていると、夜中突然ベランダに現れた黒づくめの男が現れ、その狼を叩き起こすと何と、銀色の髪の美しい男に変わっていて!?
そんな狼男・クリスと彼の相棒であるインキュバス(淫魔)の仁との出会いから始まります。

この彼等、どうして果純にこだわるかという理由がまた面白いデスv
昔と違い色々と環境汚染が進んだ現代は、人間の精をエネルギーとする彼等には、また人間の身体も汚染されていてその精がおいしくないそうでw
そんな中、果純はロハス実践者の母に育てられ、また自分自身もマクロビオティックとかオーガニックにこだわった生活をしている人間なんで、いわゆる身体そのものが天然素材で汚染されておらず、精もおいしいそうで(爆!)
果純の仕事の手伝いでホームセンターで販売の手伝いをする彼等は汚染された人間に囲まれたことで毒気にあてられて具合が悪くなるほどですからww
そんな、現代社会に生きにくい悪魔達なんですが、それでも都市部で生きるということにこだわるにはちゃんと理由があるというのが、また人間臭くて親近感があるんですね。
ただ、人間のエネルギーが欲しいという理由だけではないというのが、工夫されています。

クリスは、美麗な外見から確かにモテて惚れっぽとは思うのですが、狼男として変身してしまうことから恋愛に数々の傷を負い、例え誤って果純と眷属の契約関係を結んでしまったからとはいえ、果純がありのままのクリスを受け入れてくれること(もちろんおいしい精を持つ)で、狼らしくワンコ属性で純粋に果純を愛するのです。
果純も、その外見もありますがクリスの優しさ、淋しさを理解して、犬を愛するように、真っ先に好きになる。

一方、仁はそんな二人を見守って影をひそめているようでいて、実は淫魔らしく果純の夢に現れては彼に淫らな夢を見させてしまうんです。
クリスを愛しているはずなのに、夢ではいつも仁を受け入れて身体を開いてしまう。
そこで果純は悩むのです。

こういったちょっと面白い三角関係もあったのが楽しめる要因ですが、淫魔のくせに仁が元人間であった為に悩みを抱えていて、という部分、それをクリスと居ることで補い合っていたというその友情の部分の関係性も、深く関わっていて、軽いのに、読ませる元になっている構成だと思いました。
悪魔なのに、人間の果純に頼らないと上手く生きていけない彼等っていうのが、いいんですよねv
この関係にもまだ色々問題点もあるみたいなんで、この先どうするのか?是非続きが見たいです!
もちろん3Pガッツリで、獣姦なんかもアリでw(えっ!?そうなると花丸ブラックになる?)
吸血鬼とかもでてくるのかしらww

特筆しておくと、クリスは人間の耳以外にも犬耳が出てくるそうで・・・耳4つかよ~~!?犬耳クリスの絵も見たかったな。

4

人と悪魔とその・・

犬飼さんの新刊でてたのねww
てなわけで、早速読ませていただきました。
今回はなんと3人のトライアングルもの。
しかも何だ?獣人?悪魔?なんともファンタスティックなお話であります。
現代日本が設定っていうのはなんか犬飼さんの作品にしては珍しいかなという印象をもうけましたがおいといて。
お話、
唐突に出会った大きな犬。それはイマ日本にいるはずのない狼だった。
カスミは、なにを隠そう大の犬好き。
犬がとにかく大好きなので、おなかをすかせた犬に、自分がつくっているドッグフードのサンプルを食べさせる。
ところが、その犬なんと実はな普通じゃない!!
人型を模したその犬、そしてそれを追って現れた黒い美青年の正体とは!?

正味ですね、このワンコの設定は好きなんだけど
見た目のギャップには最後まで慣れませんでした。
なんでだろ・・・・攻なのにナヨナヨしすぎてるせいなのかな・・・
ワンコとか嫌いじゃないはずなんだけどな・・
もうひとりの黒い人。この人も設定てきにはすごくツボはついてくるんだけど・・・妙に一歩引いている。せっかくの三角関係なのに
お前たちが納まるんなら俺は・・・な態度なのでどうも中途半端でした。
そのくせ栄養補給かこつけてのプレイはあるので・・ん~・・
どちらにもくっつく割に、3Pが無かったのもちょっと残念ですね。
お互いに隠れてってのもスリルっちゃスリルなんですけど
ドラマてきにはもうひと盛り上がり欲しかったかなというところ有りです。

各個なエロプレイは良かったですww
どうせなら兄ちゃんを加えて4角とかでも面白かったかな~と思ってみたり。
次回作に期待します

4

はたして三人の行く末は?続編希望です。

端的に言いますと面白かったです。ただ『中立』にするか『萌』にするかすご~く悩みました。
文章量も申し分なく、人物たちの過去や現在に至る話などの設定も文句なく面白かったです。しかし、受の果純がイマイチ好きになれなかった。
何故好きになれなかったかというと、あまりにも優柔不断だったから。
しかし、この優柔不断さがこの三角形を築く上ではとても欠かせない物にも思えるし、全否定はできないんです。
だから、イマイチ好きになれなかったと表現せざる追えない。
表紙からもわかるように、このお話は受ひとりの攻ふたりの三角形ものです。でも3Pと表現するにはちと違う。
三角形を形成している三人の関係は本当に微妙なバランスで成り立っていて、クリスと仁の関係、クリスと果純の関係、仁と果純の関係、そして果純を間に挟んだクリスと仁の関係。
どこかが崩れてしまったら関係はまた別の物になってしまう。読めば帯の「どちらんも選べない」という言葉は正に、と思わせられます。

狼男のクリスとインキュバスの仁。
唾液や精液が悪魔である彼らにとっては御馳走で、現代社会の毒素に犯されていないロハス生活を送っている果純の肉体から発せられるそれらは、ふたりに力というか栄養を与えて潤してくれる貴重な食料。
唾液を啜れば顔色も髪もつややかに。しかし、精液を啜ればもっとつややかに全身が輝くとっておきの餌。

この体液云々という部分は物語の中で終始拘られていて、事あるごとに出てきます。
あと、ロハスも。
果純の兄が幼い頃体が弱く、それを改善しようと母が奮闘、そしてそのノウハウを生かしロハスな食品や日用品を開発販売しているのが果純の勤める会社です。
ロハス・ロハス・ロハス・ロハス・・・!ちょっとしつこいと思ってしまった。
しかし、このロハスであるという部分が悪魔であるクリスと仁には大切なことであり、自分たちが人間の中で生活する上でも非常に重要視している事なのです。毒気に中てられない様に、自分たちが少しでも健やかに生きる為には有害物質の少ない物で身を固めなくてはならない現代社会。文明が発達するにつれ、毒素も増えていって彼らには住みにくい社会になりつつある。なので悪魔だけどロハス、というワケ。

悪魔の前に彼らは人間らしく生きたいといつも願っている。悪魔なのになぜ人間?と思うけれど、彼らは完全なる人外ではないんです。
クリスは悪魔と人間のハーフ。仁は人間として生れて行きたものの、その血脈に流れる悪魔の血が仁に現れた先祖返り。魔界にも行けないし、行きたくないし。人間社会に生れて育って今まで生きてきた。
それなりに傷つき、しがらみやトラウマもあるけれど、人間の輪の中に自分を入れておきたいと言う固執。
生れた時から悪魔なら、人間への執着も薄かったのでは?
こういう部分も面白かった。

話が進むにつれ、クリスは糧としてではなく果純に惹かれて行き、果純もまたクリスに惹かれて行きます。
しかし果純はクリスのことを好きと言い、また別の所で仁の事も気になってしまう。このあたりの果純の心の動きがとても曖昧で、優柔不断に感じてしまい好きになれない。
インキュバスであるの専売特許は人を誘惑してなんぼ、淫夢を見せてなんぼ。
表面上、肉体的にはクリスと結ばれ関係は恋人という仲になるけれど、その一方で姿を見せない仁を気にかけ毎夜夢の中で犯される。
現実でクリスに抱かれ、夢の中で仁と交わる。
クリスは甘い恋人で、仁は誘惑者なのです。
この流れは凄く上手いなーと感じました。3人でイタすシーンが無いその代わりに、こうやって交互にふたりの攻と受は交わり心乱されていくのです。
けれど、このふたりの間で揺れ動く果純がまさにどっちつかずで、どちらかを選んでいるようで、選んでいない。
まさに『どちらか一人なんて選べない』です。
淫らな夢を見るのは仁の持つ力のせいにしても、惹かれて行く心は果純の気持ちだと思うんですよね。
太陽のようなクリスと、月のような仁。
どちらも明るく光を放ちますが、ほの暗さも漂うアウトローなんです。
人は影あるものに惹かれちゃうんですよね。

最後、どうやって三人がおさまる所におさまるか、はやり読んだ方が面白いと思います。

そうそう、忘れてはいけない!
クリスの獣耳の動きの表現が可愛いです。
しかも人間耳+獣耳という!耳×4個という設定が可笑しい。でも、獣耳のクリスが果純にのしかかっているイラストでは、人間耳がありませんでした。
そこはチャームポイントなのに~!大事ですよ大事!

3

これは「ロハス」に対する皮肉だろうか?(笑)

あ~~~~やっちまったぁ~~~
3Pモノかと思ったら、三角関係だった…orz
一行目からネタバレする気か!?と叱られそうだが、
3P・複数マニアとしては、大事なことなのでしょっぱなから叫ばせていただきました。

しかし、犬飼のの作品というのは、三角関係に転ぶと「え?」だし、
かといって、3P突入するとそれはそれで「え???なんでここで3P?」
どっちに転んでも「いよっしゃキター!」とならないのが不思議であります。
三角関係以上3P未満で揺れ動く状態がある意味、スリリングです。

しかも狼男だの淫魔だの吸血鬼だのとまたもや出てくるわけですが、
そうした本来は魑魅魍魎な方々が、人間以上に人間くさいのも面白い。

今回は、人外のくせにロハスなセレブ、というかなり矛盾した状態です(笑)
なにやら悪魔的な力で莫大な富をひきよせ、そして体に悪そうなものを
避けていかなくてはいけない、ずいぶんとアレルギー体質な悪魔です。

そもそも「ロハス」だの「マクロビオティック」だのなんて、
10年ほど前に、金持ち文化人がちょろりと言ってた程度でして、
まったくもって浸透しなかったセレブのファッションみたいな位置づけでしょう。

悪魔だの狼男だのっていう設定は悪くないんだが、
残念ながら、「ロハス」なんていうやや時代遅れなアイテムを散らしすぎてしまったことで、話の焦点がぼやけてしまった感が強い。
また、ロハスを売り込む会社員という役どころの主人公も熱さに欠ける。
そういうことを読みたいんじゃないんだ!と思いながら、すすめていったものの
最後も尻切れトンボな終わり方です。
いままでの犬飼のの氏の作風からいうと、あえてやったんだろうとも思えますが、
全体的に消化不良の強い作品。

1

モフと淫魔とリーマン。

苦手な異国モノが続いてなかなかページが進まなかった犬飼先生でしたが、本作は更に苦手意識の強かった人外モノ。というか単に構えてるだけで 、読み始めるまでが億劫なだけなんですよね…。このお話は完全な異世界ファンタジーではなく、舞台が現代の日本なので、より入りやすかったです。

ロハス(ちょっと懐かしい)を提唱する同族会社でペットフード部門を担当する森野果純。原材料にこだわった自然派ドッグフードの販路開拓のため奔走していたある日の会社帰り、超デカいワンコ(狼)に遭遇します。←ここからいきなりファンタジー

ワンコは果純に懐いてしまい、兄と同居しているマンションまでやってきます。しばらくすると飼い主らしきイケメンも出現。(ワンコもイケメンも玄関からピンポーンと入ってきたわけではありません。ベランダからです!)

このお話の目玉は、二人の悪魔と二十四歳・日本人サラリーマンの三角関係ですね。悪魔のうち一人はフランス人貴族の血を引く銀狼と人間のハーフのクリス。もう一人はもとアメリカ人で突然先祖返りしたという淫魔の仁。二人はお互いを庇い合いながら長い間生き延びてきた者同士で、人間の体液を栄養分として摂取する。彼らにとって、果純は上質な栄養源というわけです。

果純を挟んだクリスと仁の関係が萌えポイント。クリスと果純に嫉妬する仁、仁と果純に嫉妬するクリス。ですが、果純の存在によってクリスと仁の間に結ばれた、堅くも危うげな同盟が露わになります。キャラ的にはクリスが陽、仁が陰と対照的な二人。仁がね〜、男前なんですよね。陽のキャラが抱える負の部分にも萌えるけど、陰のキャラが持つ慈愛の深さにも萌える。こういうとこ、上手いなぁと思います。

人間以上に人間らしいクリスに情けをかける果純は、淫魔ゆえに強烈なセックスアピールを放つ仁にも惹かれ、二人の間で揺れます。果純がクリスに操立てしつつも、夢の中で仁に犯され、ついには立場を逆転させていくところなんかは興奮しちゃいました。人外の設定だからこそ際立つ萌えでしょうか。

今まで読んできた限り、先生のお話って極悪人が出てこないんですよね。受けが健気で嫌味がない。たとえ攻めが受けにどんなにひどい仕打ちをしたとしても、最終的に攻めは良心に従って動いているのが明るみにされる。そこが安心して読めるというか、個人的には惹かれるところです。

挿絵が葛西リカコ先生だったので、気分が上がりました。本音をいうと、自分の中の仁のイメージは、もうちょっとねっとり濃ゆいものでしたが。

1

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