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表題作好き色センチメンタリズム

男女問わずの遊び人 楠木徹司
一人が好き 狩野睦月

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  • あとがき

あらすじ

平穏を好み慎ましやかな自炊生活を送る大学生の睦月。だが学内で常に噂の中心にいる二歳年上の楠木のもと、住み込みの賄いをすることに…

慎ましやかな大学生活を送る狩野睦月の悩みは、容姿よし育ちよし、派手な噂に事欠かない楠木徹司が何かとまとわりついてくること。過去の経験から一人を好む睦月に、楠木は飄々と「俺を選べ」と迫ってくる。放っておいてほしいと願っても、むしろ助けられ…。そんな折、楠木が風邪で倒れたのをきっかけに期間限定で住み込みの賄いアルバイトを頼まれる。断らないのは割りがいいからだと自身に言い聞かせつつも、始まった同居生活では苛々したりそわそわしたり、楠木を妙に意識してしまい…
(出版社より)

作品情報

作品名
好き色センチメンタリズム
著者
坂井朱生 
イラスト
鳴海ゆき 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576110363
2.6

(3)

(0)

萌々

(1)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
7
評価数
3
平均
2.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

不器用×不器用

 狩野睦月は、二人の兄にいいように扱われる騒がしい家庭環境で育ったせいか、一人を好んでいた。
 ところが、周囲にはそんな睦月が不思議に見えるようで、あれこれ気にかけてくる。
 それを睦月は失礼にならない程度に相手をしながら、かわしていたのだが、そこに容姿よし、育ちよし、派手な噂に事欠かない楠木徹司が入ってきたことで、睦月の周囲が騒がしいことになってしまう。

 元々、睦月に時折話しかけていた井野修平は楠木のことをライバル視していて、まるで楠木に対抗するかのようにますます執拗に、話しかけてくるようになる。

 そんな自分の周囲を取り囲む状況を、睦月は迷惑に感じ、放っておいてほしいと強く願う。
 ところが、ある日、睦月のかばんが少し目を離した隙になくなってしまい、おまけに教授にレポートの丸写しを疑われる事態になってしまう。
 奨学生である睦月にとっては、単位を一つ落とすことですらも命取りになってしまう。
 そのどちらをも、どこからともなく現れた楠木に助けられる。

 さりとて、必要以上に楠木に近づこうとはしなかった睦月だったが、風邪で倒れた楠木を、楠木の友人に頼まれて睦月が介抱したのをきっかけに、期間限定で住み込みの賄いのアルバイトを頼まれてしまう。
 断ってもいいはずなのに、断りきれなかった睦月は「割がいいから」というのを理由にして、そのアルバイトを引き受けることになってしまう。
 ところが、同居生活が始まると、いつしか睦月は楠木を妙に意識してしまうようになってしまう。

 という話でした。
 過去の出来事や、生育環境諸々から、あまり周囲と積極的に関わりたいと思っていなかった睦月が、楠木と関わることで、少しずついろんな人と交わるようになり、恋をするまでの話。

 最後、妙なところで短気な楠木が暴走して、一瞬こじれるんじゃないかと思ったんですが、実は楠木以上に肝が据わっているのかもしれない睦月のおかげで、大事にならずにハッピーエンドになりました。

 睦月の不器用さがかわいい話だったんですが、実は負けず劣らず楠木も不器用だったんじゃないかな、と思います。
 不器用×不器用ですかね?

2

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