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表題作テルペノイド

シゲさん(八木)
隣に住む植木職人
高橋ユキト
弟の子を育てているリーマン

同時収録作品Sweet Tranny

オカケン(岡本)
高橋

同時収録作品Apoc.

岡本
高校生・先輩
ユキ
高校生・後輩

同時収録作品クローストロフォビア / デプリベーション

汐崎
リーマン・後輩
岡本陽一
リーマン・先輩

その他の収録作品

  • アルティメイト
  • トリアージ
  • あとがき

あらすじ

高橋は隣家に住むガテンのシゲに片思い中。
好きになったきっかけは甥っ子のハル。
育児放棄されたトラウマから口がきけない状態だったが、そんな彼を救ったのが温かなシゲの存在だった。
『俺の兄貴にもなって欲しい…』告ることも出来ず思いは募るばかり。
ところがセフレと車内でキスしているところをなんとシゲに見られてしまい!?

(出版社より)

作品情報

作品名
テルペノイド
著者
崗田屋愉一(岡田屋鉄蔵) 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックス~BE×BOYCOMICS~
発売日
ISBN
9784862639141
3.9

(20)

(6)

萌々

(8)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
76
評価数
20
平均
3.9 / 5
神率
30%

レビュー投稿数9

子持ちゲイの恋の進め方

表紙を見ると、子育てもの?という印象ですが、確かに子育てでもあるけれどかなりゲイ寄り。
仕事して、生活があって、その上でのゲイとしての肉欲とどう折り合うのかの物語と感じました。

「テルペノイド」
ハルは亡き弟の遺児。兄ユキ(ゲイ)が引き取ったが、虐待されていたハルは心を閉ざしていた。それをほぐしてくれたのがお隣の植木屋さん・八木。ふと気付くと八木はドストライクのイイ男でムラムラ。
建築事務所の共同経営者にしてセフレのオカケンと車内でキスしてた所を八木に見られて!
表紙の3人の関係性の説明編、という感じですね。

「アルティメイト」
何もかも上手くいってるユキとシゲ(八木)。でもちょっと色ボケで。
勘の鋭いハルがユキとシゲの2人からはじき出されるように感じたようで、ユキはシゲと距離を置くことにする。受け入れるシゲ。
ユキにとって、ハルとシゲどっちを取る?という「究極の」選択エピソード。

「トリアージ」
半年経って、シゲの下にハンサムなバイト君が。グルグルするユキがオカケンにフェードアウトかも…と泣き言。でもシゲにはユキだけ、という力強く甘いエンディング。
2人にはハルの心が一番だったけど、こんな時の「優先順位」は恋心…かな。

「スウィート・トラニー」
時間軸はまだシゲと関係する前?
保育園で顔が怖いと言われたハルに、ハルはパパに似ているよとパパの子供の時の写真を見せるユキ。キリリとした5才の時のパパの隣に写る晴れ着の美少女は!
折しもハロウィン用のメイドコス衣装をユキに着せようと持ってきていたオカケン。半ば脅しての女装プレイでノリノリ?です。でも画的にドギツく感じる人もいるかも。タイトルは「可愛い異性装」だけど、かなりガタイのいいムリヤリなメイド姿ですので注意。

「Apoc.」
タイトルは「外典」の意。
過去編です。オカケンとユキの高校時代の出会い。ユキの複雑な環境が明かされます。ユキ色気ありすぎ。この頃からオカケンはユキがほっとけないんでしょうね。

「クローストフォビア」
ここからは、オカケンの弟の話となります。
突然崖崩れに遭ってしまった岡本陽一と会社の後輩汐崎。岡本は閉所恐怖症で、土砂に埋まった車内でパニックを起こす。先輩が好きだったシオは宥める為にxxxxします。

「デプリベーション」
夜遅くなると家から閉め出される岡本。妻が大事にしないなら俺が貰う、と宣戦布告のシオ。
タイトルは「略奪」。ただ、岡本は自覚なし…

0

オカケンの存在感にシゲがかすむ…

ゲイゲイしいわぁ。BLに本格仕込みは求めていないし、単なるゲイのハードセックスを見たいわけじゃないんです。岡田屋先生はちょうどいい路線を行ってくれてるんですよね。見た目男らしく、軸にラブストーリー+αがある。これは全く女性が出てこないゲイ世界のお話ではありますが、ゲイ家族を描いたBLファンタジーとしても成立してます。えっちシーンも萌(燃)える。。

主人公はユキト。彼のラブ事情をひもといていくと、一人の男の悲しい過去が明らかにされていく…。登場人物の悲しみや苦悩に裏打ちされたハッピーエンドにしか説得力を感じないワタクシですが、ユキトの秘めた恋が成就するまでには、この男の一筋縄ではいかないゲイとしての一側面が描かれたドラマがちゃんとあって、そこが大いにツボでした。

このお話は男夫婦の子育てものっちゃそうなのだけれど、単なるラブストーリーじゃないんですよね。そう思わせるのは背景にあるユキとオカケンの関係性。わたしには彼らが惰性のセフレではない、とてつもなく深い絆で繋がれている二人に思えたんです。どちらかが結婚していても、恋人がいても、お互いに絶対関係が切れなさそうな…。本来ならばこの二人が結ばれるべきなんじゃないのか?とすら思わせるのだけれど、どうして二人はそれを選ばない(かった)のだろう。

ユキトもオカケンも心とカラダに正直に生きている。そこが二人の気持ちのままならないところなんでしょうね。コメディタッチではありますが、なんだかとっても切ない、危うい二人に見えました。うーん、キャラがみんな素晴らしいです。オカケンはユキトに「家族」ができるまで彼を見守ってやりたいと思い続けてきたけれど、ユキトが運命のお相手に出会えたことで、その役割から卒業しそうな予感を残してくれてますが。。なんだかセフレ関係だけは続きそうなのはこの世界だからか…。

養子のハルくんがむっちゃ可愛いの♡オカケンの弟のお話が短編で巻末に収録されていたり、裏設定でハルくんのストーリーをチラっと紹介してくれていたり。みなさんと同じでハルくんのお話読みたくなりますよぉ。BL描いて欲しいなぁ。忘れちゃいけない、ユキトの女装プレイは必見です。滾ります!

岡田屋作品はユーモアがないとヘヴィーなお話になりそうなのですが、そこらへん、読者を笑いで救ってくれる先生の手腕にヤラレます。

2

自分ら良けりゃ、実子はどうでもいいの?

…と、初っ端からトゲのあるタイトルにしましたが。

私にとって、初・岡田屋鉄蔵さんコミックス。
あまり得意な絵柄ではないであろう事は分かっていたのですが、萌え新規開拓を!と思い、思い切って購入。
表題作シリーズの他に、シリーズに出てくる主人公の同僚・オカケンの弟とその後輩のお話『クローストロフォビア』『デプリベーション』が収録されています。

表紙も中の画も、大好物かと言われればそうでもなく。
しかし、時折出てくる表情が非常にセクシーだったり、ギャグがシュールで読み返すと爆笑に繋がったりと、読めば読むほど少しクセになる感覚。
大事なシーン(オカケンと車内でチュッチュしてるユキ。お隣の超絶好みのロン毛造園師・シゲに見られてショック!という場面)では、なぜかの劇画タッチ風とか(笑)
シゲの顔を初めてしっかり見た時の、ユキのモノローグ、
『ドストライク』
の表情とか(笑)
随所随所に何気に笑いがあって、気を緩めて読んでるとスルーしそうで勿体無い!
岡田屋さんのセンス、凄く好きです。

実は読み終えたとき、
「これは神!」
と思えるほど、キャラやストーリーを好きになっていたのですが、もう一度読み返している内に違和感が。
ユキの腐れ縁でセフレの同僚・オカケン。
この人が、ユキが引き取った弟の息子・ハルのお話を聞き出して、なだめて、そしてまた前向きにさせてやる訳なんです、が。
オカケン自身に、妻も子供もおりまして。
そうでありながら、プレゼン後、久々にムラムラ来て、ユキと致しちゃうとか。
ユキのおうちに泊まりにきたとき、
「奥さん里帰りしてるから」
と言って、コスプレセックスしてみるとか。

…あれ…『魔の2歳児難なくクリア』とか言ってたけど…
人ん家の子供は立ち直らせたりしてくれるクセに、自分の子供を差し置いて、あんたは男とセックスですか…?

オカケンだけじゃない、ユキもですよ。
大好きで一番の宝物・ハルの心を暴いて貰うために、オカケンに泣いて助けを求めるとか、それはイイとしても、自分だって子供大事なのに、同じく子供が居るオカケンに迫られたからって、易々と致しちゃうわけですか…


それに気付いた途端、面白いぐらいに一気に急降下。萌え心停止。
ストーリーもキャラも、本当に面白くて好きですが、一度ならず何度もチラチラ見えるその雰囲気がダメでした。
これでまだオカケンがバツイチで子供いないとかならまだしも、なんですが。

初読み作家さんで心がワクワクしていただけに、
「あの背景が何も見えてこなければ良かったのになぁ」
と思えてなりません…。
それでもまだ、繰り返し読むのでしょうけども。

0

総ゲイ(子供まで!)

出てくる男がみんなゲイ、という(笑)

ユキトとシゲ、オカケンはともかく、甥っ子のハルまでも!
ハルくんは作中ではまだ子供なので、懐いている、というくらいなのですが、設定として大きくなって重度のファザコンに育つらしいし、幼馴染のカオル君に狙われるらしいし。
(そのお話、どこかで描いてくれないかなぁ)

さて、この本の一番のシーンは、ユキトとシゲにハルがやきもちを焼いてしまったので距離をおいたけれど、シゲが心変わりしたかも・・・と不安になるユキトにシゲが切れるところでした。

岡田屋さんの描く男の人たちはみんな不器用だけれどとても大きくて包み込むような愛情を持っていて、この本に出てくる人たちもみんなそうです。滑らかで優しい。
その感覚が好きで岡田屋作品を読んでしまうのかなぁと思いました。

「テルペノイド」はその感覚が特に感じられる作品だと思います。男たちの優しさに包まれてみてほしいと思います。

1

つ、続きが読みたい!

子はかすがいもの&ガチムチきました。
すんごい面白かった!ガチムチに引かないで、ストーリーを楽しむためだけにでもたくさんの人に読んでほしいと思いました。
登場する男たちみんなみんな好きです。
連作短編なんですが、主役が変わるたびに登場人物の過去が明らかになったりして。タマラン!
息子編の続編を希望します。

亡くなった弟の子供をひきとり、育てることになった新米パパが主人公です。
もう一生懸命なお父さんで、それだけで萌える。
さらにそれを大きく手助けしてくれるのが隣人の造園屋さん。
子供がとにかく可愛くてさー。子はかすがいものでは子供のキャラ造型が一番重要な部分だと思うんですが、完璧でした。「親の恋愛のために都合のいい言動をしすぎない」っていうのがポイントです。都合よすぎてもダメ、でも邪魔するばかりでもイラつく。さじ加減が完璧でした。
子供が泣いたところで、私も一緒になって泣いちゃいました。こういうの本当に弱い。ヤバい。

攻め様がカッコいいのはもちろんなんですが、受けのセフレやってたオカケン(妻帯者)がまた素敵なんですよ。
受けとオカケンの過去話には萌えました。オカケン、受けに惚れてたっしょ~?棒扱い&友人としてしか見てくれないことに焦れた時期があったっしょ~?過去話での受けの美少年ぶりにも、さくっと語られるブラコンぶりにも萌えました。

さらに、
設定資料だけ見せられた成長したハルに萌え!かっけえ!
彼を主役にすえた話、読みたいです。

2

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