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表題作それでも愛してる

日本画家 辻聡文/21歳~
老舗百貨店外商員 有田健一/34歳~

その他の収録作品

  • それでも愛してる
  • あの人のこと
  • あとがき

あらすじ

君が気になる。寝て…みたいと思う」
本心を隠し優しげな雰囲気を装う有田は、秋の街路樹の下で画家だと名乗る男・辻にモデルを頼まれる。
でも13歳も年下の男は、「嘘をつくな」という有田が一番苦手なタイプの人間だった。
二度と会わないはずが、辻の絵に導かれるように二人は再会する。
自由奔放な男に振り回されても、子供のように真っ直ぐな辻に惹かれる有田。
好きになると苦労するのは分かっているが、愛する気持ちは止められなくて?

(出版社より)

作品情報

作品名
それでも愛してる
著者
西江彩夏 
イラスト
鬼塚征士 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784862638472
3.6

(5)

(2)

萌々

(0)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
17
評価数
5
平均
3.6 / 5
神率
40%

レビュー投稿数1

興味本位だったんですか?有田さん

初読みの作家さん、鬼塚征士さんイラストというだけでのイラスト買いでした。
見ればバツイチで30代の男が13歳も年下の男が気になりだして迫るという、何だか不思議なストーリーに少しワクワクを期待させました。
帯には「放浪癖があって自由奔放そんな男に恋をした」
彼らに一体どんな魅力があるんだろう?

全体を読み終わって、攻めとなる辻の過去とか気持ちとかその移り変わりについては、うんうん、、と思います。
その辻をほだしてしまうほどの迫り方をする受けとなる有田。
辻の過去を知って俄然興味がわいて君と寝たいと押しまくる有田のそれはそれですごく面白いしよかったのですが、彼の過去や家庭事情については何だかな~そんな設定は必要だったろうか?
それにこだわりさえしなければ、割と面白いのですが・・・

ある事情で前職の証券会社から百貨店へ転職し、その外見と顧客への対応のよさから着実に出世している34歳になる有田。
彼は人に関心がなく、なんでもほどほどで要領がよく対外印象が良いのだか、私生活は何だか空っぽの人みたいだ。
なにより感情が乏しそうな感じがする。表面は取り繕っているけれど。
そんな彼が出先のイチョウ並木で何度も目にしてきになっていた男・辻の絵のモデルを務めて、その絵を買ったことから彼の絵に、そして辻自身に興味がわき始める。
辻が、日本画科の愛人だったという事をしり有田は、彼と寝てみたいと思い立ち、辻にアタックを始めるのです。

と、書くと一見コメディな路線を予感してしまうのですが、辻の事情が複雑です。
彼の養父である画家との歪んだ関係と、それに対する気持ちを知るにつけ、辻の人柄というもの自体も複雑で複雑になってきます。
義父の辻への恐ろしい執着愛。
辻が大きくなってしまってもう抱くことができなくなった代わりに辻へ付きつける愛は歪んでいて、それでも辻は義乳への恩から、それが家族だと思い込んでいるために彼から逃れることをあえてしない。
放浪癖は、そこから逃れるためなのか~と思いきや、、、どうも小さい頃から彼の性質だったみたいwwそれが義父の理不尽な愛によって加速してしまったような気がします。
それを、間違っているんだと色々な手で辻に教える有田の姿があって、辻は義父から飛び立つことができるのですが・・・
その裏に実は、過去の二人の接点が二人を結びつける出来事としてあったんだ。という設定。

色々な事象を一つ一つ抜き出せば、それはそれでとても面白く興味深く、どれも2人の関係に必要な気もする。
でも、どれか一つなくても別段大丈夫な気もする。
色々な設定が詰め込まれすぎて、目があっちこっちとうろうろしてしまい集中力を欠けさせる。
そんな影響をおよぼしてしまってはいないだろうか?
興味本位で関心を持った途端、辻と寝てみたい=好きが速攻で訪れた有田に今も謎が残る。。。

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