上海

shanghai

上海
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神22
  • 萌×28
  • 萌13
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
18
得点
184
評価数
47
平均
4 / 5
神率
46.8%
著者
かわい有美子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
竹美家らら 
媒体
BL小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥571(税抜)  ¥617(税込)
ISBN
9784344818446

あらすじ

名門貴族の子息レイモンドに恋するエドワードは、幼馴染みとして、そして忠実な執事としてレイモンドの傍にいるが…。待望の文庫化。
(出版社より)

表題作上海

英国貴族で実業家の息子 レイモンド
伯爵家で使用人として育てられた エドワード

その他の収録作品

  • 歌姫
  • China Rose

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レビュー投稿数18

極上のメロドラマ

舞台は阿片戦争後にイギリス領となった上海。
天涯孤独の身の上をイギリス貴族・レノックス家に拾われ、
使用人として働くエドワード(中国人)。
そんな彼が思いを寄せるのは、レノックス家の子息・レイモンド。

幼い頃は兄弟のように育った二人でしたが、
大人になればそれぞれの立場を弁えた付き合いになり。
昔の思い出を懐かしみ、二人の身分差、そして同性である事に胸を痛め、
ひっそりと傷つくエドワードが健気で泣けます。

とにかく完璧なノンケであるレイモンドがエドワードを
恋愛対象として全く見ておらず、気の強い美少女とイイ感じの
ラブロマンスまで繰り広げて。
このままエドワードは報われないままで終わるのでは……!?と。
中盤まではハラハラやきもきしながら読みました。

しかし窮地に陥ったレイモンドを真摯な愛情で支えたエドワードに、
レイモンドも彼への愛へ目覚めます。
目覚めたレイモンドはエドワードにラブラブ。
おお!やっと二人が幸せになれるのかと思ったら、
神様はまたもや意地悪な試練を二人に与えます。

上海に日本軍が侵攻。
イギリス人であるレイモンドは強制退去。
レイモンドは何とかしてエドワードと共に英国への帰国を試みますが。
それは果たせず……。
迫りくる戦火の中、上海の埠頭で、離れ離れになることに。

この埠頭での別れがドラマチックで、泣けて、泣けて。
戦争が始まります。
ここで別れたら、もう二度と会えないだろうと、
お互いがそう思っています。
それでも諦めきれない、もう一度会いたいと切望する二人。

レイモンドがありったけのお金をエドワードに渡すところでウルっとなり、
レノックス家の大事な指輪を託すところで涙がボロボロ。
しかし愛し合う二人を、船の汽笛が無情に切り裂くのです!

埠頭での別れがあまりにも悲しく、そして素晴らしかったので。
ラストの奇跡の再会は、ぶっちゃけ微妙でした。
エドワードの生死が分からないままで終わった方が、
余韻があって良かったのにと、思ったのですが。

エドワードが英国へ渡るまでを描いた収録作品「歌姫」を読んで、
先の考えがまるっと変わりました。
ハッピーエンド万歳!二人が再会できてよかった!

上質のメロドラマで、古いハリウッド映画の名作を見ているような
素敵な作品でした。

6

藤棚

>ハイ爺さん

わ~!ハイ爺さんだ!こんにちは~
本編だけでは安易なハッピーエンドだなと思ったのですが(汗)
『歌姫』がいいんですよね!!
これがあるからこそ、あの奇跡の再会に納得できて。
同意して頂いて嬉しいです♪

何もかも、たまらんです

三回泣きました。
最初の別れ。
二度目の別れ。
そして、巡り会えたとき。

かわい有美子さんの歴史に対するアプローチの仕方、かなり好きです。
ここまで丹念に調べ、それを極めてナチュラルな視線でもって背景を描くことができる作家さんなんて、めったにお目にかかれない。
読みながら、唸らされるような描写がいっぱいでした。
魔都上海。今はなき魅惑的な街です。
その街を舞台に、イギリス人の主人と中国人執事の切ないラブストーリーが繰り広げられます。
主従ものではあるけど、執事萌えを狙った作品じゃないのもいい。
ひたすら主人だけを想いつづけるう執事は、健気受けの鏡だと思いました。
はやく気づいてあげてって、心の底から祈りました。
涙がいっぱいこぼれたけど、お涙頂戴なコテコテ感はまったくないのも良かった。
別れの場面も描写そのものはあっさりしてます。
そのあっさりさに余計に泣かされる感じ。

ラストは悲劇オチでも良かったかも。
なんらかの形で指輪だけ届く、みたいな。
こんなこと考える私はとことん鬼畜なのかもw
や、もちろん二人が幸せであるこのハッピーエンドに、何の不満もないんですけど!

間違いなく名作です。

6

健気受け作品の個人的ナンバーワン

エドワードが本当に健気でした。健気受け作品で時たま見かける女性的なうじうじした感じではなくて、攻めの結婚が決まりそうなときでさえ、自分のやるべきことを見失わずにひたむきに攻めに尽くしていたり、戦渦を一人で生き延び、待つのではなく自分で海を渡って攻めに会いにいくのもとてもよかったです。こういう強さというのは男性らしく、blだからこそのお話でした。

戦時中という特殊な時代背景、身分や人種の違いなど、二人を阻むものが強大だったからこそ、胸をぎゅっと掴まれるような切ないメロドラマになっていて、映画を観た後のような満足感がありました。

そして、ストーリーもさることながら、かわい先生の文章の書き方や表現に非常に引き込まれました。ライトノベルでありながら、まるで純文学のような確かで秀逸な言葉撰びと瑞々しい透明感としなやかさのある表現で、今まで読んだbl小説とは個人的にそこが特に大きな違いだなと感じました。

戦争の影が近づいてその雰囲気が変わっていく度に作中で何回か出てくる、かわい先生による当時の上海という街についての描写がとても素敵で、西洋と東洋の文化が入り交じったそのどこか妖艶な当時の上海を訪れてみたくなりました。

かわい先生の文章で書かれたblがもっと読みたいと思ったので、レビューを参考にしながら自分の好みに合いそうな作品を片っ端から買いあさりました。届くのが楽しみです。

4

上海だけどノーブル

いくつかかわいさんの作品は読ませていただいてますが、その中でも一番好きかもしれない。
かわいさんの文は、状況自体は激しいものでも一冊通して読むと、時が穏やかに流れていくような情緒があるのが素敵です。



レイモンドもエドワードも想い人に対して、とても一途に大切にしているなというのが、ひしひし伝わってきてます。
初めから2人の線が繋がるわけではないけれど、状況が変わるうちに2人の関係も無理なく変わっていくのが上手いなぁ。

一貫して一途な2人と、主従関係のあり方がリアルに書かれている。
ノーブル・オブリゲーション/高貴なる義務
なるほどなぁ、という感じが致します。
主を助けるための従であるのはもちろんのこと、従を守るための主のあり方。
そのことがよく伝わってきます。


それにしても埠頭シーン。
ぼろ泣きでした。
一緒にいてよー!と叫びたくなりましたが、それをしてたら萌以下の評価となるはずです。笑
それ以降の展開で、みなさんが仰るとおり、ん?と思う処もありましたが、
書き下ろしによって、結果オーライ。
これでいいんです。満足満足。


単館映画にありそうな情緒溢れる雰囲気でした。
ららさんの絵が余計それを増していて、いいなー。

3

美しくて、純愛で、切なくて温かい気持ちになります。

執事、使用人の階級についても結構細かく書かれてます。
いわずもがなかわいさんは本当に文章が綺麗なので、この作品もはやBL小説というより、メロドラマ。
人間模様中心で、しかも恋愛という言葉では言い表せない、まさに「人生」そのもの。二人の間には大きな壁があり、それは性別しかり、身分だったり、戦争であったり・・・
スケールが大きい上に時間の流れも人一人の半生程の長さ。
1冊でよくおさめたよなぁ・・・という印象。かわいさんなら前編後編で2冊くらいに分けて書いてくれてもよかったんじゃないかとも思いますが、でも逆にスケール大きいし小難しい情勢を入れながらもテンポ良く読めたのでこれはこれで、すごいこと。実はあえてのなんだろうかとも思ったり。
初版にはなかった、「歌姫」という章は二人が再会するまでの数年間のエドワードの体験を書いたもので、ご本人も独特な雰囲気が気に入ってるとおっしゃっているだけあって、舞台は香港登場人物も中国人のみ、たしかに今までのブリティッシュさは皆無で、作品の中で良いアクセントになっているのでは。
その次の二人の再会後の。「China Rose」はこれまたとてもお洒落な印象。
キャラ萌えは特になく、生々しいエロや美味しいシーンも特にあるわけでもない。
テーマや舞台が大きいのに、それを自分の作品のなかでうまく盛り込んでて、重みもある。
終わり方もすごく綺麗で珍しく番外編がなくても消化できた作品でした。

3

blらしい歴史もの 手放したくない一冊

かわい有美子先生は、bl小説を本格的に読み出すきっかけとなった大好きな作家さんです。小説では唯一、作家買いをしているくらい大ファンです。

先生の作品が安心して作家買いできる理由は、なんといっても魅力的な文章にあると思います。いい意味でライトノベルらしくない、正確で時に詩的な美しさもある表現や言葉遣いをされていて、読後は重厚な一般小説と同じくらい満足感と達成感があります。何冊も作品を出されているので、当然その中で個人的に好みに合わない雰囲気やストーリーのものもありますが、それでも先生の素晴らしい文章を楽しむことができるので、他の個人的に好みに合わない作品とはいつも、ひと味違う読後感になります。

さて、今回の作品ですが、私がかわい先生のファンになったきっかけでもある最初の一冊であり、かつ今まで読んできたかわい先生の作品の中で12を争うくらいよかったです。エドワードがとにかく健気で、でもよくある弱っちい受けではなく、常に自分の役目をしっかりと果たす男らしさもあり、うまく言えませんがその強さとひたむきさもあるからこそ、より健気だなあと思って応援したくなるというか・・。時代背景や主従関係など困難も多くありますが、最後はそのエドワードの強さがあったからこそたどり着くことができたハッピーエンドだと思います。歴史ものそして海外ものということで、説明的な部分や描写も多く、そういった所でよりかわい先生の文章センスが光っていて、世界観にひき込まれました。

ずっと手元に置いておきたい作品のひとつです。この作品がいいなと思う方には、かわい先生の他作で2巻完結の「東方美人」もおすすめです。東西冷戦時代のベルリンを舞台にしたソ連や各国のスパイ達のお話です。個人的にかわい先生の文章はこういう歴史物だとよりその的確さと美しさを感じるので、もしよければ読んでみてください。

2

健気な美しい執事

答えて姐さんの「涙腺崩壊、号泣」スレに紹介されていたので、読んでみました。

天涯孤独な身の上ながら英国貴族より英国名を与えられた中国人孤児のエドワード。英国貴族の子息レイモンドの気まぐれから、幼馴染みや兄弟のように過ごすことを許され、慎ましく忠実に仕えるようになります。
同性愛がイギリス本国では罪深いことであるとわかっていながらも、太陽のように快活なレイモンドへの思慕は募るばかりですが、その想いを一生胸に秘めておこうと誓います。
只々、慎ましくひかえめに主人を想うエドワードが健気で美しい!
エドワードの恋心は、本編の半分まで読み進めてもひっそりと静かにエドワードの心の中に秘められています。
この作品に際どい性描写はありません。よくある主人×執事ものにある陵辱されるような行為もありません。
あとがきでかわい有美子先生自身も「今回も、すごく朝チュン」とおっしゃっていますが、切なく密かな想いを秘め続けたエドワードは、このくらいで許してあげるのがいいなと思いました。


1

China rose

とてもとても胸がギュッとなる話でした。
映画1本見終わったあとの心臓のドキドキと同じものを味わってます。


とにかく、エドワードの健気さに涙、涙です。とにかく読んでいて辛かった……。
1章最後の、『人生で一番、幸せな時期といえたかも知れない。』この1行に込められています……
一途に思い続けたレイモンドとの再開では一方的にかすかな失望をされ、女性と結婚直前までいき、自分を捨てた母に重ねられ……。
エドワードがレイモンドとダンスするところもなんとも言えない気持ちになります。レイモンドは完全なる気まぐれ、そんな事わかっている。でも、ただ嬉しい……。エドワードが健気すぎて心痛みます。泣けます。

健気受け小説によくでてくる性格の悪い攻めじゃなかったのが好感度高いです。

いろんな方のレビューでもあるように、2人の別れのシーンが辛いんです。
あるだけのお金をコートのポケットに……大事な大事な指輪を託す……もうこれがレイモンドの心を表してますよね……。

最後、2人の再開は、もう手放しで嬉しかったです。

その後の、「歌姫」が私はお気に入りです。
エドワードにとって、幸せな瞬間は全くと言っていいほどない香港生活、レイモンドとただ会いたいと言って泣くエドワードに心痛みました。
でもとても心に残るエピソードで、読んでよかったと思いました。


「China rose」という話は、作者の方がタイトルとイメージをエンヤのChina roseからとったとあとがきに書かれていたので、聴いてみました。
曲を聴いて、なるほど、、、と。
歌詞は見てないのでよくわからないですが、曲全体がやわらかく包まれているような感じなんです。これはもう、エドワードのレイモンドに対する愛みたいだな、と個人的に勝手に解釈しました(笑)


もっと早く読んでいればよかったと思えるお話でした。読んでいない方がいればぜひ読んでください!

1

エドワードが泣ける

長かった…。壮大な物語でした。30年間くらいのお話でしょうか。
映画を一本見たか大河ドラマを見たようなスケールの大きさと物語の中の時間の長さがありました。

まず主役の二人の名前がどうしても覚えられず似て見えてレイモンドとエドワードはどっちがどっちだっけ?と何度も混乱しました。

長かった。疲れた。でも良かった!
時代と人種と生きた街の影響が大きいですね。大人になってからのレイモンドを途中までは好きになれませんでした。
そしてここまできっぱりとした主従物は初めて読んだかも。
レイモンドが上海に戻ってからは悲恋の予感しかしなくて、その後は再会できるかわからなくてハラハラしました。

攻めが他の女性とお付き合いし結婚直前までいくのは読んでいて辛かったです。まさか破談になるとは。そして二人が結ばれてからもレイモンドが残酷で。初恋のエドワードの母と比べたり。
でも情の篤い男ですからエドワードをずっと愛してくれました。エドワードが可愛らしくて仕方がないって。一心に慕ってくるエドワードにほだされた感もありますがエドワードに心底惚れたのでしょう。良かった!

戦況が悪化し上海の埠頭で別れ戦後必死にエドワードを探すレイモンド。でも見つからない。ページはまだまだ残ってるしどうなるの?とハラハラしました。そしたらエドワードが指輪を届けにイギリスのお屋敷まで現れてなんとか無事に再会できました!良かった!でももっと再会後の話が読みたい!
そうしたら歌姫のお話が始まりえー!関係ない?と思ったらエドワードが6年間コツコツとイギリスへの渡航費用を貯めるお話でしたね。
指輪を返したい一目だけでも会いたいと同僚に語る所に感動しました。

そして無事に再会後の話がChinaRoseで読めます。
二人はまだまだ一緒にいられます。跡継ぎも決まってレイモンドのお仕事も順調そう。

最後まできっちり主従でしたね。エドワードが弁えてるのがいいようなもどかしいような。

エドワードが自分の帰るところがないというのが切ないし、エドワードにとってレイモンドが全てでレイモンドの側にいたい、居られればそれでいい想いがジーンときました。人生をかけてますね。執事だからこそずっと側にいられるとも言えますね。エドワードの幸せがずっと続きますように。

2

美しい、メロドラマ

かわい先生作品の、きれいな透明感のある文章が好きだなと、再確認。

他の姐さん方もおっしゃっている通り、かわい先生の後書きにある「波乱万丈なメロドラマ風」がぴったりなお話でした。
イギリス人貴族のレイモンドと、その使用人である中国人エドワード。2人の幼少期から第二次世界大戦を経た先までの、二人の辿る人生が描かれます。

駆け落ちした使用人の子どもに、名を与え、屋敷で引き取ったレイモンドの両親。その子どもが、エドワードであり、幼いレイモンドも、エドワードを気に入って連れ回すようになります。
少し歳上の主人と、その主人を慕う従者の関係は、徐々に変わっていくのですが、エドワードが健気にレイモンドを慕い、尽くす姿は、ずっと変わらず、それが切なくもあります。第二次世界大戦の為に引き離された2人が、お互いに、再開する為に必死に動く姿に泣かされました…。

エドワードの高潔な主人の背を密やかに慕う姿も、強く前向きな姿勢で生きているレイモンドがエドワードを甘やかす姿も、2人の痛々しいほどの想いも、セピア色を思わせる文章で静かに紡がれています。
幼少期の2人には幸せな気分にさせられて、成長した2人には複雑な気分にさせられ、世界大戦の時の2人には泣かされて、非常に忙しかったです笑

切なくも美しい話で、心が綺麗になった気分になりました。迷っている方がいらっしゃれば、ぜひ!読んでください!

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