甘く優しく溶かされる、年の差愛v

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表題作静寂に愛は降りつもる

藍原英亮,29歳,青年実業家
高藤海聖,19歳,休学中の大学生

あらすじ

 三年前、ある事件によって両親を一度に喪い、心に深い傷を負ってしまった海聖は、姉の親友である青年実業家の藍原に保護されていた。傷ついた海聖の心を時間をかけて見守り、保護し、慈しんでくれた藍原に、海聖は次第に惹かれていく。しかし、事件で負ったトラウマが恋心への恐怖心と嫌悪感を呼び起こし、ただ想うだけの日々が続いていた。そんなある日、ふとしたきっかけで海聖は藍原に抱かれてしまい……!?

第1回B-PRINCE文庫新人大賞
イラスト部門<特別賞>受賞者デビュー!!
(出版社より)

作品情報

作品名
静寂に愛は降りつもる
著者
牧山とも 
イラスト
Asino 
媒体
小説
出版社
アスキー・メディアワークス(角川グループパブリッシング)
レーベル
B-PRINCE文庫
発売日
ISBN
9784048703970
2.8

(9)

(0)

萌々

(1)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
25
評価数
9
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

意外と甘かったです

海聖(受)が主人公ですが、藍原(攻)の視点も入っているので、お互いの心情が分かりやすいです。

海聖は、両親の死により、姉の友人である藍原に世話になることになります。
その愛原の、傷ついた海聖への気遣いや優しさがすごく素敵でした。これは惚れる!

ストーリーの半分までいかないところで抱き合うという、思ったよりも早い展開でしたが、そこからなかなか両想いに至らないのが、じれったいのが好きな私には楽しかったです。

浮気していた父親と無理心中した母親のようになりたくない、という海聖の悩みに納得したものの、藍原を殺す夢を見るというのはもっと強調しても良かった気がしています。終盤で言うまで、そんなことがあったのを忘れてました…。血なまぐさいのは過去だけでした。

イラストは、ふんわり癖毛で優しい雰囲気の藍原が素敵でした。

繊細な受けと、包容力のある大人な攻めがお好きな方に良い作品だと思います。

1

相思相愛なのにすれ違う二人

牧山とも先生のいつもの系統よりも若干シリアス度の濃い
内容設定になっている一冊ですね。
コミカルな要素は皆無で受け様が背負った傷がかなり深く
鮮明に描かれている作品です。

受け様は高校生の時に仲睦まじい両親が突然無理心中をして
その血だまりの光景を目撃してしまいます。
父が母を裏切り、長年浮気をしていた事がバレて信頼していた
夫に裏切られ情念ゆえの無理心中だと・・・
そしてそんな母親に面影が似ている事で親戚から冷たい仕打ちを
誰も信じる事が出来なくなっていた受け様は海外に住んでる姉の
親友でもある攻め様と同居することに、事件から3年たっても
悪夢を見る事は続いていましたが攻め様に心配を掛けたくなくて
気丈に振る舞っている受け様。
受け様はいつの間にか優しく親身になってくれる攻め様に
片思いをしているのですが、親戚から言われた母親ににていると
言われた言葉が恐怖となって受け様をより一層不安にさせます。
攻め様を好きになってから見る悪夢で自分が攻め様を
刺し殺す姿を見るから・・・愛する夫を殺した母のように・・・

先生の作品の多くは攻め様に過激に愛される受け様が多いのですが
この作品は受け様が攻め様をかなり深く愛している。
でも、やっぱり牧山ワールド、攻め様の思いも負けてません(笑)
お互いが相手を思って距離を取ってしまいすれ違うのですが
受け様が理不尽なトラブルに巻き込まれて攻め様に助け出され
そこから隠していた気持ちを伝え合うようになります。
受け様はかなり可哀そうな目に遭うかなり可哀そうな人です。
いつもは攻め様に愛され過ぎての不運が多い牧山先生の作品
今回は一味違ったお話になっていました。

0

薄幸系な受け

 海聖は、三年前、自身の母親が父親を殺してしまうという凄惨な事件をきっかけに、心に深い傷を負った。
 唯一残った肉親である年の離れた姉は、そのまま海外で仕事を続けることを選び、姉の親友である青年実業家の藍原のところに預けられることになった。
 海聖はそれすらも、姉に裏切られたように感じられ、一切の人を信じられなくなってしまう。
 ところが、藍原はそんな海聖を時間をかけて見守り、保護し、どんな暴言を海聖が吐いても許してくれ、慈しんでくれていた。
 海聖とは、そんな藍原に少しずつ惹かれていったが、愛する男を独り占めするために殺してしまった母親のように、いつか自分もなってしまうのではないか、という恐怖心から、決して自分のこの想いを口にするまいと考えていた。
 一方の藍原は、無心でなついてくる海聖のことを、いつしか愛おしく思っていた。
 そんなある日、海聖が発作を起こし、藍原が人工呼吸を施したのに、海聖の身体が反応してしまう。
 必死に隠そうとした海聖であったが、その反応が藍原の隠していた想いに火をつけてしまい、海聖は藍原に抱かれてしまう。

 という話でした。
 本来であれば、ここでハッピーエンドでおしまいになるところだと思うんですが、行為が終わって、うとうとしている海聖が藍原がつぶやいた「こんなはずじゃなかった」という一言で、話がややこしくなってしまいます。
 藍原としては「成人してからきちんと告白しようと思っていたのに、こんなはずじゃなかった」という意味での一言だったんですが、海聖にはそうは聞こえなくて、「手を出すつもりじゃなかった」という意味だと受け止めてしまっていて、海聖は悶々とし、ますます眠れなくなって体調を崩して……
 でも、まさか藍原は自分の想いが通じてないとは思っていないから、そこで更にすれ違いが起きて……という話でした。

 なんというか、海聖が負った心の傷は重くて、とても大変で、最初はそのことに胸がぎゅっとしたんですが。
 最後は登場人物全員のちょっとずつの不器用さにちょっと切なくなりました。

 話としては書いたみたいに、割とベタな流れだと思います。
 薄幸系の受けが好きな方にはオススメです!

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