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表題作夏、恋は兆す

西浦竜司 外務省勤務(36歳)
三崎尚 カフェバー店長(26歳)

同時収録作品夏、恋は兆す / 秋・夢は実る

石嶋賢吾 尚の元彼
相田沙智 尚のカフェの元バイト・大学生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

同棲していた恋人と別れた尚は、ある日顔見知りの西浦が酔いつぶれていた所を助ける。つい世話を焼くうちに二人は距離の縮めるが…。

(出版社より)

作品情報

作品名
夏、恋は兆す
著者
小川いら 
イラスト
水名瀬雅良 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
春、君を想う
発売日
ISBN
9784344823228
3.5

(14)

(2)

萌々

(9)

(0)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
4
得点
47
評価数
14
平均
3.5 / 5
神率
14.3%

レビュー投稿数4

良い「愛してる」だった~♪

『春、君を想う』で振られてしまった世話好きで憎めないとってもいい人だった尚が主人公になった本作。
そんな彼にピッタリの男性が・・・現れましたとも!!
相手の男性が外務省勤務で、そういった政治的なお話もガッツリはいっているのにそれが全然苦にならなくて、むしろそういう設定が尚の世話好きな性格にぴったりハマリ、彼等が初めてデートして関係を持つくだりは、あまりにも自然で、大人的キュンキュンが押し寄せてきました!!
尚が男性にしてはきちんとしていて、世話好きという女性的な面を持っている部分に女性読者が自分を重ね合わせて共感と理想みたいなものを共有できる部分があったからかもな~?なんても思うのですが、自分的にこのカプが、この設定が、めっさ好みでありました!!

賢吾に振られて趣味の水墨画に没頭する尚。
そこで知り合った西浦という男と、街中で偶然の再会をして、泥酔した西浦の世話をしたことから、彼が尚の店に来るようになり、という始まりの出会い。
この西浦という男が面白い!
坊主になりたかったが向いてないと言われて、大好きな密教・空海から中国に繋がって外務省という道に進んだという変わり種。
ものすごくエネルギッシュで、仕事に対して一途で優秀らしいけど、それが優先して自分の事が二の次な、、、実に尚にうってつけの男性ではありませんかww
色々面倒見てくれる尚へお礼をと夕食デートをした晩の帰りたくない、けど、帰したくない、なシチュエーションに冒頭にも書いたようにドキドキキュンキュンしましたとも!
そうそう!大人の恋愛のシチュのこういう表現、欲しかったんだーーー!しかも嫌味じゃなくてがっついてなくて、気持ちがジリジリしてる、互いのその熱が感じられて、久々に興奮しました☆
西浦は、男は初めてじゃないとは言ったけど、いつ誰ととは言いたくないと言いましたが、下世話な読者は一体誰なんだ?と野次馬根性ありますww
それに、彼が中国に縁がある話で曾祖父と祖父の話は出てきたけど、両親の話はないんですよ。
坊主を目指したというのは、単に密教への興味だけというのではなく、何かあるような・・・?是非裏設定下さいーー!とか思ってしまったww

西浦が重要な仕事をしているから中々会えないんですが、尚も西浦も互いに信頼があって、その繋がりが支えになって、女性なら「私と仕事とどっちが大事なの!」みたいな展開になりそうな面も、働く男同志で理解をしているから、その信頼があるという、その関係は大変に好ましい部分です。
苦境に立たされた西浦を信じて待って、支える尚の姿は、彼が元来がまん強く待つことに慣れていて、そして世話好きという性格設定があるからこそ成り立つんだなーと思いました。
ほんとう、西浦みたいな男は実生活でパートナーだったらちょっと見てるだけの人でいいかもしれないけど、男から見たら不器用だけどその情熱と優秀さは憧れの対象になるべき人物だなと思えます。
BLには珍しくヤクザや傷害以外で拘置所に10カ月も抑留されたり、裁判であらそって有罪になったりというリアルな面があったりしますが、それも面白さを感じる面だったと思います。
尚と西浦、ほんとうにお似合いのよいカプだと思えてよかったです。

余談ですがかなり、日中の外交問題や贈賄の事について深く触れられています。
思わず、水原とほる作品かと思いましたwww

5

しっとりした奥深い愛情に涙。。。

余韻の残る秀作でしたよ。前作の「春、君を想う」の続編版。
前作であまりに優しく可哀そうな尚の大人の愛情ストーリー。
前作で、可哀そう過ぎるでしょう!!って密かに怒っていたから、
待ちに待った待望の続編、どこか「真夜中の睡蓮」を彷彿とさせる
出だしだったのですが、日中親善なんて言うタイムリー的描写の中に
外務省勤務の西浦が日々邁進し、挫折しながらも己の真実に
目を背けることなく戦う男と、それを信じ相手を思いながら
寄り添っている尚に深い感動を覚えるお話でした。
運命的な出会いって感じではないのですが、日常の日々の中で
何度か偶然出会い、いつの間にか惹かれていく描写もステキでした。
尚なんて、とうに忘れ去られた、大和撫子なんてフレーズを
彷彿とさせる程、更に優しく忍耐強く、健気になってましたね。

そして何事にも動じないような西浦が、尚の事で見せる非常に熱い
一面なんて、思わず修行が足りないですよなんて微笑むような
エピソードがあったりと、尚、幸せになれて良かったね。
っとラストは心温まる展開で大変面白かったですよ。

3

尚の菩薩パワーアップ!

カバー絵の凌霄花(ノウゼンカズラ)が西浦にもたれる尚の姿に重なります。

前作で哀しいばかりの尚でしたが、アレはこの作品のための修行だったんじゃないか!と思うくらい、お似合いのふたりです。

西浦は外務省という特殊な職場でガッツリ働き(しかも僧侶志望だったという変わり種)ストレートに愛情を示してくれる大人の男。

私生活は職業に押されてかグダグダな感じですが尚も、こういう人の方が尽くし甲斐もあると思います。

西浦は理不尽な流れで逮捕されてしまうんですが、その前夜に求め合うふたりは萌えより切なさが勝って泣けてしまいました。

西浦のいない間、信じて待ち続ける尚のお山での出会いは会うべくして会った必然の出来事だと思います。

細々としたエピソードの盛り込みが巧みで(特に日中関連)飽きずに最後まで一気に読めます。

凌霄花の花言葉は「女性・名誉」
他の木に巻きついていないと生きていけない蔓草。

尚は弱くも女性という感じではありませんが凌霄花のように西浦にもたれて安心して花ひらいてほしい、と思います。
西浦も最後まで闘うのは名誉ではなく信念の為ですが、その中でこの美しい夏の花を護ってほしいです。

後日談に前作の沙智と賢吾が出てきますが、賢吾が相変わらずで…あそこまでいくと、いっそ微笑ましい←
西浦のクリティカルヒットにニヤリとしてしまいました。

個人的に沙智の「やっぱり帝釈天さまはダントツのイケメンだよね」に激しく同意ww
東寺の帝釈天はイケメンですよ~!


2

ちょっと物足りない…

スピンオフ作品なのですが、わたしはこちらしかまだ読んでおりません。
後書きによりますと、どうやら前作で今回の受けが不憫だというお声があったとか。
どうやら前作の攻めの元カレだったようです。
うーん、確かに元カレちょっとデリカシーに欠ける気も…

**********************
受けの尚は年齢よりもそうとう若く見られ、大学時代からバイトをしていたカフェバーに勤める26歳。
好きになると一途に尽くすゲイで、一年前まで前作の攻めと同棲していました。

攻めは過去に僧侶になることを目指していましたが、今は外務省で対中国政策に関わるノンキャリア、西浦。
整った顔立ちにどこか肝のすわった力強さのある男で、36歳。
**********************

恋人と別れてから、崩れ落ちそうな寂しい心を水墨画へ吐き出しながら生活する尚。
そんな尚の前へ突如現れた西浦は、尚の師事する水墨画の師匠とは師弟関係。
師匠の元を西浦が仕事関係で訪れた際に出会い、その後酔い潰れた西浦を尚が拾ったことで縁が繋がります。

なんというか西浦がちょっと日本人としては規格外なので、話もグローバルです。主に中国関係。
西浦が仕事以外はからきしな人間なので、尚がせっせとお世話を焼くこととなります。
世話焼き年下受けでも作品によっては年の差を感じる物はたくさんありますが、この尚という人物は年下という感じはあまりしません。
かなり世話女房的な部分が押し出されていて、年の差の甘いキュンとしたところがほぼないのが残念です。

イラストは水名瀬雅良さんですがやはりクールビューティー系がお得意なので、尚も表紙ではそちら系のキャラだと思ってました。
が、中を読むと小柄で可愛らしいタイプのようで、その辺りはイメージとかけ離れてしまっておりちょっと残念ですね。
萌よりの中立です。

2

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