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表題作幾千の夜 最終夜

中山哲弥,年上の幼馴染会社員
八島宙,パティシエ

その他の収録作品

  • 幾千のキス
  • てっちゃんの話
  • 宙の話
  • ふたりの話

あらすじ

数年前、宙はこの世で一番大事で特別な存在だった哲弥と別れることを選んだ。守られるだけの自分から変わるために、哲弥に哲弥自身を大事にしてもらうために。未熟な子供から大人になり、街で歩いていても哲弥に似た人をつい探してしまう。もし、もしもう一度てっちゃんと逢えたら── そんなとき、偶然ふたりは擦れ違い!? 幾つもの夜を越えたふたりの想いは……

(出版社より)

作品情報

作品名
幾千の夜 最終夜
著者
木下けい子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
ミリオンコミックス CRAFT Series
シリーズ
幾千の夜
発売日
ISBN
9784813053422
4.2

(106)

(53)

萌々

(34)

(11)

中立

(4)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
20
得点
438
評価数
106
平均
4.2 / 5
神率
50%

レビュー投稿数20

繋いだ手をはなさない

やー……本当に、名作だわ、の一言に尽きるというか…

再読なんですが、以前読んだ時から時間が経っていたので、初めて読むような感覚で夢中で3冊、貪り読みました。

どこかふわふわしていて、庇護の対象だった宙が決心したこと。
「自分が、繋いだ手を離さなければいい」という一言にぐっと胸が詰まって、また泣いてしまいました( ; ; )

あの苦い別れが必然だったとは言えないし思わないけれど、大人になり、2度目の再会を果たし色々あった今だからこそ、そんな決心ができたのかな、と。

宙…!!強くなったなあ。と思ったけど、実は宙は最初からそういう強さを秘めていたよな、てっちゃんてっちゃん、とてっちゃんを追いかけていたけど、全面的に頼り守ってもらおうとは最初からしてなかったな、と。

精神的に脆く弱いのは、実は攻めの方だったな…なんて思ったりしました。
大人になってからの再会で、「俺がいなくても大丈夫なんだな」「安心したよ」とてっちゃんが宙の頭を撫でるシーンがあるけれど、寂しさの裏返しですよね。。あ…思い出すとまた切なくなる。

全編通して切なくて胸が締め付けられたけど、これからは春夏秋冬、幾千の夜を2人手を繋いで超えてゆくんだな…と、孫となハッピーエンドにため息が出ました。
タイトル回収も素晴らしかった✨

0

宙を見つめるてっちゃんの瞳が好き

 最終巻を読んで、やはり木下先生の繊細な心情描写が好きだなぁと感じました。シリアスな雰囲気ではあるけれど、どこかにずっと仄かな甘さが漂っていて、終始湿っぽい雰囲気ではないんですよね。穏やかに、リアルな展開が続いていく。2度目の別れを経て偶然の再会を果たした2人は、お互いに今度はどういう風に相手に接するべきか悩みます。ずるずると曖昧な関係を続けていくくらいなら、拒絶し綺麗さっぱり忘れて新しい一歩を踏み出そうと考えるてっちゃん。真っ直ぐ想いを伝えてくれていたてっちゃんに、今度は自分から積極的に行動して簡単には諦めないようにしようとする宙。

 最初はお互いの方向性がずれていてすれ違ってしまいますが、やはりこの2人は出会えば相手に惹き付けられる運命のようですね。彼女がいても、相手のことはけっして忘れられない。離れていた期間で、宙はすっかり自立し、てっちゃんは宙の自立心を受け入れる心の余裕が少しはできていて。自分の駄目だった所、相手と一緒にいるのに必要なことを、きっとお互い何度も考えただろうと思います。2人にとっては必要な時間だったのでしょう。恋人として、穏やかな愛も性的な愛もようやく噛み合って、どの面でもどちらかがどちらかに寄りかかっているのではない関係性になれたことが嬉しかったです。てっちゃんにしてもらうのが好き、と言った宙が本当に可愛かった。これからは安定した甘い生活が築けそうですね。

2

長編はいい

3巻まとめての感想です。
私は長編好きなのですが、木下先生のはやはりいいですね。
さらっと書かれていて読みやすいけど、これだけボリュームあると読み応えがある。

幼なじみで、両思い、お互いのことが大事で大好き。このことがすんごく伝わってくる。これだけでもうたまんない。

でもどれだけ相手のことを思っていても、うまくいかない。
相手のことを思えば思うほど、傷つけたくないし、側にいたくても離れた方がいいという選択をする。
これがじりじりはするんだけど、2人の気持ちがわかるし、違和感なくすっと入ってくるので、イライラはしないんですよね。
うだうだが3周くらいすると、長い〜〜と感じてしまう私にはとてもありがたく好きな作風です。

その分、くっつく場面がまたぐっとくる。
2人もだし、読んでいる自分もよくがんばったわ〜という気分になりますw

てっちゃんが、宙のことを好きで好きてたまんない描写が激萌えでして。
木下先生の黒髪長身クールイケメンが大好きなんですが、無愛想な彼が相手のことを何よりも大切に思って切なくなる描写がめっちゃ萌えです。

宙はかわいらしくて、それだけじゃない自立心もあるしっかりした子なんだけど。
てっちゃん呼び…これだけで毎回萌え萌えでした。

1

途中まで切ない!

あれ?3巻が一番スラスラ読めちゃった。あんなに切なくて苦しかったのに。お願いしますくっついて!って祈ってたのに。

6年後くらいでしょうか。お互い忘れられず今でも好きで街でお互いを探したり夢に見たり。切ないよ!
そして偶然会えたのに言葉が出ず。

大人になった自分を見て頑張ったと誉めて抱き締めて欲しかったのに。

宙が勇気を出して電話したのに友達だからとか言っちゃって。てっちゃんは元カノとよりを戻してしまいます。

何やってんの!いや今度こそこのままではダメだと思ったの?

色々あって宙も頑張ってなんとかやっとてっちゃんと宙がくっつきます。

甘々は程よい加減。
宙立派になったね!一人で暮らして仕事して。でも相変わらずの天然で。
てっちゃんも苦しんでいたんですよね。どうしても宙寄りで読んでしまいますが。

やっとお互いに納得のいく関係になれたんですね。長かった。
でも会えない6年もお互いに想っていて報われて良かった。

タイトルからして切なそうだったのでつい積んでましたがやっと読めて良かったです。

でもなぜか3巻の満足感が物足りないような。



0

宙には無駄ではなかった10年

3巻まとめてのレビューで失礼します。

長かった…。
作品のことではなくて、2人の気持ちが通じ合うまでが。

始まった時点から既に両思いなのが分かっているのに、「恋だ」と意識してから10年です。そのとき生まれた子が小4に、小1の子は高1になるほどの時間。もったいない!と思ってしまうのはわたしが老い先短いからなのか…。
宙が高校に入ってから1年は疎遠。てっちゃんが大学進学で完全に会わなくなって2年近く。その後一緒に過ごした時間が半年足らず。そこから会わずに7年くらい。やっぱりもったいない。

だけど必要な時間だったんでしょうね。
守ることばかり考えて、宙と並んで対等に歩くことを考えもしなかったてっちゃんではだめだった。てっちゃんの優しさに甘えるばかりでは自分がだめになると先に気付いた宙があそこで離れなかったら、2人ともだめになって、ぼろぼろで別れることになっていたかもしれない。
でも10年。長いなあ。

宙に関して言えば、この10年は無駄ではなかったと思えます。好きな人と両思いなのに一緒にいないのはやっぱりもったいなく感じるけれど、ひとりになったからこそ、大事な人の手を振り払ったからこそ強くなれたのだと思うからです。
でもてっちゃん…。わたしには分からないのです。てっちゃんが何か変わったのか。

今となっては大塚さんの役割って何だったんだろうと思います。てっちゃんと離れて、てっちゃんに顔が似ているひとに優しくされて、だけどそういうのはてっちゃんじゃないと嫌だ!と気付かせる役目だったのでしょうか。てっちゃんは存在すら知らない大塚さん。しかも宙のムスコさん的存在を初めて触った他人であろうはずの大塚さん。おそらくティックビーも舐めたであろう大塚さん。誰にもその事実が認識されていない大塚さんフォーエバー。

由衣もなかなか可哀想な役回りですが、初登場シーンでは宙にそっくりに見えたので、「わたしたち/オレたち、そっくり!?」という驚きの表情かと思いました。てっちゃん、そこまで宙の面影を求めていたんだな、と。それはわたしの勘違いでしたが、大学2年(19ー20才)で別れて26、7才で再会するまで引きずっていたのかなと考えると、てっちゃん、罪作りというか何というか。心の中にずっとひとりの人が居座っているのに、他の人と付き合って追い出してもらおうという魂胆がずるい。でもそれだけ引きずるということは付き合っていたときのてっちゃんがちゃんと優しかったからなんでしょうね。罪作りだ。

木下けいこさんの長編作品は「ああ、もうつらすぎて読みたくない」と思う作品が多いの、なぜか思い出したように読み返したくなります。Mではないと思うのですが、中毒性がある。
きっとまたしばらくしたら読み返してしまうんだろうなと思います。

4

強くなった二人の姿が

最終巻です。てっちゃんと宙の物語も終わりです。2巻は可哀想で辛くて読むのに苦労しました。何度も本を閉じてしまいました。その辛さもこの最終巻を読めば吹き飛びますよ!幾つもの夜を越えたふたりの想いは・・・社会人となったてっちゃんとパティシエとして頑張っている宙の新たな二人の物語が進んでいくんだなぁと思うと今までの弱さがあった二人と違った心の強さや絆でつながっている二人の姿が頼もしかったです。ハッピーまで一気に読みたい人は全巻揃えてから読むことをお勧めします。

0

受けは愛おしいけど攻めがクズすぎて許せない

切ない話だった…。子どもの頃から続いてきた片思いが報われて、二人ともすごく苦しい思いをしてやっとくっついた話。
受けの宙本当に天使すぎて抱きしめたい!華奢で可愛くて、勉強苦手だけど優しくて、…特に初対面シーンの小学生宙、見ていて犯罪してしまいそうな気分になってしまうわたしはきっと病んでる(←冗談)(笑)。
に対して攻めのずるさは見てて苛立たしくて仕方ない。確かに年上だからいろいろ考えてるし、何も知らない宙に手を出すに後ろめたさを感じるのもあるけど、守るって言ったのに手放して、勝手に捨てたり、勝手に東京に連れてきたり、勝手に彼女作ったりするのは許せない。宙に未練があるなら適当な気持ちで女と付き合うなよって言いたくなる。
また、宙はようやく自分はてっちゃんが好きだって自覚して告白しても、てっちゃんは正直に自分と宙に向き合えなかったのも理解できなかった…。お互い好きで、お互いすでに不可欠な存在であるのに…と思って。こう見ると宙のほうがよっぽど大人で男らしい。
最後はなんとか一緒にいられるのはいいけど、由衣が同じ男に二回も振られたって思うと憤りが抑えない。BLだからってこれはないよな…。ここがすごく引っかかっているのでこんな評価にさせていただきました。

2

明けない夜はないのだから。

幾千の夜を越えて、新しい朝に辿り着いた最終巻。
まさかとは思いながらも、二人には幸せになってほしい!と祈るような気持ちで読み進めました。
出だしでネタバレして嫌がられた事がありますが、ここはあえて「安心してください、ハッピーエンドですよ」と告げたい!(2015年末らしく…笑)そこに至るまでの過程が素晴らしいので、是非三巻続けて一気に読んでいただきたい。

ああ、よかった。
色々遠回りして、やっと結ばれてよかった。
最後ののろけ話も、当て馬(?)二人には大迷惑ですがめっさ可愛かったです。
本当に末長くお幸せに。

てっちゃんがヘタレ気味ですが、これが女相手だったら許せないほどのヘタレですけれど、相手が幼馴染の同性だったら色々悩んで迷っても仕方ないですよね。無理やり彼女作ったのも仕方ないと思います。本気で好きだからって選べる相手ではないのですから。
彼女もいい子だし、可哀想でしたけれど。

関係ないですがてっちゃんと苗字が同じなので、彼女に呼ばれるたびに「お、おう」と思ってしまいました(笑)

7

いくつもの夜を超えてつかんだ、永遠の夜

幼馴染同士の心が結ばれるまでの、幾千もの夜が描かれた最終巻です。早く幸せな2人が見たい!と焦りながら読んだ3巻は、やっと数年越しの両片思いが叶って感無量です。

冒頭から、何年経ってもお互いに忘れられない2人にキュンキュンします。
そして、奇跡のような偶然の再会。

宙は喜んでいるけど、てっちゃんは友情ならいらないと突き放します。
離れてても一人で頑張れると宙は思っていたのに、いざ会ってしまうと、もう離れられなくて…。
ここから、宙が頑張ります。自分が、今までどれだけてっちゃんを傷つけていたのか。やっと本当に大事なものが分かって、成長できた宙にキュンとなります。
てっちゃんも最後は素直になって、やっとやっと、恋人としての本当のお付き合いが始まるのです。

本当にここまで長かったから、感動して涙が出ます。最後の、お互いに電話で、愚痴という名の惚気を言ってる2人に、心が温かくなります。このまま、おじいさんになるまで、仲良く暮らしてほしいです。

3

一夜からまとめた感想です。

運命の出会いが早かった2人のゆっくりとゆっくりと幾千の夜を超えていくお話です。
すごく切なくて一緒にいたいだけじゃだめなんだ、幸せってなんだ?とすごく考えさせられました。

宙を守りたいはずなのに宙を独占したい囲いたい、自分だけの宙にしたいとてっちゃんは優しい顔してかなり怖い(笑)

宙はてっちゃんへの負担になりたくない、父親との確執からてっちゃんと対等に頼れるようなりたい、自分のせいで犠牲になってほしくない、思っていた2人の関係が崩れそこから逃げることしかできなかった宙。
あれから数年たちお互いの道を歩みながら縛られる日々。
偶然から再開する2人だけど、今度は宙からてっちゃんが逃げようとする。

自分だけを頼る宙が可愛くて可愛くてしょうがないってわかるー∑(゚Д゚)
好きだから支えたい好きだから甘えるだけじゃいたくない。
宙はえらくていいコだよ〜。
なんでもっと早くこの本に出会わなかったんだー_| ̄|○

5

宙が頑張った。2人の夜は永遠に‼

最終章です。

哲弥はサラリーマンになり、宙はパティシエとして働き、それぞれの道を歩んでいる2人。
でも、いつも心の奥深くではお互いの事を考えている。
友人の話から、お互いの近況を聞いても行動に移せない2人。
でも、やっぱり偶然出会っちゃいます。
そのシーンが号泣でした。
哲弥が「頑張ったな 俺がいなくても大丈夫なんだな」って…宙の頭をくしゃって触って、携番は教えるものの、「バイバイ」って言うんです。
なんでなんだよ〜と叫びたくなりました。
宙が、可哀想…宙はただ迷惑をかけたくなくて、認めてもらいたいがために、一生懸命頑張ってきたのに…またそうやって気持を押し殺して、逃げようとする哲弥のヘタレっぷりに、ややイラっとしてしまいました。

宙だよ…今まで見てきた哲弥が1番分かってるでしょう!
大丈夫な分けないじゃないか…一人で淋しいに決まってるじゃないか!
どうして気がついていても見て見ぬ振りをして突き放すの!
と完全に感情移入で読んでしまい、気分が向上状態で興奮のあまり泣きました(笑)

元カノに対しても優柔不断で、宙に携番渡したのに…二度と電話してくるなって言うし、哲弥ってこんなにヘタレタイプだったのかと残念にも思えちゃいました。

素直な宙の方が健気に頑張るんです。
どんな状況になっても、自分から手を離さなければいいんだって…強くなったなあ、凄いなあと、また泣きました。

哲弥も、ただ宙を守りたかったんです。でもそれが本当に自分でいいのか、グルグル悩むんですよね。
ヘタレだけど、本当に優しい人でした。

元カノや宙友人を振り回しながらも、やっとお互いに手を取り合った2人。山あり谷あり超えてきた2人だからこそ、恋人になってからは、あまあまラブラブで微笑ましかったです。
最後の日常のお話は、短いながらも2人の雰囲気が出ていて、笑もあっておもしろかったです。

幾千もの夜を繰り返し、別れて、再会して、やっとこれからは、2人きりの幸せな夜を刻んでいくんだろうなあと…。

読まれる方には、三冊同時に読む事をオススメします。

6

哲弥をぎゃふんと言わせたい!!

前回離れ離れになり、お互いからも連絡を取り合あないまま社会人になった二人。
哲弥は会社員、宙はパティシエになっていました。
そんな二人が偶然街中で再会し、哲弥は連絡先を渡します。未練タラタラで宙の居るお店にも様子を見に行く哲弥。けれど哲弥は宙が自分と「友達」として付き合いたいんだと勘違いして、また宙を遠ざけようとします。

未練を吹っ切るために由衣ちゃんとお付き合いをしようとする哲弥。
由衣ちゃんはそのつもりでしたが、結局哲弥の未練タラタラが吹っ切れておらず、由衣ちゃんが哲弥の背中を押す形で、哲弥は宙の元へ行くことになります。

由衣ちゃんは本当にいい子!私が男だったら嫁にもらってあげたのに。哲弥なんかにはもったいないんだから!と思った最終巻。
BLでまさかの女キャラ由衣ちゃん推しをする日が来るとは思わなんだ。

由衣ちゃんを救済してあげたかったです。BLの女性キャラは邪魔キャラが多いですが、由衣ちゃんに関してはそういう気持ちは無かったです。特に最終巻では同情しました。

三巻通して最後の感想が哲弥のせいでこうなっちゃいました。
哲弥は責任取ってよそ見せずに宙を溺愛すればいいと思います。
浮気なんかしたら、宙は私が頂いていく!!←

どこかで哲弥をギャフンと言わせてみせたいわ。
宙が攻めに回ればいいのに、なんてな…!!

この哲弥という男は本当にイミフです。一旦自分のモノ認識すると厄介な男なんじゃなかろうか。
宙に対しても中途半端だったと思うけど、由衣ちゃんに対しても中途半端です。
彼なりの理屈はあるけど、やっていることは優柔不断そのものな態度です。
このヘタレ具合は残念どころじゃねぇッス!もうね、変!変な人レベルです。
でも案外面倒見いいし。心底悪い奴じゃないし。
余計に悪いわホンマ(笑)

この物語は、攻めの哲弥が残念すぎる男ですが、友達などのキャラはみんな良い人たちです。
脇役がしっかりしているので脇役の存在意義が感じられる作品でした。
宙も最初はなよなよしていましたが、最終的に将来のことを彼なりに考えて手に職をつけたことはとっても素晴らしいことだと思います。
哲弥、あんだだけだよ、おかしいの!!しっかりしろー!!(笑)

うん、いやまぁ…とりあえず二人のハピエンが拝めたので良かった良かった。

6

きれいな空

完結編。最終話まで話がどうなるのか分からない、はらはらした内容でした。
序盤、宙が「気持ちや努力だけじゃ、どうしようもないこともある。」と親友に話しているのを見て、辛い思いを沢山したんだな・・・と寂しく思えました。

てっちゃん(攻め)が、宙を凄く引きずって、ケーキ屋を見るとつい覗いてしまったり、やっと宙に会えても「ちゃんとやってるよ。もう1人でも大丈夫だよ」というのを聞いて、俺が居なくても大丈夫だな・・・ってネガティブ全開!!Σ(゜□゜)会話だけ聞くとそう取れるかもだけど・・・

宙の一人前になって、てっちゃんにとって相応しい人になりたいって頑張ったんだよ。という気持ちも伝わらず、てっちゃんは、もうどんどんヤケになったり、人の話は聞かないし、逃げ腰になっていって、彼女とよりを戻しかけたり・・・ずるいです。繊細なんだと思うんですけど、自分の気持ちも誤魔化して周囲を傷つけて。

宙にも彼女にも、酷いことをしてるという自覚があるみたいですけど、頭の中でグルグル考えすぎ!悩みすぎて行動にも口にも出せなくて、やっと彼女にビシっと言われた台詞、すごく心に残りました。思い切って平手くらわせても許されると思います(笑)この彼女、すごく頑張り屋だなーと思いました。てっちゃんには勿体無いです(笑)

宙は本当に中身が大きく成長したなぁと思いました。あの行動力、素直に気持ちを伝える勇気。てっちゃん見習ってください(笑)大人になると子どもの頃より更に臆病になって傷つくのが恐くて、考えずに行ける方に気持ちが行きやすい気がするんですけど、まさに、てっちゃん・・・(笑)

でも、てっちゃん好きです!!散々に言いましたが、ヘタレで、頭で考えすぎて、グルグルしちゃうけど、格好良い人。ずっと昔を探している感じで、子どもの宙と手を繋いでいる頃を思い出すシーン、泣きそうになりました。てっちゃんは必要とされたかったのかな・・・と思えました。

受けの宙が何度も、諦めずに頑張って気持ちを伝えようとする場面は感動しました。
複雑でしたけど、ふたりが幸せになってくれて良かったです。
最後にてっちゃんの心の狭さに笑いました。2巻といい、睨まれたり、りょーちん大変だなぁ~(笑)

あと表紙が3冊とも共通して夜空が背景でとても綺麗でした。なので特に2巻ですけど、ピンクとかオレンジなどの加工なしの絵も見てみたかったです。

5

読み返してみて。

じわーっときました。少し時間がたってからほろりときました。

木下先生の描かれる作品は綿菓子みたいで、読後のほんわかした空気感が大好きなのですが、この作品はかなり毛色が違いました。最後まで胸が痛かったです。
紆余曲折あって結ばれる関係はもともと大好きなのですが、木下作品でこの感覚を味わうことになるとは…。

てっちゃんの大人のずるさだとか弱さだとかが透けて見えていたからこそ、この作品の現実味が増してたんだろうなあと思います。
すれ違ってすれ違って、お互いがお互いを好きで、どうしようもなく必要としているのに上手くいかない。好きという感情だけで一緒にいられるほど現実は甘くない。
高校生だった宙があのままてっちゃんに甘えてしまっていたら、この二人は上手くいかなかったような気がします。
一度ダメになったからこそ、めでたく幸せになれたんだろうなと。
自分が手を放さなければいい。
男前な宙が心の狭い(5ミリ四方くらい)てっちゃんを幸せにしてくれるでしょう。

9

ハッピーエンドでよかった☆

待ちに待った最終巻です。
ハッピーエンドでよかったです。

お互いに想い合っているのに言葉が足りないせいで、離れ離れになってしまったふたり。
この巻で、成長した宙が社会人の哲弥と再会します。
宙の「好き」と自分の「好き」が同じだという確信がなかったため、自分は「宙を守るために一緒にいる」と言い訳していたところがあった哲弥は、「もう自分は必要ない」と自己完結してしまいます(←ヘタレ!)
しかし、哲弥への感情を充分理解した宙が、哲弥を追いかけるのです。

この2人は今まで、お互いを想い合っていたけれど、お互いへの気持ちが微妙に違っていました。
最終巻でやっと、2人の気持ちが同じ方向を向くことが出来てよかったです。

「萌×2」評価と「萌」評価で迷いましたが、哲弥のあまりのヘタレっぷりにちょっとイラッとしたので、「萌」評価にしました。

3

攻めにイライラ

1巻・2巻ときまして 最終巻ですね。
最初の1巻から私は イライラが止まりません。
私は攻めの中山に 怒りの気持ちが大爆発してしまいました。
宙への気持ちを素直に出さなくて ずるい男だと思います。
彼女も平気で作りますし。
大人だから結婚も意識はしていたのかもしれませんが。
自分が好きなのは 宙って分かっているのに。
SEX出来れば 誰だっていいのか?って思いました。
中山は 信用できない。
これから二人は付き合いますが 中山は
大人のずるさをこれからも出していきそうです。





3

最後に望むなら…

 もう何年も会っていなかった二人が、なぜ出会ってしまうんしょう。
そして、「頑張ったな」なんて言われて、望む答えは何なんでしょう?

 宙に会うことを頑なに拒む哲弥。でも、二人は確実に近づいていく。

 このシリーズ全体を通して、大きな事件が起こるわけでも、劇的な展開があるわけでも、いちゃいちゃして、薔薇色の生活が待っているわけでもありません。しかし、これこそが、私は現実のような気がしてならないのです。いくつもの、嬉しい夜や、悔やむ夜、悲しい夜を過ごして、また朝を迎える。そんな毎日の暮らしの中で、相手のことを思うことだけは、なぜかやめられない。結末よりも、全体的に現実的なお話で、ほろ苦さを残してくれるお話だと思います。

2

スミマセン、ネタバレ無いですが、ただ読んで欲しい作品です。

木下先生、今回も御馳走さまでした。
木下先生の線の細い、どこか幻想的な絵柄が大好きです。

続きモノだと判っていましたので、最終巻がでるまで買わずに我慢の日々でした。もう待って、待って、待って…(しつこい!)
そして3巻まとめて一気読み。

もう満足ですっっ!(ゲフッ)
幼少時代から社会人まで、じっくり堪能させて頂きました。
幼なじみ→すれ違い→別れ→再会→すれ違い、両想いなのに くっつくまで長過ぎ!
思いっ切り焦らして下さり 有り難う御座いました!
途中「キス ブルー」と何となくデジャビュ?な部分もありましたが、大丈夫、スルー出来ます。
Hシーンも少なく、余りBLっぽくない作品ですので、評価は分かれるかもしれませんが、焦れったい話スキーな方、必読です。
次、脇キャラの八島の話は出ないのですか?(熱望)その場合、八島(受)でお願いしますっっ!

6

面白かったぁ。

最近、受が一方的に愛され侍なお話が結構流行ってるのかなと思うんですが、自分はすれ違い、恋愛の主導権がいったりきたりして受・攻両方が片思いみたいな切なくなる展開が好きなのでこのお話はまさにドストライクでした。

木下先生の作品では「キスブルー」が良く出来てるかなっていうのがあるんですが、個人的な萌えツボはこの作品かな。いつもながら攻が格好良く色気があります。お話としてはしっとりとした間や透明感のある雰囲気があって木下作品では珍しく結構シビアな表現があったり、濃いめな描写もあって自分はすごく面白かったです。

宙(受)がてっちゃん(攻)に自分が守られたり心配かけたりする存在でなく一人でやっていける自立した大人になりたい、てっちゃんに相応しい人間になりたいと思ってることで常々自分を犠牲にしても宙を大切に守ってあげたいと思ってるてっちゃんと価値観が衝突。てっちゃんは宙が独り立ちできたならもう自分は必要ないと手を放してしまうところで宙がてっちゃんとずっと一緒にいる恋愛するということを自分の中でようやく形作って考えていく。

宙は人としてはもともと結構成熟してる方だと思うんですが恋愛の部分で幼ないのでそうゆうところがでかすぎるてっちゃんとすれ違っちゃうんですよね。それでいててっちゃんは意外と大人なようで宙のことを本当の意味で理解してあげられなかったりするので(子供の頃のトラウマがそうさせるんですが。宙ブルブルしくしくしてたしね)。お互い人生のペースが違ったり価値観の衝突があってすれ違ったりするんだけど恋愛してくみたいなのがリアルで大人な感じでした。

経済的、精神的な部分では自立したいと考えてる宙(相手の負担になってはやっぱり関係も長く続かないだろうし)が体の部分ではてっちゃんにされる、受手になることに違和感がなく満たされてるっていうのも何か今の時代の男女の恋愛価値観に通ずる感じになってるような気がします。また宙の親友のリョーちんがカッコ良くていい。当馬の由衣ちゃんも可愛くていい女で女性読者として○。

BLでは受に男らしさを求める方がよくいますが、宙は外見は可愛くて性格もほわほわした天然系なんだけどこうゆう意味で男らしいと言えるのではないかなと思います。最近のBL作品の中ではかなり気に入って最終巻を楽しみにしていた作品だったので期待通りの内容で大満足でした。買って良かったシリーズ。

10

宙は男前だよね♪

出会って別れて、再会して、そしてまた離れて、そんな繰り返しをする二人のお話がいよいよ最終巻!
宙を守ってあげたいと友情とは違う意味で愛しているてっちゃんと、
てっちゃんを好きだけど、守られているだけじゃなくて自立したいと望む宙とのすれ違いで、驚愕の別れでおわった2巻のその後・・・もうそれから5~6年経ったことになるんでしょうか?
今回も微妙に噛み合わない二人の想いのすれ違いに、
てっちゃんのヘタレぶりに「お前なー!」と本に向かって突っ込み(w)
宙がすごく男前になっていたことに嬉しく思うのでした♪

そんな二人の気持ちのやりとり展開に切なさをまた催しながらも、一番の萌えどころは、二人が気持ちを通わせて結ばれたその後の後日談『幾千のキス』です!
宙がてっちゃんと帰宅するとリョーちんが来ていて、一緒に食事することになるのですが、そこで臆面もなく宙がドッキリ発言v
リョーちんの質問に赤裸々に「してもらうのが好き」と答えるシーンとか、その後の積極的にリクエストする宙の言葉とか、読んでるこちらが赤面するほどの姿に、萌え死にもよおすかと思ったデス!!
本編が色々と切なかっただけにこの甘甘ぶりが。。。
宙がしてもらうのが好きって言ってるからリバはないんだよな~
宙はてっちゃんより男前だから、リバってもいいのに・・・チェ、なんてふくれてみたりwww
とにかく、このキスと、巻末のそれぞれの話は、幸せを感じることのできる話でよかった~んです♪

さて、本編の方は、
思いがけずてっちゃんの仕事の得意先の傍で働いていた宙と偶然再会した二人。
てっちゃんは宙が気になるのに、一人でやっていけるよ、という言葉にもう俺がいなくても大丈夫だな、って、、
何でそんなに後ろ向きなんだーー!!
その後もヘタレまくり、このままてっちゃんと切れてしまいたくないと歩み寄ろうとする宙の姿があって、初めて近づけるのに
またてっちゃんは、イライラしまくってる。
宙はわかってるんだと思うんです、てっちゃんの気持ち。
だけど、どうしてもてっちゃんが宙に守る存在でいてほしい、そこにまだこだわってるような気がしたんです。
だから、大人になった宙の粘り勝ちだとおもうんです。
しつこく、元カノが登場してもめげずにてっちゃんに真っ向から向き合う姿。
この逃げない姿勢が、宙のいいところだな、って思えます。
本当は二人の想いはつながっているはずなのに、いつまでも過去に囚われてるてっちゃんの姿に、これは歳の差のある種の特徴なのかな?っていう気配も感じてみたり。

この1~3巻をとおして、宙の成長が一番のポイントでした。
苦しかった分、甘い二人を見ることができたし、よかった、、って思えます。

10

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