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表題作 あめの帰るところ

能登匡志 → 日野聡

椎本千歳 → 梶裕貴

その他キャラ
秋津先生[東條加那子]

あらすじ

「離れたくないって想ったら、寂しくなったよ」そう告げたのは、飄々として不躾で、どこか寂しげな予備校講師の能登先生だった。高校生の千歳は、優しすぎる彼の恋心に翻弄されながらも、幸福な時間を積み重ねた。ふたりきりの教室、一緒に見た花火、朝焼け……。けれど、それは一瞬にして千歳の中から消失した──…。恋を初めて知った能登と、恋を忘れた千歳の抗えない想いは……。

作品情報

作品名
あめの帰るところ
著者
朝丘戻 
イラスト
テクノサマタ 
媒体
CD
作品演出・監督
阿部信行
音楽
オンリード
脚本
大熊環
原画・イラスト
テクノサマタ
オリジナル媒体
小説
メーカー
ascolto
収録時間
80 分
枚数
1 枚
ふろく
特典:小冊子付
発売日
JANコード
4562283060202
4.4

(76)

(61)

萌々

(3)

(3)

中立

(6)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
17
得点
332
評価数
76
平均
4.4 / 5
神率
80.3%

レビュー投稿数17

重いネタの割に描きが足りていない

これは原作を読んでいるかそうでないかで評価が分かれそうな作品ですね。
未読組のレビューです。

美味しいところだけを切り抜いたダイジェスト版かと思いました。
甘い部分ばかり前面に出ていて、そこまでの経緯にまるで説得力がない。
攻めが受けに好き好きアピールするところから置いてけぼり感くらってました。
深みや重みが感じられないから、キャラの発言や行動に感情がまったく動かされない。
しっかりキャラ作りした声優さんの演技が素晴らしい分、ストーリーの浅さになんだかこっちが申し訳ない気持ちになってきました。

こりゃ死別とか超ド級なインパクトないと評価変わらんぞ…と思っていたら、記憶喪失モノでしたか。
しかし結局印象は変わりませんでしたが…。

モブに近そうなサブキャラもお話に深く絡んでこないんですよね。
普通だと攻め受けばかりは嬉しいのですが、この重いネタでは限界があったのではと思います。

それでも後半の言い争うシーンの演技にグッときて涙が滲みました。
やはり声優さんって凄い!!!

フリトのしっとりボイスがとても耳に気持ち良くて、なんだかんだ穏やかな気持ちで聴き終えたんですけどね(笑)

0

ひたすら愛おしい

初めて、恋をして人を幸せにしたいと思いました。
恋をして幸せになりたいではなく、自分を犠牲にしてでも相手を想うほどの恋はなかなか出来るものではないから。


とにかく優しい世界観の中で物語が進んでいき、二人の想いがだんだんと積み上げられ、深くもなっていく様子に浸って感情移入しました。

「いつも幸せを選択させる」先生のあめちゃんへの気持ちは自分よりも相手を想う愛の深さを思い知り、涙が出てしまいます。

何度聞いても何度も泣けてしまう。
そんなBL CDは本当に沢山の人に知ってもらいたいと思いました。

キャストトークでも、お二人がとても大切に演じていたことが伝わり、改めて制作に関わる人達の作品へのリスペクトがあると聴く側に確実に届くと思い、尊敬しました。
こういう役者さんが沢山居て欲しいと、お二人を改めて好きになりました。
そんな意味では、自分も仕事を頑張ろうと思えた作品です。

1

現実設定だけど、物凄いファンタジー

予備校講師×高3から始まる。
あめちゃんが素直で可愛くて…。
先生のほうが不思議ちゃん。といえば聞こえはいいけど、幼い。
あまり好感は持てないなぁ…。
同性の生徒相手に、ナイわー。
現実設定だけど、物凄いファンタジー。一番ダメなやつ。

「可愛いしかない世界」と割り切って聴くことにする。
童話のようなものかな?

「一緒に幸せを分かち合いたいと思うから、無力さに嘆くんじゃない」
「キスひとつで生まれた意味を感じさせてあげられる特別になりたかったよ」
ポエムの朗読かな?
先生の言動がメンヘラ的というか…。

自分で「年相応の知性もない未熟で劣った人間」と言っているが…ねぇ…。
「やさしく傷付けに来てくれたんだね。
今までありがとう」も自分に酔いすぎて怖い。
「一緒にお爺ちゃんになろうね。
俺は長生きして、あめちゃんを看取ってから死ぬよ」で笑ってしまって、
まともに聴くことを放棄した!
シュールな話だなぁ…。

ここから絡み。梶さんが異常に可愛い。
のだが、行為の描写はほぼ無い。

リリカルポエムが随所にブッ込まれ、
「やさしい世界やで」と思えばそうなのだが…
古の表現で言えば「砂糖を吐く」
ただ梶さんは可愛い。
「今日も好きだった。明日も大好きだよ」
天使だった。

後半は受けが記憶喪失。
なんというご都合主義!更にファンタジーは加速!

「恥ずかしいときはいつも耳を林檎色にしてたから」
はあ~?気色悪い。
不思議ちゃんを気取った女子中学生ならまだしも…32歳の男が…。
迷言を挙げればキリがないほど。

その数々には耐えたが、
「あめちゃん、元気ですか。元気ですか。俺の声、聴こえるかな」
無理ww

写真の場所を訊いて「比べるなよ」と言った梶さんの、
人格が入れ替わったような演技には感心した。

「一ヶ月かけて看取った」「あめちゃんになるから」は斬新。

新居に追いかけてきて、
言い合いをするシーンの梶さんの畳みかけるような感情の高ぶりが素晴らしい。
ここだけでも聴く価値がある。
何度聴いても込み上げる熱量に感動する。
「こんな別れのために…」声が上擦る日野さんも素晴らしい。

「先生が自分の知らないところで死ぬのは嫌だよ」
これもひとつの愛の形だなぁ…。

巻末トーク。2分弱。
日野さん「込み上げてくるものがあって」
梶さん「家でチェックしてて泣きそうになって、
ここにきてちょっと涙が出てきましたね」
日野さんが鼻を啜っているようにも聴こえる。

このCDを「切ない」と評する人も一定数いるようだが…
私にはリリカルポエムファンタジー。
思春期の深夜に書いたラブレター並みに恥ずかしい台詞のオンパレード。
声萌えCDだと思えば、それ以上の演技は聴ける。
エロはほぼないので期待してはいけない。

1

何度聴いても泣ける

原作が朝丘戻さんの小説で、今まで何冊か読みましたが合わない感じで萌えよりも疑問や焦ったさが溢れてくる作家さんで苦手な方でした。
でも、記憶喪失ものは気になるジャンルなので聴いてみました。
最愛の人に忘れられてしまった人と最愛の人を忘れてしまった人のそれからの物語には惹かれます。

能登は、年相応の知性もない未熟で劣った人間だと自己評価の低い予備校講師なのですが、なんともつかみどころのない不思議な人です。コミニュケーション能力が極端に低く他者に興味がない人でした。

先生があめちゃんに語った『月曜の朝は嫌い、…でも今はあめちゃんへの時間へ届いていると思えるからすきになった』というのと
ちいさんに語った『一週間が始まってまた大好きな人と一緒に生きていける
朝焼けを見るとこの子のために自分の人生があるんだ頑張ろうと思えるから月曜日は好き』
というセリフが好き。月曜日の憂鬱さが少し軽くなる気がします。

サランサラン揺れるまつ毛、ぽろんぽろんとこぼれる涙、という表現が独特で能登先生らしくていいと思いました。

思いが通じて、あめちゃんとエッチする、触っていい?、抱きしめていい?
一緒におじいちゃんになって長生きしてあめちゃんを看取って死ぬと約束する。お風呂入ろうね、チューチューしようねエッチしようね、とはしゃぐ先生が可愛いったです。
そして初めての夜に男の体でも大丈夫かと問う先生にあめちゃんが、大丈夫だよ先生、抱き合うのって気持ちいいね、…キスしてもらうのも気持ちいいと、俺が触ってるのわかる? 抱きしめてるのわかる? 愛してるのわかる? の答えの『わかる』と一生懸命うったえるところが先生のことをどんなに好きでこうしたかったかがわかるいいシーンで、梶さんの言い方がすごくよかったです。

もう二度と一人にしないと言っていたのに先生のことを忘れてしまうなんて酷いって思いました。
好きで事故にあってわすれちゃった訳じゃないけど、ちいさんの言葉が先生を傷つける残酷さが痛かったです。

幸せでいてくれることに喜び支えてくれる人がいて良かったと言えるせんせいの強さに救われますが、「事故にあっても教えてもらえない関係の僕たちは、壊そうと思えばチリになって消え、生かそうと思えば永遠になる、ならば僕は秘め続けて墓場まで持って行こう」というセリフに泣けてきました。

大切な人を失うということは、思い出を振り返ってくれる人がいない悲しみや孤独感なのですね。

あめちゃんがいないと泣く先生の悲しみが胸に迫る。

ちいさんの胸の中に向かって語りかけるところが一番泣けます。
俺と2年間も一緒にいてくれて過ごしてくれてありがとう。
あめちゃんとの記憶は俺が全部持っておく。
あめちゃんが恋人でいてくれた日々の全て大切に胸にしまって生きていく。だからゆっくり眠ってと呼びかける声が哀しいです。

普通ってすごいことだと改めて思いました。
大好きな人が普通に存在して寄り添ってくれるのは尊い奇跡なのだと。

この作品の中で語られる『愛してる』という言葉の多くが哀しく切ない響きに聞こえます。
喜びや幸福感よりも。

先生が引っ越すまでの一ヶ月を一緒に過ごしてほしいとちいさんにいったとき、一緒に過ごして記憶を呼び起こそうと思っているのか、あるいは思い出づくりのためかと思いました。
けれどそれは、いなくなってしまったあめちゃんとの約束を果たすためだったのだと知ったらここでも涙か止まらなくなりました。
一緒におじいちゃんになれなかったけれど、千歳の中に眠るあめちゃんの最期を看取っりたかったのですね。先生の一ヶ月間の心情を思うと泣けます。

京都に旅立つ先生を見送るちいさんがホームで泣き崩れ、走り出した電車の中から先生が小声で涙ながらにサヨナラねと言うシーンは映画の場面のようでした。

恋する相手とであえることが稀少で貴重なことを知りました。
追い返すために、ちいさんとは価値観が違って全然話にならない、あめちゃんとの思い出を汚さないでと言いながら先生の心がボロボロに傷ついているのが目に見えるようでした。

こんな別れのために君と出会って恋をしたわけじゃないのに。

最後のシーンでブレーキ音を聞いた先生がまた今度は、ちいさんまでも事故で失うのかと思ったときにおもわず千歳といい直したときに、あめちゃんでもちいさんでもなく二人を魂の中に持っている『千歳』として受け入れる心が決まったとわかりましした。

記憶はなくしても、きっと何度出会ってもこの二人は恋をするのだと思いました。

宇宙一好きだといいながらキスで終わるラストシーンがいいですね。

トークの部分で、梶さんが水彩画のようなイメージで演じていたといっていましたが、その通りだと思いました。
ふんわりとした透明感のある空気感が心地よかったです。

9

初めてのBLCD

初めて聴いたBLCDです。
今まで原作のイメージが壊れるのが嫌でCDは避けてきたのですが、あるきっかけからこの作品を聴く機会があり、すっかり開眼してしまいました。

原作がとても大好きなので、はじめは不安な気持ちだったのですが、再生してみると驚くほど違和感なくあめちゃんと能登先生が入ってきました。
小説をCD1枚に収めているので構成が少し変わっていましたが、聴き終わってみるとまるで2枚組だったんじゃないかと思うくらいの充実感です。

物語の冒頭、留学先からあめちゃんが先生に入れた留守電ではじまるのですが、その後を知ってる分、初っぱなから涙腺が刺激されて参りました。
あめちゃんと先生の出会い、惹かれあっていく部分は少し唐突な印象ですし、先生が普通の大人としてはどうかという性格なので、苦手な方はこのあたりで挫折してしまうかもしれないのですが、諦めずに聴いていただきたいです。
付き合いはじめたふたりの初々しい交際の模様から、ふたりで見た鴇色の朝焼けと、あたりまえの幸せな日常を重ねていく姿が、これから襲い来る出来事への伏線となっていて、音声になるとそれはもう切なかったです。

物語後半、記憶をなくして先生のことも忘れてしまったあめちゃんを【ちいさん】と呼ぶことにし、ちいさんの幸せのために、先生が【あめちゃん】にお別れをする旅館でのシーンで嗚咽が止まらなくなりました。
迫真の演技にティッシュではとても追いつかず、ついにはタオルで涙を拭く始末。
そこからもうずっとタオル片手にぐずぐずになりながら聴いていたのですが、ちいさんが駅で先生に対して想いをぶちまけるシーンでまたも号泣。
押しかけ女房顔負けの行動力で先生を追いかけてきたちいさんに、「あの台詞」を言った時には全身が総毛立ちました。
役者さんって本当に凄いと思った瞬間です。
これを聴いてからというもの、先生は日野さん、千歳は梶さんでしか考えられなくなりました。
何度もリピしてるのに、しつこく何度でも泣けます。

最初に出会ったBLCDがこの作品で本当に良かったと思いました。

8

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