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表題作兇暴なる殉愛

穂村勲・玲也の幼馴染のヤクザ・26歳
崎久保玲也・政治家の息子で秘書・27歳

あらすじ

ずっと恋い焦がれていた穂村との十年ぶりの再会。けれど彼は昔、玲也と関わったせいで少年院に入れられ、ヤクザになっていた。玲也は想いに蓋をし、贖罪のためその身のすべてを捧げるが……。

作品情報

作品名
兇暴なる殉愛
著者
今城けい 
イラスト
高嶋上総 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
ISBN
9784592876694
2.8

(16)

(0)

萌々

(2)

(11)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
43
評価数
16
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

何処までも思いがすれ違う二人

かなりハードな経済ヤクザの攻め様と政治家の父の元で
秘書をしている受け様とのすれ違いハードラブです。
二人は2年間だけ同じ養護施設で同部屋で受け様が実父に
引き取られてからも隠れて合っていたのですが攻め様の素行の
悪さと実父の家の世間体の為に会う事を禁じられ合えば攻め様を
警察に引き渡すと脅され、受け様は心にも無い言葉で攻め様を
付きは放し10年の月日が流れ偶然の再会をするのです。
受け様はゲイで子供の時から攻め様を密かに好きだったのですが
攻め様は女が好きで自分の思いは報われないと思っていたんです。
既にここから二人のすれ違いが始まっているのです。
再会した時には攻め様はヤクザでトラブルに巻き込まれ撃たれる。
そして受け様は思わず攻め様に声を掛けてしまう。
10年たっても好きなんです、ほんとに一途なんですがニブイです。
そして攻め様は、言葉が足りなくて常に受け様に誤解されまくる
受け様への気持ちは好きなんて既に超越しててヤンデレ状態。
本能に忠実なケダモノで執着がハンパないんですよね。
でもそれを昔の事で恨まれてると思ってる受け様には
当然伝わらない、まぁこれで思いを理解しろと言われても
なかなか無理だとは思える程なんですよね。
初めから相思相愛で敵は受け様の実父なんですがどうにも
後半ラストまですれ違い三昧なんですよね。
エロはかなり多い作品です、でも身体的に傷をつける行為は
ないのでエロは濃いめだけどノーマルでしょうね。
ただし、受け様の意思をマル無視しての行為がほとんどです。
それでも受け様は好きだから嬉しい気持ちがあるんです・・・
好きだから攻め様に頼れない、自分も年齢的にも大人で男って
ことも受け様にはあるんですよね。
攻め様にしたら全て何でもいいから傍にいろなんです。
ホントにタイトル通りの兇暴なる殉愛でしたね。

7

オールバックって格好いいですよね~

お話は、攻め視点から始まり、基本受け視点で、時々攻め視点が混ざるような感じです。

--以下ネタバレと感想を含みます--
玲也(受け)は父親である議員の秘書をしており、高圧的な父の存在、愛人の子どもということで、いつも厳しく当たる義理の母親と祖母。自分を道具としか見ていない家の生活に疲れているのですが、実の母親が病気で療養する必要があり、その費用を出して貰ってる負い目があり逆らえません。

ある日、変な男に絡まれるのですが、その変な男をボッコボコにしてくれたのが、施設で一緒だった、そして昔から今もずっと好きな人、勲(攻め)です。別れてから何年も経っているのに、すぐに分かるのです。色々あって「今度、俺の前に現れたら俺のものにすると言った」と言って襲われてしまいます。

玲也と勲は昔、「施設を出てからも会いたい」と言って止められても会っていたので、政治家の父親がある条件を出してきます。「もう会わない」と、攻めを傷つける言葉で追い返したのに、父親は、簡単に約束を破り、勲を落し入れます。それを恨んでいると玲也は最後辺りまで思い続けて、自分を責めながら抱かれ続ける。

「もう!すれ違いの言葉不足でしょ!」と、特に攻めの勲に文句を言いたかったですが、恐い・・・この人恐いよ・・・!(;▽;)この人、玲也と玲也が大切にしている実の母親以外、本当にどうでも良いと思ってます。(自分を拾ってくれた兄貴には恩義を感じてるみたいですが)

初っ端から凄かったですが、中盤、玲也の婚約者になる人の情報を調べ上げて寝た後、この女は、軽いやつなんだよ。と「玲也をこんなやつと分け合う気はない」という台詞に不覚にも一瞬トキメイてしまいましたが!(←くそうっ!笑)「誰にもやらない!」って言う気持ちが、読者にはバッシバッシと伝わってくるのですが、受けは毎回混乱してしまって、好きなのに気持ちが伴わないのは切ないと苦しんでる姿が辛かったです。

何より、昼食会は玲也が本当に可哀想でした。攻めは何度も「母親の面倒も見るし、俺と暮らすと言ったらやめる」と譲歩(?)は、するのですが、玲也としては、いろいろと思うことがあって、どうしても譲れないと。
その後の行為を許した父親も、その場で普通に食事をする義理の母親も祖母も理解出来ませんでした。何だか義理の母親も祖母も父親に服従されている様で、腹はすごく立つのですが、感覚が麻痺してるのか・・・もう病んでいるのか二人の女性に対しても悲しくなってきます。

これがきっかけで、玲也は住んでる家から決別しようとやっと鎖を自分で切るのですが。ここまでしないといけないほどの、重くて硬い鎖・・・呪いだったのかとも思えます。辛い。

と、とにかくこの話の癒しで大好きになったのが、玲也がご飯を食べに行くお店のママ(////)いつも相談に乗ってくれるし、気が利いて一番男前で一番優しくて一番格好良かった気がします。

でも勲にも良いところがあって、いつも辛くても苦しいと言えない玲也のことを敏感に感じ取ってくれるんです。同じ施設に居た頃、「腹が痛いのか?」「熱があるのか?」誰にも気づかれないように我慢してるのですが、そういったことを気づいてくれます。

他にも「俺と暮らすって言えよ」←この言葉、何十回聞いたことでしょう。何度、私はときめいたか!(笑)素直に好きって言ってくれよ~(涙)と思ったんですが、彼は好きというものを知らないのでは。。。頭は良いのに発想がぶっとんでいて、好きとかぶっとばして、自分のものにしたい。って、そ、そうか・・・(笑)

終盤、受けが実の母親に会って話が出来るのですが、先に来て帰った攻めの言葉がじわりじわりと胸がぎゅっとしました。
「あいつを自由にする」あの家から解放する。目頭が熱くなりました。良かった・・・この一言で全てがチャラになりそうでした。一瞬。
最後にひとこと、オールバックってやっぱり格好いいですね~

3

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