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何度目かの読み返し。いい加減ネタバレなのに、やはり最後の最後で、ホロリ。。と泣けてしまう。個人的には、正しく名作!
シリーズスタート時は、ケモミミの可愛いお話という認識でした。なので、当然ながら、異種動物間に立ちはだかる寿命という壁は、ギャグ+ほのぼのテイストな作風にあっては、出てこない(又は、魔法のようなご都合主義で、上手いこと纏められるだろう)と、たかをくくっていたら、本当に直球勝負できましたね。
勿論、若さ(寿命)の秘訣は、あまりにごもっともな理由で、魔法でも何でもない。この世の無常を(無情ではなく)感じました。
いつか、人間の研究によって、生命の寿命が延びる日が来るのかもしれない。。けれど、成人病にかかってしまうペットの話を聞くと、世の中の理は、そう簡単に覆えされるものではないのかも。。と、感じている私です。
狼さんにとってのトラさんは、何年経っても『可愛いヨメ(トラ猫であり、子トラ』』なので、過保護過ぎる位の愛情を、トラさんに注いでくれる。
トラさんは、そんな狼さんが大好きで、早く一人前の大人になりたい、狼さんを幸せにしたいと一途に願い、行動する。かなり腹黒でも、それは愛ゆえ。。の世界。
腹黒なくせに泣き虫で、そんなトラさんに狼さんは理想の旦那さまなのかもしれないです。(←エッチについては、男前受けですが。。)
狼さんを失ったら、生けていけないようなトラさんが、きっと狼さんとの思い出とともに、狼さんが迎えに来るその日が来るのを待つようにして過ごしたのかな?と、二人の未来に思いを馳せるたびに涙腺が弛んでしまいます。
むしろ、ご都合主義に頼らないエンドマークは、究極のハッピーエンドに思えて、天晴れです。
今を精一杯生きるって素晴らしいと、じわじわ込み上げて来る作品だと思います。
このエンディングだからこその『神』評価です。
終。です。
狼さんのお父さんがなぜ若々しくいるのか。
少しでも長生きを狼さんにしてもらいたい。
狼さんも長生きをしたいと思う。でも、自分だけが長生きをすることではなく、長生きをして一日でも長くトラと一緒にいたいから
長くいきたいと思う。
寿命についての宿命が
ずっとついてきます。
狼さん男前すぎます!
お父さんと黒羊のお話もあるのですが、黒羊とってもかわいいです
アヒルさんのイラストじゃなければ、抵抗があったであろう
擬人化。
人間化しているけど
動物としてのルールはある
守るべき線をしっかりとらえながらの展開でした。
ポツポツでもいいから
ずっと読み続けたい!
種族の違う生き物だから、決して逃れられない寿命の違い。
いつまでたっても若い狼さんのお父さんが登場して、長生きの秘訣、、、という展開を見せた前作に、本当は触れて欲しくなかったんだけどこうなったら見届ける覚悟で!
と、腹をくくったこの最終巻。
やっぱり涙がでてきちゃったよ~シクシク~
衰えが出てきた狼さんに長生きして欲しいと願うトラさんはお父さんにその秘訣を聞くのです。
すると、洞窟から姿を消した二匹をさがしていた狼さんはガケから落ちてしまうのです。
血まみれ(に見える)狼さんを何とか救うために、お父さんが昔世話になっていた山のむこうの獣医の元へ狼さんを連れて行きます。
この獣医さんというのが長生きのキーワードでした。
魔法でもなんでもなかったんですね。
あくまでもそこは現実的でリアルでした。
トラさんの葛藤が切なかったのです。
自分ばかり望んで本当の狼さんの希はなんなのか?
他の動物たちに狼さんが与えてくれる愛情はなんなのかと聞くと、それは母親の愛情だという。
自分はいつまでも子供じゃない、と、トラさんの出した答えは・・・
そして狼さんの出した答えは・・・
もう、この2匹については何も言いますまい。
本当に好きで大好きで、ずっとずっと一緒にいたい2匹なんです!
で、どうなったかって?
『ラストコール』で父親になった甥っ子のコドリが狼さんとトラさんが暮らしていた洞窟を子供と一緒に訪れます。
子供にトラさんと狼さんの事を話すコドリ。
もう、、ここでも涙腺が緩みっぱなしです。
他にもトラさんがチビっ子だった頃の話が載ってるんですが、それすらも愛おしくて、切なくて、とっても可愛い話なのに、狼さんの愛情がいっぱいいっぱいつまっていて、思わず涙が出てきちゃう!
本編で彼等の将来がわかってしまっただけに、余計に・・・
『番外編』は狼さんのお父さんが獣医さんに保護されていたときのお話です。
黒羊に気に入られてしまった狼父w
羊は、すでに「俺の嫁」と呼んでましたwもちろん、狼父は受け(笑)
これでちょっと気分転換はできたかな?
最初はトラさんのかわいらしさと腹黒さと、狼さんのツンデレが愉快で始まったのに、どうしてこんなに切ない話になってしまったのか。
でも、とってもいい作品だったことは確かです。
トラさんも狼さんも、その家族たちも大好きです!
こちらでレビューを読ませていただいて、死・・・涙・・・切ない・・・感動・・・などのワードで
単純なわたしの頭の中には、なぜかフランダースの犬のラストシーンのような情景が。
冷たい洞穴、抱き合うふたり、徐々に下がる体温・・・などの想像が勝手に巡り
・・・無理! どんだけ引きずるか分からない! やめておこう。。。と
書店で見かけても目を背けておりました。
ですが、古本屋に本書がありまして、
パラパラッと見るだけならダメージも少ないよね?と怖いもの見たさもあり
手にとってみましたら(要はとにかくかなり気になっていた)
本の中には、ふたりの愛が溢れていました。
もし、興味はあるけれど悲しいものは苦手で。と躊躇されている方がおられましたら
(わたしだけかなぁ・・・)
深い大きな愛の目撃者になるつもりで、ぜひ読んでいただきたいなぁと思いました。
読み終わって本を閉じ、まず感じたのは
別れる辛さより、共に過ごせる時間があることの幸せ。
狼さんの真剣な顔と、トラさんの笑顔がとても素敵でした。
(それがきっと多くの方の涙をさそうのです・・・)
狼さんのお父さんが
愛する奥さんを亡くした後であっても、心の平穏を感じる時があったり
悲しみから救ってくれる人と共にいることが描かれていたのも、とても嬉しく
わたしの方が救われる気持ちになりました。
トラさんのこれからが辛いだけではないことを暗示しているようで・・・
続までの段階で年下で寿命も長い自分を置いて衰え始めている狼さんに対してなんとか狼さんのお父さんを鍵として少しでも長く一緒にいたいと考えるのは虎さんとしては当たり前の考えだと思うのです。
そしてその鍵となったのは、すでにレビューされちゃってるのでいいか。
人間にメンテナンスしてもらう事。確かに野生よりはぐっと長生きするでしょう。
そしてそれは人間とは相いれない虎とは別れて生きる事とイコール。
そこで二人の間の感情について一方通行ではないのか、向こうの愛情は親子愛に過ぎないのでは?と深刻な悩みに突撃してしまうのですが・・・
そんな深刻な悩みでありながら解決方法が凄く単純に終了するのは春野アヒルさんだからなのかなーって感じがします。愛は距離もシチュエーションも越え、万能なお話、まさに王道!
そして最終話としてコドリ視点から虎さんが狼さんに導かれ死んでいく話が出てくるわけですが・・・これは逆にいうと究極のハッピーエンドなのではないでしょうか?
どんなBLでも生きている限りは「永遠に愛し合いました」と断定されても100%ではないのですが、死を持っても分かたれない!という完全確定まで書かれたことによってもうなんの心配もないHAPPY ENDに昇華するのです。
読者からすりゃ「終焉」でも、二人にとっては「なんの不安要素もない永遠」を手に入れたという至上の幸福でしかないということで。