抱かれるくらいなら抱いてやる――! 攻×攻のラブバトル!

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表題作悪い男は飼い馴らせない

塩田孝理,28歳,カメラマン
多部真咲,23歳,植木職人

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

片想い相手・西垣の家で寝ているところを男に襲われそうなった真咲。その男は西垣の友人で真咲が嫌いな相手・塩田だった。しかもその家は塩田の家だと発覚し、真咲は何故か塩田と同居することになり!?

作品情報

作品名
悪い男は飼い馴らせない
著者
成宮ゆり 
イラスト
桜城やや 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784041003589
3.5

(36)

(6)

萌々

(13)

(13)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
125
評価数
36
平均
3.5 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数12

素直になれれば最強なのに

ある程度、歳をとってから気がついたことがありまして。
ひとつは『素直って何よりも大切』ということ。
もうひとつは『ピュアって神』ということ。
……ああ、20歳の自分に教えてあげたい格言(?)だよなぁ。
これを知っていたら、もっと生きやすかったと思うのね、自分。
で、このお話を読んで、真咲にもこのことを教えてあげたいと思ったんですよ。

『年上の人を抱く』ことに拘る真咲は、もうそれだけで子どもです。
「子ども扱いされたくない」と突っ張るのも子どもだから。
でも、大人になれば解るんです。人が魅力的かどうかというのは大人も子どもも関係ないってことを。

兄の結婚によって家を出なければならない真咲が、年上の想い人である西垣に誘われて同居を始めてから一週間。西垣の留守に眠っているところを、体をまさぐられて気づいたら男にのしかかられていたというのは、確かに衝撃的です。
それものしかかっていたのは、今までことある毎に自分の恋路を邪魔してきた『嫌いな男』の塩田。
おまけに、この部屋は塩田の部屋で、真咲は西垣に騙されて塩田への『貢ぎ物』にされようとしていたとのこと。塩田がゲスな男でなかったから、真咲は真相を知れたのですが、これはかなりショックですよね。

だけど、真咲は西垣を憎めないのです。
これ、未練と言うより、真咲がピュアな子だからなんだと思うんですよ。
そう、真咲ってもう既に『神』の存在なの。
それなのに素直じゃないもんだから、ここから始まる塩田との関係が拗れる、拗れる。
……まぁ、だからこそドラマが始まるんですけれども。

『若い』というのは面倒臭いものです。
でも、それにも増してと言うか、それだからこそ可愛らしいもの。
そんな時代の懐かしさもあって、このお話、とても微笑ましく感じました。

1

ガテン系の攻めがネコちゃんに

面白かったです。

「その男、取扱注意!」シリーズに続いて、この作家さんの作品を読むのは二作品目です。
あちらの作品もこちらも「バリタチなのに受けになってしまう」という「元攻め」な受けが見せる可愛さが楽しめました。
そして単なる攻め攻め攻防ではないところが、面白い。

口説いている男を今まで何度も塩田(攻め)に横取りされている真咲(受け)。
片思いの相手と同居できるはずが騙されて、塩田とまさかの同居をする羽目になり……という展開なんだけど、それぞれのキャラが良かったです。

受けの真咲は年上が好きなタチで、年下のかわいさを武器にするわけではなく、プライドの高い年上の男をベッドの中で屈服させて主導権を握ることに楽しみを覚えるタイプ。
三人兄弟の末っ子で、兄達から常にガキ扱いされて育ってきた事もあり、年上から子供扱いされる事に人一倍我慢ならない。
なのに、塩田ときたら何かと「大人の余裕」を見せつけてくるので、心の中で真咲は舌打ちしまくり。

だけど塩田に優しくされたり、ちょっかいを出されたりするうちに、大嫌い!だったはずが次第に気になる存在へと変化していきます。
この塩田の手のひらの上でにっちもさっちもいかなくなっていく真咲の様子がかわいい。
そして、大人のよゆーをカマしていたかのように見えた塩田も、実は真咲に振り回されていたというところが好きで、読み返す楽しみがあります。
「生意気な年下が、大人の男に振り回される話」がテーマとのことだけど、お互いがお互いに振り回されていたような感じで楽しめました。

真咲がいい子だったなぁ。
「世の中を良い方向にばかり考えていると悪い大人に弄ばれるぞ」と塩田に警告されるんだけど、きちんと育てられた子ならではの配慮とか思考回路がちょいちょい覗くところがあって、魅力的な子だった。

そして中盤になるまで塩田の職業も謎だし、思考回路ダダ漏れ系ではないので、こいつは本当はどういう男なんだ?と、真咲と一緒になって塩田という男を探る楽しみもありました。
でも、どうせ真咲のこと好きなんでしょ?と思ってたら、真咲とディープキスして手でいかしてお尻でいかせてというエロ展開なのに塩田の「股間が無反応」とあり、あぁ真咲のことまだ好きじゃないんだ……たんに生意気な真咲をからかっただけなんだ……と思ったんですよね。
あそこのシーン、攻め視点プリーズです。
必死で祖父母両親の顔を思い浮かべたり、素数を考えたりしてたのかなぁ?
好きな男と初めてエロいことできたのに、なぜ反応しなかったの?



0

大事なものは最後までとって置くタイプなのです

攻め対攻めの攻防かと帯を見て思ったけれど、若干ニュアンスが違っていたかも
23才の植木職人なんてシブイ仕事をしてる真咲くんは、タッパもガタイもしっかり
してる、タチなんですが、意外にトラウマ持ってたりして3人兄弟の末っ子だからか
甘えたがりなのに、無理して男らしく大人に見せようとしてる雰囲気もある。

相手役の塩田は、カメラマンなのですが、真咲くんはかなり中盤まで塩田をニートだと
本気で思っていたりするんです。
そもそもの出会いはゲイバーで、お客同士で、真咲君は塩田が大嫌いだったのです。
それは、自分が狙っていた相手を何度も奪われることや、子ども扱いされるように
ちょっと小バカにした態度であしらわれ、世界で2番目に嫌いなんて思ってる真咲君

それに、線が細くて美人で年上儚げなタイプが好きな真咲君は、狙っている男が
塩田の友人である事から更に嫌いになってる、なんとも子供っぽい対応です。
塩田の友人で真咲君が狙っている西垣に、成り行きで同居を申し込まれ喜び勇んで
OKし、でも1週間で出て行かれ、その夜寝苦しさに起きてみれば嫌いな塩田が
自分を抱こうとしているところで・・・
西垣の家だと思っていた家は塩田の家で、西垣に何やらハメられた感じで、
直ぐには行く当てのない真咲君はそのまま嫌いな塩田と同居する事になります。

最悪の第一印象で、嫌いな塩田と暮らしていくうちに、時々子ども扱いされる事には
苛立ちを思える真咲君ですが、二人での生活が自然になって来たころに姿を消していた
西垣が現れ、好きだった筈の西垣が逆に今まで見えなかった毒みたいな様子が見えてきて
逆に西垣が塩田と関係を持っているもではないかと嫉妬するように・・・
そしてカメラマンの塩田からお前の写真は撮らないと言われた事に落胆も覚える。
生意気で大人ぶってる真咲君が次第に後半になって行くと可愛くなってくるのも
楽しい変化でしたね。
それに塩田の大好きなものは後にとっておくタイプと言うのが真咲君への
塩田の気持ちが表れていてカメラマンらしい思いの伝え方でした。


4

成宮さん&桜城さんタッグ

成宮さん&桜城さんタッグは、
ものすごい購入欲をかき立たれると
思うのは、私だけでしょうか?あらすじを読むことなく
レジに向かってしまいましたよ。

庭師の真咲と写真家の塩田の物語。
お互い攻ということで、
真咲は、何度も狙ってた相手を取られてしまっていることから、
塩田のことを目の敵にしていたのですが、
ひょんなことから、同居することに。
もともと真咲は、西垣という年上女王様系のことが好きなのですが、
だんだん塩田に惹かれていってしまうわけです。
塩田と西垣の関係も気になり、嫉妬してしまう。
でも、自分は受じゃないし・・・。

真咲がだんだん、塩田に惹かれていってしまい、
抱かれたいと思うまでの気持ちの経過が楽しめました。

そして、西垣の悪いやつっぷりが、すごかったです。
きっと寂しい男なんですよね、何故だか憎めない。

癖のある登場人物が多いことからも、
できれば、後日談のショートがあれば、
もっと面白くなるのでは?と思わせられる作品でした。

3

飼い馴らせない悪い男って誰?n

主人公は植木職人の真咲(攻)。
口説いてもツレナイ年上美人の西垣(受)の部屋へ同居した筈が、実は家主は別にいて、しかも西垣の過失の代償として家主に差し出されていたw
さらに家主は、真咲が声をかけた男を横からかっさらったり、西垣とも親密そうだし、年上の癖に無職らしい…と、世界で二番目に嫌いな塩田(攻)だった(ちなみに一番嫌いな相手は、すぐ年上ぶってからかう次兄なんだとか)。
真咲はすぐに退居が難しい事情もあって、なぜか間貸しを追認した塩田と、しばらく二人で暮らすことにするのだが…。

完攻を自負する真咲が、塩田の前であからさまな動揺を見せてばかりなのに自分は抱く方だ!と主張する姿が微笑ましいっス。
粗を探せば、導入章で三人の関係がわかり辛いとか、塩田の気持ちがバレバレだとか(ラストで少しはひねってくれるかと期待したんだけど)、あるにはあるけども。

コンスタントに2ヶ月ごと新刊発行してるのに、毎回違う職業の主人公たちを登場させてくれる楽しみな作家さんなので、点数が甘くなってしまうのは、ご容赦を。

1

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