繰り返される悪夢は、ここで断ち切る――。リンク作「金曜日の凶夢」稀代のバイオリニスト・紀ノ川と新城の競演も収録!

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作火曜日の狂夢

オケのコンマスバイオリニスト 南大智 25歳
新進の若手バイオリニスト 刈谷充 25歳

その他の収録作品

  • あとがき 夜光花・稲荷屋房之介

あらすじ

プロの若手バイオリニスト・刈谷充にとって、特別な火曜日だった。今日は、オケのコンマスを務める友人・南大智と合同練習の日だ。清廉潔白な大智と独創的な充。正反対の二人だが、音楽への情熱は同じくらい熱い。その上、大智は充のことが好きらしい。三年前に酔って大智の部屋に泊まった夜にキスされたのだ。いい加減な充と違って、大智はキス一つで悩み苦しむ繊細な男だ。友情を壊したくなかったから、今までずっと大智の気持ちに気づかないフリをしてきたが――?

(出版社より)

作品情報

作品名
火曜日の狂夢
著者
夜光花 
イラスト
稲荷家房之介 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
水曜日の悪夢
発売日
ISBN
9784796403153
3.9

(36)

(11)

萌々

(14)

(10)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
142
評価数
36
平均
3.9 / 5
神率
30.6%

レビュー投稿数10

人情ほだされ!!

シリーズ3作品目!
今回は初期の初期に怒涛の死のタイムリープがやってきて、メンタル削られた︎︎わけですが、
もうここまで来たら!な充の行動から昭和30年代にタイムリープ!!
巻き込まれた大地と衣食住を共にしながら、頼るとこのない時代にヴァイオリンの腕と周囲の人の人情で進んでいくところ、次々と明かされるタイムリープの根幹が面白かった!!
お互い音楽の繋がりがあったうえでの特別でそこを抜いても特別で!ってところも!!
絆されながらも特別感が強まるの良い!

最後は新城の復帰も見られて感無量!!
圧倒され、感化された2人の力強いヴァイオリンへの想いで終わるけど、新城に持ってかれた感と、真吾の存在は少しも出てこなかったので、これは水曜の時間時かなのか、他の時間軸なのか…真吾の熱を押してた身からするとちょっとモヤモヤ。
ですが、タイムリープものとして、とても面白かったです!!

0

三作合わせてきれいなエンディング

前作の「金曜日~」がとてもよかったので、すぐ本作を読みました。こちらもよかった……。
冒頭は、何度もループして自分の死を経験するという、怖いシーンの連続。それを回避するために充がとったある行動で、大智を道連れにする形で、一緒に過去の世界へタイムリープ。
そこは昭和30年代の世界で、なにも宛てのない中、音楽でどうにか生きていこうとする二人。そこで関わり合いになる人々は、人情味のある温かないい人達ばかりで、読んでいてホッとする。

充は大智が自分のことを好きなことを前から知っていて、もともと微妙な関係ではあった。だけど、四六時中一緒にいるようになり、元いた世界ではうまくいかなかった伴奏も息が合うようになると、だんだん心も体も自然と距離が縮まっていく。
この、友達からゆっくり恋人になるパターンはとても好き!
充がほだされていく様子も、真面目で固そうな大智が、案外抑えが効かなくなるところも萌えた~!

なぜこの世界へ来たのかという種明かしの部分は、なるほどなあと思いつつ、ちょっとホロリとさせられる。そしてクライマックス、新城と紀ノ川のシーンは、三作全て読んだからこその感動があった。
一冊ずつでも読めなくはないが、全部読むと、新城の復活と再生の物語として、すっきりときれいにまとまっている。

0

思い出の場所が二人を引っ張った?

新城の運命がどう落ち着くのかって発想・手段に驚いた1作目、バイオリニスト・紀ノ川の人物像に惹きつけられた2作目、3作目は…
ちなみに、『水曜日の悪夢』『金曜日の凶夢』はセットで読むのをお薦めするが、この話だけ気になった人はこれ一冊でも楽しめる仕様になっている。
前作に登場した新城、紀ノ川がチラリと顔出しするものの、今回の話には特に絡む事はない。

アルト公会堂の最後の演奏会を目前に、同じ日に何度も事故に遇う悲劇のループに嵌ってしまった充。
ようやくループから抜け出したはいいが、同い年のバイオリニスト・大智を巻き込んでしまい、何と昭和32年にタイムスリップしてしまったのだった。
元の時代との生活様式の違いに日々カルチャーショックを受け続ける二人だが、取り敢えず迷い込んだ過去でもどうにか生きていかないとと奮闘する姿があった。

いくら自分が人情味・アットホーム好きでも話の大部分を占める昭和30年代の描写には読んでいて気が緩んできたのだが、充の出生の秘密や何故この時代に飛ばされたのかって部分で話が締まってる。

まぁ、とどのつまりは細野の失態が原因な訳だが、そこは目を瞑って、アルト公会堂が二人を引き寄せたのかもね、ってロマンチックな想像でもいいと思う。
(巻末おまけページでは細野氏の失敗続きを心配していて、挿絵の稲荷屋さんてば優しいのね…)

ちなみにエッチ描写は薄いと思う。
正直、あまりにも昭和30年代の描写が長かったせいか、どうも二人の恋愛感情の機微ってのが読み取れなかった。
それよりも、神経質な大智と大雑把な充とで衣食住に戸惑う・慣れる落差が出ていたのが面白かったかな。
今回の話は幸福感に浸れる読後感はあるが、夜光さんの小説でエッチシーンとかで受けが痛い目に遇う事が無いってのは珍しい気がする。

0

最後までワクワク

タイムリープものの3作目。
個人的な好みは2作目「金曜日の凶夢」の方が上ですが、
これも、良かったです。

ライバル2人が昭和30年代に行きます。
何より、面白かったのは、大智です。
優等生風な大智と今風若者な充なので、
充が、「おりゃ~~」と大智を押せ押せしていく物語かと思わせて、
大智が充に片思いしており、大智がグイグイ押していきます。
優等生風な男が「も~押し倒したくなってたまらん!」みたいな様子、
最高でした。ギャップにニマニマしてしまいました。

また、1作目の新城が完全復活をした姿を読めたことは、
嬉しく思いました。諦めずに夢を追った故の復活ということで、
胸にくるものがありました。

3作あって、この世界観がちゃんとできているように感じました。
面白いシリーズでした!

1

いい加減な時間管理局

1作目、2作目と同じ流れでしたが、今回は、現代から過去へ移動します。
それもカップルで(笑)
ふたりで過去にタイムスリップしてそこでもふたりはやはり音楽に生きる。
懐かしい昭和の匂い・・・若いふたりに接する人たちが優しいです。
古き良き時代を思い出します。
それにしても、時間管理局の細野さん、ドジ踏みすぎです。
あなた、そんなんでいいんですか?と突っ込みたくなりました。
私的には、金曜日が一番好きだったかな~。

0

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP