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表題作耳鳴りの恋人

二太 手の力を持つちょり師専門学校へ通う従兄
豊 耳の力を持つ大学生

その他の収録作品

  • 夏の手のひら
  • 耳鳴りのゆくえ
  • あとがき

あらすじ

“あの日 耳鳴りとともに全ての音が消えた
 この気持ちも一緒に消えてしまえば良かったのに”

大学生の豊(ゆたか)と調理師を目指し専門学校に通う二太(にた)はイトコで幼馴染。
幼い頃からゲイを自覚していた豊は、おのずと1つ年上の二太を意識しはじめ、高校生のときに告白したがフラれていた。
耳と手に因果を持った家相のふたりは高校卒業後上京し、お互いを支え合うように同居を始めるが、いつもそばにいる二太に豊の思いは募る一方だった。
豊は年上の恋人・高志(たかし)と体を重ねることで二太への想いを断ち切ろうとするが、そんな行為を責めるように止まない耳鳴りに悩まされる日々が続く。
耳鳴りに苦しむ豊を二太が優しく抱いて一晩を過ごした翌朝、耳鳴りとともに豊から全ての音が消えていた——…。

ノンケに恋した主人公のいじらしい姿をリリカルに描いた優しい1作——。

耳鳴りの恋人 第1話
耳鳴りの恋人 第2話
耳鳴りの恋人 第3話
夏の手のひら
耳鳴りのゆくえ ★描き下ろし
あとがき ★描き下ろし

(出版社より)

作品情報

作品名
耳鳴りの恋人
著者
三月なでしこ(なでしこ) 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
発売日
ISBN
9784893937735
2.8

(5)

(0)

萌々

(2)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
12
評価数
5
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

雰囲気はいいのですが、何か力強さが欲しい

最近、ふゅーじょんぷろだくとは、web発表の漫画家さんを拾い上げてきてはそれを商業本にして売り出しをしている。
この作家さんと、この作品もそうです。
お初のお目にかかる作品と作家さんなので、webとの比較はできませんので、素直に単行本だけを見た評価を。。。

すごくしっとりゆっくりじんわりな作品でした。
むしろ、焦れったく空気のような存在感に、これという決め手はなく、”なんとなく”という流れのストーリー展開。
生まれ持って手の力を持つ二太と、耳の力を持つ豊。
彼等は一つ違いのいとこ同士で、一対の存在のようにいつも一緒にいました。
高校を卒業するときに、豊が二太に告白をしていますが、断られいます。
そして二太は調理師専門学校へ、豊は大学へ、
上京した二人は一緒に暮らしているのですが、豊には二太へのかなわない想いを埋める為に付き合い始めた社会人の恋人がいます。
まだ二太への想いをあきらめきれない豊の耳の力は不安定になり、実際の音と耳鳴りと判別できなくなる様子を見せ、そしてとうとう何も音が全く聞こえなくなってしまいます。
すると、二太の手の力も不安定になり・・・

彼等のその力が具体的に何なのか、詳しい描写はあまりありません。
強いてあげれば、豊には雨の音が聞こえて、翌日の天気がわかるというくらい。
むしろ、手の力のほうが何かあるような感じでした。
この物語において、その「力」という存在が、主人公たちの気持ちのゆらぎを表現するモノとして描かれていますので、
ファンタジックな超能力モノとは全く違う物語です。
手と耳、一対のようでいて、何かあいまい。
ただ豊が二太を好きで、振ったのに一緒にいるのは、豊を不快に思ってないから。
二太が鈍感なのかと思えば、どうもそれは違うような?
二太が豊を受け入れる決め手もどうもはっきりしません。
突然にそれは訪れるので吃驚!
しかし、多分ストーリー的展開から、不安定になった豊を見て、二太が豊を見つめ直すという物語でもあったのかとも思われ、
そのあいまいさが、雰囲気で流してしまえばすんなり入ってくるものの、
けだるいダラダラさを感じてしまう、危うい紙一重部分でもあると思われます。

豊の恋人がとてもイイ人で、何かもったいない気がします。
それでも二太がいいなんて、、、
雰囲気はいいのですが、何かインパクトとか心に残る、という部分では弱い感じがします。
しかし、こうした1冊でじっくり作家さんの作品を読めるというのは、作家さんの力がわかって、短編ばかりつまっているものよりもいいのかも?
と最近感じるのです。

6

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