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先生自身あとがきでホラーという表現をなさっていますが、私はこれがホラー作品だとは考えていません。これはどこまでも、生きている人間対生きている人間の、理不尽な暴力とそれに搾取され続けるしかなかった現実への怒り、憤り、そして無力さへの諦めを描いた作品であるように感じています。人間が誕生してから現在まで、世界各国で様々な方法で人間は人間を傷付けてきた。イケダに対する仕打ちよりも、もっと残酷なことをされた人間がごまんといる。だから、これをホラーなんてどこか他人事なニュアンスを持つ言葉でオブラートに包んで欲しくはなくて、イケダとまったく同じではなくても同じくらい惨たらしい目に遭っている人が今でも存在するんだ、と読者に突きつけて欲しい、そんな風に思いました。
イケダと土屋の謎は、まだ完全には明かされていません。1巻よりは少し明るみに晒されたけれども、まだまだ靄のかかった部分があります。ここまで追ってきたからには、イケダの体験してきたことを1から10まで知らなくてはならない、今はそんな気持ちです。もちろん、純粋に気になるという思いもありますが。そして、小野がどうなるのか、小野とイケダ、2人の終着点がどこに辿り着くのかも見守りたい。「高3限定」も単にトミーの思い付きというわけではないようです。一体、誰のどんな思惑によって、この物語は始まったのか? 現実的であると同時に、創作としても十分に面白みがあります。3巻の展開もまったく予想がつかなくて、今回も評価を真ん中の萌評価に留めたことをご了承ください。この時点ではまだ評価するのがとても難しいのです。ただ、心に何かしらの爪痕を残す作品ではあることは間違いありません。
この巻の帯には「手が震えても、涙が溢れても、読んでください」とありグッとくるのですが、末尾に「ホラー史上最大の怪作、第2弾」とあります。うん、そうですね・・私も一読者としてbl を読んだとは思わないかもですね。だけど、この「高3限定」がbl のジャンルの中にあるというのは、誇らしいことのように思います。bl の沼の無限の深さ、どこまでも広がっていける可能性を示しているんじゃないでしょうか、なんて偉そうにスミマセン。
2巻はですね、ますます奇妙な世界に踏み込んでいく展開になってます。
イケダの本当の名は「まつばら ゆり」だといい、傷だらけの体は酷く怖ろしい時間の積み重ねにより、形成されたのだろうかと、少しずつ見えてくるのです。
私は最初、イケダの傷とはいきすぎたSMプレイに依るものなのかと予想してましたが、どうやら全然違ってましたね。
小さなイケダ、もといユリが、何か組織だったものに人体実験されるように傷を負ってしまったのだろうかと、胸が悪くなる背景も想像しますが、それも微妙に違ってるのかな、と。
この感じはどう言葉にすればいいのか、読んでいくうちにイケダとは?小野とは?と存在が不確かになっていく感じ画するのです。
小野が撲殺したカマボコが何事もなかったように、ひょっこり戻ってきた辺りから、読者は異空間に引き摺り込まれてるとは思うのですが。
たぶん、1巻の最初から現実を逸れているのでしょうね。現実と悪夢の谷間に咲く「ユリ」の存在が鍵であり、読む者をどこまでもどこまでも深く引き摺り込んでいく。
こんなにも哀しい作品を読んだことは、あまりなかったかもしれません。何だか自分でも何を言ってるのか危うくなってきてしまいましたので、3巻のレビューは、「コオリオニ」の時のように、いつか書けるときに書けたらと思います。もう少し考えがまとまった時に、いつか。
数年前、「血と、」とゆうタイトルのサイトがあり惹かれて訪問してみた所、衝撃的な出会いとなりました。
ホラー ミステリアス ファンタジック
背中にあるアイロンの形をした火傷の跡
webでは、途中までしか掲載されていなかったので…続きを妄想で補ってました。
イケダにはチョーアブノーマルな彼氏がいるのかとか(笑)
出会ったのがかなり前だったので、正直、忘れてましたが…去年、本屋さんで見つけた時、思わず固まってしまいました。
これは、もしかして、私が知ってるやつ?
高3限定 背中に火傷 またまた衝撃的な出会いでした。
そして、装丁が綺麗。マジで悶えました。心の中でですけど…。
今年、9月に3巻が出て完結。
楽しみですが、終わってしまんだなと思うと切なくなりますね。
本当に好きなんです!梶本レイカ先生の作品!
敬愛しています。
カマボコ生きてて良かったです。
小野がカマボコを殴り殺しちゃうシーンなんか、やるせなくなりますよ…。
(私も犬を飼ってるので(..;))
好きだけど、鬱にもなりそうな作品です。
でも、これくらい色々と抱えてる受が好きなんです。
でも、でも、イケダは乙女で純粋な子供心を持ってます。(と勝手に思ってる)
この作品はハピエンで終わるのでしょうか?
ハピエンで終わらないなら、イケダはカマボコと幸せに暮らし、小野はイケダを想いすぎて破滅しそうとゆうのが個人的な妄想。
終わり方がbadでも良いと私は思ってます。
はじめまして、レビュー拝見しました。
実は私も昔、中学生の頃にそのサイトに出会っています。
正直人生の中で一番「恐怖」を感じだ作品で読むのも怖かったのですが見なかったことにするほうが怖くて読み進めていました。
あの物語はまだ終わっていないんですね、初めて読んだ時、ショックから中々立ち直れなかった記憶があるのでしっかり完結してから手に取りたいと思います。(そうしないと続きが怖くて寝れません(^_^;)
私もこの話はBADに落ち着くような気がします。
目を開けているのかもわからないような墨色の夜にちいさな蝋燭を一本手にして歩いている気分です。
本の表紙を見たとき「もしかしたら」と思っていたので確認できてよかったです。
ありがとうございます。
1巻同様、いまの段階でどう評価すべきかの判断ができないためこの評価です。
正直、中立か神かを迷った末の中立です。2巻まででは、やっぱりまだどうつければいいのかが分かりません。
表紙の美しさとそこに入り混じる傷痕、綴じ込みのカラーイラストはすごく幸せそうなふたりで…本編が本編なだけに胸にくるものがあります。
1巻よりも直接的なえぐみの強さを感じました。実際の断面図などは極力えぐみなく描かれているように思うのですが、イケダがイケダ君であったときの他の子との会話にウッときました。こわい、つらい。
でもそれと同時に張り巡らされていた伏線たちが少しずつ回収されはじめたことに興味がいきます。まだまだ謎が多く、謎が謎を呼んで泥沼の状態ですが以下覚え書きのようなことをいくつか。
『高3限定』とは
・小野の親友(であったはず)のトミーが面白半分でうそぶいた作り話
→しかし結局は当時彼らが観たあの裏モノAVにサブリミナル効果っぽく「高3限定を知っているか」と音声が入る。なので実はうそのようでうそでなかった(のかなんなのか…)
・それにオノも気がついた
メンテナンス
・小野はそもそもイケダが義眼であることに気がついていなかった様子
→イケダの目をきれいな目と言うオノと、義眼だと分かっていたトミー
・上下左右きっちり動く、神経と連動している義眼
→海外でのメンテナンスが必要。
・作中から察するに、足と手も義手か義足(包帯ぐるぐる巻きのコマとカイドのセリフから)
池田郁美とは
・偽名らしい
・12年間、イケダとして様々なことをされつづけていたらしい
→12年ということは、義務教育9年と高校3年分…? 大学までのエスカレーター式というこの学校での時間まるまるがイケダとしての時間だった?
・一番になったらしい → でもイケダはいっぱい居たらしい
おねがいごと
・家がほしかった
・先生になりたかった → ゆりせんせい??
ここからは憶測。 トミーの病院でイケダのことをなにか処置していた? だから1巻でオノがトミー院長のところへ行った?
オノはもう小野耕平でなくなってしまった? オノというものはイケダ町では消されている?それともすべてから?
あのトミーが1巻で話していた記者はなにもの? 母校の地下でようやく凄惨な現場が見つかった? でもあの調子じゃあずっと変わらず今もイケダ君が居るんじゃないだろうか…(訪問客が、かの黒い高級車)
小野耕平のことは知ってる、ツチヤになってしまったということ? なによりカイドさんはおそらく=ガイドさん?だからカイドさん? 語呂合わせがすきなら、イケダ町の名にも理由があるだろうけども…。
当時ツチヤが入ってきたから、イケダは助かった? ツチヤのおかげ? ツチヤに逢いたいというお願いをした…?
書き連ねましたが結局謎だらけでした。本誌を追いかけておりませんので、3巻発売をゆっくり楽しみにしておりましたらもう間もなくなんですね。
梶本先生のあとがきで、納得しました。きっと身を削りながらも心血注いで描いておられるんだなぁと。(どんな作家さんでももちろんそうだろうと思いますが)
私自身もうここまで来ておりますからやーめたなんて思いもしませんが、でも一層「最後まで読みたい」と強く感じる2巻でした。
恋人になった小野とイケダの幸せな日々が綴られ、しかし刻刻と悲劇が迫ってきているような不安感が付きまといます。
帯に「ホラー史上最大の怪作」とあるように、ここへ来て一気に科学では説明できない出来事が次々起こります。
イケダの、思った以上に凄惨な過去と強い生命力。未来の小野の孤独と後悔。何かとてつもなく大きなものに支配されている田舎町と学校。
怒涛の勢いで様々な事実が明らかになる一方で、予想の範疇を超える展開の数々に、また謎が深まり。
イケダの本名は?『まつばらゆり』とはイケダのかつての保母さん?彼女は本当に『幸せに』なれたのか…?
イケダが口にすれば叶う『お願い事』。真の望みは小野を死んだツチヤの代わりにすること?
イケダの傷の治療は、海外の医療技術によるもので、超常現象は関係ないのか?
他にも色々有りすぎて書ききれない~
とりあえず今回分かったことは、何らかの組織が子どもたちを校舎の地下に閉じ込めて虐待(人体実験?)が行われていたということです。そのルートや動機は不明ですが…。
現実的に考えると、裏組織による人身売買で海外ともつながっている?(イケダの謎の多い出生・幼少期の容姿、『クスコの日』という台詞、傷の治療には国外の技術が必要、などから…)
しかし、この物語がホラーであることを考えると、もっと常識では理解できない何かがあって、それが『高3限定』の真の意味につながっているのかもしません…。
暴力やグロは1巻より控えめだったものの、今回のイケダの回想シーンの一つには、何とも言えない感情が込み上げてきました。イケダが子供たちの中から生き残って『高3限定』となり(?)地下牢から出ることのできたシーンです。
全身に包帯を巻いてまともに歩くことも話すこともできず、与えられた借家はボロボロで、『先生』になるための教材はどう見ても小学生向け(12年間まともな教育も受けていないことが伺えます)。
それにも関わらず、案内人の「ご苦労様でした」という言葉に対してイケダが見せた笑顔は本当に嬉しそうで誇らしげで。どんな暴力シーンよりも胸を打つものがありました。
そんな表情を見ていると、小野と二人で何とか幸せになって欲しいのですが、
大人になった小野の語りからは、やはり何か取り返しのつかない悲劇が起こったように感じられます。
描き下ろしの、小野の妹視点の話。
彼女にとっての小野は今も昔も優しい兄のままだろうけど、母親への苛立ちを昇華させて大人になった彼女とは反対に、小野の内面は高3の頃のまま時が止まっているのかもしれません。
もう一つの描き下ろしは、最も幸せだったであろう頃の小野とイケダ。
イケダの『お願い事』は叶ったのか。その願いの中には小野もいたのか。気になる終わり方です。連載を追いつつ、3巻の発売を待ちたいと思います。