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表題作濡れ男

社会学の大学准教授 岸尾智徳
大学の同期で事務機器営業 楢崎哲

その他の収録作品

  • 惚れたが負け
  • あとがき

あらすじ

大学時代からの友人で、魔性の魅力を持つ男・楢崎に惑わされる、准教授の岸尾。大学生のころから楢崎に惚れていた岸尾は、楢崎が放つエロスに負け、とうとう一線を超えてしまった。しかし、楢崎の態度はその後も一向に変わらず、さらには他の男に抱かれたような様子まで岸尾に見せてくる。そんな彼に対し、岸尾はついに決別を言い渡すが…。
無自覚ビッチに惚れてしまった岸尾の運命やいかにーーー⁉︎

作品情報

作品名
濡れ男
著者
中原一也 
イラスト
梨とりこ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344826960
3.2

(16)

(1)

萌々

(3)

(11)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
51
評価数
16
平均
3.2 / 5
神率
6.3%

レビュー投稿数9

あかん、あかんて…いけず

中原一也さんが好きで、過去作品を漁っていた時に出逢った作品。久々の再読。

中原作品って、「オヤジ、ノンケ、包容力ある攻め」がデフォルトの時期があったと思うんだけど、この作品は、つかみどころのない「受け」の魅力が漂う不思議な作品となっています。
そして、中原作品には多分珍しい関西弁もの。受けの楢崎が関西弁です。そしてそこが何とも言えず柔らかいようなエロいような。
しかしこの作品の場合、攻めの岸尾は好き嫌いが分かれそう…というより、女性読者はほとんど岸尾みたいなのはキライな気がする。
大学の准教授でルックスもいいんだろうけど、とにかく楢崎に対してヒドい。ほとんどDV。
楢崎を勝手に大学の教授とデキてて営業成績はカラダで取ってる、いつもカラダを疼かせてる、とか妄想・断定していて、勝手にこの俺さまがその淫乱なカラダを慰めてやるんだ、みたいな態度。
毎回ローションも何も無し、もちろん優しい言葉も皆無で無理やり抱く。
そして、そんな事をしておいて、なぜ抵抗せず抱かれるんだ、やっぱりカラダが疼いているのか、なんて一人でイラついてる…
はー、信じられない。こんな男、ヤダね〜!
やっと心が通じるのは天候不順なのにトレッキングに行くシーンなのですが。
これもほとんど遭難しかかって、イラストでは2人ともワイシャツにスラックス、革靴姿。
これはいけません。
山から何とか戻った後「好きだ」という言葉を言うようになった岸尾は、今度は怖い顔のまんま甘ったるい事を言う男になります。

「惚れたが負け」
恋人同士になった岸尾と楢崎は甘々CP。Hも激しい。
しかし、楢崎の小学生時代の友人・一条が現れて物語のトーンが変わります。
一条に近づくな、と言う岸尾は嫉妬のせいなのか楢崎とは口も利かず2人はギクシャク…
そして事件が起こります。
ずっと家を空けていた岸尾が危機一髪の時に飛び込んでくる、というご都合展開ではありますが、楢崎にとって岸尾だけが特別、そして岸尾にとって楢崎だけが特別、というハッピーエンドに収まります。

この、楢崎という男。
何とも不思議な魅力がありますね。実際にいたらちょっとつかみどころがなくて付き合いづらそうだけど。
彼は究極の雨男で、楢崎と雨はセットになっています。
それが岸尾にとっては、楢崎はいつも濡れている、お前は「濡れ男」だ…というヌレヌレのエロティック妄想の源泉。
でも実は、旅行先で現地の人が食べる昆虫系料理なども臆せず完食するような意外と元気なタイプなんですよね。そういうギャップが余計に楢崎を不思議さんに見せています。

1

強いて言うなら、方言受の魅力v

雨に濡れるいい男……こんなシチュエーション、いいなv
……と思って読み始めた本作ですが、
ちょっと私の期待したのとは違ったかなと。

表題作の『濡れ男』は、攻の岸尾視点で話が進むのですが、
いやいやいや!そうじゃないだろう!と突っ込みまくり!
恋する男は、賢い准教授先生でもこんなものかと!w
とにかく嫉妬に目の眩む先生の意地悪に、健気に耐える楢崎!
両片思いは分かっていたのですが、
最後は結構あっさりとくっついてしまい、え?と。
まぁそれも、雑誌掲載作品と聞いて納得。

後半の『惚れたが負け』は、変わって受の楢崎視点。
物語としてはこちらの方が読みやすく面白い。
受け視点だからというより、
こちらの方が起承転結がはっきりしていてテンポがいい。
アクセントになる事件もありで、
脇のキャラクターもいい味出してるv

しかし、主人公の二人は、
先生は意外に懐の狭い男だし、
楢崎はいい加減でだらしない男で、
ちょっと私の好みとは外れてしまっていて、残念。

評価は、前のキリヱさんと全く同じで、
『濡れ男』がしゅみじゃない寄りの中立、
『惚れたが負け』が萌×2なので、間を取って「萌×1」で!


……でも、方言受はええですなぁv

2

大阪弁も色っぽいですな!

京都弁BLを探している時に、教えていただきました。
表紙は綺麗だし、ああん、もう!京都弁のエロはたまりませんがな!とほくほく読んでいったら、………あれ?

これ京都弁やない、大阪弁や!

お、おう。方言BL好きなのでいいのですが、関西弁の大きなくくりでお勧めされたのかも。
あ、でも、大阪弁でも喘ぎはいいですね!最中の「あかん」があかんです(笑)

で、気を取り直して読んでいったのですが、う、うーん。
こ、これは私には合わないかも。でもお勧め頂いたんだから読まなきゃ!と何度も止まりながら、「濡れ男」を読了。攻めの考え方がずれてるので、何とも読みづらかったです。この攻め、大丈夫かな?
続けて「惚れたが負け」を読み始めたら、あ、これは面白い。視点が楢崎さんに変わった途端、サクサク読めました。
どうやら、私は岸尾さんがダメみたいです。
突然現れた楢崎さんの旧友の所為で一騒動あり、喧嘩したりしたけれど雨降って地固まるといった内容でした。
一条さんは論外ですが、楢崎さんと香澄ちゃんはいいですね!あ、でも、香澄ちゃんと一条さんがまとまるのもいいかも。レンコン大好きなので、香澄ちゃん鍋が食べたいです。世話焼く彼…もとい彼女はかわいいなあ。

で思ったのですが、たまたま両思いだからよかったけれど、「濡れ男」で岸尾さんがやったのは一条さんと同じ強姦ですよね。人の気持ちも言い分も無視して、あれはないわ。
それなのに楢崎さんは岸尾さんにデレデレしているし、そこらへんが最後までもやもやしました。
最初の話で二人が云いたい事云い合った上でこじれて、それからまとまった話だったらよかったのに。
最初だけなら「しゅみじゃない」寄りの「中立」後半は「萌×2」なので、間とって「萌」で。

私はまた牛車に乗って、京都弁探しの旅に出てきます!

4

気持ちはちゃんと伝えよう

これはちょっと評価が難しい作品でした。
主人公たちの人物像や心情がどうもわかり難かったです。

友達だったところから関係が発展しているにもかかわらずお互いを信じてない感じとか、ちゃんと話せばそんなにこじれてないだろうとか、なんか微妙に不自然な感じがしてしまいました。

攻のSな部分も中途半端で、そもそも受もMっぽさがあるわけでもないし、人物像も前半と後半で変わり過ぎな気がしてどうもつかみきれません。
ちよっとずつ何かが足りない感じが残念です。

ただ、これが嫌いかと言うとそうでもなくて、脇に出てくるニューハーフや病んでるストーカー的な友達がスパイスを効かせていて面白味が出ていたのは良かったです。

1

「あかんて……」

去年久々に中原さんが個人的にヒットだったので
おのずと期待値が上がってしまっていたせいか
「…あれ」になってしまいました;

岸尾の、誰が見ても隙のない“デキる男系”が
大学からの友人・楢崎に片想いとか
なかなか切ないじゃないの…と思いながらも
ちょっと急展開過ぎるような気がもしましたし
50過ぎのゲイ疑惑の教授との関係を疑ったからと言って
強引過ぎやしませんか??と…。
確かに喪服はそそられますけどね(不謹慎ですみません;)
大学でキスマークと思われる痕を見て嫉妬し
無理矢理抱いた後「さっさと帰れ」とか…酷いわー(泣)

楢崎もなんでそんなあっさり抱かれちゃうかなー。
性格がおおざっぱで何でも適当で
攻めと真逆な性格してるとは言え、
“好きだから抱かれても良かった”で済んじゃうのかなぁ…。

ニューハーフの香澄はちょっとしたアクセントとしては良かったかも。
改造した体にはちょっと興味がありますw
そして“香澄ちゃん鍋”食べたい!!

ぐだぐだ言っちゃいましたが
やはり中原さんのエロ、
喘ぎがえっろいなぁ……。
そして!!最中の楢崎の関西弁が最高!!!!
「あかんて…あかん……」とか!「…いけず、やな…」とか!!
きゃぁぁぁあ♪
「駄目だって…駄目……」より更に艶っぽいですもん!!

あと、楢崎が岸尾のかっこいいところじゃなくて
カッコ悪い所が好きだっていうのが嬉しかったです。

『惚れたが負け』で登場する一条、
お、お前…鍵を!!
こういうストーカーは本当に怖い;;
…の割にあっさり友達でいいって、WHY??
まぁ、岸尾と楢崎が仲直り出来て良かったですけども。
でも本当、惚れたもん負けですよねw

こんだけなんやかんや言ったって、中原さんは読まずにいられんのですよ!

3

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