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「部長の男」の関連作ですが、前作未読でも全く問題ないです。
今作は、東都印刷出版営業部3年目の大和が主人公です。お相手は社外、担当することになった出版社「天清堂書店」の月刊誌編集部長、佐治。
内容はかなりしっかりしたお仕事BLで、野球の道に挫折した大和の少しくすぶった気持ちや、佐治の妥協のない仕事への取り組み方、そんなものがひねらず、飾らず、綴られていきます。
雑誌の発売に関しての様々なトラブル、印刷のミスや、取り上げられている人物の不祥事による差し替えなどを、大和個人だけでなく東都印刷の工場も一丸となって乗り越える。この辺、なかなかに感動的です。
そして大和は佐治にどんどん惹かれていく。
『俺はあの人と一緒に働きたい。毎日会いたいからじゃなくて、恋してるからじゃなくてーいい男になれる気がするから、一緒に仕事がしたいんだ』
付いてこれる奴だけでいい、という超サバサバ男佐治が、なんと「つけ込んでこい」と大和を誘う!
2人のHは甘いわけではないけれど、駆け引きやためらいなどのない率直な愛情と欲望そして快楽の交歓。
大和はワンコであり、また『友人で後輩で恋人で、仕事のパートナー』なんです。佐治だって別に大和の飼い主じゃない。
主従っぽい設定でありつつ、これから大和はしっかり対等な存在に育っていくんだろうな、と感じさせる「これぞ男同士」な作品です。
佐々木久美子さんのイラストも大変素敵でした。
お仕事ものBLが好きなので、ストーリーがとてもしっかりしいて面白かったです。
何よりカップリングが、どうせ右が受けなんだろうなあ、左の方が受けなのが好みなのに…と思って読み始めたら左の佐治さんが受けで衝撃。
ややヘタレで負けん気の強い真面目な攻めと、仕事に一切の妥協を許さず、プライベートと仕事を明確に線引きする男前な受けの組み合わせが絶妙です。
受けの佐治さんがほんとにズバズバものを言うタイプで、可愛らしさを微塵も感じさせないかっこいい男なので、
そんな受けが攻めに心を許して、攻めに抱かれる様はなんともいえない達成感(?)があります!
エロシーンは少なめだし性格上あんまり喘ぎませんが、あの佐治さんが受けに回って多少なりとも喘いでいる、もうそれだけで満足です。凄まじい色気です。
攻めの大和は表紙はあんなですが、ただヘタレなだけでマゾなわけではないのでご安心を。
ヘタレといってもきちんとした「男」です。
個人的に一番好きなシーンが、攻めが受けの耳をマッサージするところ。
受けが攻めに心を開いてきたのが分かると同時に、大人しくしてる佐治さんがとても可愛い、お気に入りのシーンです。
仕事の内容が細やかに描かれていて、二人が仕事を通して距離が近づくところが好みでした。
切々と心理描写で訴える、というよりは、ストーリーとエピソードで二人の距離が近づくのを感じれるお話でした。
なので心理描写が好きな方やお仕事もの苦手な方には少ししんどいかも知れません。
佐々木さんの挿絵もかっこよくてとても作品に合っていて、ほんとにお気に入りの一冊です。
仕事ものの男前受け、これが好きな方にはぜひ読んで頂きたいです~!!
鳩村さんならではのお仕事満載小説。これはまた特にその配分が多く感じました。
面白かった。
ご本人もあとがきで書かれているように、「社会人を目指す学生に教えたい二十のこと」というタイトルでも全然いいですよほんとに。
『部長の男』のスピンオフということで、康太出てくるかな~と期待してましたが、友情出演程度でしたね。
同じ絵師さんなのに、あの表紙の色っぽい康太とは思えないほど目が、目がっ、線(笑)
でもこのチラリズムがまた程よい感じです。だって今回の主役は大和ですもの。
小学校から大学まで野球漬けの人生で、プロ選手を目指していた大和は、野球の道を諦め、印刷会社に入社3年目の、まだまだひよっこ営業。
六年上の奥田先輩からの引き継ぎで、定期刊行物をひとりで任されるのことになり、編集部に挨拶に行ったときに、目を奪われるほどの美貌の編集長、佐治に出会う。
この佐治がもう!仕事ができるのはもちろんなんだけど、サバサバしてて男前でカッコイイ。
濡れ場も、色っぽいことは色っぽいんだけど、ヤるからには楽しむぞ!みたいなノリで、終わったあともスポーツで一汗かいてスッキリ爽快!という、これぞ男同士みたいな感じでした。
ただね、大和が…それほどワンコっぽくもなかったんだよなあ私の中では。
「佐治さんの命令で、俺は猟犬のように走ります」というのは名ゼリフだと思うんですが、犬になろうとしているナニカなような気がしてならず。
犬じゃなくても別に大丈夫だよと思わせるのは、多分佐治があまりご主人っぽくないからなのかなあと。
イラストのイメージもちょっと違うと感じたせいもあるかもしれません。
年下ワンコは、なんとなくタレ目という固定概念ができてしまっていて…。
『部長の男』のスピンオフ
といっても、主人公の勤務する会社が同じ東都印刷というだけなので、前作と切り離して全く問題ありません。
今回もお仕事がガッツリ!
後書きで作者さんが述べられていますが、ほんとうに仕事に対するスタンスや心構えや対処法や人との付き合い方など、割とそういう方面に”なるほどー”と納得したり共感したり勉強になったりする場面が多く
というか、そういうシーンを通して主人公達が接するので仕方ないのですが
これはラブはどう進むのか?と一抹の不安さえも感じました。
プロ野球選手を目指して大学野球で活躍していた主人公大和ですが、スカウトの声がかからず就職した東都印刷。
社会人もスポーツ魂と似た所もあり、その精神で仕事をしてきた大和ですが、今度先輩社員から引き継いで天清堂書店の「ジョイント」編集部担当になります。
そこで出会ったのが、ちょっと変わった人だという編集長の佐治。
いきなり名刺交換で衝突して、印象悪かったのですがプロになった友人の出る試合を見に行った時に佐治と偶然に出会い、強引に観戦に誘ったのが始まりで、二人は腹を割った会話がじょじょにできるようになっていく。
佐治は変わった人という設定になっているのだが、それは物事をバッサリと割り切って進めることができる人ということで、しがらみや情にながされたり迷ったりしないということで、決してネガティブな条件ではありません。
むしろ男前でさっぱりしていて、多分上司だったらキツイとは思いますが、凄く優秀な人だと思うのです。
一方大和ですが、結構前向きでひねてなくてきちんと人の意見を考えて受け入れることのできる人。
よくスポーツ一筋の人にあるガチガチの脳みそ筋肉、みたいな人でなくて柔軟だったと。
野球やスポーツに例えて解説するとよく理解するという(笑)部分はご愛敬♪
でも、とても真摯ですごく好感度のある人なんですよね。
一緒に飲みにいったり、佐治の言葉できっと尊敬もある「好き」に成ったと思うのです。
さて、これが欲情までいくのか?
佐治はどうやって大和を好きに、エッチしてもいいって思うんだろう?
と思ったら、結構カラっとあっさりと、すがすがしい展開でしたね。
このあっさり感・・・男ってこんなもんかな?
激しい愛とかいうより、苦楽をともにした一体感、連帯感、彼といると居心地がいい。
限りなく親友というポジションに近いようなきもするのですが。
でも、この仕事を通した二人の関係は打てば響くみたいにいいコンビに見えます。
佐治が大和を犬とは呼びますが、多少大型ワンコな雰囲気もあるけれど、よくいうワンコというよりは、佐治の役に立つと言う意味の犬のような気もします。
作中、大和が河原で目撃するレトリーバーがチワワに発情するシーンは、ひょっとして大和と佐治の比喩なのか?と思いましたが、佐治はどう見てもチワワじゃないよw
佐々木さんの描く佐治・・・はいてるパンツが滅茶ローライズでびっくりしました(笑)
「部長の男」を舞台とした2作目。
編集者と印刷所の2人のお話です。
もう1つ欲しかったかな~というのが
正直な感想です。折角、タイトルに「犬」とついているので、
もっとそこを掘り下げてもらえたら、最高だったかな!と。
しかし、真面目にお仕事をする男はカッコいいな~と
思える作品でした。
印刷会社で働く、大和は、編集長の佐治と出会う。
この佐治ってのは、敏腕ではあるのですが、
性格に難ありなキャラクター。しかし、大和は
そんな佐治の仕事への姿勢などに惚れていきます。
仕事をミスした際のやりとりが心に残りました。
仕事も、気持ちを持った人と人とのやりとりで、
誠意を持ったやり取りができる2人が素敵です。
うん、私も、仕事頑張ろう!
と思いました。