marun
文芸社の新BL文庫レーベル、その名も【ピーチ文庫】甘くてピンクをイメージする果実。
そんなレーベルから2冊同時刊行されたうちの1冊がこの、ブログ小説が前進の作品。
2005年くらいからでしたでしょうか?ちょっと定かではないのですが、
個人ブログから始まり、この作品が終わる頃には既に1万ヒットを越える閲覧になった
まさに人気のウェブ小説なんです。
文芸社から2011年9月に単行本(ソフトカバー)で発売になった作品の文庫化です。
現在も続刊やスピンオフ等が「黒桐Co」でウェブ公開中ですが、会員限定ページで
読む事が出来るようになって、同人誌でも続編が販売されています。
ウェブは一部非会員でも閲覧可能なので是非気になる方は覗いて見て下さい。
内容は、飛行機恐怖症の受け様と我が道を欲望のままに進んでいるようなちょっと
変態気味な攻め様のお話ですが、前半はコミカルにテンポよく進んでいく展開が
受け様が攻め様の恋人だと勘違いされた事でトラブルに巻き込まれ、散々な目に遭い、
一見すると受け様が只々凌辱されて痛い雰囲気なのですが、実はかなり深い愛情が
見え隠れするような深い作品であります。
だけど、作者の処女作ですので、現在進行形で進んでいる作品よりは多少文章の流れや
拙さがあるのも事実なのですが、次回作を期待させる内容は個人的にはW萌え。
作品が今後どこまで膨らんでいくのかも楽しみな作品です。
そして受け様の受難は攻め様に飛行機の中で見初められてしまった事から始まり、
何も罪も落ち度もない受け様が受ける仕打ちは可哀想なくらいなのですが、
受け様のやんちゃで強気、そして意外にお行儀が良くて天然キャラな雰囲気と、
一見すると穏やかで紳士的な口調の攻め様のお上品な言い回しが痛さを緩和してる、
重くなりなりがちな設定を軽妙なやり取りでテンポよく進め、表面的なことよりも
もっと深いところで愛情がいつの間にか育っていたと言うストーリー。
でも、受け様が天中殺かと思える災難にあったのは間違いないけれど、
攻め様との出会いは災難だったのか、運命の出会いだったのか、
続編も是非紙媒体で読んで見たいと思わせる作品でした。