イラスト入り
先生が大好きで、追っ掛けしてます。
紙媒体が手に入らず嘆いておりましたが、今はウェブで手に入れちゃえるんですねぇ、ありがたい♡
これはなかなか珍しい『攻め』視点のお話しで、普段と逆のパターン。『受け』の気持ちが全くよめない展開でした。
『攻め』 世界で通用する一流のショコラティエ 全くのゲイです。そして自分の仕事に誇りを持ち、己の姿かたちのカッコ良さも知っています。
『受け』 雑誌の記者 とても確かな舌を持ち、やはり自分の仕事に誇りと責任を持っているが、過去のトラウマのせいで甘い匂いがダメ。もち『攻め』を一目惚れさせる美貌の持ち主。
物語は『攻め』を取材する『受け』が、お店を訪ねるところから展開して行くのですが・・・。
これは私史上初の「ヤな受けだなぁ…」から始まり、そりゃ容姿は『攻め』のどストライクかも知れないけど、人間的にも有り得なぁーい、とか思ってしまいました。
こんな『受け』の何処がえぇんや!って。
ちゃんと読み進められる?とかなり不安が(-_-;)
まぁ確かな舌を持ってるし、一生懸命な所は認めるけどぉ・・・。
過去の大きなトラウマが分かった所でやっと「そりゃしゃーない。ヤなヤツと思ってごめんよ」とは思いましたが、何がイケナイって、『受け』の双子の妹が出張り過ぎ!。確かにこの妹がキーパーソンな訳ですが、双子にする必要は無かったし、ましてや男女でソックリ、ってな設定が既におかしい(いや、二卵生でもソックリさんは居るでしょうが…)。
そこは先生、普通、ごく一般を目指して欲しかったなぁ……。
先生の作品でここまで『神』がないっておかしいですよね!
絶対にこの『双子の妹』のせいだと思います。
それに最初の『受け』の態度が余りに非常識過ぎるし、途中兄に替わってと妹が出て来るのもやはり社会的に見ておかしいでしょ!と。
きっと読み手がこの双子に惚れていたなら多少の事でも目をつぶれるんだけど、全く可愛くないからねー。
で、すいません、本題それちゃってる。
頑張って最後まで読もうと(心の中では笑うけど史上初の『中立or趣味じゃない』)読み進む内に、遂に『受け』のとんでもない《トラウマ》の原因にぶち当たり、あ~~~そりゃしょうがないか、と☆が1つ灯り、ラストの『受け』目線からの《セイム・スイート》を読んで、又☆が1つともったー。でした。
実は『受け』が黒髪ってのも苦手だったのですが、これは選んだ私が悪いよなーー。
これを『受け』は大きなトラウマを抱えてるけど、それを見せない様にしてむしろおチャラけたヤツにし、我慢に我慢を重ねて発作をおこし、『攻め』が真実を知り余計に愛おしくなった、てな・・・私が編集なら先生にそうお願いしちゃう!(って大きなお世話だよね)
表題作と続編SSが収録されています。仕事第一で、恋愛は身体のつきあいオンリーだった小笠原(攻め)と、トラウマから恋愛のできない楓(受け)の話です。
「舌先の魔法」
小笠原の目線で語られます。取材を申し込みながら、甘いものは嫌いな楓に、小笠原は腹を立てながらも楓が「食べたい」と思うようなチョコを作ろうと思い…。楓の妹・桜が実は男前だったのが予想外で良かったです。
「セイム・スイート」
後日談17ページ。楓の目線です。楓が小笠原に完成した本を店へ持っていく話です。事情を知っているであろう手塚の警戒ぶりが面白かったです。
小笠原はオレ様っぽいのに、ちゃんと職人として社会常識がありキレず愛想もふるまえるのが、自分的に高ポイントでした。髪をくくった男前に弱い自分にとっては、菓子作り中のイラストはどんぴしゃりでした。
「エラーブル」を調べたら「楓」「紅葉」のフランス語とありました。結局は楓の型を使わず、スクエア型にしたというのがなんだか良かったです!作中に出てくるチョコもどれも美味しそうで垂涎ものでした。でも、実際作るとなったら山椒入りはかなりキツいかもしれませんが(笑)
仕事もの、チョコ好きの方にお勧めな作品です!
エロは少なめです。
しかしそれを上回って惹きつけられるものがありました。
ストーリーとしてしっかりしている上に、チョコの知識がつきました。
菓子の専門用語も多々出てくるのですが、永人が説明してくれているので大丈夫。
自分にも、作るショコラにも自信満々な永人。
甘いを拒否するライター、楓。
楓がなぜ、「甘い匂い」を拒否するのか。
楓の過去のトラウマや、プレイボーイとして通る永人の初恋。
2人が絶妙に絡み合って「素敵な物語=ショコラ」が出来上がります。
「エラーブル」という名のショコラを作るとは、粋な永人でした。
最後まで読めば桜の強さが分かるのですが、まんまとつられて桜、邪魔すんなヨと
反感を抱いてしまった自分… ごめん桜。
カラーの扉絵が素敵でした。
ガッシュさんはデザインをリニューアルしてから扉絵なしの時があるので今度のはあるのかなとドキドキしながら開きます。
表紙の絵がいいなと思ったのでラッキーと思いました。
火崎勇さんは文章が読みやすくて引っかかるところがない心地よさで読ませる人だなといつも思います。
雑誌社のライターでショコラティエを取材することになった楓は実はチョコレートが大嫌い。そんな楓の『嫌い』が半端じゃなく仕事として請け負っても口に入れたくないからと試食用に双子の妹を連れてくるくらい。
有名ショコラティエの小笠原はそんな楓が気になって、食べてからじゃないと取材してほしくないと条件を付けてまでおいしく食べてほしいとせっせと試行錯誤するあたり、もうひとめ惚れなんじゃないですかーと思いました。
楓の食に対する感想や批評の言葉が具体的で美味しそうでしたし、小笠原の作るビター&スパイシーなショコラを食べてみたくなりました。
甘いものが嫌いになった理由が幼いころの性犯罪にかかわるトラウマなのですが、記憶を封印しなければならないほどでちょっと痛かったです。
はじめ妹の桜が高飛車で気が強くて感じ悪い女だなと思ったのですが、そうなってしまった理由がわかると頑張ってお姉さんというかお母さん的な役割になってしまうのも仕方がないし、これまでよく頑張ったねと言ってあげたくなりました。
小笠原が初っ端で別れたチョイ役のセフレと4年後に再会したらどうなるか見てみたいかも。
仕事でイタリアに行ったんですが、そこで恋もしたけれど帰ってきて実は小笠原を案外本気で好きだった…なんてことで邪魔しに来たら楓どうするかな?
ショコラティエのお話ですが、
香りとかをイメージしてしまって、チョコを食べたくなります。
丁寧な作品となっており、意外とシリアスも入っています。
ショコラティエの小笠原は、自分の取材をしたいとやってきた
編集者玉木と出会う。ただ、玉木は、ショコラが苦手で、
食べることはできないという。
しかし、小笠原は、玉木の味覚の鋭さに気づき、
玉木に美味しいと思ってもらえるショコラを作りたいと
思うようになります。
そして、玉木がショコラを食べられない理由は、
玉木の過去に関係があることを知ります。
イラストはあまり好みでは無かったのですが、
結構雰囲気に合っていたように思います。
大人なお話で、面白かったのですが、
あまさももう少し欲しかったかな~と思いました。