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いやぁ、愛のある、愛に育つ、SMはアリですね。
最初のご主人様をやむを得ず(本人は気付いて無かったけど)愛さざるを得ない潤音。
住むところ、食べ物を最低限くれるご主人様から離れることは出来ない。たまに優しくしてくれるご主人様。
ところが、捨てられて放置されてしまいます。
クラブに拾われた潤音は、ご主人様が迎えに来てくれると信じてるのですが、新しいマスターに預けられます。実は潤音は味覚と嗅覚、そして記憶力に優れた能力を持っていたのです。
最初はご主人様しか認められず、新しいマスターから逃げることも考えていたのですが、正しいS、マスターから調教されることで次第にマスターを好きになっていきます。また、ソムリエを目指し働く、ということに価値を見出します。
マスターの方も実は潤音に思い入れているんですが、なかなか二人の思いは繋がりません。ある日、失踪したご主人様だった男が現れ、あろうことか潤音を金蔓として拉致します。
この事件で思いを確かめ合ったふたりは…
あとがきにあった痛くないSM、あまりSMモノ自体好きでは無いんですが、これは問題なかったです。どちらかと言えば、ご主人様との思い出のところの回想シーンが辛かった。
人はやはり環境に洗脳されるのだなと思いました。
表紙から想像したほどの熟し過ぎた果実のような重みはなく(1つのテーマでもあるワインのことは除いて)、激しかったり痛みを伴ったりするプレイに興じていてもけっして上品さを失わない、攻めである宗司によって品位を最上級に高められたSMものだったなと思います。起承転結、宗司と潤音の心の距離の縮まり方は王道です。ただ、愛するものは手の内で大切にして簡単には離さない、魅力を秘めているものは然るべき時が来るまでじっと待って、機が熟してから楽しむべし、というあらゆるものに対する宗司のスタンスが徹底されブレていなかったのが素晴らしかったです。
一度は別の主人に飼われ、卑劣な扱いを受け身体も傷だらけだった潤音。処女でもない彼を、宗司は本当にラストに行き着くまで抱きませんでした。恥辱と主従の倒錯に塗れた濃密な情事をたくさん重ねながらも、潤音が心から前の主人でなく自分の元にいたいと思うまで本番はしなかった宗司。時々嫉妬を滲ませる台詞を吐きながらも、自分勝手な感情から潤音を責めることはないんですよね。それでいて調教の時に過剰に甘やかすことはなく、ようやく気持ちの通じ合ったセックスをした後日談では、既にSMプレイをしっかり再開している。甘やかし過ぎず、冷た過ぎずな態度をここまで上手に保てる支配者はそうそういないと思います。潤音が社会にも居場所をつくりながら、安心して自分を委ねられる人に出会えたことが本当に嬉しかったです。
ワインの出来上がりと共に服従信頼関係が成り立ってく過程が甘くてハード!!
SとMの強固な繋がりを見せつけられました本格プレイの中に愛情と甘さもたっぷり。どんどん心が傾いて、天涯孤独だった潤音がMとしてソムリエとして生きる意味を見出してくとこも見ごたえあり!!
そして、2巻でまさかのフィ!ス!トーーー!え!!小説で!!文字で読むフィスト!?ドッキドキンで読み進めるも…真摯な愛で回避されてまった………ぶっとい腕で頭はいっぱいなのに!!まだある?このあと?と期待しつつも、愛あるお仕置きのてんこ盛り。
ヒィツツツて痛いのはなくて(?)数々の緊縛やら羞恥プレイもマスターからは誠意を感じられ、潤音も強く、想う気持ちを感じるからかな。
小山田あみ先生の美麗なイラストで!凍てつくような目線やがっちりした体躯がすばらしかったです。イラストからもSMのドキドキと相手への想いが感じられます。首輪もピアスも潤音の可愛さ倍増!!1巻でお風呂で洗われてるのも可愛いい!!!
少し腑に落ちない?物足りなさもあるけど、見どころはもたくさんでした。
初SMもの。入門編に適していたかは他を知らないので分からないが、用語やルールの説明が分かりやすく丁寧で読みやすかった。
文章は少々レトロ感がある。かなり落ち着いていて、耽美な雰囲気作りに一役買っていたと思う。タイトルからイメージする文体そのままな感じ。
暴君の奴隷だった潤音と調教師一鷹のお話。
元々潤音の飼い主だった男の酷い扱いを否定し、一鷹が実践によって正していく形で展開が進む。SMとはこういうものですよ、と教えてくれているよう。珍しい器具も多く登場し、読んでいてちょっと勉強している気分になってしまった。萌えるより先に、なるほど、と知識が増えていく快感を覚える。
さらにワインに関する情報も豊富に書かれていて、とても楽しく読めた。
潤音は脳内セリフになると意外にも俗っぽく、そこだけ作品の雰囲気とズレて浮いているのが気になった。一鷹は冷徹硬派なところから徐々に潤音にハマって人間味が出てくるのがとても良かった。
たぶん恋愛主体で読めば、前の主人とは全く違う一鷹に惹かれる過程を楽しんだり、主従関係に萌えを見出したりできたんだろうと思う。
今回はSMものを読む心づもりが強すぎたせいか、前の主人との関係性は誤ったSM・一鷹との関係性は理想のSM、といった資料を参照しているような見方になってしまい、知識を得ただけで終わってしまった。ちょっと読み方を間違えたかもしれない……萌え忘れた。
最後まで一度もセーフワードを使うことなく終わってしまったので、続編等でそんな潤音も見てみたいと思う。ここまで従順なMが使うとしたらどんな場面なのか、とても興味をそそられる。
SMものに挑戦したい気持ち(読書的な意味で)を十分満たしてくれて、読後の満足度は高い。いつか再読したい一冊。
タイトルは作者様が後書きで仰っていた言葉をお借りしました。
これ、私の様なSM初心者には大事な事だったりします。ハードな物読みたいなぁーSMとかどうだろ?と思っても、痛かったり汚かったらどうしよって二の足を踏むんですよね…。
大丈夫です。こちら、痛くも汚いシーンも無いのに本格的なSMを堪能できる素晴らしい作品となっております(*´꒳`*)!
愛を知らない潤音と"本物"の加虐嗜好者(S)の宗司。
宗司に本物とつけたのは、潤音の元の主人が偽物のSだったからです。元の主人が潤音に行った行為は、宗司曰く、虐待というらしいです。
なるほどなぁ…SMのエの字も知らない私は、痛い事すればSMっぽくなりそう〜と思っていたのですが、本物から言わせればそれはただの暴力となるそうで。SMって深い!
元の主人に捨てられた事も気付かず、元主人を待ち続ける健気で愚かな潤音。
元主人の事を悪く言ったり、手荒いお仕置き(ちゃんと理由はあるのですが)で屈服させようとする宗司に最初は反感を持つ潤音。
だんだん宗司を自分のマスター(主人)だと認識していき、愛を知っていく。
宗司にただの虐待と言わしめるSMしか知らなかったのに、本物である宗司がいたから、愛あるSMを知っていく。
潤音、良かったねと何度もウルウルしました(;_;)
SMに挑戦してみようかな?や、健気受けに会いたいなと思った時は是非手にとってみて下さい♪あ!あと、ガッツリエロ堪能したいなという時にも是非(^-^)笑