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藍苺香る農村で育む、摘みたてラブ!!
中国語で藍苺はブルーベリーを意味するとのことで、なるほどなぁ!と思いました。
嫁不足に悩む村が、「中国から我が村にお嫁さんを!」と村総出で婚活プロジェクトに乗り出し、そこで出会った男と女ではなく、男と、なぜか男……というおもしろストーリー。
攻めは婚活する気は全くないけれど、見目がいいので客寄せパンダとして婚活パンフレットに乗せられてしまった。
そして受けは、姉代わりに面倒見てもらっている友人の付き添いとして、半ば脅される形で渋々参加することに。
提出したパスポートも男だし、どうせ早々に見破られてしまうだろうという目論見は外れ、何故かトントン拍子に来日、そして婚活パーティーにも参加する羽目に……。
ステイ先の山野井ファミリー(攻め家族)がとにかく大らかであたたかくて素敵。
女であることを疑いもせず、受けのことを「しーちゃん」と呼び、お母さんやおじいちゃん達で「しーちゃん」「しーちゃん」と奪うようにして可愛がってる姿にとにかくほのぼのさせられます。
最初は、日本人なんて!と思っていた受けも、あまりの家族の人の良さにそのうち女だと騙していることに良心を感じるようになります。
受けのカタコト日本語がめちゃくちゃかわいくて、萌えました。
一生懸命なんとか伝えようとした結果の間違えってかわいいなぁ。
何故かバレない性別の件、数ヶ月学んだだけなのに脅威の語学力とか大小ツッコミどころは多々あるけれど、山野井ファミリーや、受けのカタコト日本語がやたら可愛いから全然目を瞑れます。
いかに女になりきって見破られないかというのをコミカルに描いたお話ではなく、ホームドラマ系でほのぼのと楽しめました。
とっても面白いです!!
中国男子・夏雨(シアユー)が、なんちゃって日本語を話すのですが、
こんなに可愛い片言、聞いたことなかった…!
以下、ネタバレありです。
嫁不足に悩む農村・綾織村で、中国からお嫁さんを招く婚活イベントが発足!
全く興味の無い山野井信(25歳)も、家族による猛プッシュで渋々参加をすることに…
(信を取り巻く山野井一家の、婚活への情熱が楽しすぎて…!何故かおじいちゃんまで中国語の口説き文句をマスターしているのです笑)
一方、中国でも強制参加を迫られる男子が1名…
名門大学を出ながら就職難に喘ぐ夏雨(シアユー・23歳)は、姉と慕う依林(イーリン)が日本の婚活イベントに乗り気なことを知り大反対。
ところが「お願い!ついて来て!」という頼みを断りきれず、性別を偽り一緒に嫁候補として来日することに…
こちらの作品は、登場人物と、彼らの「言葉」がとにかく魅力的でした。
自身が就活に苦労している夏雨は、高給取りの信が気に入らず、初対面から喧嘩上等のガンたれ顔。
でも婚活イベントで自己紹介するに至って、緊張から思わず「よろしこ」なんて言っちゃったり、気の強い夏雨の片言が、無性に可愛いのです…!!
二人で温泉に入る時も、「こっち見ちゃダメ」なんて日本語は知らなくて、
何とか信の視線から逃れようと、夏雨の発した一言は「見るでない」…
いい意味で、台詞が心に刺さります笑
信もはじめは、自分にだけ突っかかってくる夏雨に応戦していましたが、事情を知ると、女だと嘘をついていた夏雨を許し、周りにバレないよう手助けをしてあげます。
信の懐の深さと、行動力があったからこそ、二人の関係が動いていくのが伝わってきます…。
信の良さに気づいた夏雨も次第に彼に懐いていき、でもこっそり片言萌えしている信が訂正しないので、さらに可笑しくも可愛い片言に磨きをかけていくのです…笑
明るさ、楽しさの中に繊細な心の流れがあることも小林典雅先生の作品の魅力で、
作者様は、二人が関わり合う中で、次第に変化してゆく心情をお書きになるのがとてもお上手です。
今作でも、不器用ながらしっかりと自分の夢を語る信の傍で、夏雨はエリート=幸せという価値観に縛られていた自分に気づき、希望を持って家業を継ごうとする信に惹かれていきます。
また二人だけの恋愛に留まらず、お互いが相手の家族や友人も大切にしていこうとする思いやりに溢れているので、とても温かな世界観があります。
お嫁に来チャイナ!というポップな帯ですが(笑)、お互いに惹かれ合う気持ちや、温かい山野井家の一員になりたい、という夏雨の想いに共感して胸が熱くなりました。
読み返すたびに、夏雨の片言にきゅんとして、楽しく優しい世界観に癒やされるオススメの一冊です!
大好きな小林典雅先生の作品で、
なおかつ挿し絵が夏目イサク先生という
とっても豪華なタッグの本作品。
すごく面白いと評判は耳にしていましたが、
なぜか今まで読む機会がなくて、
最近、やっと読みました。
まずタイトルが『ライ麦畑でつかまえて』を
ひねってあって素敵です。
村の活性化と嫁探しのために
遺産を使ってくれって言う村人もすごいし、
それを使って中国から女の子を招いて
国際的な婚活事業をしようとする村もすごいです。
すなわち、典雅先生のアイディアが
すごいわけですが(笑)
夏雨(シアユー)の片言の日本語が
とにかくかわいくて萌えました。
「やだなのに」が好きです。
信は最初、無口でテンションも低く、
あまり好きじゃなかったんですが
夏雨を好きになったら
まるで別人のように溺愛で、
典雅先生の作品の攻めらしく、
受けがかわいすぎるあまり、
床でごろんごろんして悶えるまでになって
すごくうれしい!
これを待ってました(笑)
信の家族がみんな暖かくて大好きです。
楽しく、面白く、時には社会情勢を勉強しながら読める、素敵な1冊でした。
私も正直中国にあまりいいイメージがなかったので、攻めさんでもある信の気持ちに凄く「わかるわかる!」と同調しながら読んでいました。
でも、本当に夏雨(受けさん)みたいな可愛くも優しくしっかりした中国人に出会えたら、私も一発で好きになるだろうなあ‥と考えてしまうほどに魅力的な受けさんだったので、主人公2人共にとても好感の持てるキャラで、最初は苦手意識があった中国に対しても、今は友好的になれたらいいな、と前向きに考えれるほどにポジティブになれる小林典雅さんらしい本で、最後まで飽きずに楽しませてもらいました。
個人的には、攻めさんの家族でもある山野井一家みんなが本当に好きで、山野井一家と仲良くしてる夏雨が幸せそうで、またどこかでこの一家に出会えたらいいな‥と楽しみにしています(^^)★