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表題作先輩、恋していいですか

平出光矢,プロサッカー選手を目指していた大学1年生
十枝朔,男子チアリーディング部所属の2年生

あらすじ

人生に絶望していた光矢が出会ったのは、笑顔がまぶしい上級生・十枝だった――。
男子チアリーディング部が舞台の年下攻キャンパス・ラブ♡

作品情報

作品名
先輩、恋していいですか
著者
小林典雅 
イラスト
南月ゆう 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
国民的スターに恋してしまいました
発売日
ISBN
9784403525070
3.6

(51)

(13)

萌々

(20)

(9)

中立

(4)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
9
得点
176
評価数
51
平均
3.6 / 5
神率
25.5%

レビュー投稿数9

男子チア部での恋と青春♪

とっても楽しかったです!

恋も部活も「初めて」のドキドキがたくさん詰まっていて、不器用な2人を応援したくなりました!


以下、ネタバレありのあらすじです。


主人公の光矢は、事故でサッカー選手の道を閉ざされ、何の目標も持てないまま暗い気持ちで大学生活をスタートします。

そんな光矢を「ぜひうちの部に欲しい!」と熱く勧誘したのが、美しい面差しをした2年生の朔(さく)先輩。
そのジャージにはSHOOTERSの文字があり、光矢はてっきりサッカーサークルに誘われたのだと思い込みます。
先輩に腕を引かれるまま部活の勧誘イベントに行ってみると、そのステージにはなんと男子チア部がいて…!というところから始まります。

このあと、朔先輩が光矢をチアに誘う真心のこもった言葉の数々がとても良いんです。

なぜ暗い表情をした光矢を男子チアに誘ったのか、怪我による挫折を知った光矢だからこそできることとは何なのか、朔先輩の言葉は飾り気がないのに、心を動かされる力がありました。

そして男子チア部SHOOTERSが和気あいあいと仲良しで、皆の会話をもっと聞いていたい!という気持ちになりました。
練習後に居酒屋に行くシーンでは、(3年生はみんなチアで鍛えたガチムチボディなので掘りごたつはぎちぎち(笑))コーチが独断で部員一人一人につけたチアネームが明かされて、その発想に噴き出しちゃいました…!

感動屋で涙もろい主将のチアネームが「全米」だったり、全員のあだ名の由来が面白いので、この場面もぜひお読みいただきたいです! 

普段はおちゃらけていてもみんな練習では真面目で、格好いいチアの演技の描写を読んでいると、お遊びサークルとはほど遠い真剣なスポーツであることが伝わってきます。
チアの練習内容や技もとても分かりやすく、お互いに力を合わせてやっと完成する技の数々に、メンバーの絆の強さを感じました!

また、今作は小説ディアプラス・小林典雅先生デビュー15周年特集号に掲載されたので、過去の作品が要所で登場するところも面白かったです!(もちろん未読でも問題なしです!)
『藍苺畑でつかまえて』で、中国から日本へお嫁にきた男子、夏雨(シアユー)のおもしろ可愛い片言も健在でした!

個人的には、書き下ろしの『後輩と恋に落ちたら』も「これを読めて良かった…」と幸せな気持になりました。
お付き合いを始めた光矢と朔先輩の、初々しいアイコンタクトや、LINEのやりとり、おうちデートなど、もう全てが可愛いんです!

初おうちデートでは、朔先輩が素敵な特技を披露してくれたり、隣人の部屋から予想外の音が聞こえてきて、光矢が思わず真似をして朔先輩を笑わせたり、本当に胸キュンと笑いの連続で目が離せません!

光矢も朔先輩も恋人同士のあれこれには初心者なので、(朔先輩は年上のプライドから経験者を装っています笑)相手の言葉や視線を早とちりしてしまったりもするのですが、その初々しい感じが臨場感たっぷりに伝わってきて、甘酸っぱさとくすぐったさを存分に味わえます!

念願の初Hもとても大切に描かれていて、準備からピロートークまでじっくり堪能させていただきました!
光矢がHの事前学習でちょっと偏った知識を入手していて、お互いの「スタンダードな行為」をすりあわせる必要があったりしますが(笑)、2人とも相手のことが大好きで、身体も欲しくてたまらない気持ちがすごく伝わってきました。
朔先輩も積極的なのがとても良い…!!!

初Hの翌朝、お腹がすいた朔先輩のために光矢がラーメンを作ってくれるシーンも甘々ですごく可愛いのでおすすめです!

読んでいると心に元気や甘酸っぱさをもらえて、何度もリピートしたくなる幸せな作品でした。

11

萌えと笑い、切なさのバランスが秀逸。

作家買い。
作家買いですが、南月さんが挿絵を描かれていると聞いて、発売を心待ちにしていました。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。







主人公・三矢は大学生になったばかりの18歳。
子どものころからサッカーに打ち込み、その能力を買われてサッカーチームにスカウトされるくらいの選手だった。
が、高3の時に甥をかばって事故に遭い、そのケガのせいでサッカーを諦めなくてはならなくなった。

そんな彼が失意の中入学した大学で、三矢はとある青年に熱烈なスカウトを受ける。

サッカーをしていた自分を知ってくれていて、それでサッカーチームに勧誘してくれた…。

と思いつつその先輩・十枝についていくと、彼が勧誘していたのはサッカー部ではなく男子チアリーディング部でー?

というお話。

今作品は、小林作品にしては、と言っていいでしょう。
バックボーンはシリアス寄りの作品です。

が、そこに小林さんならではのキレのいいギャグやコミカルさがプラスされることによって、シリアス過ぎず、コミカル過ぎもしない非常にバランスのいい作品でした。

小林作品と言えば、=腹筋崩壊してしまうコミカルで爆笑必至な作品。
そんなイメージが個人的に強いのですが、根底に小林先生の愛情がそこかしこに感じます。

今作品の三矢も同じ。
不運な事故に遭ったことで彼は将来の夢を閉ざされてしまう。
一途に、ひたむきに、誠実にまじめに。
子どものころからそれだけを目標に突っ走ってきたのに、その夢を諦めざるを得なくなった。

そんな彼の恋のお話ですが、三矢を通して描かれているのは、決して恋だけではなく、挫折を知った若者へのエールも込められています。

茶化すことなく、けれど小林先生らしいエッセンスは忘れずに。
このバランスが秀逸なので、心おきなく爆笑し、萌え、時に落涙しながら読破しました。

三矢、そして十枝。
二人ともめっちゃ好青年なんです。

優しく、思いやりがあって。
そんな二人が南月さんの挿絵で描かれていて、萌え度はググっと上がります。
そんな二人が紡いでいく恋がめっちゃ可愛いの!少しずつ、モダモダと、けれど確実に育てていく彼らの深い愛情と相手を想う優しさに萌えが滾って仕方ありませんでした。

が、それだけに非ず。彼らを取り巻く周囲の人たちがみんな等しく魅力的なのも高ポイントなのです。

チア部の仲間。
三矢と同じ新入生の生駒くん。
十枝の友人・功刀。
チア部の顧問の図師(彼がチア部の面々につけるあだ名に腹筋崩壊しました…)。

いやー、これ、スピンオフいっぱい作れるでしょ!
という、魅力たっぷりなメンバーでした。

で。

作中、めっちゃ既視感のある名称がたくさん登場します。

ブルーベリーが名産の綾織村と、そこの住人の信×シーちゃんのCP。
二人が見に行く映画に主演している若手俳優の真中旬。そしてアパート「グレース三国」(しかも202号に十枝は住んでる)。
彼らの大学の講師のアリー先生。

ん?
んん?

と思いつつ、思わず既刊本で確認しちゃったぜ…。
あとがきで小林先生も書いていらっしゃって、思わずニヨニヨしてしまいました。

もちろんそちらは未読でも全然問題ありませんが、知っているとなお面白さに磨きがかかるので、未読の方はぜひそちらも手に取ってほしいなと思います。

小林作品はすべて読んでいると思いますが、その中でもとても好きな作品の一つになりました。

文句なく、神評価です。

9

この時期に

そうなんです。
私、ここ数か月、笑いたかったみたいです。
『クスッと』でも『思わず』でも『ゲラゲラ』でも『ニヤリと』でも『お腹痛いくらい』でも、何でもいいので。
って言うか、それら全部で、とにもかくにも笑いたかったっていうことが良く解りました。

このお話を読んで、笑いましたよ。
爆発的に笑い転げたわけではないけれど、色々な笑い方で笑いました。
そして「こういうのどかな時間の過ごし方を忘れていたなぁ」と思いました。
さすが敬愛する典雅さまだ。
今の時期に必要なものが何なのか解っていらっしゃる。

攻めさんの光矢は事故によってサッカーの道を諦めたばかり。
ちょっとした誤解で男子チア部の十枝からのサークル勧誘をO.K.してしまう所から話は始まります。
光矢の事情もあってちょっとだけ暗い始まり方なんですけれども、1年先輩の十枝が明るいのです。キレイで、一生懸命で、優しくて、大食いで、人を応援したいタイプの人なんです。なんて言ったら良いのかな、バーッと光がさしてくるようなキャラなんですよ。
光矢は十枝を慕って、サークル活動に身を入れる様になります。
そして、ごくごく日常的な、でも、本人たちからすれば、もう、かけがえのない『大学時代』が繰り広げられるんです。
駄洒落や行き違いが生み出すギャグと共に、なんですけど(笑)。

でも、これが綺麗でね。
光矢や十枝だけではなく、登場人物全体が『普通』なんだけど、みんな綺麗な人なんですよ(ビジュアル的には必ずしもそうではないんだけど)。
読んでいてとても気持ちが良かったのは、多分、ここに起因するんだと思うの。
それこそ、ここ2か月くらいの間に、あまり見たくもない『危機に瀕した時に変わってしまう人の心』なんてものを見ざるを得なかった私としては、この、暖かくて、優しくて、礼儀をわきまえている世界にとても癒されました。

今の時代の所為でちょっとばかり傷ついたり、ほんの少し疲れがたまっている姐さま方にお勧めしたい。
典雅さん処方の『ビタミンBL』は大層良く効きますよ。

6

感動しました

いや、始まりがなんかすごく辛いのにさすが作者様です。

すごい不幸があったのにこんなに楽しく暖かい気持ちで読み終えられた事に感動です。
なんだかこんな風に生きたいと思わせて頂きました。

ここでウダウダ語る気はありませんが、楽しいというだけではなくて奥の深さを感じるのは私だけではないと思います。
登場人物の優しさや思いやり深さはそのまま作者様の持つものであろうと想像され、物語の流れにも作者様の読者への思いやりが感じられてとても優しい気持ちで読み終えられました。

結局ウダウダ語ってしまいました 笑笑

3

なんでこんなに笑わせるんだ!

いやー、面白かったです!

「首都圏ニュースで、日本語ペラペラのエジプト人講師が和菓子とさだまさし愛を交えながらエジプト文学について講義しているのを見て〜」

いや、もうしょっぱなから笑いました。何これ!
これで国際関係学部イスラム文明史学科に入学したのは、主人公の光矢。
怪我をしてサッカー推薦を諦めた結果、自力で入学した大学で運命の出会いを果たします。
先輩の朔に勧誘されたのは、男子チア!
最初から朔に惹かれた光矢が、男子チアチーム『SHOOTERS』に入部するところから始まる青春ラブストーリーです。

光矢は、ズートピアに紛れた美しい先輩・朔に片想いします。
しかし、朔はゴリラ先輩に片想いしていて……という切ない展開のはずが、何故か事あるごとに笑ってしまう流れになる^^;
イケメン光矢のむっつり具合が面白くて面白くて。

ラブストーリーとしては、朔の失恋につけ込むようにして告白した光矢が振られてしまうのですが、諦めたフリして虎視眈々と再告白のチャンスを狙います。
そんな事とは知らず、光矢のことが気になってきた朔と擦ったもんだありながらも恋人に。


そして後半は、朔視点の続編です。
前向きで懐の深い先輩と思われた朔は、意外と空回りキャラだということが分かります^^;
そこが可愛かったり面白かったりするのですが、何よりのギャップは大食い!
〝靴底トンカツ卵とじ丼大盛り〟って何ぞや(笑)

空回りや勘違いをしながらも、光矢とお互いを褒めちぎってイチャイャする姿にはほっこり。
いざ初Hという時に朔が予習に使ったゲイビが『アナルと雪の女王・2』だったのには吹きました(笑)
初めて同士の初々しさも感じさせつつ、どこか変態チックな光矢にもエロい朔にも萌えた♡

チアで人を応援して自分も元気になる!この思いはすごく素敵だし、青春だな〜とも思いました。
だけど、面白さが勝っちゃうところが最高でした!!
中でも一番面白かったのは、コーチが部員たちに変なあだ名をつける場面。
感激屋ですぐ泣くから『全米』、歌唱力が半端ないから『レミゼ』などなど……いや、笑った。
まつ毛の長い朔は『メーテル』で、朔が連れてきた光矢は『鉄郎』って(笑)

全体を通して本当に面白かったです。
間違っても電車で読んではいけない一冊だと思いました。

6

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