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「国民的スターに恋してしまいました」のスピンオフ、敏腕マネージャー(樫原彰文)と付き人さん(日暮遼太)のお話です。
以外ネタバレしていますので、ご了承ください。
事務所に所属し、トリオでお笑いの道をひた走っていた遼太は、突然のグループ解散で途方に暮れてしまいます。
そんな中、人柄を見込まれ事務所からタレントの付き人として働かないかと持ちかけられます。
迷いながらも承諾した遼太は、そこで「絶対恋人にしたくない男」と称される毒舌敏腕マネージャー樫原と一緒に働くことになり…
「国民的スターに恋してしまいました」より6年前の、樫原さん27才、遼太25才の出会いからお話が始まります。
自分のことをモブ顔の地味キャラと言い、自己評価の低い遼太ですが、いつも穏やかで細やかな気遣いができ、クールで自他共に厳しい樫原さんともすぐに距離を縮めます。マネージャーと付き人としての二人のお仕事描写が本当に息ぴったりで、お互いに必要とし合っていくのが伝わってきました。
樫原さんは普段毒舌ですが、遼太にだけは素直に気持ちを伝えることがあり、「コントの相方にはなってやれないが、仕事上のコンビにならなれるから、おまえの新しい相方は俺だと思って、これからも力を貸してくれ」と伝えるシーンはすごく感動しました。
樫原さんには色々な意外性があり、実はぽっちゃり系がタイプ。
付き人の仕事で女優さんのご相伴にあずかるうち、ちょっとぽっちゃり体型になってしまった遼太に「おまえころころになったな」「安心してもっと食え」と何やらご満悦な様子が面白かったです。(そして遼太が痩せるとちょっと残念そうでした…笑)
二人が修学旅行中の真中旬(「国民的スターに恋してしまいました」の主人公)をスカウトするシーンでは、旬が樫原さんに本気で怯えているので噴き出してしまいました。樫原さんの目力が強すぎて、防衛本能で視線をサッとそらしていたりして…笑
ここで平素クールな樫原さんが自分の夢である「映画史に名を残す逸材」と出会えたことを、少年のような瞳で喜ぶ様子がすごく新鮮でした。
怯えられてしまった自分の代わりに旬を懸命に説得してくれた遼太へ、心からの感謝も伝えていて、その台詞が真っ直ぐでとても良かったです。遼太が恋に落ちる瞬間に共感しました。
もちろん「国民的スター」シリーズを読んでいなくても問題なく楽しめますが、そこに登場する葛生と旬のお話を別の視点で見せてもらえたり、二人が時々ラブラブカップルとして登場したりするのも嬉しかったです。
そして個人的には、書き下ろしの樫原さんのデレがものすごい威力でした。
前編で付き合うことになった二人の起き抜けのベッドシーンから『彼は時々ロマンチスト』という書き下ろしが始まるのですが…
「朝からいいぷにっぷりだな…」と、実は以前から触りたかった遼太の顔をぷにぷにと愛でるなど、彼氏モードの樫原さんがギャップ萌えでした。
遼太のほっぺでたこ焼きを作ってみたり、片手で両頬をぷにっと挟んで尖った唇にキスしたり…いちゃいちゃシーンが幸せです。
本当に自分と付き合ってくれるのか、と不安がる遼太のために、言葉を尽くして告白をしてくれるのも格好よかったです…!
冒頭の起き抜けHは本当にサプライズで、これまでの作者さまの作品の中でも、Hの描写や擬音や台詞がひときわ輝いているような印象でした。
樫原さんの言葉責めがすごいのと、そのテクニックがつぶさに描写されているのも刺激の要因かもしれません。遼太の感覚が休まる暇がない、Sっ気のあるHをぜひご一読いただきたいです。
そのほかにも、スーツでビシッときめている樫原さんの私服センスがヤバかったり、(今回も佐倉ハイジ先生の挿絵すごく良かったです!樫原さんのコーディネートが衝撃でした笑)
二人のお付き合いが旬にバレてしまったり、楽しくて思わず笑ってしまうところがたくさんありました。
かと思えば、ノンデリカシーなことばかり言う樫原さんが不意にドキドキするような甘い言葉をくれたりもするので、ストーリーの緩急に引き込まれました。
ラストシーンで樫原さんが遼太にくれるプレゼントがとっても素敵でした。
拝読している間ずっと楽しくて、最高の読後感をいただきました。
この本が出る本日を首を長くして待っていたんですよ。
本屋さんに入荷のお知らせが入った瞬間に飛び出して、入手して、仕事もそこそこにして読み終わって、今はお話が醸し出す幸福感に浸りつつも「ああ、もう読み終わってしまった」という微かな寂しさに包まれているところです。
今作は『国民的スターに恋してしまいました』のスピンオフです。
あとがきに『そちらが未読でも問題なく読めますが』とありますが、読んだ方が良いです。未読だと笑い逃すおふざけがあるからです。
また、表題作のかなりの部分が『国民的~』で繰り広げられたドラマの裏側というか「葛生と旬があんなことやそんなことをやっている間に、樫原と日暮はこんなことをやっていたのね!」的なことが書かれてありまして、これがとても面白いんですもの。そうだ!明日にでも本棚から『国民的~』を引っ張り出して『比較読み』をしようっと。
攻め様の樫原は典雅さんの攻めとしては珍しい『俺様』です。
でもね、マッチョじゃないんだな。
『誠実な毒舌男』とか『気遣いのない善人』っていう感じ。
典雅さんが書くと、私があまり好きではない俺様キャラも素敵に見える。
そして、同時収録作では、この俺様樫原が壊れるのですよ、日暮が好きすぎて(笑)。
はい、典雅さん作品のお約束ですね。今回のデレ、とっても良かったです!
受け様、日暮は気遣いと献身、そして乙女思考のモブ顔男子。
そうなんです。今回は『アンドレ受け』なの。
これもなかなか可笑しかったんですよねー。
ただでさえ、毒舌樫原と謙遜が過ぎる日暮の掛け合いが可笑しいのに『芸能事務所でタレントの付き人になる前に、日暮が芸人としてやっていたネタ』であるとか『見た目がシュッとしている樫原が趣味で着ている変なTシャツ』であるとか、お話のすじとは異なるところでもぷっと噴き出す小ネタが仕込まれているので、油断できません……そして、私に幸せを運んでくれるのです。
典雅さんの本を読むと「読者を喜ばせたい」「笑わせたい」「幸せな気持ちにしたい」という意思を感じます。
その気持ちがとても嬉しい。
尊いと思います。
次のご本も期待してお待ち申し上げます。
作家買い。
小林先生の『国民的スターに恋してしまいました』のスピンオフ。『国民的~』の受け・旬くんのマネージャーの樫原さんと付き人の日暮さんの恋のお話です。『国民的~』が未読でも読める造りにはなっていますが、でも前作既読で読んだ方がより楽しめるんじゃないかと思います。
『国民的~』は、個人的に小林作品の中でも1~2位を争うくらい大好きな作品なので、今作品が刊行になると知って発売を心待ちにしていました。で、中身もとっても好きなのですが、佐倉さんの描かれる挿絵もとっても好きなのです。もうね、この表紙!
この表紙だけで、彼らの関係性とか性格とか、そういったものが読み取れる。素晴らしいです。
『国民的~』を読んだとき、日暮さんてもっとぽっちゃりなイメージがあったんですよね。ぽっちゃり、というか、はっきり言っちゃうとおデブちゃんのイメージ。でも、表紙を拝見したらイケメンさんやないかい…!早く読まなくっちゃ、と急いで手に取りましたが、その期待を裏切らない、めちゃめちゃ面白くって、そして萌える作品でした。
大学時代の友人二人で組んだ、三人組のお笑いユニット「エジソンスクエアガーデン」のメンバーの遼太くんが主人公。
売れっ子になるにはまだまだ、でも、3人で高みを目指したい。そう奮闘していたある日、エジスクのリーダーから呼び出される。そこで告げられたのは、とある事情で、実家に帰らなくてはならなくなってしまった、という内容だった。
もう一人のメンバーも諸事情によりお笑いから足を洗いたいと告げられた遼太くんは、これからの展望を見いだせずに茫然自失となってしまう。
そんな折、所属していた芸能事務所のジェムストーンの社長から言われたのは、「付き人をやってみないか」という打診だった。きちんとした収入に惹かれ、とりあえず入った裏方の仕事は日暮くんに合っていて―。
というお話。
まあ、そこで、樫原さんとコンビを組むことになるわけですが、この二人の掛け合いが絶妙です。
鞭の役目の樫原さん。
飴の担当の遼太くん。
二人で仕事をしていくうちに、遼太くんが樫原さんに少しずつ惹かれていく様がコミカルに、時に切なさもスパイスとして加わりながら紡がれていきます。
その過程の中で、旬くんを見つけスカウトしたこと、口説き落として芸能界入りさせたこと、そういったエピソードを盛り込みながら、葛生さんと旬くんの恋の裏側を二人がみた視点で描いていてこれもまた良き。
BL作品て、とかく登場人物たちが皆さんイケメンなんですよね。
地味でも、お顔の作り自体は綺麗とか。
隠れたスペックを持ってる、とか。
けれど、今作品の主人公である遼太くんは、自身でも「モブ顔」「地味キャラ」と評しています。でも、そういった因子を、遼太くんははるかに超越しています。とにかく優しいの。
彼の素直さとか、優しさとか、温厚さは彼の本質であり、だからこそ、梶原さんは彼に恋したのでしょうし、旬くんも懐いてる。付き人の仕事がスムーズにできるのも、彼の持つ本質故。
なので、終始優しくってほのぼのした、ハートフルなお話に仕上がっていて、読んでいてもつい顔がにやけてしまう。小林先生らしい、そんな1冊でした。
めっちゃ良かったんですよ。
大好きな作品なのですが、あえて言いたい。
梶原さんは受けだと思ってた…!
攻めだと知った時、ちょびっと残念というか、あの辛口な男をヒイヒイ言わせてほしかったという感はぬぐえなかったのですが、読後は梶原さんの「攻め」がしっくりきました。これぞ典雅マジックか。
パーフェクトでクールに見える梶原さんの私服の趣味とか、ポヤポヤ系に見える遼太くんの有能っぷりとか、相変わらずの旬くんとか、序盤から最後まで笑いっぱなし、萌えっぱなし。
文句なしの神作品でした。
ニヤける。樫原が好きだ〜。美形で仕事できて口悪いのに、ファッションセンスないのとか笑った!Tシャツ謎すぎるけど、遼太の言うように樫原だからいい♪ 遼太が心配になるくらいアッサリ告白受け入れたけど、結構な具合でベタ惚れしてるのは樫原の方だ。モテ期の遼太が心配なご様子でにんまり。めちゃ癒されて元気出るし素直でいい奴だからね。もち肌が気持ち良さそうで、私もぷにぷにしたい。SSペーパーは、めちゃ笑った後に樫原のあの発言でキュン♡ズルい…。葛生と旬のバカップルしりとりも笑わせてもらい改めて好きだと思った!
本作単体でももちろん面白いとは思うのですが、『国民的スターに恋してしまいました』のスピンオフ作品なので、こちらから読んでもらえたらより楽しめるのではないかと思います。
いやー今作も大変面白かったです。
本作はスピン元から存在感バリバリだったマネージャーと付人のお二人のお話になります。
スピン元の旬くんのスカウト現場や、あの事件の裏ではこんな事が…的な楽しみ方も出来て、スピン元の大ファンの私はそれだけで大満足。
もちろん本作のお二人の関係性も大変良いです。デリカシーのない攻めの言葉に笑い、穏やかな受けに癒され、あっという間に読み終わってしまいました。
何よりこのシリーズ、作中作が現実にありそうな物ばかりで実際に見てみたいな〜と思いながら読んでいて、そう言った点でも楽しめました。確かに若手俳優って脇役から名をあげて行って大河も出てミュージカルで幅を見せて…あるあるだなぁと。
あと本作の受けの日暮くんの芸人の感じもよくあるなぁと思いました。吉⚪︎みたいなお笑いに特化した事務所じゃない事務所所属のコントユニット。テレビも出てネタも面白いけど売り切れる前に辞めてしまうという…
あ〜こういう芸人知ってるなぁと、思わず笑ってしまいました。
芸能界ものとしても大変楽しめる作品だと思います。超おすすめです!