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表題作高3限定(3)

学園の生徒で高校3年生 小野
高校の元教師 イケダ(ユリ・イクミ)

その他の収録作品

  • 第11話 蹲う小腸
  • 第12話 驕る胃袋
  • 第13話 喚く肺
  • 第14話 微笑む心臓
  • 第15話 彼について
  • 最終話 閉じる皮膚
  • 親友トミーの告白
  • アトガキ

あらすじ

“男は、奪われた人生を取り戻しにきた。
“全ての謎、ここに完結。"

身も心もボロボロな教師と正義感溢れる男子生徒の恋は、
悲痛で凄惨な過去と共に衝撃のラストを迎える。


担任のイケダと付き合い始めた高校3年生の小野 耕平(おの こうへい)は夏休みにつかの間の同棲生活を楽しんでいたが、彼はイケダの日常が余りにも不自然である事に気が付く。イケダは決して町へと下りようとはせず、日用品は全て宅配で頼み、支払いには謎の通貨を使用していた。イケダの不可解な様子は彼の明かされない過去と必ず関係があると信じる小野は、イケダを立ち直らせようと必死の努力を始める。その努力とは、悪夢の中でカラダが切り刻まれるのをひたすら耐え忍ぶという恐ろしくも奇怪な方法だった。

ラブストーリーの常識は、このマンガで打ち砕かれる。

作品情報

作品名
高3限定(3)
著者
梶本レイカ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
シリーズ
高3限定
発売日
ISBN
9784893938404
3.5

(46)

(25)

萌々

(3)

(2)

中立

(6)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
10
得点
149
評価数
46
平均
3.5 / 5
神率
54.3%

レビュー投稿数10

2人のことが忘れられません。

読んで半年ぐらい…。やっとレビューをします。とってもとっても辛かった。理解をするのにとても時間がかかりました。このレビューを読む人はいないと思うけど、生半可な気持ちで読むことは絶対にお勧めできません。それぐらいとても辛かった。

辛いばっかり言っているんですが2人の愛は怖いほどに大きく深いものだと思います。よく「死んでも君を離さない」とか言うけど、それ以上に辛いことを成し遂げたオノには、なんかもう本当に……。オノが選んだことなのですごいねや可哀想は絶対違くて…自分の語彙力の無さに嘆きます。

梶本先生の言葉選び、文章力は本当にすごいと思います。繰り返して読むと一回読みでは見つけられなかった表現や繰り返している部分など、本当にすごくて。ここまで言葉の重みが違うと思ったのは初めてです。

一巻でかまぼこを殺した時の「オレはちゃんと解っていたんだーーお前のせいで…」のところ、花篝りの「何が欲しい?ーー今すぐ俺が叶えに行くから…」(個人的にこの話が一番好き。唯一癒される) 3巻の「俺ほど心優しく、ーーお前がとても大好きだ」などなど

特に、2巻の「今、もし、『ツチヤ』になってーー俺は喜んでその栄光に縋るだろう」とかは「自分が幸せに、自分を縋って頼ってほしい」とオノは思っているのにすごい辛いことだと思います。けど、これを認めるとユリちゃんが辛いわけで…(何のために頑張った?とかで)どうすればよかったかとずっと考えますが、2人にとってはこの結末しかなかったんだなといつもそこで落ち着きます。

色々感想とか見てみると絵のことで色々意見があったのですが、私はとっても好きです。まだ慣れないところはあるけど、この、腕とか線がなんかスアっと伸びてるところとかまつ毛とか、、(言葉のセンスの無さ)
絵柄とは関係ないけど、2巻からのイケダちゃんがとにかく健気で可愛い。けど、垣間見える痛々しいほどの体の細さ、傷に胸が痛みます。

萌えと言われると正直ないけど、個人的にやんちゃ?だったオノがユリちゃんと関わっていくうちに、あなたのためならなんだって…と闇に染まっていくところが好きです。最初は「ぶん殴ってやる」だったオノが3巻では「ブッ殺してやる」とモップを振り回している時などが特に。この場面ではイケダちゃんの心配そうな悲しそうな表情に心を打たれました。

ここまで言葉の選びが巧みなのに最終話でオノの背中を映して何も文字がなかったのは逆に印象づけられました。


読んでだいぶ経ちましたが、本当に2人のことが忘れられません。いつも日常の片隅に2人がいます。いつまでも、ずっと、2人が愛を伝え合えていればいいなと願うばかりです。

1

自分の中で納得出来るまで、時間をかけて考えたい。


友人から教えてもらい購入しました。
1.2巻を読んだ前提でのレビューとなります。

まず、BL漫画という枠ではない作品だと思いました。
どちらかと言うと、ミステリーやサスペンスの様な位置付けの作品かと思います。+ロマンス。
読む機会があるなら、あとがきまで全て読んで欲しい。
ただグロテスクな表現が多い為、苦手な方にはオススメ出来ません。

普通は外に出す事は無い、言葉にする事すら憚られるような、グチャグチャとした人間の感情を具現化した作品だと感じました。
それは残酷なニュースを見た時に感じるような、人と共有する事は普通の人生においてあまり無い感情です。

作者の梶本さんは学生時代、ある悲惨なニュースを目にして
それを心の中から吐き出す事が出来ず、また消すことも出来ず、葛藤しながらこの作品を作られたのだろう。と私は解釈しています。

痛みや悲鳴、苦痛、欲望、残虐の限りをつくされた被害者に救いが無いなんて悲しすぎる。
だからこの物語では、被害者にあたるイケダには望むものを叶えられる力が宿る。
この作品は梶本さんが実際の事件の被害者の方に送ったレクイエムなのだと思います。
また、学生時代に目にした悲惨なニュースを
時間が経っても忘れること無く、それを最後まで形にされた梶本さんは本当に優しくて強い方だと感じました。

最後は輪廻転生のように、廻り回って因果を感じる展開でした。
この因果は"良縁"とも"悪縁"とも言いがたく、ただやはりこの2人の"縁"は一般的に言う"運命"と言う物なのかな…と思います。
パラレルワールドの様な世界で、そこでもお互いに惹かれ合う2人。
ただ、これはBLと言うよりも主人公が偶然男性同士だっただけで本質的な物はソコではなく
作者さんの葛藤、被害者の方への鎮魂、そういった部分が根幹にある物語だと思いました。

2人の魂がいつまでも愛に溢れて幸せでありますように。

3

今後何度も読み返さなくてはならない

 これほどまでに評価に迷った作品はいまだかつてありませんでした。私にとって良い結末ではなかったから中立評価、ということではありません。ただ、あまりにも解釈するのに手間取ってしまって…。この結末の解釈は読者によって様々にできるものだと思うので、けっして正解は1つだけ、ということではないんでしょうけれど、正直もう少しヒントとなるものが欲しかったとは思ってしまったので、この評価に落ち着きました。でも、今まで中立評価にしてきた作品とは私の中で確実に一線を画している、これだけは言っておかなければなりません。

 あとがきで仰られていますが、先生がこの作品を描く発端になったのは、某コンクリ事件のようです。私の生前の事件ではありますが、私もメディアで事件の概要を知る機会があり、ショックという言葉ではとても言い表せないほどの衝撃を受けたことを覚えています。イケダの受けた仕打ちとはまた別物ですが、なるほど、理不尽に蹂躙された魂の救済のために描くという試み、これは評価せざるを得ないと思いました。もはやBLという範疇を超越して、この世界のあまりにも残忍な部分に焦点を当て、先生なりの考えでかつて受けた衝撃をなんとか昇華させるための作品。その苦しい過程に読者は付き合わされてきたわけです。しかし、私はこの作品に出会えたことを感謝しています。

 ただ、それが惨い現実への先生の答えなのだと納得できても、一方でこの作品自体の創作的部分が辿り着くゴールが私にはまだ不明瞭に思えて、どうにもすっきりしないままでした。すべてはイケダの力が生み出した虚構の世界だったのか、どこまでが現実でどこからが嘘なのか、私の貧相な頭ではとてもすべてを理解しきれませんでした。何度も読み返せば、散りばめられたヒントをちょっとずつ拾い集めて、パズルを完成させることができるのでしょうか。それとも先生自身、あえてぼかして描いた部分もあるのでしょうか。いずれにしろ、私がこの作品を真に理解するにはまだまだ時間がかかりそうです。でも、こんなストーリーを描き上げようと思った梶本先生の勇気と強靭な精神力には敬意を払いたいと思います。

2

いろいろと説明不足

発売当時エグいと評判だったので避けていましたが作者さんが
活動休止されて話題が再熱していたので心臓たたいて読んでみました。

ミ・ディアブロを読んで海外ドラマ好きリアル志向作家さんかなと勝手に
思ってたのですが臓器売買のプロットがファンタジックで視覚衝撃度も
犬木加奈子を水で10倍薄めた感じで評判よりかなり読みやすかったです。

序盤オノが美しいと認識し偏愛するイケダは実際は醜いんだよ復活編。
摂取されても頑張ってお願いごと具現化異世界創造サイレントヒル。

中盤で土屋やカイドの存在はなにかの状線なのかと思いきや特別なにもなし
思わせぶりなだけで読者が深読みしたら儲けぐらいな感じっだったのかな?

終盤結局イケダとオノは現実世界では一緒に幸せでい続けられず絶命後に
異世界で幸せにパンズ・ラビリンス。そして延々ループして異形編と。

あとがきに設定の思いつきは例のあの事件だと書かれていましたが
私は過去の因習がイケダの苦しみの入り口となった場面で月ヶ瀬村事件を
思い出しました。BLとしての魅力はこれといって感じられませんでしたが
問題提起としては良い作品だと思います。

0

救いがなさすぎる。


多分高3限定1.2巻を既読済みでこちらを購入されてると思うので、それを踏まえてレビューしますと、

結末を知らない方がいいと思いました。orz...

1巻を読んで鬱になりましたが、
3巻はもっと酷いです。どう酷いって、どこを読んでも救いようがなさすぎて、こんなの、とにかく酷い。
一息つかせて欲しいのにそんなとこない。
こんなのありえない、結末を変えて欲しい。
そして”イケダ先生”が可哀想すぎてもうどうしようもない。

トーンのところを見て分かるように、
1.2巻の時はあまあまがありましたが、
ありません。終始暗い話でした。

1巻のレビューでも書きましたけど、
ただの暴力愛好きにはオススメしません!しません!
大事なことなので2回言いました!

ここまでくるともう非BLにしてもいいんじゃないかなと思うくらいでした。いい意味で。スケールが大きい。

1巻を読むと結末を知りたくなってしまわれてると思います。
ですが、知らない方がいいこともあると、思いました。
感じ方は人それぞれだろうと思いますが、
私は読まなきゃよかったと思いました。

この作品が面白くなかったからという意味でなく、
あんまりにも怖くて悲しくて、のめり込んじゃいました。

オススメしたいけど、こんな悲しい気持ちになったのでしにくい。ので、神ではなく萌2で。

5

この作品が収納されている本棚

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