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水壬さんの新シリーズです。
しかも、私の好きな『ムーンリット』系統の(実際に地続きの世界らしい。向こうは『東方』でこちらは『北方』。リンクしてはいませんが)動物変身ファンタジーシリーズです。
基本的な設定として、守護獣が主(人間)を選んで『契約』を交わし、主は守護獣に守られ助けを受け(もともと持ってる力を増幅してもらったり)、守護獣は主からの愛情と信頼を『栄養』として力や寿命を得る。
そして、主を亡くした守護獣は新しい主を持たなければ(たぶん守護獣的に)長くは生きられないんです。
王族は守護獣を持つのが当然という月都で、なぜか守護獣を持たない皇子・守善(攻)。
世継ぎの長兄に持ち掛けられて、主を亡くして長い雪豹の守護獣との契約を交渉するために、同じく主を亡くした豹の守護獣であるイリヤを供に出向くことになるんです。
ちなみに、力のある(主に)大型獣は人間型になれるそうです
実は、読む前はあらすじの『(王族なら当然持つべき)守護獣を自分だけ持たない』っていうので、もっと『皇子の深刻な苦悩』の方向かなと思っていたんですよ。
でも、意外とそのあたりはあっさりした感じでした。それどころか、むしろ守善はどうしても守護獣が必要とは思っていないくらいで。
守善のキャラクターが、前向きで明るいというか結構軽い(ホントに軽い・チャラいわけじゃなく)けど芯が強い。うん、すごくいい男だと思う。大雑把な気はするけど。
イリヤの『正体』については『そうなんだろうな』というのはもうごく早いうちにわかります。
でも、これは隠す気ないってことなんでしょうね。最後まで引っ張らずに半ばで明かしてますし。
まあ、そもそも表紙イラストが・・・
イリヤは、あとがきでも『ちょっとツンデレ(ネコ科はツンデレが基本装備)?』と言われてましたが、ツンデレ好みじゃない私でもこれは大丈夫でした。ツン過ぎることもなく、むしろ可愛かった。
え~、ストーリーに関しては、悪役がストレートに『悪役』過ぎじゃないかと。
イヤ、ものすごくわかりやすいんですけどね。まさに勧善懲悪で。
それでも、ストーリー的には(わざとらしいほどに)山も谷もあるのに『どうなるんだろう!?』という真の意味でのドキドキハラハラはあまり感じませんでした。
もちろん、まったくないわけじゃないんですけどね。なんというか『安心して読めるハラハラ』というのか・・・
まあ、そのわりにちょっとやり過ぎかな~(というほどのことじゃないかもしれないけど)と感じた部分はありますね。『痛め』というか。
その点、個人的な好みから言えばもう少し『ほのぼのテイスト』の範疇で止めてくれた方がよかったという気はします。←『痛くてツラい』『もう無理!』ってわけじゃないんですよ。あくまでも『あえて言うなら』です。
あとは、本題ではないんですが、作品の雰囲気と『和風』の名詞がどうもしっくり来ませんでした。
読んでて『和風』のイメージが(名詞以外には)なかったんですよね。
例えば国名・人名が漢字というなら『ムーンリット』シリーズもそうなんですが、こちらの方が『日本語(名)っぽい読み方』だからか、ちょっと違和感ありました。
ただ、これはシリーズ読んで行くうちに慣れるかな~という気もしますが。
少なくとも、この先もシリーズ続けて読みたいとは思っています。
正直なところ、こちら単体で『堪らなく好き!神級!』とまでは行かないんですが、確かに面白かったし好きなんです。
『(個人的に)好きなシリーズになりそう』な期待は持てます。というかなってほしい、是非!
ただ・・・イラストが残念過ぎです。
ハッキリ言います。本文モノクロ挿絵のあまりの酷さに呆然としてしまいました。
表紙カラー見たときは(好みは別として)綺麗だと思ったんだけど・・・
タイトルから解るように守護者がテーマの作品で動物大集合の作品。
そして今後このガーディアン動物シリーズが続いて行く予定だとか、
北方五都地方でもっとも広大な面積を誇る月都と言う場所が舞台の王朝風味な作品で
王家に連なる者は動物の守護獣をほとんどが持っている設定で、今回の攻めになる
守善は第7皇子なのに唯一守護獣がいない、それでも守護獣が必要ないくらい
己の腕一本での力がある武人だったりします。
王族で守護獣がいない皇子と主のいない少し人間不信気味の守護獣の豹のイリヤ
この二人が第1皇子の命を受けてやはり主のいない雪豹に会いにいく道中で
少しずつ互いを理解し合いながら目的地へいく事になるのですが、
イリヤは第1皇子から密かに守善の能力を見極める事を頼まれていたりします。
そして、守善の能力を見極め主のいないイリアが守善を主に出来るかどうかの旅でも
あるのですが、守善は何も聞かされておらず、会いに行く雪豹と旧知の仲だから
道案内でイリヤと共にいく事になったと思っているのです。
守善の能力はかなり変わっていて、結果的には主に恵まれなかった守護獣を
助ける為に存在しているような能力に最後は感じます。
そしてプライドが高く、猫科の我儘気ままさを感じさせるイリア、
動物がいっぱい出てくるのですが可愛いもふもふとは一線を引いている内容かも。
どちらかと言うと、憐れな守護獣の話や主と守護獣との関係性、今回の二人は
その関係性を結ぶ前に恋愛的な意味で惹かれあうような感じもしました。
次回は、同じ国での話なのか、それとも五都ある都の別の話なのか今後が気になります。
それに第1皇子の守護獣のペガサスの関係も読みたかったし、ユニコーンなんていう
存在もある様なので今後の展開が楽しみな作品でした。
好き!なんだけど、好みなんだけど!絵が台無しにしてる!
表紙はまだいいのに、挿絵がなかなかひどい。
内容が好みだから、なおのこと絵のパンチ力に負けてしまう。編集さんとか何でどこかで止めてあげなかったの!?ってくらいに。
ついイラストの方で検索したらこれ関連がほとんど。エゴサーチしてたら作家さん辛そう。
表紙だけでイラストなしという英断しても良かったと思う。
守護獣を持たない第七皇子守善が第一皇子千弦とその守護獣ユニコーンのルナに勧められて雪豹に会いに行く。道案内してくれるイリヤが雪豹本人。
王家の血筋に守護獣がつきやすいのに守善に今までいなかったのは、能力が守護獣とその主との絆を断ち切るものだったから、守護獣達に敬遠されていた、のかな。
ユニコーンの角で作った短刀はルナが守善に「預けてみろ」ってことは、くれたわけではない。これがないと能力が発揮できないってこと?
あとがきに「今シリーズイラストをいただきます」ってあったから、この時点では同じ人で行くつもりだったみたい。
ムーンリットシリーズも動物いっぱいシリーズ。接点はないけど世界は地続き。ムーンリットは東方でガーディアンは北方。
そのうち読んでみよう。