モフモフな狼の闘士×訳ありサラリーマン

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表題作獣の理

グレン,異世界シルヴァから来た狼族の近衛隊長 
粟野聖明,家族を亡くした建設会社社員

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ある夜、サラリーマンの粟野聖明が庭で月見酒を楽しんでいると、ケモ耳と尻尾をつけたおかしな男が現れた。酔っぱらっていた聖明はその偉丈夫・グレンと酒を酌み交わしながら眠ってしまうが、目覚めた時、隣に寝ていたのは巨大な狼だった。犬好きの聖明は狼に一目惚れするが、狼は目の前で昨夜のグレンに姿を変える。なんとグレンは異世界から来た狼族の騎士で、次の満月まで帰れないのだと言うが――。

電子版もイラストあり

作品情報

作品名
獣の理
著者
成瀬かの 
イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
シリーズ
獣の理
発売日
ISBN
9784778115241
3.8

(90)

(25)

萌々

(43)

(11)

中立

(4)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
8
得点
334
評価数
90
平均
3.8 / 5
神率
27.8%

レビュー投稿数8

ファンタジーもふもふとシリアスの融合

成瀬かのさんのファンタジーテイストの作品が大好きなのですが、
今回の作品は異世界からやって来た狼族のグレンと両親と愛犬を1度に失ってしまった
寂しい一軒家に一人で暮らす聖明とのファンタジー&もふもふとサスペンス的な
シリアス感が複雑に融合されたような読みやすいのに内容が濃い作品です。

大好きな設定ですので評価が神になってますが、それだけ面白かったです。
読み始めに主人公の聖明が簡単に異世界からやって来たグレンをあっさり許容して
しまう、その時ほろ酔い気分だったのもあるが、目覚めて大型の獣が傍にいることも
その獣が人形に変化してグレンの姿を取ったことも違和感を抱くほどすんなり受け止める。

いくらファンタジーでもそれはどうかと思ったのもつかの間、聖明にはある事件で
トラウマみたいになっていて、一見すると明るいイケメンですが、
その心には大きな影があり、ふとした瞬間に虚ろになっていたりします。
グレンが怪我をしていたのも大きな要因、絶対に死なせたくないという強い思いが
異世界から来たグレンが異世界に戻るまで保護し、その想いとは真逆のそれまでは
自分の側に居てくれるとの安心をもたらす。

次第に明らかになる聖明を取り巻く不穏な事態、そこに別のトラブルも発生し、
更に緊張感を高めつつ、グレンが異世界へ帰ってしまうと思う不安。
狼姿のグレンを抱き寄せ命一杯グルーミングしてるもふもふ感、髄鞘に緩急をつけた
テンポ良い流れで先へ先へと物語の中に引きずりこまれる。
種族のみならず生きている次元すら違う者同士のラブも目が離せない。

異世界からグレンを探しに来た美しい部下もかなりいい味出しているキャラで、
このキャラでも1作読んでみたいと思わせたり、個人的萌えツボでは、
大きなデブ野良ネコが時たま聖明の所にくるのですが、その様子も萌えでした。
そのニャンコがグレンに告げていた言葉には思わずウルウルです。
久々に良いファンタジーを堪能できたと大満足の1冊でとても良かったです。


14

もしかして、もしかしなくても、自分モフモフ好き?!

もっと早くにレビューしたかったんですが、ウチの腐海にに飲み込まれ、何処へ行ったのか…?昨日ようやく発掘しました!再度読み返し「やっぱ、いいわ~!」異世界の冷徹で無敵の戦士が、日常の食卓でちんまり「食べてよし!」を待ってるとか、つんつるてんの浴衣の端を持ち上げるたくましいしっぽとか、円陣闇丸先生のリンとして重みも味わいもあるイラストも眼福です!!あまりにも異常な聖明のお家の状況とともに、最後までハラハラさせられました。
リドヴィック、気になりますね~。グレンとともに餌付けされ…いや、餌付けさせてやろうじゃないかみたいな感じ面白かったです。あちら側からお客来たり、聖明があちらに同行したりそんなお話しも、読んでみたいです!

4

カッコイイもふもふ

カップルがとても良かった。
すぐに続きが読みたくて二巻目も購入しました。

異世界から来た獣耳をもつ人種グレンと、人間の聖明が出会って恋をするというお話ですが、舞台は普通の現代社会です。
異世界から来たグレンの、もといた世界の説明もふれられてはいるのですがごく最低限という感じで、あんまりイメージがわかなかったのが勿体無い気もしました。
しかし、あくまで普通の会社に通う聖明のご近所を舞台にした地に足のついたお話になっているため、表紙を見て「ファンタジーだったら苦手…」と思った方にも楽しめると思います。

その聖明の身の回りで不穏な事件が続くというややサスペンスじみたお話でした。グレンは異世界に通じる扉が開いて、もとの世界に戻れる満月の夜まで、聖明の警護をしてくれます。
異世界と繋がるという設定上、もっとこうなればいいなあみたいな所はかなりあったのですが、それでも十分面白かったです。

何よりグレンの獣設定がいい。
単なる変身ではなく、獣姿の方が本当のグレンの姿なわけです。

可愛くて癒されるし、聖明が単に癒されるからという理由でグレンの毛並みを撫でていてもグレンの世界でそれはいやらしい行為であって、そこの二人のギャップが面白かった。

そして次第に聖明がグレンに惹かれていく様子も自然でした。
聖明は守ってあげないとというか弱いキャラでなくてしっかりして男らしいのですが、グレンがそこに輪をかけて男らしい。
きっと一見すると怖いのでしょうが、獣姿が可愛らしいのでいいギャップになります。

もふもふ系のお話が好きな人に是非おススメです。
私も最初は異世界ファンタジーなのかと思って一瞬読みづらいかな?と思いましたがそんなこともなく嬉しい誤算でした。

どうしてもここがこうだったら、と思うのは、聖明が「全く違う生き物の住む異世界までついていく度胸は自分にない」と別れを覚悟するのですが、そのくだりがあっさり過ぎるところ。
むしろそこって一番大事なところではないかと思うのですが、お別れのシーンがやけにさらっと流されてしまっているように感じたのが「あんなに愛し合ったのに・・・」と残念でした。

聖明の身の回りの事件を解決するには十分ですが、二つの世界のことを折り合いをつけるにはこの一冊では物足りないです。
それでも人外、ファンタジー、サスペンスなど色んな要素が詰め込まれて、見たことない種類のお話だったので最後まで読み急いでしまった作品でした。

2

もっふもふがやってきた☆

最近、この作家さんの作品はファンタジーのもふもふモノの割合が増えてきてるような気がします。
この作品、ちょっと違うのは人間が異世界トリップをするのではなくて、異世界のモノが現代の人間界にやってきてしまうというところ。
主人公の設定に実は重く苦しいどうしようもない暗いものを備えているのに、異世界のモノがやってくることでそれが軽減されて切なさもありながらライトなクッションの役割を果たしている。
結末においても、その点スムーズなハッピーエンドの着地点が目指されていて大変に読みやすい作品に仕上がっていました。
ほのぼのの中に潜む切なさ・暗さを包み込むほのぼの、そういう作風が自分の、この作家さんでの好きな点なので、この作品は好きな部類に入るのでしょう。
そして、もふもふの割合が高いです♪


月夜の晩、建設会社の社員である聖明が家の敷地内にある崖で一人酒を飲んでいるところに突然現れた耳と尻尾を持つ、見慣れない格好をし剣を背中に背負った手負いの男。
彼は実はシルヴァという異世界の国から戦の最中に魔法で飛ばされてしまったという狼族の、王を守る近衛兵のグレン。
彼を家に置く代わりにモフモフさせろと条件を出して、元の世界に帰れるまでと共同生活が始まります。

一軒家に一人住まい。
血に過剰に反応する聖明。
中盤までその真実は語られませんが、彼の回りで起きる事件によって彼の両親と飼い犬が殺されてしまった事が察せられます。
愛する家族を皆失って寂しかったのですね。
最初の夜。魔力が弱っていてうっかり狼の姿で寝ていたグレンを見てそれでモフモフさせろと条件を出すのです。
このモフモフすることが聖明の癒しとなるのです。
そんな悲愴な事件があったのに、聖明はきっと生きる希望も失くしていたのかもと思われますが、その家に未だに住んでいることから家族への強い思いが読みとれます。

グレンは結構適応力があります。
何でも、騎士が人前で狼の姿をさらすのは恥なんだとか。
しかし聖明の頼みでその姿になるし、その姿のほうが怪しまれないと理解して使い分けるという頭の良さもあるようす。
結構不遜で強気な態度っぽいのに、初めて食べるこの世界の料理に「待て」をさせられる犬のような姿は、大柄な偉丈夫な男がしていることで何気にギャップでかわいらしいです。
そして挨拶なのか愛情表現なのか、鼻をすりよせるのも、想像すると・・・カワイー!

仕事でトラブルに巻き込まれて誤解から狙われてしまうのと、両親の死に関する事で聖明が襲われそうになったりするのが重なって、グレンが良い護衛になっているのです。
鼻が効きますからね。
そんな点で狼設定がとても有効に働いています。

そうやって守ってくれる、そして癒しを与えてくれる。
たまらなくなったグレンに襲われちゃいますが、そのシーンで苦痛を与えないように魔法を使って挿入しやすくするとか←そこで使うのか!(笑)そんなご愛嬌もあったりして、でも聖明は嫌じゃないんです。
そのくらい、人恋しくて愛する、愛される存在が欲しかったのでしょうね。

しかし、シルヴァからグレンの盟友でもあるリュドヴィックが迎えにきます。
帰れる予定の満月の日、聖明が襲われた為にグレンが帰らなかったからです。
このリュドヴィックもまたちゃっかりさんで、適応力があり、ひょうひょうとしたキャラクターでいい味出してましたv

グレンの働きにより、両親を殺した犯人、聖明を襲った犯人が解ります。
それは両親の結婚が駆け落ちだったという事に起因する家のドロドロしたものでした。

とても強い騎士であるグレンが聖明の為に獣の姿になり、時としてナイトになり、男として恋人になり、また同時に家族になる。
題名の『獣の理』これを題名に持ってきたのは粋な計らいだったと思います。
まさにそれが理由ですから。
もふもふ具合、色々な細かい愉快な点、それは是非呼んで愉しんでくださいナ☆
ああー、大きなワンコにもふもふしたいっ!!

8

大人同士の支えあい

前にこの導入部分っていうのかな?それを読んでいて本になったら買おうと思っていたのです!しかも、イラストが円陣さんなのでなおさら♪

成瀬さんの本は何冊か読んでいるんですがそれぞれ作風がちょっと変わって面白いんですよね
受けも可愛い、男の中の可愛さってやつ?もろさですかね(子供は子供のかわいさ)

異世界からけも耳・しっぽつけた大男が現れますがそんなファンタジー色は濃くなく、2人は違和感なく発展していきますよ笑
そりゃぁ弱ってるとこにこんな頼りがいのある男が自分を守ってくれたら惚れるわ~

あらすじに書いてある奇妙な事件というのも今受けが一軒家に一人で住んでいる理由につながってるんですけどあらすじでは読み取れない本当の事件っていう…もっと軽めの想像してたわ

最後はきれいにすっきりいろいろと解決したのでもやもやもなく、もう帰れないってこともないのでちょっと安心(#^.^#)

2

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