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翻訳物を読むとよくある表紙の折り返し部分の登場人物紹介。
わたしはカタカナ名前を覚えるのが苦手なので(多分漢字の字面で覚えているのですね)、こういう仕様はひじょーに助かるのですが、こちらの作品にはそれプラス麻々原さんのイラストつきの紹介もあって、とても親切設計でございます。
表紙も、麻々原さんのシンプルなイラストが翻訳物にはピッタリです。
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攻めは獣医のチェイトン(チェイ)、30歳。
実は人狼で、子供の頃から自分のメイト(伴侶)はネイティヴアメリカンではないと確信していました。
受けのキートン(リトル・ビット)はプラチナブロンドの、美しく天使のような容姿の持ち主。
人狼で、とても25歳には見えない大学教授。
受け攻めと書きましたがリバが一回あります。
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訳者さんのことはまったく存じ上げないのですが、この方の訳し方はわたしには合っていたんだろうと思います。
BL以外の翻訳物は読んでいますが、とにかく翻訳が自分に合わないとかなり読書が苦痛となります。
こちらの翻訳をされた冬斗さんの書かれた地の文は、情景が頭にふわっと浮かびました。
プロローグ部分はチェイの幼少時の様子なのですが、そこだけでこれは読めるなと確信できましたねえ。
ふつうのBL小説ならばとっつきが悪くてもとりあえず読めないことはないのですが(なんだかんだと展開は読める内容が多いので)、翻訳物はその辺りが訳者さんの違いでかなり好みも色々で、これから読もうと思われている方はどこかで試し読みが出来ると良いですね。
舞台はニューメキシコ。
一言で言えば人狼のお話です(笑
チェイの所屬する人狼の縄張りの付近で密猟者に襲われ、保護されたキートン。
キートンは白狼でチェイたちとは種族が違うらしいのですが…
そうかそうか、人狼の間でも人種って難しい問題なんだねえ。
まあ、主に難しくしているのは群れではなく、チェイのママなのですが。
そして、人狼には必ず神様が決めたか遺伝子にインプットされてるか不明ですがメイトという伴侶がいて、出会えるかは運次第。
出会えないまま終わる人狼も多いといいます。
子供の頃からメイトを待ち望んでいたチェイの前に現れたのが、キートンだったというわけです。
チェイがもう「可愛い」とか「ベイビー」とか吐きまくりでして、わたしはその手の甘いセリフ大好物なので自分が言われているかのようにニヤニヤしちゃいます。
顔合わせればチュッチュやハグや弄りあいをしている、出来上がったばかりの幸せオーラ出しまくりカップルにありそうですねえ(苦笑
まあ、そこに動物の血もプラスしていますので更に発情しまくりです。
ただ、そういうシーン自体にあまりエロスはなくて、必要なシーンなので入っているという感じでしょうか。
無理やり感はありません。
カミングアウトについてもリアルに書かれていました。
人狼のメイトだからちょっと普通の同性愛のものとは違いますが、伝えること、拒否されること、受け入れられることの心情が書かれています。
リアルなBLが嫌いな方もいらっしゃると思いますが、わたしは好きだなあ。
父親は最初から自分も人狼ということで、メイトという存在の絶対的な大きさを理解していましたが、ママ(彼女は人種についても色々ある人なので)や幼馴染みは違います。
キートンに惑わされたと感じ、激怒します。
そんな幼馴染みが後半事件の渦中の人となり、運命を変えることが起きるのですが、これは次巻へのプロローグなのでしょうね。
次巻の主人公なので。
まあ、幼馴染みの怒りの溶け方はともかく、ママの方はいかにパパが手を尽くしたか読者には語られないので唐突感は否めないですが、家族ってこんなものなのかもしれませんね。
まずリバがひじょーに苦手なので、手を出すのに躊躇していた作品でしたが、もっとはやく読めば良かったなあというのが感想です。
リバ自体も一度だけで、しかもそれはまったく未経験なキートンに経験させてやりたいというチェイの愛でしたし。
こういう辺りもふたりが紙の中の人物なのに、本当に生き生きしていて大好きな作品になりました。
わたしはアメフト好きなので、序盤趣味の話の時にチーム名が出ただけでも小躍りしました(笑
勘違いして次巻を先に読んでしまったのですが、そちらで当たり前のように「人狼」である設定が盛り込まれていたため1巻目に詳しい説明があるのかと思いましたがそういう事もなく…。
こちらの1冊目でも当たり前のように主人公2人は生まれたときから人狼という体で始まっているのですね。
日本では馴染みがないですが、これはこういうものなんだ、と割り切ってよまないとなのね、と思いました。
読んだ感想としてはなんて幸せそうなカップル!って感じです。
誰かをこんなに欲しくて欲しくて一緒にいてずっといちゃいちゃしていて、本当に本から溢れそうな充足感と幸福感にちょっとあてられてしまいました。
よくあるカップルという感じでもなく、キートンは外見は可愛いのに強気で癇癪持ちという設定が非常に楽しく、チェイが手を焼いている様が面白くておかしくて仕方ない。
出会いから始まり、自分はゲイだけどチェイはそうじゃないからとネガティブなキートンを口説き落とすまで、その恋愛になる過程がしっかり描かれていて、それも非常にきゅんとする感じで人狼というファンタジーを抜きにしても十分恋愛モノとして楽しめる作品です。もうこの2人が本当に可愛くて仕方ない!
勿論それだけで終わらず、後半は厄介事に巻き込まれ、きちんとファンタジーで事件性のある部分も保っていて、最後まで飽きずに読めました。
本当、この2人何度いちゃいちゃとするんだ…と思いましたが。
このセックスシーンでの楽しんでいる感じ、色っぽさも勿論あるけれど羞恥心なんてものはなく本当に楽しんでやってる、って感じは海外独特な気がします。日本の小説は羞恥を残すのが美徳としているところがありますね。
こういう感じは他の海外小説を読んでも思う長所だなぁと思います。
しながら何度も笑い転げるなんて。後半の、キートンの実家でしていてベッドから落ちて笑い転げて、父親に「子供たち、もうそろそろ寝てくれないか」って言われるシーンが本当に可愛いかったです。
家族の了解を得ようとするところも海外小説によくあるシーンなのかなぁと思います。
ちょっと驚きなのは、これリバなんだ…てことですね。
リバは自ら好きで読むことはないんですが、この2人はあまりにメイトとしての充足感・一体感が完成しているので殆ど気になりませんでした。
どっちがどっちの役割というよりも2人で気持ちよくなっている事に読み手としての満足感を味わえた。
最初、嫌なやつとして登場するレミですが、2冊目を先に読んじゃったので殆ど怒りもわかなかった事がちょっとネタバレ的に残念だったなぁと後悔しました。
このシニカルでユーモアのある台詞回しも(翻訳者様の腕のおかげでしょうが)海外独特のものだと思います。
やっぱり海外小説いいなぁ~。
本文約410ページ分に少々怯んで対峙しましたが、
かなり心地好い疾走感と共に読み終えました。
作品の傾向としてはロマンス七割推理小説二割
社会小説一割と言う手応えでしょうか。
ロマンスの部分と社会小説の部分が重なったりも
しますので読み手によってはその辺が若干変わって
来るやも知れません。
本邦ではメンズロマンスと位置付けられて刊行された
本作ですが、原著者のラングレー氏は自らを
ゲイロマンス作家と名乗っておられる様子。
その辺りの拘りがカップリングの二人の関係に
血肉骨格を与えているのでしょう。
お互いに対する賛美の言葉の応酬には読んでるこちらが
こっ恥ずかしくなりますが、そう言う応酬をする程
お互いを求めていたんだねと言う事で一つ。
BLのお約束とは別腹と考えて読むとかなり美味しいかも。
日本語で訳されてはいますが元々は西洋料理ですから。
麻々原先生の素敵な絵に惹かれて購入。
あ、これはもしかして以前読んだ「王子は伯爵に恋をする」と同じ作者か?気付いた時には、同じ勢いのある文章に、気持ち良くグイグイ読み進めていた。
前作も大層気に入ったが、今作もまた違った発見があり大変楽しめた。
この作者さん、大好きである!
Hの仕方もやはり日本とは違うが、そうか、、、そうくるのか、、、と感慨深い。
だけど、思いやりのある人と自己中の人と違うのは、西洋でも東洋でも同じ事だな、と思わされた。
チェイのキートンへの愛、キートンの戸惑い、久しぶりに心地よいジリジリ感を堪能できた。面白かった。やっとうまくいったと思ったら、今度は命を狙われるし!
けど、そこまでシリアスタッチではないので、本当に優れた娯楽作品に仕上がっているのです。
私事ですが、今長男が英国に国費留学してるけど、送られてくる友人たちとのばか騒ぎしたり、スーツを着てしかつめらしい顔をしてるパーティの写真等を見てると、皆同じ人間だな~と愛しさがこみ上げてきます。
しかも狼!
結局、男も女も日本も海外も人も狼も?、一生懸命生きてる、生きようとしてるのが愛しいんだな、と結論付けれる作品でした。
元気になれて、狼になりたい、、、と思わせてくれる作品でした。
是非ご一読を
モノクロームロマンス文庫初読みです。
BLに限っては翻訳物はどうも食わず嫌いなところがあって手に取りにくいのですが、このシリーズはあらすじを読んで気に入りいつか読みたいリストに入れていたものです。
こちらでの評判も良く勇気を持ってシリーズ揃えてみました。
結論は自分の中の高いハードルを超えて読んでよかったと思ってます。
狼に変身できる超人的な体力を持つ一族(人狼)が主役の物語。
主役カップルは
獣医でいつか自分の伴侶(メイト)に出会うことを幼い頃から夢見ているチェイトン
大学教授でゲイであることから家族と疎遠で気は強いが寂しがりなキートン
密猟者に撃たれて怪我をしたキートンを治療した獣医のチェイ
一目見て怪我をしている人狼が自分のメイトだと悟ったのだけれどなんと相手は女ではなかった。
どうする?知らぬふりして遠ざける?勘違いだと思い込む?と迷った末やっぱり惹かれる思いに抗えずにいたら、なんと意識が戻った人狼はゲイだった、という出会いから始まるシリアス時々コメディな物語。
気がついたキートンがチェイに口づけしそれに返すのだが、即座に「俺はゲイじゃないんだ」なんていうなんて。
口づけを返しておきながら!?
最初っからお前は俺の相手じゃない宣言されるとはショックですよ。
そこんはとりあえず曖昧なまま男同士だけどメイトだよね、どうする?付き合ってみる?なんて軽いノリで始めてみたらこの後グダグダ揉めなくてよかったのに、と思いましたが、このグダグダが面白かったんですけどね。
キートンの『お前はゲイじゃないくせに、どうせいつか女がいいっていうんだろ、知られたら家族や友人を失い生き辛くなる、迷惑をかけたくない』という気持ちからチェイを拒みつつも自分の好みのどストライクな男をいつまでも拒めるわけがない。
策略家のチェイは聞く耳を持たぬかのようにどんどん毎日の予定を入れてきて、実家に招待されたりポーカーやら買い物そして地域の人狼に挨拶したりとじわじわと絡めとられます。
でも、過去に付き合った浮気な男とか家族からの冷ややかな態度を思い出すとなかなか素直になれないってところもチェイにとってはツボだったりする。
そこへキートンの命を狙う出来事が…。
実の兄が強引に実家に連れ帰ろうとしたり友人が大怪我を負わされたり車の事故や毒殺未遂など
理由は思い当たらないけれど犯人は実の兄か?それとも…
最初から最後までチェイはほんとにいいやつです。
過去に傷ついたキートンを癒し暴走しやすい気持ちを制御してくれる良き伴侶に巡り会えました。
あとは料理の腕を磨いて生活の質を上げることですね。
シリーズ2冊目(本作で大怪我を負った友人が主役)に続きます。