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鬼才・SHOOWA先生の最新作! 不思議の森の住人たちを描いた、感動の人外BLファンタジー。
試し読みだけでは想像できなかった壮大な物語でした。
赤身の肉を食べると呪いにかかるという、平和で不思議なニィーニの森で繰り広げられるオムニバス形式の物語。
1話目はカエルと欠け耳ウサギ(ホントは豚耳)の恋のお話で、後に出てくるオーウェンと呪いで豚になっていたタドタも出てきます。
2話目が切なくて好きでした。
満月の夜ニィーニの森に現れる妖精に願いを叶えてもらい、人間の姿になったウルフとネコ科のココのお話。
ココを愛しく思いながら、恋多きココを見守るウルフが切なくてちょっと泣いた。
3つ目は番外編で、カブトムシ×カブトムシのお話に男性2人も出てきて…想像を掻き立てる雰囲気のままEND。この作品も好きでした。
そして3話目が前中後編構成の人間対ウサギ族の、戦争ともとれるお話でした。
とても壮大でバイオレンスな要素もヒューマンドラマみたいな要素もあり、ファンタジーだし盛り沢山。
だからか、BL要素はかなり薄かったです。
オーウェンは出会いからタドタに恋していたみたいですが。
始めの方は???な部分もありましたが、それでも読み進めちゃう魅力がある作品です。
2週目で???な部分も理解できると思いますし、読み返す度更に深い解釈ができるようになる作品じゃないかなと思う。
それでもまだ作者さんの思っているような解釈には届かないのでは…と思いますけどね。
最初、かわいい絵だなぁ、かわいい童話みたいなお話なのかな、カエルさんかわいいな、ウルフ…悲しいなと読み進めていました。
で、カブトムシのお話…虫が苦手なので、正視せず、流して読み。
次のお話
ウサギと人間が交わって?できた子どもたち?
うう、苦手な話…(表紙で察しろ、てことですが)
でも、これが普通のようで普通に進む。
リアルな世界の人種問題を思わせる話になっているのはわかる。
オーウェンの考えもわかる。
ただ、自分の家族よりウサギ族の方が気になるんだなと(それはそれでいい)
お母さんの手紙、血が濃いてことなんでしょうね。
で、最後まで読んでわかったけど、最初の話のオメットがタドタではないとわかっていてする?オーウェンよ。
いくらヤリ◯ンとしても、ほんとに好きになった相手には一途を貫いてほしかった。
4度惚れなんでしょ!と。
など、童話のようなお話?と思わせておいて、SHOOWA先生のフリーダムなワールド全開という感じで、私には、良かったところと、違和感、よくわからないところが入り乱れた読後感でした。
イベリコ豚は大好きなんですが、他の短編は好きなものと、そうでもない作品との差が結構あるので、先生特有のフリーダムな不条理な感じが、頭かたく理解力想像力が乏しい私には置いてかれた感がどうしても残ってしまうようです。
あ、余談ですが、
クラヴィッツか出てきて、懐かしいなぁと思っていたら、レニーが出てきたので、合ってた、とちょと笑えて楽しかったです。
子供の頭の中のような作品を、大人が描けるって素晴らしいと思う。ただ、無秩序なように見せる序盤から、読み進めるうちに秩序を見せつけられる。
SHOOWA先生の作品はどれも面白いのですが、どこか異常なところがあって、その異常さが現実世界ではなくファンタジーを舞台にしたこの作品の方が自分には受け入れやすいので特に好きなのだと思います。下半身がゆるいのは相変わらずですが、そこも好きだよ笑
◾︎1話 カエルさんとオメット
◾︎2話 ウルフとココ
苦しい…苦しすぎる…深い愛に胸打たれて泣く。でもこの作品が2話として入っていることで、ニィーニの森は決して楽園ではなく、残酷で現実的であることが分かる。そして3話に繋がっていきます。終わりがなければ始まりもないのよね…
◾︎3話 オーウェンとタドタ
時系列を入れ替えているので、読んでいる間にどう1話につながるのだろうと想像するのが楽しいです。SHOOWA先生の作品の異常さと優しさとなんだかんだ社会派なところは読んでいてクセになりますね。
人外ジャンルの中でもかなり特殊な世界観だと思います。BLなんだけど、どこか絵本を読んでいるような懐かしさも感じました。ニィーニの森という、異なる種の動物達が平和に共存し合え、願いを叶えてくれる妖精のいる湖もある、素敵な森が舞台となっています。ニィーニの森の中での物語もあれば、外で暮らしている者達がニィーニの森に想いを馳せたり、目指したりする物語もあり。いろいろな動物や人間達の恋愛を、SHOOWA先生ならではの表現で楽しむことができました。因みにビジュアルはほとんど人間と変わらず、動物の耳が生えていたり着ぐるみみたいな格好だったりという緩さなので、読みやすいと思います。
恐らく印象に残りやすいのは、ページ数も多く大恋愛の末結ばれた、最後のオーウェンとタドタの話だろうと思いますが、私は冒頭のカエルとブタの話が結構お気に入りです。森の呪いによってウサギのタドタと入れ替わってしまったブタのオメットが、タドタの代わりも務めつつ、カエルに恋してしまうんです。タドタを元に戻すことにも、カエルとの恋にも一生懸命な彼がとても可愛かったです。
あとは中盤に箸休め的な感じで挟まれている、カブトムシ同士の物語も印象に残りました。ギロとハンセンは完全なカブトムシで、一度は身勝手な人間により引き離されたものの、再会して穏やかに共生できるようになります。そして、彼らを引き取った人間の男性2人は、2匹を見ながら何の柵もなく暮らせるニィーニの森を夢見ます。2匹と2人だけの穏やかな時間が、永遠に続いて欲しいと思いました。
かなり前から気になっていて遂に手を出してしまいました…!
初心に帰るような、読んだ後に優しい気持ちになる物語でした。
個人的には番外のカブトムシの話が一番好きでした!小学生がカブトムシを戦わせてるのを見た事があるので心が少しキューっとなりました笑。
人間がウサギを捕まえるからウサギも人間を捕まえるループが、形は違えど現代社会にも当てはまるなあ、と思いました。
今の生活に悩んだり苦しんだりしている動物たちが、何でも願いを叶えてくれるニィーニの森を夢見ている… これって作中に描かれている動物だけじゃなく、人間も勿論当てはまると思います。
ファンタジーのようでファンタジーじゃない、社会に訴えるような物語で心に響きました。
精神が弱ってるときに読むとグズグズに泣きそう…笑