電子特典イラスト付
珈琲・レトロな純喫茶好きにはたまらない1冊。
常連客ほど注文しないと噂のおすすめコーヒーを私も飲んでみたい。
派手さはないけれど味がある好みのタイプのお話でした。
作品全体の雰囲気もカフェオレのようなまろやかさです。
恋人同士だと思っていたはずが、知らず知らずの内に自分が不倫相手となっていた…と、ベッドの上で今まさに抱かれている状態で恋人が既婚者だと知る最悪の29歳の誕生日。
そんな最悪な日に出会った、街が夜の帳に包まれる頃にひっそりと開店時間を迎える昭和レトロの香りがする純喫茶。
心理描写やちょっとした表現が上手く、メイン2人を含め登場人物たちがどんな人なのかが分かりやすいのでとても読みやすいんですよ。
傷付いた主人公・久能が、純喫茶「東風」と雇われバリスタの平北と出会ってから少しずつ心が癒され、気持ちが前向きになっていく姿は読んでいて心地が良かったです。
あまり評判がよろしくない久能の元恋人・笹野ですが、キャラがここまで立っていると面白く感じてしまって私は全く気になりませんでしたね。
栗城先生の年下攻め、やはり良いなと思った作品でした。
でもそれは、久能のことをほっとするような明るさと優しさで自然に包み込んでくれる平北の人柄が良かったからなのだと思います。
かっこよさもありつつ、なんだか言動が妙にかわいらしいんですよね。
安心感があって年下っぽすぎないけれど、ふとした瞬間に年下な部分が出て来るのがずるい。これには癒されます。
普段は細かな気遣いが出来る彼が見せる、色っぽいシーンでの若さあふれる余裕のなさが個人的には大ヒット。
でも1番好きだったのは受けの久能かな。
深く傷付いたからこその心の揺らぎも理解が出来るものでしたし、己の非も認められる彼の誠実で嫌味のない性格が好きです。
受けも攻めも好みでした。
最悪な日が最高の始まりになる。
珈琲を絡めてゆっくりと進む恋が素敵な作品です。
なんでこの本買ったんだっけ??と思いかえしてみたら、「ヘタレで健気なワンコ」が大好物ゆえに、「ヘタレ」「健気」にチェックを入れて詳細検索したらこれがヒットしたからポチったのだけど……。
でも読んでる最中に、うわぁヘタレ!とか、うわぁ健気!!って思うことは一度もなかったなぁ……。
そしてワンコ感も特になく……。
どヘタレ攻めや、ワンワン物語を読みすぎたせいで麻痺しちゃってるのかなぁ…。
もっとも作家さんがあとがきで「今回の攻めは、ヘタレです!」とか謳ってるわけではないので、「ヘタレ」「健気」というちるちる属性フィルターを外してみると、
若いくせに昭和の香りがするというか、格言を書くちょっと変わった自由人攻めって感じだった。
攻めと受けがするするくっついて、穏やか〜なお話だったけど、受けの元カレがまぁ超電波で胸糞で、ひときわ異彩を放っておりました……。
あいつはやばいな。
二部構成。
カフェオレ・トワイライト
恋する喫茶店
珈琲好きが読むと、飲んでみたくなる描写が連発。
久能の恋愛の展開より、関心は、平北が提供する珈琲に釘付け。
どんな風味なのか、想像してしまう。
美貌の主人公、久能は、同じ会社に勤める上司、笹野と 秘密の恋をしている。
24才から交際する有能な上司で年上の恋人を 久能は独身だと思っていた。
近日転職をする予定で、それにも相談にのってくれた笹野。
29歳の久能の誕生日。
お祝いに、初めて笹野とて一夜過ごす。
最中に笹野の妻から着電。偽装工作だと久能も電話に対応を要求されて、
・・・久能は、上司の笹野は自分と異なる恋愛感を持つことに気付く。
・・・その時まで、上司が妻子持ちだということを知らなかった。
知らずに自分が不倫を犯していた事に悩む主人公。
たまたま通りがかった小さい純喫茶「東風」に迷いこむように入り、
初めて美味しい珈琲を飲んだ久能。
珈琲の豆の名前を聞いたら、見当違いの返事を平北が告げる
「辛い事を忘れる珈琲」
図星を刺されて泣き出して、泣き疲れて店で寝てしまう久能。
東風で出会う人達と、東風の店員平北との新しい恋。
平北は久能に、もっと笑っていて欲しいと話す。
色黒の平北と、色白の久能、手をつなぐとカフェオレだ、と平北は久能を笑わせる。
物語の展開より、
直に豆の買い付けの旅をして、オリジナル焙煎を施した香り高い、
後味に甘味がある東風の珈琲を飲んでみたくなった。
面白かった。
主人公の久能が初めて付き合った恋人・笹野との別れを決めた直後、レトロ純喫茶「東風」を発見したところから始まる、優しくて誠実なラブストーリーです。でもエチはガッツリ?ガツガツ?しててそのギャップがたまらないですね。
受けが好きなんですよね。笹野の仕打ちに傷ついてなお、彼との恋で得た素敵な時間や経験だけは大切にしたいと思っているところ。元恋人への未練から少しずつ脱却して、自分が恋愛そのものや笹野に対してかなり卑屈だったことを認めるところ。最終的には笹野とキッパリ決別してきちんとけじめをつけようとするところ。そして、気持ちの整理ができた後には、傷ついた自分にではなく、自分が傷つけた人に対して気持ちが向かっている度量の広さが好きです。
意外と久能に執着している笹野にちょっと萌えてる自分がいたけれども…、「病気」だと一蹴されてて、そうだよねってなりました笑
傷心の久能にとって励ましとなったのが平北との出会いだったわけですが、この平北がまたいかにも年下らしい魅力を備えていて、ほんと癒されます。
「東風」の店内には平北のオリジナル名言(迷言)が溢れていて、不覚にもそのノリが異常に刺さってくるというか笑、その文言だけで平北のキャラクターがわかるような気がするんです。上手いなぁ。個人的には平北がどういう指向の人なのかだけは引っ掛かっちゃうところなんですけど、初々しい二人が爽やかでエロくてけしからんし、藤たまきさんのイラストっていう点ですでにもう胸がいっぱいで、満足です。
巻末収録「カフェオレ・トワイライト」の濡れ場も、「恋する喫茶店」に出てくる文言も、本編が好みだったわたしにはぷすっと刺さってきてくれて、ニンマリでした。
栗城さんのお書きになる年下ワンコ攻めに
今回もうっとりさせていただきました!!
明るくて人当たりの良い年下ワンコ、
ほんっと可愛いなぁ!!
5年も交際してきた笹野という恋人が実は既婚者で
それを自分の29歳の誕生日にホテルで知らされ
どうしようもなく傷付いた久能ですが
家にすぐ帰りたくなくてふと目に入った純喫茶に
ふらりと入ってみると
そこにはギャルソンの恰好をした若い男が……。
久能は真面目で優しい青年なのに、
笹野に騙されてすごく気の毒でした!!!
誠実の欠片も無い言動に腹が立って腹が立って
私が刺したくなりました(犯罪です)
それでも、仕事は出来ておとなの余裕が感じられて
耳触りの良い言葉をいつもくれていたし
久能はゲイだから、笹野と別れても
すぐ違うパートナーに出会えるとも限らなくて
なかなか決意できなかったというのもわかります。
ただ、本当に話が通じなくて
久能の言う事を(転職の理由ですら)
すべて自分の都合の良い方へ受け取る笹野が怖かった…。
ザマミロな結果だったかもしれませんが
ちょっと……そういう展開…!?と驚いてしまって
現実味が薄い気がしてしまいました…。すみません!
こんな奥さんいるかな…??
自分に自信が持てず、つい卑下してしまうような久能を
5歳年下の平北(店長代理)が包み込んでくれてよかった!!!
バックパッカーというだけあって
柔軟性のある考え方や行動力もさることながら
人を明るい気持ちにしてくれる面にとても魅力を感じました。
“店長のおすすめ”のコーヒーに、
大喜利のようにタイトルを付けるのも
人柄が出ているようで私は好きです。
色黒な平北と色白の久能が手を繋いで「カフェオレ!」には
こちらが赤面してしまいましたが
笹野は外で手を繋いでくれたことがないので
(しかもそういう場面で酷い言葉を投げてきたから…)
恥ずかしいけど嬉しいという久能に共感しまくりです!!
笹野から守ってくれた後の
「昔の恋を忘れて、俺を見てくれるコーヒー」には
泣いてしまった!!
優しさがめちゃくちゃ沁みて感動しちゃったんです!
もしかしたらここは苦手…という方も
いらっしゃるかもしれませんが……。
Hでは若さ溢れる様子が素敵でした!!
余裕が無かったり情熱的だったり!!
あんなふうに求められたら
体力的に多少キツくても
心が満たされるでしょうね、久能ww
平北が私の好みドストライクだったのですが
笹野が許せなかったのと
奥さんの行動に違和感が拭えなくて
萌とさせていただきます;;
でも本当に平北は好きなんですよー!!
ちなみに今、自分で淹れた安いドリップコーヒーを飲んでマスww