おやすみなさい、また明日

oyasuminasai mata ashita

おやすみなさい、また明日
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神310
  • 萌×243
  • 萌30
  • 中立12
  • しゅみじゃない28

71

レビュー数
69
得点
1824
評価数
423
平均
4.4 / 5
神率
73.3%
著者
凪良ゆう 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784199007392

あらすじ

「俺はもう誰とも恋愛はしない」
仄かに恋情を抱いた男から、衝撃の告白をされた小説家のつぐみ。
十年来の恋人に振られ傷ついたつぐみを下宿に置いてくれた朔太郎は、つぐみの作品を大好きだという一番の理解者。なのにどうして…?
戸惑うつぐみだが、そこには朔太郎が抱える大きな闇があって!?
今日の大切な想い出も、明日覚えているとは限らない…記憶障害の青年と臆病な作家の純愛!!

表題作おやすみなさい、また明日

荒野朔太郎,27歳,なんでも屋
遠藤告美,35歳,小説家

同時収録作品スイート・リトル・ライフ

荒野朔太郎,なんでも屋
遠藤告美,小説家

レビュー投稿数69

最後の短編

★ 後遺症の記憶障害と認知症の健忘 
事故の後遺症の健忘症についてが先にあり、後編は、50年後の話。
「最後の短編のためにここまでの物語が存在している」というあとがき。

私の偏見に満ちた感想
「50年後の要介護世代を書いている後半部分の意味が分からない」というレビューが他サイトにいくつかありました。
作者買いしている読者なら理解している事でしょうが、「一見読者」には伝わりにくいのかな。著者の作品を数冊続けて読めばなんとなくわかる。
著者は、一般人が避けたがる「キモイ存在」に目を向けて、小説の題材にする人。BLジャンルから、一般ノベルに手を広げています。
読者にマイノリティな存在に興味を持たせて、「気持ち悪がらないで」と理解者を増やすことにつなげることから、生き辛さを抱えている人に「何か」を贈っています。
意識してマイノリティな存在を題材にする人だと、あとがきを必ず読めばわかります。あとがきを讀まない人、多いのかな? 「美しい人」の後がきにも、「気持ちワルい・・」について書いています。
エロスの追求だけでBL書いているわけじゃない作家・・だと私は解釈しています。
だから、もっと成功してほしい。社会派の一面を持つ物書きを、著書を買って読むことで、支援したい。

記憶障害と認知症の症状は、似ているんじゃないかと思います。ついさっきのことも、分からない。理解不能な宇宙人と暮らしているような感じ。違いは、異常な行動が無いか有るか、じゃないのかな。

事故の後遺症だけじゃなく、今は若くても若年性認知障害を起こす人もいるので、こういう症状の悩みを抱えている人が居るんだ、と理解する人が増えたら、生き辛さを抱える人に生き易くなる安らぎをほんの少し贈れるのかもしれない。

理解することから支援の切っ掛けが生まれるなら、この本を読むことから、生き辛さを抱える人への理解者が増える事につながる、良いお仕事をしている作家だと思います。
萌え萌えで腐女子して楽しく読むことが、無意識に善いことにつながっていく・・夢がある循環だと思います。
著者は、愛が深い人なんでしょうね。


3

広げたときに美しいなら

さすが名作と言われるだけの作品です。
特に最後のSS!担当さんもおさえて書きたいものを書ききれるのはやはり人気作家さんだからですよね!私は断然あってよかったと思った人でした。彼らは愛し合い続けて最後を迎えたのだと確信できる。だってゲイの風上にもおけない男 伸仁は10年付き合ってつぐみを振ってるわけで、どんなに愛し合った2人でもそんな事もあり得るのを冒頭で早々に描いてしまってますから。そこまで書き切ってくれないと自分のような捻くれた人間は不安になってしまいます。よかった。

それに、最後の忘れ方は最早年齢によるものもあるでしょうし、朔太郎の怪我による後遺症設定よりもっと万人共通の「行く末」な気がして、深く自分にも浸透しました。いずれああやって他人と愛した人を混同するかもしれないし、愛した人を忘れるかもしれないし、思い出してひとときの幸せを得られるかもしれない。

美しい物語でした。「誰かに押しつけられた花束など」「指先をとかす」「一枚のキルトのような関係」この辺の表現が好きだったな。

1

ここまで描き切ることに拍手

日常の中に、リアリティと非リアリティが混じり合っていると思いました。
売れない作家のつぐみと、記憶が抜け落ちていく後遺症に苛まれる青年・朔太郎。
二人が出会い、別れ、再会し、最期まで人生を共に歩んでゆくストーリー。

これは個人的な感想ですが、記憶障害という設定……
そこに、リアリティを感じられませんでした。
それから、10年も付き合った伸仁に、「子供がほしいんだ」と言われて捨てられたつぐみが、思っていたよりあっさり朔太郎に恋をしてしまったところ……
ここに少なからず違和感を覚えてしまいました。

そんな感じで多少乗り切れなかったところはありますが、全体を通して優しくて切ない情感たっぷりの素敵なお話だったと思います。
特に、朔太郎の祖父とのやり取りは感動的だった。
とっても素敵なお爺ちゃんで、私も大好きでした。

そして、ラストのSS。
賛否両論分かれるのは分かるのですが、私はこれがあったからこそ作品として素晴らしいものになったと思います。
つぐみが亡くなった後、一人残された朔太郎。
朔太郎にとっては、つぐみの記憶は無くなってしまったほうが幸せだったかもしれません。
それでも忘れてはまた思い出し、いつかまた、ここではないどこかでつぐみと逢える時を心待ちに生きていく。

人生って思った通りになんかいかない。
それでも生きていかなくちゃならない。
辛いけど、懐かしさと愛しさを抱えて生きていく朔太郎にリアリティを感じました。

度々出てくる白い山茶花。
花言葉は、「あなたは私の愛を退ける」
これは、つぐみの気持ちであり、ハラハラと散る花びらは、朔太郎の記憶の象徴なのかと思いました。

このラストは、悲しくなんかない。
私にとっては、とても幸せな終わり方でした。
伸仁も、どこかで幸せになっていますように。

2

名作の言葉に偽りなし

とても有名でかねてより気になっていました。ですが凪良ゆうさんの作品は、ハマるときとハマらない時があるので慎重になっていました。
ですがこちらはなるほど、確かに名作だーと感嘆。終盤涙が溢れて止まらなかったです。

私にとっては切ないというよりはとにかく温かいものがしとしと体に降り積もっていくような作品でした。切なく苦しい設定である事は間違いありません。ですが、物語のなかでは常に優しさが、愛しさが、愛がこの作品を包み込んでいたのです。悲しい場面なのに胸の奥に少しの痛みとじわぁっと温かいものが滲んでいくような。
それはつぐみと朔太郎から溢れ出る慈しみや優しさが物語を通して読者に波のように還ってくるのだと思います。
作者の後書きにあるように、あのSSを書く事にこそ意味があったなと感じています。朔太郎の誓いの言葉を書かせた以上、あの未来は避けて通れない。そこまでキチンと書き切ってくれた事に感謝しかありません。つぐみ亡き後、彼はとても静かに現実を、日々の瞬間瞬間をつぐみと共に歩んでいます。焦る事なくゆっくりと、いつかくる日に向かって朔太郎はつぐみを忘れる事なく生きている。これを幸福と言わずなんというのか。
とても忘れられない紛う事なき名作でした。

2

小説家の出てくる、心の動きの美しく切ない物語

めっちゃ泣いた。最後のSSは評価が分かれるかもと後書きで書かれていたけれど、今まで読んだ全てのBLが救われるような内容で、私としてはすごくあって嬉しいSSでした。

1

美しさに泣きました

美しさに泣くってこういうことなのか。

欲張りな私は、小説には情報量の多い非日常を描いたものを求めがちで、気付けばいわゆる日常を舞台とした恋愛小説というものはあまり読んだことがありませんでした。
雨続きのこんな日はちょっと切ない小説でも…なんて軽い気持ちでランキングから手に取ってみたこの作品ですが、私もう、凪良先生の虜です。

10年間付き合った恋人と理不尽な別れ方をした小説家のつぐみと、記憶障害を抱え「(大切な人のことを忘れ、悲しませるのが怖いから)もう恋愛はしない」と決めている歳下の青年・朔太郎の切ないラブストーリー。

ストーリーだけでなく、文章がとにかく素晴らしいのです。
2人の会話、間にある空気が、とても静かで、切ないほどに綺麗に描かれていて。
四季折々を綴る美しい比喩表現が散りばめられていて、ひとつひとつのシーンを立ち止まるように読んでしまう。
ストーリーの先が気になるのになかなか進まない。
美しい言葉たちを脳内で映像に変えていく時間はとても幸せなもので、自分の中が満たされていくのを感じました。

つぐみが朔太郎の祖父が経営するアパートに越してきてから、朔太郎と共に手入れするアパート裏の菜園が蘇ったという描写があります。
世の中には植物を増やせる人と枯らしてしまう人がいて、私は典型的な「枯らしてしまう人」。
本やネットで育て方を調べて、必要な材料も全部用意して、マニュアルどおりに育ててもダメ。
私が増やせるのは雑草くらいなもんで、家族からは「可哀想だから二度と植物は買わないで」と言われてしまっている。
そんな私からすると、植物を青々と繁らせて美しく保ち、実らせることの出来る人って、何か特別な力を宿してるように見えて、密かに憧れているのです。
コツを聞いても大抵「普通にお水あげてるだけだよ」と言われるので尚のこと。
きっと対人間と同じように、マニュアルどおりではなく、体調やご機嫌を見ながら対話することが出来るのではないかな、と。

つぐみはそういう対話が出来る人なんですよね。
言葉じゃなく、心で。
相手に元気がないと、つい必要以上に水や肥料と同じように「言葉」をかけてあげたくなっちゃうけど、つぐみはそれをしない。
自然に沈黙をよしと出来る人だし、あえて自分を殺してでも、相手を思って我慢することが出来る人でもある。
それって言葉に頼るより難しいよなぁと思う。

2人が結ばれるまで、紆余曲折を経て数年かかります。
朔太郎の苦い決断により、つぐみはアパートを出て2人は離れ離れになるのだけど、その時のつぐみの心情や行動があまりにも尊くて、こんなにも朔太郎という一人の人間に心を向けながら、なお朔太郎のために一人で生きて行こうとしている姿に胸を打たれました。
でもそんな健気なつぐみも、朔太郎の祖父が亡くなり、本当に朔太郎とすべての繋がりが失われそうになったときに、とうとう糸が切れたように寂しさや絶望に襲われて立ち竦んでしまうのです。

30代後半というのは不思議なもので、まだまだ人生の半分にも満たない年齢なのにも関わらず、仕事も恋も「スタート出来る最後のチャンスかもしれない」と思わされてしまう。なんかすべてがもう人生のゴールに繋がってしまっているかのような錯覚に陥る、特有の閉塞感があるんですよね。
だから、つぐみの絶望感はとてもリアルに感じられるし、切なさが実感を伴って伝わってきました。

「こんな運命的な2人が、こんなにも美しい人間が、何故愛する人と一緒にいられないのか?」
中盤から終盤にかけては、本当に悔しさと切なさでいっぱい。
だからこそ、やっと2人が結ばれたときは、本当に嬉しくて嬉しくて…!

結ばれた後の2人の人生を描いた『スイート・リトル・ライフ』は、涙無くしては読めませんでした。
日常のちょっとしたやり取りなどを忘れてしまう朔太郎とつぐみの生活は、多分大変なもののはずで、普段なら(つぐみは献身的だな〜)と捉えるのだけど、この2人にはその言葉は適切じゃないなぁと感じます。
つぐみにとってそれは負担でもなんでもない自然なものとして存在しているんですね。

この例え難い素晴らしい空気感を、凪良先生の言葉で読めたことに感謝しています。
切なさや美しさを求めている方に、ぜひ読んでいただきたい作品です。

9

深い愛に生きた二人の物語を読むことができて、とても幸せ

ときどき泣ける小説を読みたくなるときがあります。ちょっとストレスやモヤモヤがたまっている、そんなときです。
「泣ける」とのレビューがたくさんの凪良さんの本作品。長年暮らした恋人に捨てられ、涙の後も乾かないまま一人公園にいたつぐみ(受)に、朔太郎(攻)が、「泣くのはストレス発散になるんだって」と言うセリフがあります。「泣いてもいいんだよ」と言われたような気がして、私までホッとしてしまいました。凪良さんの作品は、登場人物たちのセリフが深く心に沁みてくるときがあり、そこが魅力の一つだと思っています。

売れない小説家のつぐみは、穏やかに続くと思っていた恋人との生活が突然失われ、仕事もスランプに陥ってしまいます。そんなとき、知り合った何でも屋の青年・朔太郎は偶然にもつぐみの作品のファンで、その縁で彼の祖父が経営するアパートに移り住みます。朔太郎の優しさに癒され、生きる意欲、書く意欲を取り戻していくつぐみ。あるとき、朔太郎の抱える苦しみに触れ、彼を好きになっていたことに気付きますが、朔太郎が記憶障害を抱えており、もう誰とも恋愛はしないと決めていると告げられてしまいます。

惹かれ合いながらも、相手を思えばこそ一緒にいられない二人が切なく、それでも相手のために自分のできることを精一杯続け、やがて結ばれ、一生を共にする姿に、どうしようもなく涙があふれてしまいました。涙の理由がどうしても言葉にならない…と歯がゆく思いながら、あとがきを読むと、凪良さんが『愛する人へ一生かけて愛を証し続けた二人の物語』と書いていて、ああ、それです!と。

つぐみが『朔太郎さんのこと』を綴り続けることで、朔太郎が支えられ、つぐみ自身も支えられて。そういうかけがえのない関係が、とてもいいなと思いました。
二人が一緒に暮らした描写は「スイート・リトルライフ」の中のほんの少しですが、自然に寄り添う様子がうかがえて、心が温かくなりました。二人は、「絶対につぐみさんより長生きする」、「俺も朔太郎さんを幸せにするよ」という約束を、ただ一心に守り続けたのだなと思いました。「おやすみなさい、また明日」。二人は何回も何回もそう言い合ったのでしょう。互いのありのままを受け入れ、寄り添えたのは、深い愛があったからで、それがとても尊く、憧れてやみません。

つぐみと朔太郎が桃を向いて食べる場面の後、つぐみの言葉遣いが突然よそ行きになったように感じて、違和感を覚えたのですが、それが朔太郎の健忘ゆえと分かったときは、仕掛けの巧みさに驚き、忘れることの残酷さに胸を引き裂かれるように感じました。でも、朔太郎は、忘れることは救いのひとつでもあるととらえています。ヘルパーさんに毎日三時につぐみの遺影のある仏間に連れて行ってもらい、つぐみへの愛しさと懐かしさを思い出す、それは晩年の朔太郎にとって生きることそのものなのだろうと思いました。忘れても思い出せばいい。思い出せなくても、つぐみが書いてくれた『朔太郎さんのこと』がある、朔太郎はそう考えていたのでしょう。二人の愛をここまで見届けさせてもらって、胸がいっぱいになりました。

こんなにも心揺さぶられる作品を、きっと凪良さんは身を削るように書かれたのだろうと、勝手ながら想像してしまいます。自分では経験しえない、深い愛に生きた二人の物語を読むことができて、とても幸せです。

3

感動 読んでよかった(涙)

つぐみさんが好きです。なんかもう天使みたいな人です。
すごく温かい人です。思いやりの人です。

朔太郎さんもとてもいい人なんですが、やはりそこはつぐみさんと
出会えたからこそなんではないかと。

二人とも本当に幸せだったのだなぁ。と納得しました。

涙涙で読み終えましたが、悲しい気持ちではなくなんていうか感動の涙。
死を扱う作品は得意ではないのですが、この作品は人生の終わりであって
死という扱いではなかったので悲しい気持ちではなく読み終えられたと思います。

BLという枠でなくても充分読み応えのある作品でした。
もっと早く読めば良かった。再読間違いなしです。



2

また明日。

またしても号泣。
本編はなんとか持ちこたえたのだけど、本編後のSSで涙腺崩壊でした。

優しく、暖かく、切なく、愛しさのつまったエピローグでした。
穏やかに彼らの結末を看取れました。
年老いた朔太郎さんを見ていると、二人でとても穏やかで幸せに過ごせたんだなというのがひしひしと伝わってきました。
朔太郎さんとつぐみさん、二人で紡いだ一生が、とても眩しく感じました。
本当にあたたかくて優しい物語でした。

このレビュー書きながらも涙零れてどうしようもなくて、何かいてるか纏まっていないのですが・・・。

読んで良かった、もっと早く読んでおけばよかったと思いました。
CDはあまり聴かないのですが、SSが気になるので購入しようと思いました。

5

タイトルの意味

とても素敵な作品。
書かれた文章が美しく、情景がすっと浮かぶ。
切なくて苦しくて、でも幸せで。

タイトルの意味が分かった時、涙が零れました。
そしてラストシーン。あっと思った瞬間、鳥肌が立ちました。

私は二人はとても幸せだったと思います。
これも一つのハッピーエンド。
繰り返される思い出の中で二人は永遠に生き続けます。

2

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