おやすみなさい、また明日

oyasuminasai mata ashita

おやすみなさい、また明日
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神275
  • 萌×238
  • 萌28
  • 中立10
  • しゅみじゃない25

58

レビュー数
64
得点
1621
評価数
376
平均
4.4 / 5
神率
73.1%
著者
凪良ゆう 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥600(税抜)  ¥648(税込)
ISBN
9784199007392

あらすじ

「俺はもう誰とも恋愛はしない」
仄かに恋情を抱いた男から、衝撃の告白をされた小説家のつぐみ。
十年来の恋人に振られ傷ついたつぐみを下宿に置いてくれた朔太郎は、つぐみの作品を大好きだという一番の理解者。なのにどうして…?
戸惑うつぐみだが、そこには朔太郎が抱える大きな闇があって!?
今日の大切な想い出も、明日覚えているとは限らない…記憶障害の青年と臆病な作家の純愛!!

表題作おやすみなさい、また明日

荒野朔太郎、なんでも屋、27歳~
遠藤告美、小説家、35歳~

同時収録作品スイート・リトル・ライフ

荒野朔太郎、なんでも屋
遠藤告美、小説家

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数64

美しさに泣きました

美しさに泣くってこういうことなのか。

欲張りな私は、小説には情報量の多い非日常を描いたものを求めがちで、気付けばいわゆる日常を舞台とした恋愛小説というものはあまり読んだことがありませんでした。
雨続きのこんな日はちょっと切ない小説でも…なんて軽い気持ちでランキングから手に取ってみたこの作品ですが、私もう、凪良先生の虜です。

10年間付き合った恋人と理不尽な別れ方をした小説家のつぐみと、記憶障害を抱え「(大切な人のことを忘れ、悲しませるのが怖いから)もう恋愛はしない」と決めている歳下の青年・朔太郎の切ないラブストーリー。

ストーリーだけでなく、文章がとにかく素晴らしいのです。
2人の会話、間にある空気が、とても静かで、切ないほどに綺麗に描かれていて。
四季折々を綴る美しい比喩表現が散りばめられていて、ひとつひとつのシーンを立ち止まるように読んでしまう。
ストーリーの先が気になるのになかなか進まない。
美しい言葉たちを脳内で映像に変えていく時間はとても幸せなもので、自分の中が満たされていくのを感じました。

つぐみが朔太郎の祖父が経営するアパートに越してきてから、朔太郎と共に手入れするアパート裏の菜園が蘇ったという描写があります。
世の中には植物を増やせる人と枯らしてしまう人がいて、私は典型的な「枯らしてしまう人」。
本やネットで育て方を調べて、必要な材料も全部用意して、マニュアルどおりに育ててもダメ。
私が増やせるのは雑草くらいなもんで、家族からは「可哀想だから二度と植物は買わないで」と言われてしまっている。
そんな私からすると、植物を青々と繁らせて美しく保ち、実らせることの出来る人って、何か特別な力を宿してるように見えて、密かに憧れているのです。
コツを聞いても大抵「普通にお水あげてるだけだよ」と言われるので尚のこと。
きっと対人間と同じように、マニュアルどおりではなく、体調やご機嫌を見ながら対話することが出来るのではないかな、と。

つぐみはそういう対話が出来る人なんですよね。
言葉じゃなく、心で。
相手に元気がないと、つい必要以上に水や肥料と同じように「言葉」をかけてあげたくなっちゃうけど、つぐみはそれをしない。
自然に沈黙をよしと出来る人だし、あえて自分を殺してでも、相手を思って我慢することが出来る人でもある。
それって言葉に頼るより難しいよなぁと思う。

2人が結ばれるまで、紆余曲折を経て数年かかります。
朔太郎の苦い決断により、つぐみはアパートを出て2人は離れ離れになるのだけど、その時のつぐみの心情や行動があまりにも尊くて、こんなにも朔太郎という一人の人間に心を向けながら、なお朔太郎のために一人で生きて行こうとしている姿に胸を打たれました。
でもそんな健気なつぐみも、朔太郎の祖父が亡くなり、本当に朔太郎とすべての繋がりが失われそうになったときに、とうとう糸が切れたように寂しさや絶望に襲われて立ち竦んでしまうのです。

30代後半というのは不思議なもので、まだまだ人生の半分にも満たない年齢なのにも関わらず、仕事も恋も「スタート出来る最後のチャンスかもしれない」と思わされてしまう。なんかすべてがもう人生のゴールに繋がってしまっているかのような錯覚に陥る、特有の閉塞感があるんですよね。
だから、つぐみの絶望感はとてもリアルに感じられるし、切なさが実感を伴って伝わってきました。

「こんな運命的な2人が、こんなにも美しい人間が、何故愛する人と一緒にいられないのか?」
中盤から終盤にかけては、本当に悔しさと切なさでいっぱい。
だからこそ、やっと2人が結ばれたときは、本当に嬉しくて嬉しくて…!

結ばれた後の2人の人生を描いた『スイート・リトル・ライフ』は、涙無くしては読めませんでした。
日常のちょっとしたやり取りなどを忘れてしまう朔太郎とつぐみの生活は、多分大変なもののはずで、普段なら(つぐみは献身的だな〜)と捉えるのだけど、この2人にはその言葉は適切じゃないなぁと感じます。
つぐみにとってそれは負担でもなんでもない自然なものとして存在しているんですね。

この例え難い素晴らしい空気感を、凪良先生の言葉で読めたことに感謝しています。
切なさや美しさを求めている方に、ぜひ読んでいただきたい作品です。

5

深い愛に生きた二人の物語を読むことができて、とても幸せ

ときどき泣ける小説を読みたくなるときがあります。ちょっとストレスやモヤモヤがたまっている、そんなときです。
「泣ける」とのレビューがたくさんの凪良さんの本作品。長年暮らした恋人に捨てられ、涙の後も乾かないまま一人公園にいたつぐみ(受)に、朔太郎(攻)が、「泣くのはストレス発散になるんだって」と言うセリフがあります。「泣いてもいいんだよ」と言われたような気がして、私までホッとしてしまいました。凪良さんの作品は、登場人物たちのセリフが深く心に沁みてくるときがあり、そこが魅力の一つだと思っています。

売れない小説家のつぐみは、穏やかに続くと思っていた恋人との生活が突然失われ、仕事もスランプに陥ってしまいます。そんなとき、知り合った何でも屋の青年・朔太郎は偶然にもつぐみの作品のファンで、その縁で彼の祖父が経営するアパートに移り住みます。朔太郎の優しさに癒され、生きる意欲、書く意欲を取り戻していくつぐみ。あるとき、朔太郎の抱える苦しみに触れ、彼を好きになっていたことに気付きますが、朔太郎が記憶障害を抱えており、もう誰とも恋愛はしないと決めていると告げられてしまいます。

惹かれ合いながらも、相手を思えばこそ一緒にいられない二人が切なく、それでも相手のために自分のできることを精一杯続け、やがて結ばれ、一生を共にする姿に、どうしようもなく涙があふれてしまいました。涙の理由がどうしても言葉にならない…と歯がゆく思いながら、あとがきを読むと、凪良さんが『愛する人へ一生かけて愛を証し続けた二人の物語』と書いていて、ああ、それです!と。

つぐみが『朔太郎さんのこと』を綴り続けることで、朔太郎が支えられ、つぐみ自身も支えられて。そういうかけがえのない関係が、とてもいいなと思いました。
二人が一緒に暮らした描写は「スイート・リトルライフ」の中のほんの少しですが、自然に寄り添う様子がうかがえて、心が温かくなりました。二人は、「絶対につぐみさんより長生きする」、「俺も朔太郎さんを幸せにするよ」という約束を、ただ一心に守り続けたのだなと思いました。「おやすみなさい、また明日」。二人は何回も何回もそう言い合ったのでしょう。互いのありのままを受け入れ、寄り添えたのは、深い愛があったからで、それがとても尊く、憧れてやみません。

つぐみと朔太郎が桃を向いて食べる場面の後、つぐみの言葉遣いが突然よそ行きになったように感じて、違和感を覚えたのですが、それが朔太郎の健忘ゆえと分かったときは、仕掛けの巧みさに驚き、忘れることの残酷さに胸を引き裂かれるように感じました。でも、朔太郎は、忘れることは救いのひとつでもあるととらえています。ヘルパーさんに毎日三時につぐみの遺影のある仏間に連れて行ってもらい、つぐみへの愛しさと懐かしさを思い出す、それは晩年の朔太郎にとって生きることそのものなのだろうと思いました。忘れても思い出せばいい。思い出せなくても、つぐみが書いてくれた『朔太郎さんのこと』がある、朔太郎はそう考えていたのでしょう。二人の愛をここまで見届けさせてもらって、胸がいっぱいになりました。

こんなにも心揺さぶられる作品を、きっと凪良さんは身を削るように書かれたのだろうと、勝手ながら想像してしまいます。自分では経験しえない、深い愛に生きた二人の物語を読むことができて、とても幸せです。

1

感動 読んでよかった(涙)

つぐみさんが好きです。なんかもう天使みたいな人です。
すごく温かい人です。思いやりの人です。

朔太郎さんもとてもいい人なんですが、やはりそこはつぐみさんと
出会えたからこそなんではないかと。

二人とも本当に幸せだったのだなぁ。と納得しました。

涙涙で読み終えましたが、悲しい気持ちではなくなんていうか感動の涙。
死を扱う作品は得意ではないのですが、この作品は人生の終わりであって
死という扱いではなかったので悲しい気持ちではなく読み終えられたと思います。

BLという枠でなくても充分読み応えのある作品でした。
もっと早く読めば良かった。再読間違いなしです。



2

また明日。

またしても号泣。
本編はなんとか持ちこたえたのだけど、本編後のSSで涙腺崩壊でした。

優しく、暖かく、切なく、愛しさのつまったエピローグでした。
穏やかに彼らの結末を看取れました。
年老いた朔太郎さんを見ていると、二人でとても穏やかで幸せに過ごせたんだなというのがひしひしと伝わってきました。
朔太郎さんとつぐみさん、二人で紡いだ一生が、とても眩しく感じました。
本当にあたたかくて優しい物語でした。

このレビュー書きながらも涙零れてどうしようもなくて、何かいてるか纏まっていないのですが・・・。

読んで良かった、もっと早く読んでおけばよかったと思いました。
CDはあまり聴かないのですが、SSが気になるので購入しようと思いました。

5

タイトルの意味

とても素敵な作品。
書かれた文章が美しく、情景がすっと浮かぶ。
切なくて苦しくて、でも幸せで。

タイトルの意味が分かった時、涙が零れました。
そしてラストシーン。あっと思った瞬間、鳥肌が立ちました。

私は二人はとても幸せだったと思います。
これも一つのハッピーエンド。
繰り返される思い出の中で二人は永遠に生き続けます。

2

ほんとに泣けます。

最近やっと読みました。
もう、今まで読んでなかったことを後悔するほどいいお話でした。この作品を読んでいない人は本当にもったいないです。

記憶障害になって苦しんでいた彼も、大切なことや楽しかったことを忘れてしまっても本当に幸せそうで良かったです。

あとがきで最後のエピソード入れない方がいいと言われたそうですが、私は最後の最後まで幸せだったであろう2人が読めて本当に良かったです。最後のエピソード、とても泣きました。何度読み返しても涙が止まりません。


この作品に出会えて本当に良かったと思います。とてもオススメのBL小説です。

5

きれいな作品

買うか悩んでようやく読むことができました…
この作品に出会えて良かったと思えるくらい、素敵な作品でした。

つぐみが別れてだいぶ心に傷を負っていましたが、それを埋めていく朔太郎が結構くっつくのに時間がかかり、読んでいてもしかしてくっつかないのでは…とハラハラしました(笑)
凪良先生のスピードで、ゆっくり二人が近づいてはまた少し離れたり、美しい風景描写が散りばめられていて、綺麗な小説だと思いました。
最後では涙が止まらず、ボロ泣きしながら何度も読ませて頂きました。

3

泣きました!!

この本は友人からのオススメで初めて
bl小説を読んだ記念(?)すべき
1冊です(笑)切ない系が好きな私
号泣しました。純粋に恋愛小説だと
友人に力説しました。この本が私が
bl小説にハマったキッカケの1冊❗

初レビュー…感想文?文才なくて
すみません。m(_ _)m

6

涙がこぼれるのだけど、あたたかな読後感。

関連作を読んだ流れで久々に再読したのですが、やはり良い……。

後書きで「編集さんにはBL的にはこのエピソード入れない方が良いのでは?という助言ももらったけど、実はこれが一番書きたかった」とあった巻末SS。これは私もここが一番キモだな、と思う派です。

それぞれに色々なものを抱える二人が、遠回りを重ねて結ばれる涙腺決壊間違いなしの切ないストーリー……だけでも十分に素敵なのですけれど、人生の終末期までを丁寧に、一緒に体験できた気がするように描写してくれて本当にじんわりとします。

明るく楽しいだけではないけど、心を打つ愛と人生の物語を読みたい方にはお勧めできる一冊です。

凪良さんの筆致は鮮やかに情景がイメージしやすいので、他の方々のレビューにもあるように映画化してほしいという意見があるのも納得です。確かにその気持も分かるのですが、「BL映画」と言う枠の中で下手な映像化をされてしまうリスクを考えると、自由に想像の出来る小説のままの方が良いような気も。ファンの勝手な思い入れ、難しいものですね。

5

大好きな凪良先生の作品の中でも特に好きな一冊

 大好きな凪良先生の作品の中でも特に好きな一冊。
 
 十年来の恋人に「子どもがほしくなった」という男の自分にはどうすることもできない理由で振られたつぐみは、下宿の大家の孫・朔太郎の優しさに触れ、徐々に心の傷を癒されていきます。当然の流れで朔太郎に惹かれていくつぐみですが、朔太郎には、「俺はもう誰とも恋愛はしない」と決意する事情があって…。

 大好きな人を忘れてしまうのと忘れられてしまうのは、どっちが辛いのだろう。
 人を思いやることが、こんなにも痛みを伴うものだとは知らなかった。

 なくした記憶の分だけ、それよりもっと幸せな、新しい記憶を二人で植えて。
 忘れるたびに塗り替えて。
 そうやって生きてきたであろう二人に、読後も涙が止まりませんでした。

4

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