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僕はね 君に優しくされるたびに もっとなげやりになってしまうような どうしようもない男なんだよ
ずいぶん前に先生買いした作品。この週末、ちょっと木下けい子先生に浸りたくなり、読み返してみました。
「春」編。この季節にもぴったり(今日は夏日だけど…)。
先生独特の、どこか切なく儚い作品の空気感が大好きです。タイトルも素敵。
年下官僚男子 × ある秘密を抱えた子持ち会計士のカプ。
息子の結人も絡んだ一つ屋根の下の三角関係(というか、主役二人は両片思い同士なのですが)と、
幸哉の抱える秘密の過去が生み出す危ういシリアスな空気感にゾクッとします。
亡くなってしまった親友、しかもその死因が死因であるだけに、幸哉の後悔や喪失感、絶望の深さが伝わって来て…痛々しい。
快楽への誘惑に勝てず、求められれば寝てしまうその軽さが、引きずっている傷の大きさを表してるというか。
で、クールに見えてそんな幸哉のことが好きで好きでたまらない小鳥遊の想いがまた、切ないんだー…!
言葉で表現するのは下手くそだけど、作る料理は必ず幸哉の好物だったり、幸哉の体調を気にしていちいち結人に確認したり。
健気なその行動が愛しくて哀れで切ない。死んだ人にはね、、なかなか…勝てないよね。。
そしてまさかの”小鳥遊、お見合い宣言”があり、いよいよ幸哉、自分の気持ちを自覚したー!?というところで続刊へ。
結末知ってるのに、何度読んでも気になってしまう…木下けい子先生にハマる月間、まだまだ自分の中で続きそうです。
眼鏡が似合うイケメンが大好きなのですが、この作品に出てくる小鳥遊は、見た目がもう本当にタイプな攻めキャラです。
小鳥遊は、スタイルが良く、エリート官僚で、容姿も良くて、全てを持っているはずなのに、下宿先の大家である幸哉(受)に片思い。
でも、幸哉には忘れられない人がいるようで…。
そんな状況なのに、事あるごとにエッチしてしまう2人がなんだかもう…。
幸哉には、体だけの関係の相手もいるようだし。
欲の強めな受けキャラっていいなぁと感じました。
表紙とタイトルの雰囲気が気に入って読んでみました。
古くて大きいお屋敷を舞台にしたお坊っちゃまと眼鏡の執事のほのぼのとした恋愛ものを想像していたので、全く違う展開に驚きました。
なぜそんな予想をした、というくらい見当違いでした。
東京のとある住宅街にある日光坂と月光坂。
月光坂にある通称「花屋敷」に住む主人とその息子、それに居候の官僚。
上下巻ということで、上巻のこちらは謎めいたストーリー展開になっていました。
体の関係がある人物は何人かいても、誰にも執着しない雪哉。
雪哉に執着する居候の小鳥遊。
求婚されて結婚して、別れたいと言われて別れた雪哉の元妻・かおり。
雪哉と元妻の共通の友人の自殺。
自分のせいで死んだと雪哉が思う理由。
「雪哉はどう思う?かおり、いいよな」と笑いかける男。
好きと性欲の区別がつかないと言いながら、小鳥遊に抱かれたいと思う雪哉。
小鳥遊に明かした雪哉の息子・結人の出生の秘密。
雪哉の思わせぶりなモノローグの数々。
そんな大人の絡み合った糸とは対照的に、結人の小鳥遊への幼いながらも真っ直ぐな想いが描かれています。
無垢な想いの傍らで想いびとは父と関係しているという、何とも言いようのない状況。
同じ屋根の下でひとりはこころを閉ざし、ひとりは深く愛し、ひとりは恋をしている。この誰も幸せになれそうにない一方通行の関係がどうなっていくのか、下巻を読んできます。