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物語終盤の回想シーンに、おそらく二人が初めて体を重ねた時の やり取りの描写がある。
小鳥遊(攻め)の背中が 綺麗だなぁ・・と、手を伸ばす幸哉(受け)。
ゴムなんて(気にしなくて)いいのに、という幸哉に「男としての義務ですよ」と、赤面しながらも言い切る小鳥遊。
なんて健全で 可愛い と、眩しそうに 愛しげに彼を見上げる幸哉。
ここの場面が たまらなく好きで、何度も 何度も読み返してしまう。
この巻では、結人(幸哉の息子)と小鳥遊のこと、幸哉が頑なに 小鳥遊の想いを拒み続ける理由が掘り下げて描かれている。
そして、概ね冷静で 飄々としていて、でも一途に幸哉だけを恋い慕う小鳥遊の、珍しく弱さが剥き出しになっている場面では ひどく切ない気持ちにさせられる。
「僕は大体 いつもおかしいんだよ」
こんな風に自らを評する幸哉も、背中に哀愁を漂わせているかと思えば 大胆に小鳥遊を誘ってきたりと、不思議な魅力を放っている人物だ。
この物語に描かれているような、
大事な人の幸せを願うが故に 足枷にならぬよう、故意に相手が傷付く言葉を選んで投げつけ 自分をも陥れるような、悲しい恋は出来ればしたくはないし、
面白半分に誘惑され 叶わぬ想いを抱く身を憐れまれ、嫌いになって とまで懇願されても 好きで、好きで どうしようもない、みっともないくらい必死な恋に 自分はこの先 落ちることもないだろう。
けれども、そんな恋の一部始終を この作品で読めたことは、本当に幸せだと思う。
生きていくことは、愛すること 愛されることなんだなぁ。
前巻では、なかなか複雑な大人の恋だなぁ…と感じましたが、今回は、幸哉も小鳥遊も幸せになってよかった!
やっと両思いになり、まるで新婚のような2人が可愛くてにんまりしてしまいました。
気持ちが繋がらず、体だけの関係であった前巻の2人も好きなのですが、やっぱり両思いカップルはいいですね。
回想シーンで、若かりし頃の小鳥遊が幸哉とエッチした後の場面で出てくるのですが、若いときの純朴な雰囲気の小鳥遊も可愛くて好きだなぁ。
笑顔がキュートです。
くっついた後の2人の話ももう少し読みたいなぁ。
痴話喧嘩したり、デートしたり、まだまだ2人の話がどこかで読めますように。
『月光坂の花屋敷 春』の続編で、こちらで完結となるシリーズ。狡くて弱い大人の恋。
もうこれ、表紙からグッとくる。自分の中では文句なし、の神作です。
風に吹かれながら、幸哉に向けて手を差し出す小鳥遊と、その小鳥遊の目を見返す幸哉…前巻では交わってなかった目線。。
この巻も序盤から切なさマックスです。号泣はしないんだけど、目にじわっと涙が浮いてきちゃう系。とにかく泣けるんだ…
小鳥遊が眼鏡を外して呟く「つれえ…」に思わず泣きそうに、、
「俺を好きになってよ」って、自分が何度も何度も心からぶつけて来た言葉を、愛してる人の息子から言われるなんて( ; ; )
結人から小鳥遊への告白も、断られても思わず縋り付いてしまう結人の姿に、涙。
「たばこはやめえたほうがいいよ。長生きできないし」ーこの言葉に含まれてる幸哉の想いに、涙。
そしてそれに対し「昔の俺なら今のでやめてたな でも今はやめられないでしょ まだ俺に心がないのに」って返す小鳥遊の想いにも、涙。
で、最後の海岸での二人のシーンがもうね…自分からどんどんどんどん不幸になっていこうとする幸哉を、「最低なあんたを愛してる」って言い切れる小鳥遊ーーーー!!!
「あんた」呼びだし、なんだか生意気ではあるんだけど、しっかり見えるその愛がね、めちゃくちゃいいです…(ああ語彙力)
秋になったら、また読み返したくなっちゃうんだろうな。
このお話もここで一旦終わりなんでしょうか。
とりあえず、小鳥遊と幸哉との関係が今回しっくり収まった形になりました。
東京のかたすみ月光坂にある、四季折々に咲く綺麗な庭木がある屋敷。
人は『月光坂の花屋敷』と呼んでいる。
そこに住むのは男に抱かれたい男、幸哉。
そして幸哉を好きな男、小鳥遊。
そしてその小鳥遊を好きな幸哉の息子、結人。
その結人と幸哉との本当の関係も今回明かされます。
春編で3人の気持ちが向いている方向がなんとなくはっきりしてきて
小鳥遊の気持ちは真っ直ぐぶれることなく幸哉だけに向いているのに
幸哉といえば、自分の気持ちをどこまでも否定してしまう。
なのに嫌いになれなくて、自分の都合で抱いて欲しくなって・・・
だから小鳥遊に嫌いになって欲しいなんて・・・自分勝手。
だけどそんな自分勝手な幸哉のことが好きで好きで諦められない小鳥遊。
ゆらゆらとあっちこっちに揺れ動く幸哉の気持ちを
いつまでも見守り、待ち続ける小鳥遊。
今回もその幸哉の複雑で切ない気持ちとストレートではっきりした
小鳥遊の想いが絡まり合っては離れ、切れたり繋いだりしていきます。
そこに今度は息子の結人が加わり、一番若い結人が一番大人に見えました。
男(小鳥遊)を好きになってしまった自分。
愛する小鳥遊が自分の父親を好きなこと、
それだけでもかなり複雑な心境だと思います。
それなのに、父親や小鳥遊の気持ちを優先して
二人の幸せを願うことができるのは
幸哉がそれまで愛する人の忘れ形見を大事に育ててきた証。
かつて好きだった男が結人を残して逝ったあの時からずっと
幸哉の時間は止まったまま・・・
なかなか煮え切らない父親にカツを入れて
その背中を押し幸哉の時間を動かしてくれたのは紛れもなく息子の結人。
今回の本当の主役は結人なのかも・・・
その結人の友達の日下部、何かと結人の相談にのってくれるけど
この日下部がなかなか良い男で、人を見る目があるというか
鋭いと言うか・・・
いつか結人と日下部・・・なんてスピンオフも読んでみたいです。
それにしても、小鳥遊に抱かれている幸哉、色っぽいわぁ~
木下先生が描かれる男性の、けだるそうな半開きの目がたまらないです。
前巻『春』は、切ないというより不完全燃焼の一冊だったので
この続編を楽しみにしていた。
春夏秋冬かと思ったら夏冬はなく、この2冊目『秋』でとりあえず一区切り。
東京の一角、月光坂の美しい庭のある古い屋敷には
3人の男が住んでいる。
家主の幸哉、
過去にとらわれ、身動きがつかないまま
体だけは男を求めずにはいられない。
学生時代からもう10年もその幸哉をひたすらに思いながら、
ここに下宿し続ける、小鳥遊。
体だけはつなぎながら、幸哉のどうしようもなさをわかりながらも
それでも彼を好きであることをやめられない。
幸哉の息子14歳の結人は、小鳥遊が気になっている。
結人は小鳥遊を、小鳥遊は幸哉を、そして幸哉は……
一方通行の思いの行き着く先には、過去がある。
もどかしく、面倒臭く、鬱々と話は進む。
実は小鳥遊が大切だからこそ、どんどんネガティブになる幸哉。
幸哉に、傷つけられて捨てられても
強くまっすぐにでも静かに想いを向ける小鳥遊の一途さ。
若いからこその結人のシンプルで熱い言動に突き動かされ、
過去の傷もあぶり出されて、
長い時を経た二人の関係はようやく変わる。
一見クールな黒髪眼鏡男子の小鳥遊の、可愛さ、
面倒臭い30男・幸哉の、恐れと痛みと切なさ……
時々コミカルな、微笑ましいというか木下さんらしい抜けを交えながら
ジリジリと静かに切なさが伝わってくるような物語だったのだが……
最後は、今までの展開はなんだったの?というような
バカップルになっちゃっている二人!!(笑)
まぁ、あんまりティーンエイジャーに呆れられないように
お幸せにどうぞ!
ちょっと残念なのは、なかなか魅力的だった脇役
結人のお友達の日下部君が、最後にちょこっとしか登場しなかったこと。
勿論、スピンオフですよね?木下先生!
こういう話って、絵の雰囲気があってこそだろうなぁと思う。
木下先生の絵は、うまい絵でも美麗な絵でもないが
柔らかな色彩と、男性のリアリティとファンタジーのさじ加減が
個人的には好きなのだが、それに同意して下さる方にはオススメです。
*この物語のもう一つの主人公は、この花屋敷かもしれない。
季節の木々の美しいこのレトロな屋敷、実際に見てみたいが
モデルがあるのだろうか?
場所は、文京区本郷あたりだと思われるが……。
場所柄、歩いて行けるT大の学生を代々下宿させていたという設定だろう。
*息子の名前が「結(ぶ)人」というのは、なんとも意味深い。
snowblackさん、コメントと深い解釈ありがとうございましたm(__)m
確かにsnowblackさんの解釈の方が自然かもしれないですね(*^^*)
でも、明確に書いていないので不倫説も絶対ないとは言えないのかも?
ということで一応レビューはそのままにしておこうと思います。
過去がかなりキーになる話なので、
もうちょっと分かりやすく描いてほしかったなぁと、
改めて思ってしまいました(^^;)
でも、snowblackさんのコメントのおかげで、これから読む方や、
分かりにくいなぁと思っていた方には、よかったかも♪
改めてありがとうございました。