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「下衆とあばずれ」から漂うアウトロー感に引寄せられ読みました。
萌2寄りの萌ですが、どのお話も面白かったです!(4つの短編集です)
どの話もCP各々の今後のターニングポイントになりそうなストーリーで、ラストにどうこうなった結果が描かれているわけではありません。
しかし、物足りない、何で?!というわけではなく、「これから」を想像させてくれる終わりも良いね!と感じました。
エロさも切なさもあって良かったです。
鼻血や殴られ痕など手荒く扱われているシーンもあるのですが、そこがまた好きでした!!
凄く雑な扱いされてますが、受はヤクザだし悲壮感もありません。
攻の刑事との関係性も部下が把握してますし。なかなか良いCPでした!
執事と主のCPも良かったです!
個人的にそんなに好きな設定ではないのですが、このお話は楽しく読めました。
絵も好きな感じだったのでとても良かったです!
ちるちるではあまり取り上げられることのない先生ですが、私は好きな作者さんです。
本作は2014年発表の短編集。
「下衆とあばずれ」
インパクトのあるタイトル、内容も印象が強い。
読んでみればそれほど長くない短編なのに、いつまでもこの2人のその後が気になる。
攻めは刑事の遊馬(あすま)、受けは暴力団フロント企業社長の四ツ目。
2人は大学の剣道部の先輩と後輩の間柄だったが…
この2人の関係性は奇妙で、作品説明では「ドS刑事とドMヤクザ」とあるけど私はちょっと違う印象を受けた。
大学時代から四ツ目は遊馬の心のどこかを煽るように振る舞い、そしてキツいシゴきを受け入れる。そんな四ツ目に暴力をエスカレートさせていく遊馬。
だけど、四ツ目は他の人には逆にサディスティックだし、遊馬は恋人を殴るような男ではないようで。
彼らは彼らだけの言語を突き詰めてこんなことになってしまったよう。四ツ目の複雑さはわかるとして、遊馬はちょっと不思議。本心から四ツ目を疎んじているようには思えないし、でもいくら何でもタバコを胸に押しつけるのは余りにも…
2人が2人でいる時、病み/闇が具現化してくるのでしょうね…正に初出の「病みBL」にふさわしい作品。
「やさしい月」
ゲイビ監督・村上とゲイビ俳優・ワタル。
ワタルは初めは金のためだったけど、今は何も考えずに流されている。そんなワタルが危なっかしくて、ゲイでもない村上に魔がさすような。
この後2人はどうなるのかな。村上が本気になって、ワタルはすり抜けていく…そんな気がする。
「どうしようもない」
美大の先輩と1年。
1年の本丸は人見知りであまり喋らないのに、3年の熊田のいる所に来ては入り浸るようになる。周りも噂するくらいに。気のいい熊田は本丸にも優しいが…
本丸のナイーブさが何とも可愛らしくて好ましい。
熊田のビジュアルがもうちょっとクール系のイケメンだったらもっと良かったなー。
「彼のための執事」
これ、時代設定はいつなんだろう?名家韮澤家の若当主・清比古と、彼の執事・小沢の主従もの。
清比古はずっと小沢が好きなのに、小沢は家のために見合いをして後継ぎを、と勧めてくる…
感情などないかのような小沢が、実は情熱的な攻めなのはお約束の下剋上。
スリーピースにオールバックの小沢はカッコイイ!
「下衆とあばずれ」をもう少し長く読みたかったかな…複雑で先の見えないCPというのも面白い。
全部で4組のカップルのお話と描き下ろしで表題作のその後のお話が収録されています。
あとがきによると、同時収録作の「やさしい月」と「彼のための執事」は前の作品で絵柄が違うと仰っているのですが、私はタクミさんの絵は昔の絵もとても好きなので違和感は感じませんでした。
表題作は「病みBL」に掲載された作品なんですが、確かにかなり複雑な関係が描かれています。
タクミさんご本人は「描いてて一番楽しかったかもしれない」と仰られていて「またこんなの描きたいです」とコメントされています。
ただ、この単行本に収録されている作品の中ではこの表題作が私にとっては一番分かり辛かった作品でした。
特に好きだったのは「どうしようもない」と「彼のための執事」。
この二つは芸大の先輩x後輩モノと主人x執事という主従モノです。
分かりやすいお話だったというのもありますが、攻め様と受け様のキャラ設定が好みでした。
超人見知りで大人しく高望みしない後輩、ノンケで受け様に絆された感がある攻め様だけど肝心な所では男前、寡黙で何を考えているか分からない執事と俺様に見えて実は乙女な主人というのが個人的にツボでした。
この表紙に引かれて購入。
表題作は2話分のみ。
楽しめたけど、もっとあったらもっと楽しめたのに。
残念。
最終的に遊馬が大怪我して働けなくなって四ッ目と一緒に暮らすことになって世話してもらうとか、妄想していたのに。
遊馬が四ッ目に優しくするときは「先輩が俺を殺す時だろうな」みたいなことを四ッ目が言ってます。
(先輩は遊馬)
私は遊馬が死ぬときか死にかけのときに四ッ目に優しくするんじゃないかと思います。
殴ったりするのは四ッ目にだけで、付き合ってた恋人にはそういうことない感じで謝りにも言ってるし。
表題作よりも「どうしようもない」が好きです。
本丸が可愛いわ。こっちの方が楽しめた。
表題作「下衆とアバズレ」と「やさしい月」「どうしようもない」「彼のための執事」の4作品収録されています。
読んだ印象では、この中で「どうしようもない」だけ、普通というか…S要素がない感じ? 私は「下衆とアバズレ」「やさしい月」が気に入ったので、「どうしようもない」を外して、この2作品の続きを入れて欲しかったなぁと思いました。先輩が俺を殺す時だっていう優しいシーンが読みたいです!
あと、「やさしい月」のワタル(受け)は、同じ作者の描かれた「恋っていうのは」に出ていた千洋を思い出しました。こういう強がりじゃなく諦めて生きているようなキャラを描くのが、本当に上手だと思います。
ちょっと殴られる場面もありますが、後味は悪くない作品です。