通りすがりのハムスター
心のHPが削れては回復、削れては回復の、波の激しいラインアップでした。
★木下けい子「よくある恋だとおもうけど」第3話[最終回](32頁)
前号のラストかーらーの、それかーい(笑)な冒頭。
前のレビューで木下さんの描く女の子は可愛いって書いたのに・・・書いたのに・・・。
まあでも、ステキなエンディングでした。常識的な一般人のいるカップルって読んでて安心感があります。一瞬、BLはファンタジーって合言葉を忘れそうになる。
10月にコミックスが出たら前作の二人の出会いからを通しで読みたいと思いました。
★宝井理人「テンカウント」第11話(32頁)
こんなに官能的な作風でしたっけ。
私のイメージでは「ゆっくりと進んでは戻るを繰り返す切なくて淡い物語」だったんですけど。ここ数話で一気に距離が詰まってきました。
じかに触られることが障らされることのような。城谷さんの、汚れていっても止められない葛藤が視覚化されていたように思います。
★左京亜也「クロネコ彼氏の愛し方」第6話(32頁)
今回も物語が佳境に入って作者に千尋の谷へと突き落とされました、真悟も読者も。
わたし猫科じゃないんで落ちると複雑骨折します・・・自力じゃ這い上がれません。
ストーリーを抽象的に表現すると、クロネコがヒョウに噛み付かれ、弱ってるところに小姑から離婚届をそっと差し出される感じです。
エンディングは激甘になるそうなので、作者の言葉を信じて谷底で瀕死のまま待つことにします。
★歩田川和果「ねくたいや~ことんことんと~」第4話[最終回](32頁)
本筋の会話とは別に吹きだしの外で交わされる雑談が並行する、一つのコマで二度美味しいシーンが結構ありました。お兄さんと当て馬くんがどうなるかがチョット心残り。
9月30日にコミック発売予定で、その前に読みきりか何か(描き下し)で出るといいな。
他、阿部あかねさんの「愛があるならいいじゃない」(32頁)も最終回。次作は10月号とのこと。
今号から始まった、雨隠ギドさん「火傷と爪痕」(32頁、カラー4頁含)、山田二丁目さん「嘘つきはきらい」(28頁、カラー2頁含)、冬乃郁也さん「愛してる、が間に合わない 前編」(32頁、カラー2頁含)も楽しめました。
雨隠ギドさんの新作は「青年発火点」のスピンオフです。
来月号は、栖山トリ子さん、おげれつたなかさん、梅太郎さんがカラーつき新連載。上記の連載中の作家さんのほか、今号休載の門地かおりさん、志水ゆきさんのお名前もありました。ふろくに「レオパード白書」のミニドラマCDがつく予定とのことです。