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表題作楽園彼岸 ~蝶の褥~

箕輪隼人,24歳,ネバーランドのガイド,匠の幼馴染み
大和田匠,22歳,心因性の記憶障害を患う大学生

その他の収録作品

  • きっと大丈夫

あらすじ

大学生の匠は、殺人犯のひそむ大型リゾート施設に閉じ込められて4日間。再会した幼馴染みで元恋人の隼人と共になんとか生き延びていたが、依然、犯人は分からず、匠の記憶も不安定なまま…。
そんな極限状態から逃れるように隼人を求め危険が迫っていると知りながら、濃密で甘い愛撫に溺れていく匠。だが、隼人への想いが増すほど、自分に執着してくる彼への疑念が湧いてきて…。
2人の愛の行方と事件の結末は!? 衝撃のミステリアスロマン!

作品情報

作品名
楽園彼岸 ~蝶の褥~
著者
夜光花 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
シリーズ
楽園彼岸
発売日
ISBN
9784799715260
3.3

(40)

(10)

萌々

(9)

(12)

中立

(4)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
9
得点
126
評価数
40
平均
3.3 / 5
神率
25%

レビュー投稿数9

設定が活かし切れていない印象

頻発する記憶障害の設定を活かしてほしかった。
強力な要素のはずなのに、主人公が自身に疑心暗鬼になる程度で済んでしまっていて、昔の事はショックで忘れてましたって事にすればこの設定が無くても物語に支障がなかったのではと思ってしまった。
ジョ◯ョ6部の主人公のようにとは言わないが、事件が起きていて記憶障害が再発している事に気づいているなら、手の甲に“逐一メモを取るように”くらいの事は書けたと思う。
冒頭でスマホに旅行の予定を書き込んでいた事に主人公が気づく話を入れているのに事件中はそれをしないとか、将来起こり得る事案を読者に予期させる技法ではなかったんかい。
もしくはスマホ没収、端末も通話のみ、筆記具使用不可、記憶障害中は読者にも何が起きたか分からない、主人公が犯人と疑われる、読者にも疑われる、ようなドキドキハラハラ感が欲しかった。
前作と併せて上下巻の作りなので長く要素も多いのだが、十分には活かされてはいない印象だった。

あと、全てとは言わないけどやはり攻から受への恋愛感情がトラウマ由来なんだろうなってのがちょっと…そんな疼痛のような余韻に浸るには、犯人と犯行がサクサク爽快で攻めも元自衛隊員で主人公もボーガンを背負いテロリストも参戦とか、全然違うはずなのにダイハードが思い起こされ脳内混乱気味に。

えちシーンもそれなりにあるが、唐突な感じもトラウマゆえと思えば攻めが可哀想になり、もう然るべきカウンセリングを受けてから、それでも受けが好きなら付き合えば良いじゃないと思ってしまった。

サスペンスとしてもBLとしても嵌れなかったけど、一応最後まで読めたので中立にしました。

0

もったいない失速感!

前半を読んで、そのミステリアスなサスペンスに
ぐいぐいいかれたのですが、
後半の謎解きの部分はちょっと意外性に欠けたかなと。
前半が面白かった分、え、やっぱりそこなの?という
意外性のなさというか、
もう一ひねり欲しかったかなぁという感じ。

それでも最後まできっちり読ませてくれるのは流石です!

しかし!
やはり最後まで主人公の二人には感情移入出来ず!
そこがちょっと辛かった。

全体的にBLとしては血なまぐさい感じだし、
ラブもなんだかモヤっとしたままだし、
前半面白かった分、後半はもたついた感が。
その辺がこの評価に。
サスペンスなら「星3つ!」ですが、
萌と問われれば「中立」に収まりました。

1

ミステリーの方がメイン

上下巻まとめての感想。

読む前、この上下巻のレビューを熟読した時には「普通に凄惨な大量殺人事件のお話でした」と書かれているのを見て、なんだそれ…、と思ったのですが(失礼ご容赦ください)。
しかし読み終わってみると、本当にそうとしか思えなかった。
なにか……、なにかあるんじゃないのかと期待をしつつ、強迫観念にも似た思いを抱いて急き立てられるようにして読みましたが。
本当に、普通に凄惨な大量殺人事件の話だった……。

面白かったんですけどね。
読まずにいられないという思いを抱かせて、先へ先へと読み進めさせる作品だと思います。
そしてラストに明かされる真実も驚いたのですが。
しかし、普通に凄惨な大量殺人事件だったことの方が驚きだったかな。
そしてあまりに凄惨な大量殺人事件であるがゆえに、事件の顛末の方が気になってしまって、ベッドシーンにはあまり集中できなかった。
というかむしろ私としてはなくても可でした。

2

人生で二度も…。

ストーリーが女性向けにしては容赦の無い内容で、ミステリー描写のかけ方にしては凄まじい気迫すら感じられたため、こういった閉鎖空間を舞台としたジャンルでは群を抜いていると思い、神評価にしました。舞台設定も無駄無く生かされ、最後まで緊迫感を持って楽しめました。ご都合主義な展開には萎える方なので、冷酷に思える程のストーリー展開が良かったです。人間の善悪とか色々考えさせられる話でした。非常事態になった時にその人の人間性が顕著に出る所がね、もう……。

あとがきを読んで、先生があの様な状況の中で、この小説を完成された事には感心しました。乱れや綻び無く理路立てたミステリー小説でした。個人的には幻の留置場バッドエンドも見たかったです。ゲームだと色々なエンドが見られるんだけれど…。

ネバーランドの目的が哀しすぎました。壮大な箱庭だったな。人生で二度も普通は一度も味わう事のない凄残な経験をした二人でした。背負うものも大き過ぎるけれど、これから二人支え合って生きていくのかな。匠がバレッタに拘った理由も悲しかったです。慕っていた隼人がコレクションをしていた事も影響していたのかな。

この作品を読んで夜光花先生の印象が大きく変わり、読んで良かったと思いました。スリルやホラー要素を求める人にオススメです。BL色は薄めですが、匠も隼人も好感が持てるキャラクターだったので、愛着を持って読み進められました。吊り橋効果で仲が深まるボーイズカップルという着地点に辿り着く筈が、吊り橋が余りに豪華すぎてその上の二人が霞んでしまうというオチもww。
それでも、こういうBL以外の部分に無駄にエネルギーが注がれる作品は好きです。

3

ハラハラドキドキ

2巻まとめての感想です。
まずBL抜きにしてもストーリーが面白い!
リゾート施設内に閉じ込められ、次々と起こる不可思議な事件。
臨場感たっぷり、ハラハラしっぱなしで最後まで一気に読み終えてしまいます。さすが夜光さん!

ただ話が面白すぎてBLとしては正直あまり萌えられなかったというか、集中できなかったというか。。
エロシーンより話の続きが気になる!と思ってしまったのでその点がちょっと残念でした。
ストーリーに対してキャラが弱く感じたので、もうちょっとキャラ萌えできたら間違いなく神評価でした。

絡みはエロいんですが、やっぱりそんなことしてる場合か!と突っ込まずにいられないので(笑)最悪後日談のラブラブエッチだけで十分だった気もします。

ミステリー小説が好きな方は間違いなくハマると思います。

4

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