ボコられ受け

わからん感覚だけど、面白かった

10作品のアンソロジー
痛いの別に好きじゃないし、理解もできないけど予想のつかない展開が好きだから読んでるのあるなーと気付いた。
ときめきや胸キュンを求めて読むBLがあれば、魂の救済、心の浄化を求めて読むBLもあるし、この先どうなっちゃうの？ドキドキハラハラアッと驚くサプライズを求めて読むBLもある。

このアンソロジーはケンカップル的なのはなくて、病んでる系がやっぱり多かったです。殴られたい、殴りたいって理解し難い。歯が折れたらどうすんの？臓器や脳損傷したら大変やん？
でも、性癖なんだったら仕方がない。命がけで快楽求めるのか。

それぞれの作品タイトルはコチラ。
極端に短いページ数の作品はなかったので、読み応えがありました。
☆マークは、連作なのかな？と思わされる描写や実際に別のアンソロで見かけたキャラクターのお話だったので、続けて読んだ方が物語の深みがあるなと感じました。

[マスタベ]松本ノダ
[恋しいこぶし]森世
[ようこそ地獄小路]すなこ
[傷跡]☆クリハラ
[トライアングル]さとまる まみ
[赤に染まる]摩天楼クモ男
[ろくでもグッドナイト]カス
[アンノウン]たらつみジョン
[チキンレース]☆エマオ
[プレッシャーガーデン]ぴい

私が特に面白かった作品の感想
[マスタベ]松本ノダ
美術部の東屋くんは先輩から告白され付き合う事に。先輩は大好きで可愛い東屋くんを叩きたい、殴りたい、それで性的に興奮してしまう。叩いてもいい？と言う先輩のお願いに[美術室でだったらいいよ]と承諾する東屋くん。
そんな2人を覗き見た不良っぽい同級生がこの関係に乱入。この不良っぽい同級生、好きでもない先輩に好きなようにさせてる東屋くんに対して面白くなくてムシャクシャしてんの。
それ、嫉妬って言うんだよ。
あんた、東屋くんの事好きなんだよ。
と2人から殴られたり、レイプまがいのセックスされたりと痛ぶられるんだけど、東屋くんが結局好きな相手が衝撃でした。
タイトルは、『マスターベーション』って事ですね。ラストまで読んで最初に戻ると伏線が張り巡らされてて素晴らしかったです。

[トライアングル]さとまる まみ
スランプ気味の小説家、新発田は[純粋で柔らかい雰囲気の]作風。逆のテーマのDVや不倫の話はどうか、参考になりそうな相手に取材ブッキングしますと担当編集者に言われて訪れた男の部屋。
笹口さんは顔、首殴られたようなアザだらけ、手首には縛られた痕があるちょっとメンヘラっぽさが匂う男性。
お付き合い相手からの暴力の話を聞いていて居た堪れなくなって退散しようとすると「彼みたいに抱いてください」と縋りついて「取材できたんでしょ？知りたくて来たんでしょ？」と言われて逃れられなくなる新発田さん。流されてる〜。
酷くしてほしいとねだる笹口に、それは出来ないと戸惑う新発田さん。
酷くされたい理由を話し出すのですが、「彼は結婚していて奥さんも子供もいてて幸せな家庭がある。奥さんは殴らないからオレが殴られる。だからオレは特別なんです。」と満面の笑顔で答える笹口をみてなんとも言えない気持ちになった新発田さんは号泣。

後日、「取材はいい刺激になった、もう一度彼に話を聞いてみようと思ってる」と担当編集者と電話で話してるのですが、電話の先では担当編集者が笹口を縛り上げて涼やかな顔でいたぶってるんですよ。お前かぁ！！となりました。この先も読んでみたいようなこのままが面白く終わっていいような。

[プレッシャーガーデン]ぴい
園芸部？の野々くん、ある日同級生のちょい素行の悪い小林くんに殴ってくれと、お前に殴られると気持ちよくて興奮するとお願いされ呆気に取られている間に兜合わせで昇天。
拒もうとすると菜園の野菜もぎ取るぞと言われて植物を粗末にされたくない野々くんはとっさに手が出てしまってそのまま興奮した小林くんに乗っかられてSEX。菜園で小林くんが不良三人に絡まれてレイプされそうになったところ野々くんが血相変えてシャベル振り回すわ肥料撒き散らすわで撃退。

野々くん、実は菜園荒らされて怒ったんじゃなくて前から小林くんの事が好きで嫉妬に狂って暴れまくってて小林くんも誰にでも暴力で興奮するんじゃなくて野々くんが好きだから野々くんだから興奮してたんだとお互いにわかってラブラブハッピーエンド。

ぴい先生のお話はドロドロ感少なめでちょいキュンもあって最後にお口直しになりました。

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白線修正か修正の要らない描写