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三部作最終話。
1作目の「饒舌に夜を騙れ」の続編。犬伏x橋埜のストーリー再び、です。
時系列は2作目の「鮮烈に闇を裂け」の後。
犬伏と橋埜はとりあえず順調な様子。
しかし、今回のお泊まりデートで犬伏は致命的な失態をしでかしてしまう。
つまり…「寝落ち」。
橋埜は翌日から合宿研修なのにわざわざ泊まりデートを承諾してくれたというのに、橋埜がシャワーを使っている間に犬伏は眠ってしまったのです!
翌朝、冷たい声で起こされた犬伏は青くなったけど橋埜はすぐに出ていってしまって…
…と不穏な冒頭です。
その後は橋埜となかなか連絡が取れず、やっとオフ日の待ち合わせを約束したが、そのビルで爆弾テロが起こり…
そう。またまた大事件です。
今回も死傷者多数の酷い事件。
偶然居合わせた犬伏と橋埜はそれぞれいた場所で冷静に行動し、のちに合流してSATの突入に向けての準備をする…のですが。
犬伏が犯人グループに酷い暴行を受け、救出後一部記憶が飛んでしまった事が判明する。
橋埜の事も、信頼する同期という事は覚えているが恋人である事は覚えていない…
橋埜は自分たちの関係性が非常に脆いものだった事を思い知ってしまう。
私は「記憶喪失もの」って…ノれないんです。安易に思える。逃げに思える。
コレが来ると一気にシラけるのですが、本作の場合犬伏が自分たちの関係を忘れて、でも問いただす事もできない、思い出させる事もできない、自分だけがその幻のような記憶を抱えていかなければならない、そんな橋埜の苦しみが逆に淡々と、あっさりと書かれていて、その表現がかなりしっくりきました。
結局記憶は一応戻って橋埜良かったねになりますが、やはり犬伏の明るさというか懐の深さが救いになる物語なんだなぁ、と再確認しました。
『饒舌に夜を騙れ』の続編。
スピンオフ『鮮烈に闇を裂け』を挟み、シリーズとしては第三冊目になります。
『饒舌に〜』で、片想い相手の犬伏(攻め)と恋人同士になった橋埜(受け)。
橋埜は、前作で負傷し制圧班から指揮班に異動になったり、実家の寺をどちらが継ぐか兄と押し付け合っていたり…と色々あるものの、犬伏とは相変わらず強い信頼関係で結ばれています。
前半は、そんな二人がキジ鍋を食べに行ったり、ホテルで犬伏が寝オチして何もせず終わったり…と比較的平和な雰囲気。
絡みがないのは読者的にも生殺し状態ですが、恋人同士である前に男同士で、付き合いの長い同期でもある二人のフランクな会話に萌があり、やはり二人ともカッコいいな〜と惚れ惚れします。
物語はその後、二人が待ち合わせた商業施設がテロリストに占拠されてからの展開がメイン。
しかしテロリストとの交渉やSAT突入のシーンなど予想外にあっけなく拍子抜け。
あとがきで書かれていたように、かわいさんの作品としては描写がかなりヌルかったように思います。
その後、人質を庇って負傷した犬伏が記憶喪失になり、こちらが今回のメインテーマなのかと思いきや…?
あっさり犬伏が記憶を取り戻し、駆け足気味にラストを迎えてしまったのが残念。
犬伏に恋人であることを忘れられた橋埜が、彼に真実を告げず同僚として振る舞う姿は切なかったですが、犬伏が特にきっかけなくいつの間にか記憶を取り戻してしまう等、物語としてドラマ性に欠ける展開でした。
ちなみに、ラストに一度だけ絡みがありますがフェードアウト気味で、全体としてエロはほぼなしという印象です。
犬伏の記憶が戻ったと知ったときの橋埜の反応や、
橋埜のチャラさを咎める犬伏の真面目な一面など、
キャラクターの魅力はよく出ていましたが、ストーリーとしてはメインエピソードがなく、盛り上がりに欠ける作品という印象です。
永遠に変わらないものなどない、というちょっと切ないテーマが異動や記憶喪失等の話で表現されているのは伝わってきて、シリーズの続編としては良い視点だと思いますが、一冊の作品としてはややまとまりに欠ける気がしました。
おおらかな犬伏が好きなので橋埜の「こんな犬伏が好きだ、愛しい」発言に共感しながら読んでます。
今回犬伏負傷、胸が締め付けられるようでした。
何度も何度も本がボロボロになるぐらい読み返しています。
相棒物が好きな方にはおすすめなシリーズです。
攻める受け橋埜と尻に敷かれながらも素直じゃない橋埜を温かく包みこんでいる犬伏。
そんな二人の関係に危機が!?
という今回のお話ですが、大好きだからこそもっともっと読みたかった。
ちょっとあっさり終わりすぎ。
ページ数も前2作より少ない!
願わくば続編はあの直後から介護する橋埜とか心配でマジギレする橋埜とか書いて欲しいと切望しちゃいます(妄想だけでは我慢できないw)
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ハイジャック事件を機に互いを唯一無二と認め合ったSAT隊員の橋埜と犬伏。怪我を負った橋埜が制圧班から指揮班に異動した現在も、表面上は言い合いながら心身ともに堅く結ばれていた。あるとき、いつもの口喧嘩のあと素直になれないまま別れたふたりは、後日待ち合わせた商業施設内で爆弾テロに巻き込まれる。体育会系×毒舌クール美人、SATシリーズ!
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SATシリーズ、犬伏と橋埜再び。
今回は、「鮮烈に闇を裂け」の立てこもり犯を上回るイカれた犯人が起こした事件に巻き込まれて、犬伏が重傷を負ってしまい、しかも逆行性健忘という記憶障害で、一時的にではあるが橋埜とそういう関係であることも忘れてしまいます。
いろんな意味で犬伏を失うかもしれなかった橋埜。読んでいて胸が締め付けられるようでした。
とはいえ、やっぱり犬伏は犬伏で、安心したのですが…。
いつまでもSATの隊員でいられるわけでもないみたいですし、この先2人はどうなるのかなと気になる半面、どうなったとしても犬伏があるがままに受け入れて、橋埜と一緒に生きていくのだろうと信じる気持ちもあり、続編を期待しています。
今回、犯人の視点で語られる部分もあって、こうした特殊な犯罪を扱う場合、犯人視点があった方が分かりやすく臨場感も増すのですが、その割に、事態の収束から事件後にかけて、急に事件の存在感が薄くなってしまって、犬伏と橋埜メインの話だから仕方ないとはいえ、なんだかいきなりつっかい棒を外されたみたいで拍子抜けしてしまいました。せっかく大層な事件を書いたのだから最後まで書ききって欲しかったです。
ほんとに、この人たち、何でこんな事件にばかり巻き込まれるんだろう。
今の日本ってもっと平和、こんな事件が起こるなんて、
ないわー、
あり得ないわー
でも、そこはフィクションだから。
逆に言えば、ここまであり得なそうだと、かえってフィクションとして楽しめるかと。
で、今回は、橋埜と犬伏が、サイコ野郎が引き起こした「観覧車付きの大型商業施設内で爆破立てこもり」劇場型テロ事件に巻き込まれる。
ほんの些細な、諍いとも言えないようなすれ違いから、次々連鎖するバッドタイミング。
最後は、命さえあればと思ったのに…。
プライベートでの二人のやりとりや、事件中のアクションや、その後お約束の記憶障害からの仲直りエチ。
要素としてはもれなく揃っているけど、如何せんボリュームが物足りない。
設定上、事件が起きるのいいんだけど、せめて、もうちょっとエロ増量だといいな。