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初読み作家さん。正直文章が厳しい。
読点ごとに立ち止まるような文体で、リズム良く流れてくれない。読むのに時間がかかり、内容もスムーズに入ってこず、気力が削がれる。はっきり下手とかそういうわけではないが、恋愛小説向きかは謎。たまにポエミーになるところは読むのが恥ずかしかった。
北九州の小倉を舞台にした、バーテンダーと正義マンのお話。青磁の過去はなかなか酷く救いのないもので、嫌な気分が最後まで拭えない。大悟は読めば読むほど苦手になっていって困った。
再会から失言を繰り返す大悟。それを自覚して何度も悩んでいるが、独りよがりなまま進んでいく。青磁の態度は実はこういうことだ、きっと本当はこうなはずだ、と勝手な推測で突っ走り、どんどん苦手な男になっていく。ネッチョリした勘違い系当て馬のような思考で、不快感が増すだけだった。
青磁を揶揄うようなセリフも、こんなこと言われたら冗談でも本気でブチ切れるな、と思うものがあり、好感度低下を止められない。
両視点だが二人の軸がズレていて、恋愛ものとして見るといまいちしっくりこなかった。相手への感情を自己完結させてばかりで、このままくっついても精神的なつながりはまやかしに思える。おままごと以上、恋人未満という感じ。
後半は父と子の話かな?お互いの家族問題を綺麗にしていく過程で、二人だから大丈夫、と絆を確認するような。たぶんイイ話だろうとは思う。ただ中盤あたりでメインカプへの興味が失せてしまい、さっぱり萌えを摂取できなかった。
読後は合わない文章への疲労感だけが残っている。これを吹き飛ばすほどの面白さがあれば良かったのにな。
いつきさんの本は『午前5時のシンデレラ』しか読んだことがないのですが、こちらも北九州が舞台ですね。地方都市の歓楽街?や商店街の空気が伝わってきます。ヤクザの身近な街なのでしょうか。
人の縁の不思議さ深さを感じさせるお話でした。
青磁の辛い過去と汚れたと思い込んで自分を大切にしない生活。
再会した大悟に救われ助けられ縁を感じます。
青磁も大悟親子の危機をフォローしましたからね。
二人が意識しあい好きだと自覚して結ばれて良かったです。青磁が素直になって!別人のようです。
後半は大悟の父親が撃たれ、青磁やみまわり隊の仲間を守るために頼ったのもあり、父親の側近が大悟の周りをうろちょろします。
でも親子の対面を果たしこれで2度と関わらないと決まり、青磁を守れるけど寂しさも。
父親も愛すればこそ大悟母子を遠ざけたのですね。そして今も愛情は変わらずあり。それがわかっただけでも良かったです。
思いがけず青磁の姉の連絡先もわかり、わだかまりが解けて良かったです。
お互い家族を亡くしたり疎遠だったりで、お互いがお互いのもの、孤独ではないのが安心です。
ヤクザの影がずっと二人を暗く追い詰めたりしますがもう大丈夫でしょう。
青磁が無事に表舞台でバーテンダーとして返り咲けて良かったです。
姉さん女房とか嫁にこいとか、マスオさんの気分とか可愛かったです。
帰る家に灯りがともり愛する伴侶が待っている幸せ。いつまでもお幸せに。
作者さんの地元を舞台にしているだけあって
地域名や方言がスルスル馴染みます。
九州はとっても好きな土地なので読んでて楽しいです(^^)
攻めは仕事の帰りに狩りと称して暴力を振るう少年らに遭遇。
腕っ節がシッカリしてて、夜回り隊に所属し、地域の防犯ボランティアしている攻めは助けに入り、襲われていた受けと出会います。どこか見覚えのある顔で記憶を遡ると、かつて攻めが気まずい場面に立った時、助け舟を出してくれた一流ホテルのバーテンダーだと思い出し。。。
そんな人が、なぜ場末のバーにいるのか。受けのことがとても気になる攻めは、足繁くバーに通い、少しづつ受けのことを知ろうとすのですがーーー。
攻めが逞しい九州男児です!
正義感があって、力も強く、どんな場面でも堂々とした態度で。
大切な人を守り、さりげない優しさもあって。
でも人には言えない重い血筋があり…。
父親が己の正義感と相反するヤクザ者で警官になりたい夢を折った過去があります。
受けは不憫な環境で育ち、何とか一流ホテルのバーテンダーになるものの不運に見舞われ…。
己を否定し汚すことで何とか精神を保っている危ういお人です。
実直な攻めと否定的に生きる受け。
最初のうちは2人の温度差にハラハラしました。
攻めは思い出の相手との再会に浮かれ、悪気なく相手のテリトリーに踏み込み。
受けはにこやかにスルーしつつも、嫌な思い出が蘇りさらに自分を汚す行為に行こうとし。
それに気づいた攻めが受けを誠心誠意守ろうとするのがとても良かったです。
攻めの心強さと惹きつけるパワーがカッコいい!
頑なだった受けも次第に心がほぐれ、互いに相手を大切にして暮らしてく描写にジーンときました。
ただ。
個人的にこの本はBがLしてる部分より、親の愛情を感じる方が上回りました。
大切な息子を思って他人のふりをし、2度と会わないと決めている攻めの父親。
血の繋がりはないけれど、それとは関係なく受けを大切に思う、バーの店長。
登場はしないけど、攻めの亡くなった母親や、受けの姉。
もう会うことはないけれど、会いたくても会えないけれど、愛情は繋がってるなぁと。
攻めも受けも順風満帆な人生とはいかなかったけれど、周囲の愛情を実感し、互いを大切に幸せに生きて行こうという力強さを感じました。
この「難破船」のようなバーに行ってみたいです。地元の人たちが気軽に立ち寄れるネイバーフッド・バー。
老マスターがお客と気の利いた会話を交わし、白シャツに黒いジレの美形のバーテンダーが隙のない手つきでシェイカーを振っていて、カウンターの定席に座るがっしりした青年は、隣り合わせた美女よりバーテンダーの彼に目を奪われている。
小倉が舞台の、ちょっと大人っぽいラブストーリーでした。
「シェイク・ミー・テンダー」と、二人が結ばれてからの「キス・ミー・テンダー」。小粋な感じがとてもいいのですが、惜しいのはキス〜の方の展開がやや強引だったところでしょうか。
主人公、大悟と青磁はもちろん、難破船の老オーナーや大悟の父親など、主要人物は皆魅力的だったのですが、ヤクザ描写は無くても良かったような気がしました。
しかし、優しい気分になる素敵な作品です。
ヤクザの隠し子のスポーツインストラクター×バーテンダー、年下攻め。
攻めが強くてガタイが良くて正義感でかっこよかったです。それでいて年下の可愛げもあって、これこそ年下攻めの醍醐味、と思います。
受けは一流ホテルのバーテンをしていたのに、ヤクザがらみの事件に巻き込まれて凋落しています。人間って自分に問題がなくても、運が悪ければこうやって堕ちていくんだなぁ、というような転落っぷりで、気の毒でした。公園で一夜限りの男に身を任せているところをオヤジ狩りに遭い、暴力を受けているところに助けに入ったのが攻め。攻めは攻めで、受けによって救われたところもあって、とてもいい組み合わせだと思いました。これからは仲良く幸せになってもらいたいです。