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富士山先生は作者買いをしている先生の一人です。
今回、2巻同時発売という事で、続きが気になって悶々としなくて良い!!し、たっぷりじっくり作品を楽しめるという事もあり、その点もとても良かったです。
特にあらすじもチェックせずに読み始めたのですが、前々作の「年下の彼の彼」のようなほのぼのさがあって、私はとても楽しく、そしてじわじわむずむずときめきながら読む事が出来ました。
特に大きな事件も起こらなくて、ノンケだった2人がお互いの存在が大切で、一緒に居て居心地が良くて・・・とりあえず付き合い始めて、徐々に
愛を育んでいく・・・
ある意味プラトニックな状態を経て・・・という流れがとても素敵ですし、何よりもとことん平和で、幸せな気持ちになります。
十代のピュアな初恋カップルを見ているような感じです。
攻め様の友人が理解あるというのもよかったですし、何よりも一緒に居ることがとても自然である・・・というような雰囲気を醸し出している2人の様子が、読んでいてとても心地よかったです。
表題作の他に、先生の初期作品2編も収録されています。
「猫より遠い」
客と店員として出会い、体を重ね合いながらも、お互い本当の気持ちを言えなくて、ぐるぐるしてしまう・・・そんな不器用な2人のお話です。
お互い臆病ですれ違いかけるけれども、ちゃんと本当の気持ちを打ち明け合ってハッピーエンドになるので、すっきりです!攻め様がヘタレです。
ヘタレな攻め様好きです!
「風の音色と潮の音」
10年来の幼馴染みのでもある高校生同士のお話です。
これからどうなっていくんだろう・・・なんて妄想も広がりますし、2人の一晩の逃避行(ミニミニロードムービーっぽくって良かった)も、若い!!青春だ!!という感じで、初々しくて、青くさくて良かったです。
結末が良い!!康二パパ最高です。
富士山ひょうたさん、大好きな作家さんの一人です。
今回のお話は初出が6年前という事ですが、1、2巻同時発売ということで先を読みたいストレスを感じる事無く最後まで読めて、本当に満足度が大きいですよね(笑)
他の連載は、何年もジリジリ待ってるのもありますから(笑)
特に大きい事件や、個性的な人物が出てるという事もないお話ですが、幹(攻)の谷部(受)に対するアピールが臆病で、腰が引けてると思えば積極的だったり、いちいち谷部の心境を勝手に深読みして落ち込んだりと可愛いんです。
谷部に彼女がいた頃から、行動パターンや私生活を意識して、いつの間にか自分が隣で居たいと思う幹の可愛さ。
良いわ〜好きだわ〜♡
強引に谷部に強要する事もなく、一言をつげるのも手探り状態で谷部がどう思っているかを考えて落ち込んで、いちいちが可愛い(笑)
で、また谷部が真面目で素直だから本当に穏やかにほっこり読めます。
突出した人物や事件が無いからこそ、日常の中での二人の感情の変化をじっくり読めて、後からじわじわ良い感じです。
好きな富士山さんの、楽しみにしていた新刊です。今回は、1,2巻同時発売ということでワクワクしていました。表題作の他に、昔の作品が2作品収録されています。
表題作は、富士山さんお得意の友情がゆっくりと愛情に変わっていく、大人のラブストーリーです。
◎表題作
レンタルビデオ屋でバイトしている大学生の幹と客として来ていたサラリーマンの谷部。
映画の好みが似ていたところから、2人は友人として仲良くなります。
でも、幹はいつしか友達以上の想いを谷部に持つようになって。対する谷部は、幹の想いをまさかと思いながらも薄々感づいて、居心地の良い彼の傍を今更離れられるか…と考えだします。
そんな中での、幹からの告白。ノンケだった谷部は、悩みながらも幹の想いを受け入れます。まだまだ両思いとは言えないけど、付き合いだした2人。そんな2人に、初エッチという難関が待ち受けていて…。
何か事件があるわけじゃないし、当て馬くんがいるとかじゃないけど、ゆっくりじっくりと2人の気持ちが寄り添っていく過程が良かったです。
幹(年下攻め)の、谷部が好きだからこそのヘタレぶりとか、膨れていく谷部への想いにいっぱいいっぱいになってるとことか、可愛くてキュンとなります。
一方の谷部は、男相手なのは初めてなのに、大人の包容力で幹の想いを受け止めようと一生懸命なのが萌えます。
エッチは最後までできなかったけど(谷部が怖くなったからです)、2巻では、谷部の気持ちがどのように変化していくのか楽しみです。
『猫より遠い』2000年の作品です。
バーでバイトをする大学生の江藤と客として知り合ったサラリーマンの矢野が、成り行きでエッチをする関係になって3ヵ月。でも、江藤の方はとっくの昔から矢野のことが好きになっていて、いつまでも体だけの関係なのが切なくて。
そんな時、出張に行く矢野に、飼い猫の世話をしてほしいと頼まれます。すぐ会いたいというメールの文を見て、喜んで行ったらそう言われて、やっぱり自分は都合のイイ相手なんだと…。
結局お互いにヘタレで、相手の出方を待っていた不器用なカップルでした。不器用な2人にキュンとなったけど、イチャイチャがあまり見られなかったのが残念でした。
『風の音色と潮の音』2005年の作品です。
高校生の幼馴染み同士の、友情以上恋人未満な話でした。
片方の引っ越しが決まって、別れを目前にして。一世一代の告白をしてきたことから恋が動き出します。
そんな初々しい2人に、キュンとなりました。
表題作は学生x社会人の、じっくり心の動きを辿りながらの深まっていく二人編。誰が読んでもキュンとしてしまう、さすがの展開です。
同時収録で2005年と2000年の作品が2点。
「猫より遠い」
体から始まった学生x社会人の、言葉が足りないがためのすれ違う想い。受けの焦りや迷い、若いがゆえの先走った絶望感。
お互い手遅れになる前に言葉が滑り出て。甘く仲直り、良かったね。
「風の音色と潮の音」
高校一年の夏休み。この子達は大人の駆け引きとは無縁の、ド直球な感情のキャッチボール。
『ホントはさ オヤが別れんのも 転校すんのも 康二と離れちゃうのも みんな』『嫌なんだ オレ…』
口にしながら大粒の涙をこぼす敦士。
じれったい「大人の」BLで、これが言えれば!っていうCPがどんだけいることか。
まっすぐでまっすぐで、まっすぐで。照れずに敦士のありのままを受け止める康二もまた、こんな清潔な想いに相応しい。
二人の夜の砂浜でのキスシーン、すごく尊かった。
同時発売に浮かれていたせいか。
気付かず読んでしまいましたが2009年から続いていた作品でした。
富士山さんらしい、何か特出した出来事があるわけでもない平凡な日常の中で気の置けない存在からの告白。
向けられる好意を薄々感じながらも、そんな馬鹿なと打ち消す普通さ。
リアリティを感じるという訳ではなく、想像し易い男性像から始まり進むにつれキャラの奥深い根っこの部分が引き出される。
男同士だから安易に気持ちを受け止めることも、気持ちを素直に認めることもできず始まるお付き合い。
流れに任せているだけにも見えるせいか、もう少し真剣さを求めたくなってしまいます。
けれど自然体でフランクな2人の間に紛れ込むように顕になる感情の高まり。
勢い任せの思わぬ展開に谷部の雑な性格と無駄な行動力は充分に理解する事ができました。
そしてその先は、当然次巻へと持ち越しとなります。