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ネタバレなしレビューです。敬愛するはらだ先生の作品が収録されている事から本書に興味を持ち手に取りました。結果、今まで導入部だけサラッと読んで絵柄が好みじゃないとか、なんか話がボンヤリしてると読まなかった(本当にすみません)作者さん達が物凄く面白い作品を描かれてることを知る手がかりになり…一言で言うと感謝してます。
錚々たる執筆陣。
いつ読んでも色褪せない(一部除く)、珠玉のアンソロジーです。
【少女C】(秀良子) 萌2
『学園天国』の小泉くんの取り巻き、少女AでもBでもなく、Cというところが、脇の中でも目立たない、より一層のモブ感を醸し出していてイイ。
アイドル的存在の小泉くんの秘密を知った瞬間、突然顔がデフォルメじゃなくなる演出もイイ。
「主役になれない子が、特別になれた気分」という描写が秀逸です。
個人的意見なので、お許しを。女子目線のBL作品は、秀先生のものが一番好きです。
『STAYGOLD』の美浦さん然り、少女C然り、彼女たちの心理描写が卓越してます。
【ストックホルム】(糸井のぞ) 萌
ストーカーに誘拐されたJKと、そのストーカーをストーカーしていた先生。
歪んだ関係の中で、現実と向き合った少女の決断が…。
【神の道徳論的証明】(ふみふみこ) 萌2
クラスの王子様・早坂くんと、彼の秘密を知る同級生・田辺。
別マンガかと思うほど、タッチの違う2人の間に芽生えた友情にほっこり。
この2人、いつまでも良い友人でいてほしいと願わずにはいられません。
田辺さんがいい子過ぎる。
【ナチュラチュラリィ】(市川けい) 萌2
双子の高校生・顕(あき)と花菜、それに顕に告白してきた1つ上の先輩・龍司。
同じはずなのに、選ばれた方と選ばれなかった方になって、選ばれなかった方の選ばれたかった気持ちがつらい。
運命共同体のように感じていた2人が、1人の人間として歩み出す第一歩が、切なくも見事に描き上げられています。
成長って、何かを失ったり、何かを得られなかったり、痛みを伴うものですね。
【貪欲な花】(西田 東) 萌
元教師の独居老人の田中さんと、悪徳訪問セールスの2人組。
わちゃわちゃする2人を、まだらに記憶が交差する田中さん目線でコミカルに、だけど物悲しさも感じる雰囲気に仕上げた作品。
「良い」だけの人間も「悪い」だけの人間もいないという西田節を堪能できます。
【種田くんと付き合いたい】(ためこう) 萌
カッコ良くて、性格も良くて、彼氏にしたい同級生・種田くん。
そんな種田くんの金魚のしっぽ的存在の有馬くんとの関係を察知した女子目線。
冒頭と〆の会話を重ねてくる演出がニクい。
【おりぼんちゃんと男の子】(プルちょめ) 中立
気持ち良いことが大好きで、男子に好かれて女子に嫌われるミレイちゃん。
親友同士で告白してきた翔太と凌太、2人と付き合うことになって…。
これはBL?深読みすればそうとも取れなくはないけれど、要審議。
絵とノリが時代を感じさせます。
【はいはい、かわいいね】(小鳩めばる) 萌1.5
フラれるたびに兄のゲイバーでクダを巻くトモと、トモの兄に恋する揺(ゆらぐ)。
揺の恋を応援しつつ、最後に明かされるトモの本心が予想外の方でした。
もう少し長めに、もう少し詳細に読みたい!と思わせる作品。
【玉井さん、恋と友情】(志村貴子) 萌2
コンビニでバイトする玉井さんと、バイト仲間の兄弟。
好きの矢印は思うようにいかないものです。
ただ、三角形の1点から見たら、他の2点が太線で繋がってたなんてこともあるわけで。
志村先生も女の子を使った心理描写が得意な方だなあと、しみじみ感じます。
【わたしたちはバイプレイヤー】(はらだ) 萌2
少女漫画なら主人公当確の姫海さん。
こんな素敵な女子高生ですら、恋のターゲットにならないのがBLでございます。
頭をぶつけて中身が入れ替わるという「転校生」的ハプニングからの、ドーン!みたいな笑えて、切なくて、「お、おう…」という展開。
女子BLでもはらだ先生はやっぱりはらだ先生です。
それぞれ、各先生方の単行本にも収録されている作品だと思うので(自分が作家買いしている先生についてしか確証はありません。すみません)、それを全部持っていたら、購入する必要はないかもしれませんが、フォルダにまとめて読みたいなあという方にはいいかも。
blで今すぐ萌えたい!っていう人にはこの本じゃなく別の本をすすたいですが、
純粋にすごくすごく面白かったです。
起きて最初にすることは
の続編があると聞いて、それ目当てに購入しましたが、他作品も素晴らしかったです。
余韻が残りますね。。。
私が好きだなぁと思ったのは
ストーカーの話ですかね、、
あと、玉井さんの話。
双子の話や最後のお話なんかはうーん、せつない。。。
BL×女子という難しいテーマを、
どの作家さんも自分の強みを活かしながら
面白く描いていたと思います。
テーマありきの作品集なので、
萌えよりも技巧のほうに比重が置かれすぎてるかな~。
でも、not腐女子の友達に入門書として渡してみるのはいいかも!
少女漫画で少しBLちっくな展開があるのが好きなので、きっと私はイケる!と思い読んでみました。
結果…やはりBLは女子目線というだけでは萌えないんだなぁと実感。
まずBL展開がありえない少女漫画だったらきっと萌えるんだと思います。上手く言葉で言い表せないんですが…アウェイでラッキーなモノが見れたって思っちゃうかも(笑)
しかしはらだ先生の話だけはコミカルで切なく面白かったです。
お話の作り方の上手さもあるのでしょうが、主人公も男2人も輝いて見えました。
しかし1200円+税は高いです。