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表題作フォーカス(2)

平見祐一,写真家
朝比奈純,島の写真館の店主

その他の収録作品

  • generation ago(♯7と♯8の間に)
  • それから、これから(巻末)

あらすじ

平見と遠距離恋愛を始める事になった朝比奈。一方、8年ぶりに帰ってきた父との二人暮らしも始まった。季節は秋へと移り、朝比奈の気持ちにも変化が…? 写真家×写真家シリーズ完結! 親世代編を描きおろし収録。

作品情報

作品名
フォーカス(2)
著者
西のり子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA(メディアファクトリー)
レーベル
フルールコミックス
シリーズ
フォーカス
発売日
ISBN
9784040677958
4

(39)

(12)

萌々

(17)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
156
評価数
39
平均
4 / 5
神率
30.8%

レビュー投稿数5

FOCUS-真ん中にある思いのありか-

西のり子さんの『フォーカス』の続編。
前巻で想いを通わせた平見くんと朝比奈さんの遠距離恋愛模様、
朝比奈さんと父親の再会による、親子のわだかまりは―?
見どころ満載の第2巻、シリーズ完結編です。

前作、長い間ひとり我慢を重ねながら生きてきたけれど
平見くんのおかげで、徐々にその心を溶かしてゆき
大切な人と寄り添い生きることを選択した朝比奈さん。

今作では、わだかまりは残るものの、父親との再会を果たし
平見くんとの遠距離恋愛も、静かに育んでゆく朝比奈さんの姿は
とても清々しくたくましく感じました。

一方、想いばかりが募っていき
”足りない”、”もっと一緒にいたい”、と言葉にもできず
我慢している平見くんが少し不憫なくらいです。

見どころのひとつは、朝比奈親子のぎこちない交流。
8年も音信不通のまま、
仕事のために家族を放っておいた父親の想い。
そして、本当はずっと寂しかったという息子の本音。
寂しいことを『知られたくない』のに『気づいてもらいたい』という
朝比奈さんの素直な言葉が胸を突きます。

また、平見くんに寂しい想いをさせているのでは、ということに
朝比奈さんが気づき、彼に会いに東京へ向かうシーンも良かった。
想いに揺るぎがない分、朝比奈さんの心に余裕を感じる平見くんだけど
その心の余裕は、平見くん自身が朝比奈さんに与えたもので
それはふたりで作っていくもの、と朝比奈さんが優しく諭すところで
再び熱いものが込み上げてきて止まりませんでした(平見くんの表情!)。

その後のベッドシーンで、頑張ろうとする朝比奈さんに
平見くんが手を貸して一緒に気持ち良くなろうとするところも
ふたりらしくて、本当に素敵でした♡

主役のふたりの余韻を残させるためか、
親世代の描き下ろしは最終回の手前で挿入されていています。
朝比奈さんの父・真さんと吉富さんの高校時代のお話。
短いながらも、吉富さんの想いが静かで切なくて、グッときました。

西さんは、”言葉”が良いですね。
この方が綴る言葉は、とても静かで、とても力強くて
柔らかく、時にぎゅっと胸を刺す力を感じます。
すごく魅力的な作家さんだと改めて思いました。
次はどんな作品を描かれるのか、楽しみに待ちたいと思います。

5

離れていても想い合える気持ちを教えてくれる

『フォーカス』の続編です。
1巻と合わせて、何度も読み返したい素敵な作品です。

若手写真家 平見 祐一くん(ゲイ)と写真館の館長 朝比奈 純くんのお話。

前作では、個展のために瀬戸内の小島を訪れた平見くんが、朝比奈くんと出会って、お付き合いするところまででした。
今作は、その続きからになります。

季節は桜が咲く、春。
平見くんの協力もあり、8年も音信不通だった父親に会えた朝比奈くん。
頑なになっていた心が少しずつほどけているようです。
平見くんが仕事で京都に行くことになり、スケジュールを合わせて朝比奈くんも京都に向かいます。
いろいろな神社を観光して、お揃いの携帯ストラップを買って、美味しいお料理をいただいて、温泉でゆっくりした2人。
平見くんは、会うたびにHをするのは「それ」が目的だと思われたら?と我慢しますが…。

東京と瀬戸内の小島…かなり距離があり、1ヵ月に1度ぐらいしか会えません。
うぅ ( ノД`)シクシク…遠距離恋愛って辛すぎる。
どんどん欲がでる平見くんの気持ちは自然なことです。
会いたい、触れたい、一緒にいたい
今作は、2人の「物理的な距離」と「本音」がテーマになっています。
お互いを思いやるあまり、どちらも本音を伝えられません。
1ヶ月に1度のデートが仕事でダメになっても文句も言いません。
でも、今作はおとなしい朝比奈さんが頑張ります!
京都旅行では自分からHをおねだりし、平見くんに会いに東京にも行きます。
朝比奈くんは平見くんと出会ったことにより、とてもいい方向に変わっていると思います。
平見くんが「私の場所を広げてくれた」のです。

今までの平見くんはライトな関係のお付き合いだったのでしょう。
でも、今は朝比奈くんのことをとても大切にしているのが伝わります。
大好きで、大切にしたいから、いろいろ悩むんですよね。
一方、朝比奈くんも平見くんのことを想っているのですが…Hがどんどんエロくなっています(笑)
朝比奈くんは平見くんより年上なのに、童顔で、敬語で、Hはエロいとかヤバいでしょ?!
平見くんの心臓は大丈夫かな??

作品の中では、前作にも登場した吉富さんと海外から帰国した父親 真さんのエピソードがあります。
高校の同級生だった2人。
一番の理解者で親友ポジにいた吉富さん。
ずっと真さんが好きでした。
…今も好きなのかな。
苦しんでいたのは朝比奈くんだけではなかったのですね。
しかし、高校生の吉富さんはかなりのイケメンです(笑)

描き下ろし『それから、これから』
島で個展を開くことになった朝比奈くんに、平見くんが会いに来ました。
朝比奈くんの父親 真さんと初対面。
そして、お付き合いしていることを伝えます。

穏やかで優しい時間を共有できる2人の未来がどうか幸せでありますように。
1日も早く一緒に暮らして欲しいと願わずにはいられません。
続編や番外編が読みたいな(涙)

ふわっと心があたたまり、幸せな気持ちになれる作品です。
ぜひ、たくさんの方に『フォーカス』と合わせて読んでいただきたいです。

2

2巻が出るとは思わなかったです

2巻が出るとは思わず、飛びつきました。
重い小説を読んだばかりなので、穏やかでちょうどよかったです。

今回で完結、遠距離恋愛の様子と受けの父親の若いころのお話です。
受けは元々の控えめで聞き分けが良かった性格ゆえの痩せ我慢、攻めは空回りといえるほど明るく振る舞って痩せ我慢。
言いたいことを率直に伝えられるなら、どんなにいいことか。
まだ若いふたり、この先時々喧嘩をしたりなどして、もっと仲良くなってほしいなと思います。

4

朝比奈さんがいいっ

一巻で、8年間も音沙汰なしにして朝比奈さんを一人ぼっちにしていた父親を憎みましたが、この巻では、8年間連絡ができなかった理由と父親の学生時代などの話も入っていて、ちょっと見方が変わりました。
遠距離恋愛をしている平見さんと朝比奈さんの話よりも朝比奈親子の再会とそのあとの暮らしに涙が出ました。

もちろん、平見さんと朝比奈さんとの恋愛も見所満載です。ただこの二人に限っては遠距離だからとか、浮気してるんじゃ?とか言う不信感みたいなものはなくて、相手を思うがゆえの我慢がもどかしかったです。ノンケの朝比奈さんがたまに見せる思いきりのよさや、お泊まりした時に気を使ってそのまま寝ようとした平見さんに「私にも下心くらいあるんですけど」と顔を赤らめながら言うところとかくらっと来ます。

初めてのコミックと言うことで今度はどんな作品を書かれるのか楽しみです。

1

読んでみてよかった!

よかった!
1巻を読んだ後は2巻はどうしようかと悩みましたが、
せっかくだからと思い読みました。
結果、とてもいい内容になっていたと思うので、
やっぱり読んでよかったです^^

遠距離恋愛を続ける平見と朝比奈。
会いたくても、相手の生活を思うとなかなか素直になれない二人がもどかったです。

本作では、周りの人々に支えられる部分が多く、
名言も多かったのではないでしょうか?

私は、吉富がとても好きなのですが、
父の写真に引目を感じる朝比奈の背中を押す言葉が、
とても印象に残りました。

-理想や信念は、必要なら後からついてくる。
でも、やってみないと〝後〟はこない-

この言葉、なかなかいいなと思いました。
実際、朝比奈の背中を押したと思います。

平見と朝比奈の関係も安定感を増し、
相手を想う優しさが染みました。
できたら、朝比奈の父を想う吉富の思いも報われて欲しいです。

1

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