泣きたいくらいの幸せを教えてあげる

甘やかな褥~琥珀色の秘密~

amayaka na shitone

甘やかな褥~琥珀色の秘密~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×211
  • 萌7
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
70
評価数
19
平均
3.7 / 5
神率
5.3%
著者
月東湊 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
街子マドカ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA(アスキー・メディアワークス)
レーベル
B-PRINCE文庫
発売日
価格
¥640(税抜)  
ISBN
9784048652773

あらすじ

出会いは最悪だった。生まれながらに生えていた尻尾のせいで、不幸を呼ぶ獣子として人間扱いされずに育ったルルは、領主の三男エストラーダに、夜伽の相手として領城に連れ込まれてしまう。
この尻尾を見られたら殺される……! だが、獣子と知ってもエストはルルを殺さなかった。慈しむ笑顔、優しい言葉、抱きしめる熱い腕。エストに出会い初めて幸せを知ったルルだったが、ルルの秘密がエストを不幸にしてしまい!?

表題作甘やかな褥~琥珀色の秘密~

エストラーダ,28歳,アルキア帝国ノースセントラル領・領主の三男
ルル,18歳,不幸を呼び寄せると蔑まれる獣子

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数4

待っていたのは幸せな未来

月東さんの書かれる、一生懸命で健気な受けが大好きです。

今回の新刊でも、シッポのあるルル(受け)が可愛くて健気で悶えました。おまけに、攻めになるエストとの強い絆にもキュンキュンしたし、『みにくいあひるの子』的な展開でのハッピーエンドも意表を突いて面白かったです。

ルルが暮らすのは、獣の尻尾がある人間を「不幸を呼ぶ獣子」と呼び、見つかると殺されてしまう世界です。そのため、ルルは5歳で親に捨てられて、人々に虐げられ、触れ合いや愛情を知らずに育ちました。それでも、いつも感謝の気持ちを忘れずに、人の役に立とうと一生懸命です。
そんな中、ルルが暮らす流刑人の土地にやって来た領主の放蕩息子のエストとぶつかったことでエストに見初められて、夜伽の相手としてルルは買われてしまいます。夜伽の意味さえ知らない無垢なルルは、尻尾を見られたら殺されると必死で抵抗するのですが…。

たくさんのエッチ相手の女性がいたし、最初の夜のルルに対する態度はあまり良いものじゃなかったしで、最初エストは酷い男なのかなと思いました。だけど、ルルの境遇を知って、ルルの綺麗な心に触れて、ルルが唯一無二の存在になってあっという間にルル一筋になったので、そんな溺愛ぶりに萌えました。
一方のルルは、天真爛漫な無邪気さにも理由があって、その本音をエストに伝えるシーンでは胸が痛くなったけど、エスト同様ますますルルが好きになりました。自分を不幸を呼ぶ存在だとルルが口にするたびに、エストは間違いだと諭し可愛い尻尾が大好きだと伝えて、ルルに存在意義を教えて、ルルが幸せを感じる姿もキュンとなります。
体格差もあるし、年齢も10歳差なんだけど、ルルの包み込むような愛情でエストを癒していく様子にキュンキュンしました。

途中で2人が離れ離れになるんだけど、そのおかげ(?)でルルの正体が分かります。18年もルルを探せなかったのはちょっと疑問に思ったけど、『みにくいあひるの子』だったルルに、今までの苦労が吹き飛んでスカッとしました。
離れたことで強くなった2人の愛情にも萌えたし、その2人の絆が、最後のハッピーエンドに繋がっていたのも面白くて好きです。

エストの父親やルルを虐げる人々と悪役もいるけど、2人の甘々な愛情がそれを上回って、気持ちのイイ読後でした。数年後、エッチが好きなルルに変わっていたのはちょっと寂しかったけど(無垢なルルが好きだったので)、シッポのあるコも肌の色が違うコも仲良くできる世界になっていてホッコリしました。

10

ほろ苦い御伽噺

個人的に、文章がとても読みやすい作家様。
イラストの通り、尻尾が生えていたりもしますが獣要素はそこまで高くはないかと思います。
放蕩息子と呼ばれている領主の三男×異なる外見から忌み嫌われ生きる捨て子の組み合わせ。
甘さとシリアスさ、容赦のなさのバランスが読み応えあり。
全体的に面白かったです。

獣の尾を持って生まれた主人公のルルは、政治犯の終身流刑地として隔離された村の入り口に捨て置かれていた捨て子。
偶然出逢った領主の息子・エストに見初められ、世話係として村から買い上げられる。
しかし、夜伽の相手として買われた事実に気付き、尾の存在を知られれば殺される!と必死に抵抗をするんです。
というのも、アルキア帝国では獣の尻尾を持って産まれた子を「獣子」と呼び、不幸を呼び寄せる存在として蔑みの対象となっているんですね。
これがまた、最悪の場合殺されてしまうという酷いもので。
その事から、村でも人間扱いをされずに育ち、蔑みや嫌悪の感情を向けられることはあっても知識や愛情なんてものは与えられずに生きて来たというなかなかの不憫受けです。

序盤のエストが、性欲と自身の睡眠の為に金でルルを買い、殺さないでと言うルルを強姦まがいに抱く…と、決して印象の良いものではないのですが、ルルのあまりの不憫さと健気さ、自分にはない純粋さにどんどんほだされ、あれよあれよと溺愛し始める流れには納得。
「僕、甘いものなんか食べたことがない」と言うルルを思わず抱きしめるシーンが好き。
エストって、放蕩息子やろくでなしと呼ばれながらも、領主一族の中では一番考え方がまともで、優しく優秀な人物なのですよね。
そんな、一族の中で孤立し腐り切っていた彼が、ルルとの出逢いをきっかけにして歪んでいた心が癒され、嘘のように本来の形に戻っていく。
彼にぴったりと合うピースが見つかったかのようで、ルルと過ごすようになってからのエストの変化が気持ちが良いです。

そして、劣悪な環境から救い出してくれただけではなく、ルルが獣子だと知っても気味悪がらず、甘く優しく接してくれるエストとの日々が幸せで、胸がいっぱいになっていくルルの様子が愛おしくて仕方がない。
ほんの些細な事にも感謝をし、一生懸命に小さな幸せを拾い集めて生きて来たルルが、ただの純粋無垢な子なわけではなく、人を嫌わないためにあえて良いところだけを探して来たという彼の処世術が悲しいな。
ぎゅっと抱きしめてあげたくなってしまうような愛らしい子です。
健気で一途で真っ直ぐなルルが好きだなあ。

始まりはともあれ、結果的に攻めも受けも出逢った事によって救済されていくのが運命的。
不憫な受けが一方的に愛されるのではなく、攻めが受けによって癒されていく描写もあるのが良いのです。
会話によって距離を縮めていくのも良かったですし、まだ知らない事を全部見せてあげたいと、エストがルルに新しい世界を教えては、それに対して心から喜ぶルルの図が本当に好きで。
2人のちょっとしたやり取りが甘くあたたかくって、お互いの事を好きだと、慈しみたいと言う姿がたまらなく幸せなんですよ。
不憫な子が好きな人と幸せになっていくのって、なんでこんなにも心が躍るのかな。
うーん、読んでいてすごく幸せ。

けれど、甘々のままで終わらないのが今作。
後半から怒涛の展開に入り、世界がゴロッとひっくり返るのが面白いです。
不憫な受けが攻めと出逢って、2人とも幸せになっておしまい!じゃないんですよね。
確かに途中まではシンデレラストーリーなのですが、そこからの展開がかなり大胆。
2人は一時引き裂かれ、ルルが再び酷い目に。
ルルが暮らしていた村に隠されていた事実にも驚きですが、村に対しての制裁がまあ容赦のないもので驚き。
更には、実はルルは翼獣国の王子で、ずっとその行方を捜索されていたというもの。
え、えーっ?!と、まさかの展開の連続でした。
このお話はシンデレラストーリーじゃなくて、みにくいアヒルの子だったんですね。
今度は攻めが受けに軟禁されるという、立場の大逆転がありながらハッピーエンドで終わるのが新鮮。
もう少しエストには活躍して欲しかったけれど、青空教室でエストが語る記念日のシーンに幸せがじわじわと広がって心地が良かったですし、何よりルルが嬉しそうなのが嬉しい。
展開にハラハラドキドキとし、しっかりとラブもあるファンタジー作品でした。
読み終えてみると、庇護対象のようだったルルの方が包容力があった気がします。

と、面白く読めたのですが、気になった点が何点かありまして。
・エストが眠れなかった原因は?
・獣子が忌み嫌われる理由が弱い
・領主の一存だけで戦争が起こせるのか?
・なぜ翼獣国の人々は18年もルルを見つけられなかったのか?
・メイベル、同国のあなたがなぜエストの見張り役に…?
この辺りだけなんだか置いてけぼりというか、ちょっと気になってしまって、お話が面白かっただけに消化不良で惜しい。
後半はページ数が足りなかったんじゃないかなあ。
ここまで面白いのですから、もっと後半部分や伏線めいた部分にもページ数があればもっと良くまとまったのではないかと思います。

1

受の不幸は蜜の味

ファンタジー、不憫健気、受の不幸、水戸○門展開。
個人的な大好きがめいっぱい詰まってました。
受の不幸な生い立ちから不幸な幼少期、そして不幸も不幸なまま、転校初日にパン咥えて遅刻遅刻~と慌てながら走ってたら、道の角から飛び出てきたイケメン男子とぶつかって恋がはじまる……わけじゃないんですが、そんな感じの出会いだった受と攻。

放蕩息子で知られる領主の三男坊の攻に夜伽役として買われ、何も知らないまま無体に身体を開かれてしまう受が気の毒……という、結構アイタタタな序盤。
そこから受のあまりの不幸な境遇に心を痛め、その中にありながらも心が折れることもなく、他者を恨むでもなくまっすぐに汚れなく育ってきた受の心の広さに惹かれていく攻と、攻からはじめて人間らしく扱われ、その隠された優しさと聡明さに心を開き攻のことが大好きになっていく受。
甘いお話にむふふふふ……という気分だったのですが、受が国では忌み嫌われる獣子であることがバレてからは大変なことに。この辺りは読んでいて本当に辛かったです。
受があまりに可哀想というのもあるんですが、基本的には受の不幸は蜜の味なので楽しめるのです。
でも自殺してしまった受の母親や、焼かれてしまった故郷の村(受にしてきた仕打ちは別として)のことを考えると、なんだかなぁ、と。

結局のことろ受は実は隣国の王子様だったというシンデレラストーリーなんですが、立場が逆転するような水戸黄門展開には胸がスカーっとします。
受のことを散々虐げた連中が罰を受けるのは当然のこととして、後味が最悪にならないように纏められていたのは良かったと思います。
最後のラブラブ桃色シーンでは、一瞬成長した受がまさか攻めるのか!? とドキドキするような描写があったのですが、残念ながらリバではありませんでした。
リバ好きなのですっかり角が取れちゃった攻を組み敷く姿も見たかったな、と少し残念な気持ちです。

受の一族の監視下に置かれてしまったけれど、受の誓いの騎士となったことで一緒にいることが出来る攻が、戦をせずに差別のない世の中を作るために一生懸命になっている様子は本当に良かったです。
そしてその側に常に受がいて、種族の違いがありながらも睦まじく過ごしていく姿に幸福感で満たされました。
甘味補給がしっかりできて、お腹いっぱいです。

0

よくできたファンタジーBL

ファンタジー、領主の三男×攻めが拾った尻尾のはえた獣人。

尻尾を持って産まれ、不幸をもたらす「獣人」として、養い親や村中の人々から迫害されながら育った受け、ルル。その地を治める領主の三男であり色狂いの放蕩者と呼ばれる攻めに、その劣悪な環境から救い出され、領城へ連れて行かれる。
身の回りの手伝いだと思っていたのに慰み者になるのが役目だと知った受けは、最初はあらがったものの、忌み嫌われていた尻尾を受け入れ、優しく接してくれる攻めにだんだん惹かれていく。攻めも、受けを引き取った途端にそれまでの放蕩は嘘のようになりを潜め、2人は互いになくてはならない存在になっていく。
しかし、受けをよく思わぬ人々の策略により、受けと攻めは離れ離れに。やがて戦が起こり…という展開。

これまで人間扱いされたことのなかった受けが、攻めに可愛がられる様子にほのぼの…したのもつかの間、運命は過酷な一途をたどります。
イチャイチャには萌えるのですが、あまりに理不尽な受けの扱われ方にちょっとイライラしました。もっと性根入れて守ったれや、と攻めに対してもイライラ。

(この先ネタバレ含みますのでお気をつけください)

地図にもない流刑人の村にいたせいで18年間見つけられずにいたルルを、ルルの本当の家族である一族が見つけ出し、攻めと受けの立場は大逆転を遂げるのですが、あまりすっきりはしませんでした。
攻めの身分が低く受けの身分が高い話の場合は、身分が逆転したら萌えるんですが、攻めの身分が高かった場合の下剋上はあまり萌えないなと個人的には感じます。どう見ても攻めがヒモっぽく思えてしまう。
あとルルの態度というか反応が、かつてはあんなに立場が低く、何にでも感謝するような子だったのに、身分が高くなってしまって性生活もやや積極的になっちゃうと「あれっ」と思ってしまった。あの遠慮がちでウブな、相手を立てるルルはどこ行っちゃったの、と。

6

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