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北上家三兄弟シリーズ、三男編です。
資産家の息子である大学生の攻め×ツンデレブラコン受け、というカップリング。
次男編では幼なじみ攻めのあまりのアホっぷりに怒りを覚えつつ読んだものでしたが、こちらの三男編を読んだら攻めがすごく出来た人で、こっちの攻めと向こうの受け次男がカプだったらよかったのでは…と思ってしまいました。
余った2人、あちらの幼なじみ・匡×こちらの三男・忍というカプは犬猿すぎてあり得ませんが。
まあでも、こちらの三男・忍くんも、ちょっと意固地すぎるところはあったけれどなかなかツンドラ(誤字ではないです)なキャラで、懐の深い攻め・高槻との相性はなかなかでした。
その高槻氏ですが、前作でちらっと出てきて前作受けを助けてくれたりしていたときはかなりアウトローな不良キャラだと思っていましたが、実際は女王受けにまったく頭の上がらない下僕キャラでした。受けは基本的に兄のことしか頭になく、いくら攻めに愛情を注がれても兄のほうが好きで兄のほうが優先、というブラコンキャラなので、拝み倒し口説き倒して恋人になってもらった攻めはひたすら気を遣っています。ともすれば卑屈に見えちゃうくらい下手に出て、機嫌を伺っています。
でも受けが高飛車で嫌な奴というわけではなく、悲しい過去のせいで自分自身のことが好きになれず、そんな自分のことを好きだと言ってくれても信じることができないというキャラでした。それをわかって、追い詰めず根気よく愛情を伝える攻めがとても男前でした。
前作同様、古臭さはあるのですが、文体のわざとらしさやキャラの言動のわざとらしさは少なかったです。
切なくて、じんわりするお話でした。
北上家シリーズ本 第2弾 三男編。
発売順は【次男→三男→長男】
時系列は【長男→次男→三男】
ですが、どこから読んでも単体で読んでも大丈夫です╭( ・ㅂ・)و ̑̑
三男編の攻め・高槻は包容力がある攻めでとても良かったです。
シリーズ3作の中では一番 恋人以上の見えない絆みたいなモノを感じました。
わかりやすい愛の言葉はなくてもさりげない愛情に温かさがあります。
次男CPより精神的に大人で、ちがった恋模様が楽しめました。
さてさて。
次男編で祥平を愛してやまない超ブラコンで登場した三男・忍ですが、恋人はいました。
忍が高1・恋人の高槻は大4なのでそこそこの年の差ですね。
高槻は忍の家庭教師をしています。
しかし家庭教師は会う時間を作る口実の後付け。
2人が知り合ったのはもっともっと幼い頃でーーーと展開します。
クールでシッカリ者の忍。
兄以外にはめったに笑顔を見せず淡々としているのですが、そうなった理由が切ない;;
人を愛することも、愛されることも、臆病になっていて。。。
忍は仕方なく高槻と付き合ってるだけ…という態度で恋人らしさはありません。
冷たく素っ気ない態度を忍がしても高槻は(心で泣きつつ)笑って躱すだけ。
実は兄すら知らない忍の核の部分を高槻だけは知っています。
なので忍を見守り、心の中にある殻のギリギリでふんわりと優しく包んでるような攻めでした。
何を言われても忍耐強く忍の側に居て、安心感が良かったです。
恋人の前でも冷淡で素っ気ない忍ですが、物語が進むにつれ色々な面が見えてきます。
忍は自己評価が低くて時々悲しいことを言うのがやるせない気持ちに…(;ω;)
だけど冷淡さの中に少しずつデレが混ざるのはニヤニヤしました。
わかりにくいけれど高槻に対する愛情はちゃんと持ってるのがチラ見えした時がとても可愛い!
素っ気なくするのも忍なりの甘え方なのかもしれません。
最後の最後まで忍の中の天秤は【祥平>>>>高槻】のままだったけど、
祥平より高槻を優先する場面がちょっと見たかった…かも;
でも現状ままでも高槻が幸せそうだからいいのかな?
付き合い始めた時の詳細がもっと知りたかった!
ココだけが一番の心残り(ФωФ)グヌヌ
シリーズ2作目ですが、どの巻から読んでも大丈夫かと思います。
前作・次男の祥平編は残念ながら合わなかったのですが、こちらの三男カップルはとっても良かった。
超がつくほどのブラコンで、次兄の祥平以外に対してはどうでも良いくらいのツンツンさがあるクールな子…という印象があった忍。
今作はそんな忍と、その恋人である5歳年上の大学生・高槻カップルのお話でした。
もうね、忍くんを抱きしめてあげたい。
典型的なツンデレかと思いきや、そんなことはなかった。
なんて臆病で、なんて不器用な子なのか…
パッと見ると、年下の尻に敷かれきった年上攻めCPの図に見えるんですよ。
恋人であるはずの高槻への、忍からのあまりにも素っ気ない態度に、きみは本当に高槻のことが好きなの?みたいな。
忍視点・高槻視点・高槻の弟である和哉視点で語られる今作。
実際、和弥もきっとそんな風に思ったんだろうなと思うんです。
というか、和哉視点が2人の過去をよく知らない人間から2人を見た感覚に1番近いんだろうな。
でもですね、忍という子の中身はというと、ツンデレなんて簡単な言葉では言い表せないようなとても複雑なものをどっさりと抱えているんですよ。
序盤での「ある日突然この家に連れて来られた自分を大事な弟として受け入れてくれた」というさり気ない一文に、アレっ?となっていると、少しずつ明らかになってくる忍と高槻の過去。
忍が北上家に来るまでの環境がすごく寂しくて。
愛されることを知らずに育ち、いつか捨てられてしまうのではと恐れるがあまり、自身のことを好きだと言う人のことも信じられずにいる。
人の好意を信じて去られるのが怖いんです。
そして、そんな自分自身のことも好きではない。
好きという言葉すらほとんど口に出来ない、素っ気ない言葉の裏にある感情がたまらないです。
と、結構クールに見えて繊細な子ですが、お相手の高槻がものすごく包容力と忍耐力が強い溺愛攻めなので終始安心して読めます。
これまた良い攻めなんだよなあ。
こういう攻め、本当に大好きです。
心に危うさを持った忍のこともきちんと理解した上で、脆い心ごと全て包み込んでしまうような、そんな人。
甘えたいけれど甘えられないことも、甘え方が分からないことも、忍が自分自身のことを好きになれないでいることもちゃんと分かっている。
時にはストレートな好意の言葉もちょっとは欲しいなーなんて思ってもいるようですが、高槻は忍の全てが愛おしいようなので、特に問題はないのでしょうね。
まだあまり人馴れしていない黒猫に引っかかれても、しょうがないななんて甘やかしながら撫でるような、そんなCPでした。
知らなかった愛情も、これからじっくりと時間をかけて高槻が教えてくれるでしょうし「好き」の2文字も素直に言える日は遠くない気がします。
すごく分かりにくいけれど、忍の行動に特別感や好きが現れていたりして可愛いんですよ。
前作で、祥平が荒れていた時期についての描写に、頭の中にクエスチョンマークがいくつも浮かぶ部分があったのですが、そちらに関しての答え合わせもこの巻でされていてスッキリ。
だから高槻が登場していたのかと、こちらも楽しめました。
書き下ろしはその後の2人について。
これまた高槻の恋人溺愛っぷりと、忍の分かりにくい信頼の言葉がたまらないショートストーリーなので、こちらもぜひ。
じっくりと低温で温めていくようなカップルのお話でした。
余裕があるけれど、ありすぎない包容力攻めは良いなあ。