SS付き電子限定版
何度読み返しても、楽しくて切なくて、愛しいという気持ちを味わえるお話。
好きだなぁ( ´∀`)
受け様の蜂谷と攻め様の入江は、高校の同級生。
知り合った高校時代は蜂谷視点
この頃の入江は、ハングリー精神が高めで、自分の目標の為なら、努力も手段も惜しまない。
普通の高校生なら、ちょっとえっ!?ってなるくらいな入江だけど、そんな入江に恋心を抱く蜂谷。
4年後の大学デビューは入江視点。
恋愛に関しては、本当にドーナツ脳であんぽんたんな入江。
無自覚に亭主関白で俺様思考回路な上に、どうして恋心まで行き着かないんだ!きさま〜〜と何度ギリギリしたことか。
しかし、入江の自問自答には笑うしかなく、めっちゃいい味出してる(^o^)
これまで培ってきた、絶対に失いたくない友人、という関係が大事すぎて、動けなくなる2人。
あーそこから一歩踏み出せれば、なんて切ないきゅんきゅんなジレジレ両片思い。
そして、さらに4年後に初恋の嵐がやってきました。
やっと、やっとかぁ。
それにしても、えちシーンで笑わせるって、どういうコト⁉(;^ω^)
幼なじみの良太郎もとてもいい子でありがとう。
3人とも、それぞれ応援したくなるとてもかわいい子達のラブコメ。
とても大好きなお話です。
ラーメン屋の一人息子として生まれ、何不自由なく育ってきた蜂谷。
類い希な陸上の才能を持ち、爽やかイケメンランナーというオモテの顔と、内なる乙女心とのギャップに苛まれる花沢。
飲んだくれ無職の父を反面教師に、悪徳弁護士を目指して勉強にバイトに精を出す入江。
三人の交流と懸命な毎日を、高校、大学、社会人三年目と時を追って描いた連作短編集。
すごく良かったです。
十代~二十代という多感な時期は、ただでさえ美しくてピュアで気恥ずかしいのに、初めての恋をこじらせて、不器用さ故の完全なる両片思いが素晴らしかったです。
凪良先生の真骨頂という感じがしました。あとがきにおいても、非常に楽しんで書いたとあり、あーそうでしょうねえと大きく頷くなど。
登場人物みなキャラが立っていて、特にメインの3人でわちゃわちゃ話している時など、ここが3人のホームグラウンドなんだなと思わせられました。この場があるから色々あっても心のバランスが取れるんだなと。
蜂谷と入江のカップルがメインですが、花沢もとてもよいのです。花沢は恋愛には絡んで来ないので、メインとして出張ることはないですが、前述のとおり外側と内側のギャップに悩み、それでもなんとか折り合いをつけて頑張っていたのが、陸上選手として致命的な怪我をしたのを機に失踪。
メインカップルの影に隠れていますがこちらもドラマチックです。
蜂谷と入江という、本性をさらけ出せる二人の前で、オネエとしての乙女モード全開な言動を見せることが多いため、元気いっぱいというか花沢のアグレッシブな言動をたくさん浴びました。蜂谷の背中を押したり、よく相手のことを見ていたり、人間的なふくよかさを感じていたので失踪は衝撃的でした。花沢メインのお話を読みたくなりました。
また、3人の家族の描き方もとても丁寧で、それぞれどんな家庭に育ってきたのか、成人した今もなお彼らがどんな風に愛されているのかよく分かります。
総じてとてもあたたかい世界です。
拗らせとすれ違いの畳み掛けがスゴイ。
こんなに気持ちの噛み合わせが上手くいかない2人はそういないですね。
はーーーー…焦ったいったらありゃしない。
ストーリーは、超おんもしろい。
笑いポイントの質がいい。笑わせようと思ってるストーリーじゃないのに笑えるんです。このセンス…さすがは凪良先生。話の流れを壊さずにクスッとさせる大技・小技のジャブ…めちゃくちゃ効きました。
あとはキャラクターたちが超個性的!
よくこんなに魅力的なキャラクターたちを揃えたものかと驚きです。入江の理詰め、レオの健気、オネエの良太郎、レオたんママ、イカつい社長パパ、超現実派の入江妹などなど…数え上げればキリがない。
そんな役者たちを揃えた「初恋の嵐」は、長い長い両片想いの恋物語。これがもう…耐久レースでした。上手くいきそうなのに距離が空く、この繰り返し。気の短い私にとっては拷問でした(泣笑)お話は楽しいんですよ、入江のセリフ回しはエグいし、仕事描写も考え抜かれていて隙がない。
恋愛ターンがですね…ぬぉぉぉ〜と発狂するほど焦れ焦れ。どっちも告白しないから前に進まないし、身体の関係を持ってもまたフラットな関係に戻る2人に、おいおい…と。お互いに拗らせ片想い。どーなってんのもう!ってワケです(^^;
友だちでずっといるために告らない。
ずっと一緒にいたいから告らない。
この居心地のいい関係を壊したくない。
お互いがそう思って、友人として一緒にいることを選択している入江とレオ。自分にとっての幸せな状況を選択しているようだけど、私からしたらそんな状況幸せそうに見えない。なぜ、前にも後ろにも引けないこの状況を望むのか分からない…。
そもそも友人ポジションって旨みあるのか?と思う。相手の隣に自分じゃない誰かがいたら、嫉妬しまくって気が気がじゃない。嫉妬する権利もないし。それを指咥えて見てるだけなら、友人ポジを放棄した方が良い。その時が来る未来に怯えているなら、関係を変えて欲しい。だから、この異常なすれ違いにはあまり共感できなかったです。
「友人」というボーダーに囚われているから、大事なものを見落としている気がしました。あれ?コイツ俺のこと好きかも?って思わせる言葉や行動はたくさんあったのに、お互い勘違いだろう…でやり過ごすんですよ。そろそろ勘違いの域を抜けてくれよー。入江に至っては、早く自分の気持ちに気付けよーと思ってばかりでした。
良太郎のアシストが無ければ,この2人の関係がずっと友人だったことを思うと、やるせない気持ちになりました。告白はそりゃーうまくいきましたが、告白は入江からして欲しかった!リベンジも兼ねて。
あんなにレオのことが大好きで、レオへの欲情もハンパないんだから、最後はカッコよくゴールを決めて欲しかったです。
2人のBL的には、すれ違いと拗らせ度合いが高すぎて、ちょっとやりすぎ感を感じてしまいました。ですがストーリーはめちゃくちゃ面白かったのでこちらは大満足です(´∀`)
幼馴染の二人は、揃ってゲイ。
蜂谷獅子 男の体と心のまま男に恋をする美男。
花沢良太郎 男の体で心が女の子。だから母性本能があるという、イケメン陸上選手。
・・・二人は、似ているようで微妙に根本が違う、という良太郎と獅子のやり取りが、が凄くオモシロイ。
このまま幼馴染同士で恋をするのかと思ったら、そうじゃない。
年齢を偽り、家庭教師として入江が登場。
入江の人生の目標は、悪徳弁護士になり金儲けをすること。
・・志は鋭いけれど、惚れた獅子にはからきし弱いのがオモシロイ。
大学生になり社会人になる頃、夫々人生の節目が訪れる。
初期の凪良先生の作品は、ヒネていない、凄く読みやすい。
大好きな凪良先生の作品です。
大体の作品はすごくハマって、迷いなく「神」作品って評価できるのですが時々「これは神…では無いかな?」っていう作品もあったり。
こちらの作品は読書中にじれったくてじれったくて、何度もため息が漏れてしまいましたw
じれったいの嫌いじゃないんですけどね。
もうどう見ても両思いなのに、どうしてそうなる⁉︎って歯噛みしました。
8年もすぐそばで、片思い拗らせてるなんて…読んでる者としてもちょっと呆れるくらいの拗らせ両片思いでした。
もっと早くに言えただろう、その告白。
早くくっつけば良いって訳ではないんですが、読み終える頃には悶えすぎてちょっと疲れてしまった感がありました。
それだけ焦ったいお話です。
じれじれなお話が好きな方にこそ読んでいただきたい作品でした。