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ヴァンパイアを狩るスレイヤー・キリエ(受け)は、ヴァンパイアの始祖・ユアン(攻め)に敗れ、彼の屋敷に囚えられる。
敵であるはずのユアンに、徐々に惹かれていき……
と、あらすじとしてはよくある話ですが、攻めの意外な健気さと純愛志向ぶりに(良い意味で)期待を裏切られた一冊。
エロ薄ですが、攻め受け二人のプラトニックな関係性に萌があります。
キリエは、ヴァンパイアと人間との間に生まれたダンピールで、国家がヴァンパイアを狩るため育成した戦士。
とても硬派で誇り高い人物ですが、敵であるはずのユアンに手料理を振る舞われ世話を焼かれるうち、彼のことが気になり始め……
ユアンの元恋人にヤキモチを焼いたり、身を呈してユアンを人間から守ろうとしたりと、徐々に人間らしく可愛いらしい一面が出てくるところが萌ポイントでした。
ユアンは、今は亡き恋人(実は、キリエの父親)を愛し続ける健気なキャラクター。
人間の恋人のため料理を頑張って覚え、
さらに恋人の望みで彼の血を吸いヴァンパイア化させるも、
間もなく彼は人間に囚えられ、離れ離れに。
恋人は、同じように無理やり連れてこられた人間(キリエの母親)と無理やり子を作らされ、その後殺されてしまいます。
そんな悲しい過去を持つユアンが、恋人の息子であるキリエを守ろうとする姿にとてもグッときます。
キリエも、ユアンの過去と両親の秘密を知ってからは別人のようにユアンに素直になり、その態度の変わり様に萌がありました。
絡みは少なめですが、ヴァンパイア化したキリエにユアンが自身の血を吸わせるシーン等、ヴァンパイア同士ならではのプレイが楽しめる点はオススメ。
攻め優位ではなく、互いに血を吸い合って快楽を共有するような関係が良いなと思いました。
巻末の、キリエの父親とユアンの過去編(絡み等はなし)は、個人的には蛇足に感じてしまったかも。
本編のキリエの言葉や態度だけで、彼への愛情や悲しみは十分伝わってきたので、わざわざエピソードとして語るのはちょっとくどい気がしました。
全体としては萌×2寄りです。