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表題作孕ませの神剣~碧眼の閨事~

コンラ ート ・クラウス ・フォン ・ギレンバント (貿易商)
平坂保穂(八十矛神社の次男)

あらすじ

八十矛神社に代々伝わる憑き物落としの神剣・獅子吼――社家である平坂家次男の保穂は、行方知れずのその神剣を探し求めていた。
四歳の甥、壱太郎にかけられた呪いを解くためにも…。
そんな折、獅子吼が骨董商を経て外国人貿易商コンラートの手に渡ったという話を耳にし、保穂はコンラートのもとを訪れるのだが…。
色好みと評判のコンラートは獅子吼の奉納を乞う保穂に、七日間続けて会いに来るようにと弄ぶような条件を出し…。

作品情報

作品名
孕ませの神剣~碧眼の閨事~
著者
高月紅葉 
イラスト
青藤キイ 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
ISBN
9784879199737
4.4

(5)

(2)

萌々

(3)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
22
評価数
5
平均
4.4 / 5
神率
40%

レビュー投稿数2

ナンチャッテ・フォークロア

著者の初めての伝奇ホラーを目指した、ナンチャッテ・フォークロア。
電子版にも、挿絵あり。
伝奇ホラーと言っても、著者は怖いものが嫌いらしくて、中身はちっとも怖くない。
「孕ませの神」という題だけど、オメガバースでもない。

神社に伝わる神剣・獅子吼が盗まれ、どうやら骨董店に売られて、転売されていた。
その神剣には、呪いが込められていて、宮司夫婦の間に生まれた長男にある痣と関わりがある。
神社の次男は、盗まれた神剣・獅子吼で憑き物落としを司る役を受け継ぐ。
超美人の次男が、盗まれた剣を取り戻しに、購入した貿易商コンラートに面談に行く。
コンラートが神剣を見せる条件を出す。
甥を助ける「憑きもの落とし」には、どうしても神剣が必要。
・・・といった展開。

攻が、著者作品で初めての異国人。
受は、和風美人。

いつものように、シリアスではなく、ラブコメ調。
面白かった。

0

ホラー色は強くない

ホラーとエロのコラボ大好きです。本作は日本近代の因習ものに近い印象ですが、作家様によると「伝奇ホラー」だそう。

季節のおすすめとしてご本人が紹介されていたので、ぜひ読んでみたくなりました。

導入部は以下のような感じです。


平坂家が奉仕する八十矛神社は、遥か昔、山の神を畏れて建てられた小さな社が前身。社家の次男、平坂保穂は、神主をしている長兄の四つになる息子、壱太郎の世話をしながら、盗難に遭って長く行方知れずになっている霊刀「獅子吼」を探していた。

「獅子吼」らしき刀剣を扱う骨董屋を見つけた保穂が現物を確かめに店へ赴くと、すでに売却済み。言い値の倍の価格で異人が買い取ったらしい。「獅子吼」だと直観していた保穂は、買い取った異人のもとへ取り返しに向かうのだが…。


余裕たっぷりな外国人攻めと、慎ましやかで芯のある日本男児カプでした。

刀剣をめぐる二人の駆け引きはじっとりエロい。コンラートと壱太郎が仲良しさんになって、一緒になって遊ぶ保護者モードと、保穂を襲うエロオヤジモードの切り替えがいいですね〜。二十代はオヤジではないけど笑

コンラートが壱太郎と保穂を別荘へ招待する避暑地のエピソードが好きです。ピクニックのシーンもいいけど、パーティのシーンはキュンとしました。はじめは警戒しまくっていた保穂がコンラートのことを意識してる感じ…。この時二人はもう恋に落ちちゃってます、きっと。

本作の当て馬は「獅子吼」かも笑

コンラートは霊刀と保穂が互いを呼び合う様に嫉妬して、なかなか獅子吼を明け渡そうとしません。平坂家にとって、子供を連れ去る「風ミサキ」の悪霊を祓うにはどうしても必要なのに…。

ホラー風味といえどあまり怖さを感じなかったのは、しっかりとラブがメインで、ちょいちょいエロが挟んであるせいでしょうか。でも中盤以降、コンラートと保穂の思いが通じ合った後のエチは好悪が別れそう。個人的には保穂が次第に女っぽくなっていくように感じて、ちょっと残念でした。たおやかで羞恥心強めな受けがお好きなら、お?おお〜ゥ…となるかも(どんなだ)。

クライマックスの悪霊祓いの儀式は、多少ホラー感が。そこを過ぎたら安心できるかな。

時代的には明治〜昭和初期の間?舞台は神奈川??

あとがきに頼ってしまって申し訳ないのですが、「なんちゃってフォークロア」な本作のホラーな部分が怖くて、作家様があえてぼやかしたのだそう。

山岳信仰と民間伝承と刀剣がうまくミックスされて、獅子吼のエッチな霊力がBLみを補強。刀剣が背負う歴史とその独特な妖しさって、やっぱり腐ゴコロそそりますね…♡

イラストの壱太郎がめっちゃかわいいのですが、今風の絵柄なので挿絵ページになるとバグが生じてしまって。どうしてもわたしの脳内は笠井先生の絵柄になっちゃいました。

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