イラスト入り
アルファ王の愛で、未通のオメガは淫らに開花する
高月さん×笠井さんということで発売を心待ちにしていました。
今作品の表紙、笠井さんにしては、と言って良いでしょう。肌色率がやや低め。けれど『淫心』というタイトル、そしてオメガバースもの。どんなエロが…?と思いつつ手に取りましたが、
面白かった…!
高月さんの描かれる男前な受けさんがドツボなのですが、今作品の受けさんもカッコいい。中身が。そんな男前受けさんが大好物の腐姐さまに激しくお勧めしたい、そんな作品でした。
ネタバレ含んでいます。ご注意を。
主人公はエアテリエ王国の第一王子であるゼファ。
次期国王となるべき第一王子でありながら、ゼファは王である父によっては危害され辺境の地へと追放されてしまう。理由は、ゼファがオメガだったため。
王はゼファを追放した後、国中のオメガを迫害し、愚策ともいえる政策を強いた結果国は弱小化してしまった。父亡き後、国王になったのはゼファの弟であるアテーム。しかしアテームも病に伏したことがゼファに知らされる。
弟を支え、そして国を守るために、ゼファは協定国のイリル・ローネの王・エドランドの後宮に入ることになるが―。
というお話。
かなり厚さのある作品ですが、この厚さに見合った内容の濃さ。
父がゼファを迫害した理由、ゼファがエドランドのもとに身分を偽って赴く理由がきちんと描かれているためか、するっとこの作品の持つ世界観に浸ってしまう。
タイトルの『淫心』。
どういう意味かなあ、と思っていたのですが、バッサリ言ってしまうと要はオメガをお手付きにできる精力の強さのことなんですね。身分の高い方に対しての形容詞なわけです。
エドランドは王であり、アルファであり、一度お手付きにしたオメガは二度と抱かないと。まあ、そういう前振りがあってゼファはエドランドのもとに行くわけです。
淫心。
オメガバース。
ということで、閨シーンはてんこ盛り。知識はあっても経験のないまっさらさんのゼファがエドランドに抱かれ開花されていく様は圧巻のエロさです。
が、今作品のキモはこの濡れ場ではありません。
エドランドに抱かれながらも自身のすべきことを忘れず、王族の一人である矜持を持ち、様々策を凝らすゼファという青年のカッコよさかと思われます。
けれど、濃厚な濡れ場が不要かというとそれも否。
この濡れ場を介し、二人が心を通わせていく。
まず恋愛感情あってからの、濡れ場。
この流れが定番のBL作品において、身体から入り、そこから心を通わせていくという。荒業でありながらこのストーリー展開が素晴らしく秀逸です。オメガバースものというバックボーンをフルに生かしながら、エロだけでなく、愛情だけでなく、男としての、王族としてのプライドと意地をかけての駆け引き。
カッコよ!
エドランドも、カッコいい。
すべてを持ち、彼の心ひとつですべてが決まってしまうという立場。
そこにある、彼の孤独がきちんと描かれています。
まさに割れ鍋に綴じ蓋。
彼らが、彼らであったからこそ、惹きつけ合ったのだと。
スパダリ×薄幸受け、のように見えて、スパダリ×スパダリなんです。今作品は。
ゼファは、アテームを、そして国を救えるのか。
ゼファとエドランドの恋の行方は―。
そこかしこに撒かれた伏線を回収しつつ、二転三転するストーリー展開にページを捲る手が止められませんでした。二人とも、立場ゆえに自身の想いだけを優先させることはできない。王族だったからこそ出会い、そして王族だからこそ番になることもできない。
良い…。
めっちゃ良い…!
で。そこに華を添えるのが笠井さんの挿絵。
今作品の挿絵は、エロ度はやや低め。
内に秘めた相手への深い愛情と立場による葛藤、そして自身に嵌めた枷。
そういった彼らの内面がきちんと描かれた挿絵ばかりで、これがまた良い。
今作品はあくまでエドランド×ゼファの2人がメインで、そこに様々な駆け引きが描かれているわけですが、個人的にゼファの両親の話がめっちゃ気になりました。バッドエンドになりそうですが、ぜひとも彼らのお話も書いていただきたい。あと、弟のアテームのお話も。
控えめに言って最高。
文句なく神作品な作品でした。
作家さん買いです!
もちろん、イラストもとても素敵でした…!
わかっていてもキュンキュンします。もう、これは恋に落ちちゃうよね…うん、好きになっちゃうよね…
と、わかっていてもトキメキます。上手いなーと。
読みやすくて面白い!イラストイメージで読み進められるので、2倍に楽しめました。
ハピエンなので安心して読めますし、一気に読めます!
その後のお話を同人誌で出して頂けたら嬉しいな…と、その後の2人が気になってしまいました。
こちらかなり厚めの本でした。
それなのに、テンポも良くてぐいぐい引き込まれ一気読みしました。
濡れ場シーンが割と早めに出てきたからエロエロかと思いましたが、そんな風ではなかった。
体から始まった2人が、お互いの心を通わせる様子が濡れ場シーンで表現されていてエロっちい感じだけではなかった。
そしてエドラントによってゼファが花開いていくんですよね。体だけじゃなく、精神的にも成長していくのがすごく上手く描かれてました。
最後までとても美味しくいただきましたけど、私としては、おかわりしたい。
もぉこれは『神』に違いない!
本当に本当に美しいストーリーに、これまた神がかってるイラスト……
こんなに美しい本がこの世に存在するなんて・・・
この幸福に酔います♡
攻め イリル・ローネ王国 国王
『淫心の王』と呼ばれている最強のアルファ
受け エアテリア王国 王位第一継承者
しかし父王のオメガ迫害政策で辺境の土地に追いやられている
載っているあらすじが如何なものかと…。
それにこの帯の謳い文句の「囚われのオメガは淫らに開花する」これもなぁ・・・。
そりゃ読書を煽らなきゃいけないのでしょうが、BL本のサガなのか毎回今ひとつと思うのは私だけではないはず!
それより作中終わりで出て来る言葉を少し借り
「それぞれの国を守るために、この恋は犠牲になるのか」
こっちの方が断然萌えるわぁ~~~。
と、ちょっと脱線してしまいましたが、『受け』は心ならずも身と名をを偽り『攻め』の後宮へ入るところから、物語は始まります。《後宮》って聞くだけでなんだか震えるわ♡
その《後宮》と言ってもだぁれも居ない!
番いとしての正妃も側室も。
全てこの『攻め』である王様アルファが一晩共にしただけで追い出してしまう。
ヤだ!ここも萌える要素やん!!
ここでのオメガはアルファと夜を共にする事で、初めて「道がつき」「ヒート」も表れる様になると言う設定です。
皆(オメガやその親族が)我先に王に道を付けて貰おうと、あわよくば正妃か側室にと送り込み、返されても物凄い価値が付くと狙うのだが、「肝心の王は実は……」ここも良いわァ。もう読書のツボを突くのが美味いっ美味すぎるっっ。
当然『受け』も一晩で直ぐに返されると思い込んでいたのに!!
そう♡ここから素晴らしい物語が始まって行くのです+.(*'v`*)+
辺境に追いやられ忘れ去られた『第一継承者の受け』
当然王である事の教育も成されず、僅かな本を頼りに無為に生きて来たのだが、『攻め』と出会い自国で即位した弟の為に必死で帝王学を身に付け、孤独で傀儡に近い弟を助けようとする。
見た目はまぁ妖精の様に儚い『受け』の芯の漢気。そしてそれを支える『攻め』である王。
本当に美しいです"♡"♡(*///ᴗ///*)♡"♡"
そして「オメガの王」の誕生の物語でもあります。
なかなか手に汗握る場面もあり、そして二人の愛を交わす場面のまぁ濃ゆいこと濃ゆいこと♡♡*╯ᴗ╰* L ͦ ͮ ͤ ♡♡
極めつけは隣国ミスカギートでの舞踏会の夜。
ミスカギートのアルファの国王を跳ね除け、邸宅へ戻り、寝室ではなく壁の窓枠のすぐ側、廊下には護衛の兵が直ぐそこに居る場所での二人の♡♡♡。
もぉたまんなぁーい!♡!♡!
ここここ!ガッツリと挿絵があります!
もう「 神 」かよぉぉぉぉぉ♡♡♡
と叫ぶこと請け合いです!!
もぉもぉ悶えしんじゃうわっっ。
そしていよいよ大ラスはっっ
『受け』が『攻め』から離れ自国に戻り、血統を残す為だけにアルファと番う!
えーっ
えぇーーーっ
それしか道はないの???
ぐふふ、あの『最強のアルファである 王』がそんなことをさせますかいなっ!
隣国のミスカギート王も巻き込み三国で政治的に進める!素晴らしい手腕。
勿論これには今まで嫋やかだった『受け』の王としてのひとり立ちの決心も大きく必要な訳なのですが。
はぁ~~~本当に凄い!
胸いっぱい!!
高月紅葉先生、最後まで手を抜くことなく、私達を満足させてくださいます。
ありがとうございますっ
こんなに満ち足りた読後なんてそうそうないですぜ!
そして笠井あゆみ先生の美しいイラスト。
特にこの『攻め』のカッコ良い姿ったら!
乙女(?!)の心を鷲掴み!!!
ハァハァ。
「あとがき」のイラスト
もぉこれ『現パロ』そうだよね!ね!!
とハァハァハァハァ。
興奮が冷めませんっっっ。
帯文は、「囚われΩは淫らに開花する」
貴種流離譚に類するのだと思う。中身は、酒池肉林物語ではありませんでした。
「淫」の字が嫌で、引けて敬遠してしまった。
笠井あゆみさんの表紙絵効果も凄い。
でも試し読み版で、それだけじゃないと確認。
官能シーンばかりだと飽きます。読み物として面白味が無いと嫌。
この作品は、起伏にとんだ筋書きで面白かったです。
ただの純愛物語ではなく、国難を乗り越える美貌のΩ王子の波乱万丈・純愛物語でした。
「淫心王」とは、αの中のα、最強のα王で、Ωから奪うだけではなく、与えることが出来る王のこと。
ゼファの生母(妃)が不義密通を謀ったと勘違いした父王が、怒り狂って制定した悪法の為に、幽閉され放置されたままの第一王子のゼファ。
人質を命じられた9才の姫の身替りをゼファは自ら志願して、淫心王エドランドの後宮に行儀見習いの名目で入る。
人並外れた美貌と向学心、素直な性格のゼファは一晩で帰されず、唯一独りの寵姫になる。
舞踏会で、従弟と会い、逃亡して国に戻るように告げられた。
エドランドに嘘を付けないゼファは、全てを語る。
すると、エドランドが調査した内容を聞いて、実は弟が毒を盛られ、王位継承争いに巻き込まれていることを知る。
ゼファは、エドランドに策を指南されて、騙された風を装い弟を救いに国に戻ることになる。
毒を盛った一味には、従弟も入っていた。
・・・と言う風に、
舞踏会を境に甘々モードから、冒険譚に急展開していきます。